2004/12/24

日記「主夫の悲しみ」

「パーティは手遅れ」「大反抗期モード」ほか。

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■.04/12/17(金) 12:13:24 □ 悲しみのパーティ欠席
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 萌のフルーはあまり良化せず、今日も体調はかなり悪い。昼飯を食べる前にエネルギーが尽きて昼寝。今日のプリスクール・クリスマスパーティはとても無理か。体調を整え薬をやってちょっとだけでも連れて行けたらいいと思っていたのだが、ベースレベルが低すぎて薬をやっても無理っぽい。一年で最大の催し物でダンスや歌も練習してたのでかわいそう過ぎるのだが......。

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 午後は俺と萌とで穏やかに過ごしたのだが、夕方からまた萌の体調がダウンし、役員としてパーティ準備にプリスクールに行かざるを得なかったMが戻るまで泣かせないようにあらゆることを努力する。

 Mは、「すごいわよ。萌が行けたらどれほど喜んだか......」とがっくししながら帰ってきた。まったくである。致し方ないこととはいえ、実につらい。もちろん今日がパーティだとは萌には知らせてないのだが、水曜のEL家パーティに続いてこれで、ほんとかわいそうすぎ。返すがえすもフルーショット(予防接種)をやっておくのであった。

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■.04/12/18(土) 10:04:41 □ 萌しんどし
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 萌の調子は今日もまったくよくなっていない。薬をやる代わりにできるだけ濡れタオルでオデコと側頭部を冷やしてやる。これは日本式メソッドで、カナダの人はあまりやらないらしい。いつもながら、萌が病気になると文化差異をつよく感じる。

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 終日萌はまったくシック。夜俺が寝る支度をしていると2時ごろMが起きてきたので、どうかと聞くと依然熱が高いという。よく寝ているゆえ起こして薬をやるわけにもいかないので、30分ほど濡れタオルで頭を冷やしてやった。日本のお父さんお母さんの気分である。萌は途中で起きて、薄目を開けて俺のすることを見たりしていた。やはり特に苦しくはないらしい。頭を拭われていると、不快ではないだろうがなかなか寝直せないようなので、「もうやめる?Am I bugging you(うざったいかい)?」と聞くと、しばらくしてから「もうやめる」とちゃんと答えた。これは大丈夫だな、寝よう。

 萌は寝言を言っていた。「なんだよお! きらいじゃないー(嫌いなんて言うなよの意か)!」。夢の中でケンカをしていたようだが、口調がアニメ男子になっている(笑)。

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■.04/12/20(月) 09:28:10 □ やっと回復したがパーティは手遅れ
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 もう萌は本当に大丈夫だ。熱は去り、残ったのは弱い風邪症状だけ。ふいー。

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 一日中萌と遊んでやりながら観察を怠らずコンディションを整え、熱はないしご飯も普段の半分まで食べられるしおやつも食べるし、近所をちょっと散歩しても体調がダウンしなかった。大丈夫だ夕方の幼稚園のパーティには行けると確信。

 さらに空腹で体調がダウンしないようにと出掛けにおにぎりも食べさせ、満を持して「じゃあ行こうか、今日は幼稚園のパーティだよ」と支度を開始すると、そこで萌が髪型を巡ってカンシャクを起こして泣いてしまう。この程度で泣くようではやはりまだ体調が整っていないのだとお母さんに駄目出しをされ、結局家にとどまることになってしまった。大丈夫だとは思うのだが、パーティで興奮したらまた熱が戻らないとも限らない。そういうわけで本年度3件のクリスマスパーティは全滅となり、萌の 2004 年度公式日程は全部終わってしまった。なんてことだ。あと1日早く回復していたら行けたのに....。

 子供というのは過ぎたことでクヨクヨするような精神構造を持っていないらしく、本人は泣き止めばケロリとしているのだが、「赤鼻のトナカイ」ダンスなどを練習していた萌がつくづく気の毒で、俺は自分の体調が下がるほどダウンしてしまった。とほほ...。せめてクリスマスが終わって皆がヒマになった頃を見計らって、友だちを家に招いて埋め合わせパーティをやってやろうとMと話す。

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■.04/12/22(水) 13:44:35 □ 大反抗期モード
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 昨日は萌はほぼ一日ハッピー。今日はMが仕事で出かけねばならず、萌は朝から機嫌を損ね、俺を撥ね除ける大反抗期モードに入ってしまった。とにかくまたスクリームに入って喉を壊し熱を出してほしくないので、適当にあしらい好きにさせておく。

 昼飯をはさんで何度か機嫌を直したがまたバッドになる。俺も風邪で超具合悪いのだが、とにかく気晴らしにプレイグラウンドへ行こうとすると、ジャケットを着るのが嫌だといって泣いて寝てしまった。ふー。

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 その後もハッピーになったりクランキーになったりを繰り返し。とりあえず体調を心配する必要はなくなったが、ちょっとしたことですぐに大声を出すキレやすさはどうしたもんかなと考えてしまう。とりあえず無視していると謝ってくるという傾向は見えるので、この辺をとっかかりにするしかないか。

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■.04/12/23(木) 09:34:50 □ 主夫の悲しみ
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 朝萌が俺の布団に入ってきて、「ラストナイトは、昨日はずーっと、ごめんね」と謝ってきた。「んが? ああ、じゃ今日はいい子になるの?」「そうだよ」だそうである。

 んだがやっぱり長続きはせず、昼前あたりにイタズラを注意されたことから不機嫌になる。「さっき怒らないって約束したじゃん萌」「分かるよ! 分かるけど!」という感じ。

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 午後、庭で仕事をしているMのところへ萌が出て行くといい、じゃあと着替えを手伝おうとすると、「No! マミーがいいの! I don't want Otosan!」と大声で拒絶された。怒ってカナキリ声をあげ俺を蹴るので、いくらなんでも限度を超えているときつく叱ると、萌は自分でコントロールを失い、Mが戻るまでスクリームが止められない状態になる。Mが落ち着きなさい、どうしたのよと話しかけるとじきに泣き止んだが、いったいどうしたのかとは自分ではよく説明できないらしい。ああいう瞬間は頭の中が白くなってるのかもしれない。そして説明できぬまにバタリと寝てしまった。熱はないとはいえまだ体力は戻ってないらしい。

 しかし、これまで反抗期だから仕方がないとさほど深刻に捉えてこなかったのだが、俺の primary care-giver(主任世話役の親)としての役割は、遅かれ早かれいずれ終わるんだよなと今日の絶叫を見て考えてしまった。フルタイムで家を出る小学校に入るまではと考えていたが、萌がこうして俺を必要としなくなることは、いつ起きても不思議はないのかもしれない。

 Mは「まだ萌はシックなのよ、気にしちゃ駄目よ」と俺を慰める。「一番近くにいる人への反抗はごく普通のことなのよ。普通はそれが母親だから、母親への愛着と反抗とである程度はバランスが取れるはずなんだけど、うちはトモが primary care-giver だから、一方的にトモにつらい事態になってるのよ」。なるほど。世の主夫は誰もこうした目に遭うのかもしれない。だがまあ、遅かれ早かれその日は来るのだよなあ。覚悟はしているつもりなのだが。

 昼寝から起きると萌は非常に平静になっていて、さきほどの絶叫は忘れている様子。俺も蒸し返す気もしないので、普通に遊んだのだった。

2004/12/16

日記「子供の2ヶ国語習得ルート」

「とも わるいひと?」「性格の複雑なツイスト」ほか。

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■.04/12/09(木) 11:31:18 □「とも わるいひと?」
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 萌は朝からHN・KT家へ。俺はのびのびになっていたクリスマスライトをやっとこさつけた。毎年どうやっても光量が足りずショボイとしか言い様のないうちのライトなのだが、今年は俺が担当となったので、開き直って全部を一箇所に集中させアバンギャルドな光の彫刻とした。家全体をまんべんなく光らせようとするから暗くしょぼいのであって、一箇所に光を集めれば十分にまばゆいのである。そうれそうれ。



 んで暗くなってから家に戻ると、オオ見よ! まばゆいではないか。これをぱっと見て一目でしょぼいと見破る者はなかなかおるまい。戦略的デザインの勝利なのだ。


 萌の反抗期は続いており、ふと気がつくとこんなのを紙に書いて俺に渡して逃げていった。

> とも わるいひと?
> いーひとになるか?
> なんないと
> しんじゃうぱわ(ー)やるよあなたに!
> ほんとにいーひとにな(っ)てね


 .......(^_^;;)。

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■.04/12/12(日) 10:39:49 □ 子供の2ヶ国語習得
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 クリスマスプレゼント用に買ってもらった俺 PC 用 DVDドライブを、「プレゼントの包みには古いドライブを入れてツリーの下に置いとけば、決して誰にも分かりはしない!」とお母さんを説得してインストール。金土とDVD焼きにすべてをささげてしまった。すでに5枚20GBを消化、もう焼くものがない。なにか焼きたいー。

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 今日はKT・HN兄弟をうちに招いたのだが、HNはお母さんなしでよその家に滞在するのは初めてだそうなので、さびしくなって泣かないようにと俺も一緒に遊ぶ。今日はMが家にいるので英語でのコミュニケーションもできるかなと思っていたのだが、兄弟はやはり家で話している日本語で行きたいようだ。

 ランチを食べた後はHNも調子が出て、かなり楽しく遊んでくれた。夕方迎えに来たAKお母さんと、子供たちがどうしたら英語を身につけられるか、英語教育のエキスパート・Mをまじえて意見交換する。両親とも日本人だと当然簡単ではなくお母さんも心配しており、お父さん(クイーンの We will Rock You を歌えるアニメータ)が家でも英語を話したりするなど努力してるのだそうだ。

 AKさんの知り合いには、「幼稚園や小学校に入ればどうせ英語は身につくのだから、それまでは徹底して日本語を完璧にする」との方針でプリスクールにもやらないという極端な人もいるとのことだったが、それは教育専門家Mに言わせれば複数言語を学ぶ上での脳内最短ルートをわざわざ閉じているも同然なのであるし、なによりもカナダに住んでるんだから早く英語も喋れた方が、友だちも増えて本人の生活が楽しくなるではないかと思う。

 近所の小学校でも、せっかく移民師弟向けESLクラスがオファーされてるのに、「ESLクラスに行くと他の子より正規クラスが減って勉強が遅れる」という理由でESLを取らせない親がいるそうで、子供の言葉は放っておけば身に付くという神話は根強いらしい。親が気を配ってやることで子供のソシアルライフがどれほど楽になるかを思えば、サポートしない手はないだろう。発音はプリスクールなどの英語環境で身に付くが、語彙は教えてくれる人がいなければ増えないのである。どこの言葉でも同じこと。

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■.04/12/14(火) 13:29:21 □ 性格の複雑なツイスト
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 昨日はクリスマス準備などで萌は一日ハッピーだったのだが、夜「歯磨きしよう」「ヤダ」「やんなきゃ駄目でしょ」「ヤーダ!」でいきなり爆発して大スクリームになってしまった。お母さんに慰められて泣き止みハッピーに寝たのだが、今日も「I want to do this! これをやりたいの!」と、言うことを聞かない兆候がありありで気が重い。昨晩のスクリームで喉を痛めて、今日は咳をしている。これがそのまま風邪にもつながりそうだ。ふー。

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 そんな調子で萌の態度が悪いので、腹は立たんのだが一日ゲンナリとしていると、夕方から「お父さん怒んないでよ」などと停戦交渉のようなことをしてくる。

「別に怒ってないよ、今日は萌がいじわるだからお父さんは悲しいだけさ」
「じゃハッピーに(機嫌よく)なるよ!」
「分かったよ(期待してない声)」
「ほんとだよ、悪い萌はもう、いなくなったよ」

と言う。そんなわけがあるかいと思っていたら本当にいい萌に戻ってしまった。すると本人が恣意的にキャラクターをコントロールしているのか? 分からん(^_^;;)。萌の気持ちは、以前は考えればたいていは分かるほどシンプルなものだったのだが、さすがに成長とともに複雑なツイストが入ってきているようだ。

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 夜、案の定萌が発熱してしまった。うちよりだいぶ室内温度が低かったLD家での長滞在、昨日の絶叫での喉枯れと、思い当たるフシはある。あー。明日はELちゃんちのクリスマスパーティに招かれているのだが、残念。

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■.04/12/15(水) 10:35:35 □ 久しぶりの発熱
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萌はかなりの高熱で顔もまっかだ。ぐったりしていはいてもワイニー(泣き)ではないのが救いで、一緒に「ティーンタイタンズ」の Web ページなどを見て過ごす。昨日のショーで Puffy の歌が劇中にも入っていてびっくりしたのだが、ネットで調べるとこのショーだけでなくカートゥーン TV にもホスト番組を持つ、北米人気子供キャラクターとなっているらしい。たしかにカナダの耳で Puffy の歌を聴くと、子供の声に聞こえるかもしれない。萌もえらく気に入ったらしく、テープをかけてやったら喜んで、初めて聴く歌でも2番から一緒に口ずさんでいた。

 もう一度眠って起きて猛然と食べてさらにもう一度寝て目を覚ますと、熱はすっかり下がり元気になった。よしよし。そのまま10時半に眠るまで、いろいろとクラフトをやって遊んでやった。

2004/12/09

日記「ティーンタイタンズ!」

「感情コントロールを学習中」「バービーよりも Pocket Polly」ほか。

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■.04/12/03(金) 10:51:53 □ 「ティーンタイタンズ!」
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 萌が気に入ってるおもちゃ、「Teen Titans」の大元のアニメを初めて見ることができた。すると他のと違って、バイオレントじゃないし悪役が怖くないしファニーなので(目がハートになったりする)、日本のアニメに似ていると萌ともども大喜び。



 北米製アニメには凡庸なキャラが喋りの面白さで持たせるタイプか、バイオレントな刺激性かのどっちかしかないとあきらめて萌には日本製アニメを見せていたのだが、探せばこっちにもあるんだなあ.....と感心してもう一度見ていると、オープニングソングが日本語なのに気がついた。あれれれれれ????と調べてみると、


> ティーンタイタンズ
> 米国で人気のコミックを原作としたアニメが、遂に日本初登場!
> 本国アメリカで放送開始以来、常に高視聴率を維持している人気番組。プロデュー
> サーであるグレン・ムラカミ氏自身も「日本のアニメに深く影響された」と公
> 言する程で、決めポーズやキャラクターの表情の変化などが、日本人に親しみ
> やすく作られています。
> オープニングテーマは、なんとあのパフィーが“PUFFY AmiYumi”の名前で参加。
> チアガールの応援を思わせる二人の歌はとってもキュートでカッコイイよ!


 なのだそうだ。そうなのだったのかー。やっぱり日本アニメテイストなのも道理だったのである。よかったよかった。萌はもう晩飯後も延々と、「ティーンタイタンズ!」と叫び続けていなさった。

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■.04/12/04(土) 10:24:39 □ 感情コントロールを学習中
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 今日はMがストマックフルーでカウチから起き上がることすらできんので、朝8時から夜9時半までフルタイムで萌と遊ばねばならなかった。疲労。途中一度だけ萌はキレたが(工作していてノリづけに失敗して腹を立て、ドアなどを叩いて泣いた)、しばらくすると「私さっき泣いちゃったねえ。ドアとかバーンって叩いて、ねえ」と笑うくらいの客観視ができるようになっていた。

 これは反抗期というか、実際に怒りが俺やMに向くことはなくて、感情コントロールを学んでいる最中なのねという感じ。なにかがうまくいかないとフラストレーションを強く感じ、それを布団を叩くなどの方法で発散しているらしい。俺たちはコントロールがやがてできるようになるよう、支援していけばよし。

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■.04/12/05(日) 14:03:55 □ 感情コントロールを学習中2
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 今日は初めてLSをうちに招く。LSは明るく超アクティブで、二人はえらいいきおいで騒ぎ盛り上がっていた。

 子供同士の興奮状態を見ていると、萌よりもLSの方がはるかにしっかりしているのが分かる。萌はいつもの友達といるよりやはりニューフレンドである分興奮度が高く、そして興奮しすぎてコントロールが効かなくなり些細なことでアップセットしたりする。が、LSはそんなときでもエキサイトメントの容量が萌よりもずっと大きいようで、どわーっとなりつつも平常心を残している。あれだけの興奮状態の中まったく機嫌を損ねることがなかったので、えらい子だなあと感心してしまった。半年違いという年のせいもあるのかもしれないが、それよりも明らかに興奮の許容量の問題だよなあ。

 萌は元々簡単に興奮してアップセットしすぎるんだよな。これは生まれつきなので仕方がないが、これも工作類フラストレーションと同じく感情コントロールの問題だ。少しずつ成長してもらわねばならない。

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■.04/12/06(月) 13:55:51 □ クラスで大人座り
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日本語幼稚園、萌はこないだ絵を送った Harrison Hot Springs について先生と話したかったのだが、先生が忙しくて結局ほとんど話せなかった。「幼稚園に行ったら先生と話したらいいよ」と俺が盛り上げすぎたなと反省。授業が始まってしまえばそんなことは忘れて、いつもの通り楽しんでいたけれど。足を組んで「大人座り」をしていたのには笑った。

 萌のためにというのではないが、こっちの学校でやる Show and Tell(自分のおもちゃを学校に持っていって紹介するというプレゼンテーションの訓練)みたいなことも、この幼稚園でも取り入れてくれたらいいなと思う。3~4歳じゃクラスに向かって話すなんてことは無理だろうが、旅行などのイベントがあった子に、クラスの中で先生がインタビューをして話をさせてやるような感じで。萌やST君たち2年目の子には「あいうえお」は去年の繰り返しになってしまうので、なにか変化がほしいなあと思うのである。まあ子供らは先生や友だちといるだけで楽しいのだけど。

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■.04/12/07(火) 15:17:31 □ 超ハッピーな萌に戻る
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 雨、一日家で遊ぶ。最近友だちとも俺やMとも十分に遊んでいるせいか、萌は先週の反抗期はまるでどこかに消えてしまったかのようなハッピーさである。ときおりハサミでヘンなものを切ってしまったりといった勇み足があるのが、前とは違った「私は自分でなんでもできるのよ」といった自立したがり心を感じさせる。がそうしたときも素直に反省するので、叱るまでもなくことは済むのであった。―――あ、あと寝たところを起こそうとすると、「うーん」と怒って足で蹴ってくるのが以前と違う(笑)。

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■.04/12/08(水) 20:52:50 □ バービーよりも Pocket Polly
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 ANちゃんのバースデイでHY家へ。粘土細工の見本としてルパンを持っていったのだが、これで子供たちがルパンを悪者扱いにしてどえらく盛り上がってくれた。美しいドレスを着た Pocket Polly という人形たちに、うちの粘土ルパンはボコボコにやられてました。

 Lちゃんも持ってるこの Pocket Polly というのは、萌もどう見てもほしそうなので、バービーだけは絶対に買ってやりたくないがこれをクリスマスにやろうと思う。「なんでバービーが駄目なんですか」と今日お母さんたちに聞かれ、いやーなんか典型的アメリカンビューティ消費者って感じじゃないですかとあのそのとうまく言葉では説明できなかったのだが、やっぱバービーみたいのが理想の女性美なのだという旧ハリウッド的価値観は世に絶対あるわけで、そういうのが家にあること自体が俺もMも不愉快なのである

 でもそんな親の美学哲学的な方針ゆえに着せ替え人形の楽しさを萌に与えてやれないのは気の毒極まりなくて、どうしたものかとMともども悩んでいたわけなのだが、Pocket Polly は人形の外観ではなく、着せ替えやゴッコ遊びの楽しさをポリエステルでチープに実現している。アイデア賞的なものを感じるのだ。サイズ的にもうちの粘土たちと合うので、今日みたいに一緒に戦って遊べるし。

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 HY家にはお父さんが使いなさる $1500 のアコースティックというすごいギターがあった。ちょっと音がまだ堅くて、あと 10 年くらい弾き込めば各部がゆるんで最高になるのかなあとという感じだったが、俺がこれまで弾いたアコギの中ではもうダントツの音バランスであった。やっぱいい楽器はいい。というかうらやましい(泣)。

 しかし最近ギターを弾くと、ウクレレばっか弾いてるせいで握力が減っているのか、左手がもたつく感覚がある。いまさら練習しても上達はしないが、スポーツ選手がジョギングをするように指をキープアップしていかないといかんなあと思う。

2004/12/05

日記「Harrison Hot Springs の旅」

「三角屋根のストローハウス」「萌ストマックフルー」「おとうさんのバカ」ほか。

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■.04/11/21(日) 17:51:23    □ 三角屋根のストローハウス
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今日は萌と遊んでやる日、まずピンクの姫様コスチューム手抜き版をミシンとセロテープとアルミホイルで作成して一通り遊ぶ。その後俺が一休みしていると、萌は一人で部屋の隅で紙とテープを持ってなにやらゴソゴソやっている。なにしてるのかと聞くと、「ハウスを作りたいんだけど、ドアを作ってくれる?」という。あーなるほど。



 「んじゃこないだの壁のストローハウスのもっと大きいのを作ろうか」とバージョンアップすることにした。ストローで骨組みを組んで、美しい三角屋根のフレームを載せる。屋根には薄紙やセロハンを張る。そのセロハンを煙突にして「けむりをつけよう」と萌のアイデアでケムを出し、さらに門があってドアにメールスロット(これも萌のアイデア)までついた、すばらしい豪華版となった。三角屋根に張った薄紙を裏から微調整してるときにはもー、こないだのキッチンパイプ修理よりも俺は完璧化に燃えていた。なんか萌と遊んでるとクリエイティビティが刺激されるというか、4歳児に楽しいことは俺にも完璧に楽しいのだというか(笑)、いろいろいい考えがガンガン湧いてくるなあと考えながら仕事をしていた。


 しかし最近萌はなんか俺の言うことを聞かないことが多く、俺は腹を立てたり情けない思いをしたりしている。そう反抗的ではないのだが、聞いてなかったり、聞こえないフリをしたり、全般に注意力散漫なのである。ここ2週間くらいで壁にノリをつけたし、木の葉にマーカーをつけたり、トランプをハサミで切っちゃったりしている。悪気はないのだが、やってしまってから「あ、お父さんごめーん」などというのである。明らかに注意力が散漫になっている。一時的なものなのかなあ。

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■.04/11/27(土) 10:03:04    □ 萌ストマックフルー
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 朝萌が吐いてしまい騒ぎで目を覚ます。明らかにストマックフルー。熱はまったくないのだが、昨日晩飯を食えなかったのはフルーのせいだったのだった。大丈夫だよ大丈夫だよと声をかけるも、しくしくと泣き続ける萌。

 朝起きてもものが食べられず、おかゆを作ってやっている間に寝てしまった。かわいそうなり。萌の友達は皆1日で回復したというが、明日からの Harrison Hot Springs 旅行はさすがに駄目かなという感じ。車で1時間半だから行くこと自体は負担ではないと思うが、温泉プールで遊べるほど体力が回復するかどうか分からない。

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 1時間半ほど寝た萌は泣かずに目を覚まし、「ごはんスープできた?」と食欲を訴えるので慎重におかゆとトースト少々を食べさせる。意外にしっかり食べたが、手が震えている。頑張って消化してくれ、萌の胃袋。今日は一日、アニメなど見ながら静かに過ごそう。

 午後は木のアイステャンディスティックで家を組み立てたり、アルミ箔で刀を作ってやったりして遊んだ。食べものは慎重を期しておかゆと味噌汁だけにしておいたものの、午後は夜までそうして元気に遊んだのであった。もう大丈夫だ。

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 夜相撲千秋楽。朝青龍を破れば横綱のチャンスはなくはないという魁皇が、最高の相撲で朝青龍を破った。もう取り終わった瞬間に涙がこぼれそうな顔で、たとえこれで綱を取れなかったとしても彼の相撲人生最高の一番の1つだっただろう。

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■.04/11/28(日) 09:18:08    □ Harrison Hot Springs へ
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 萌は元気にブレックファストを食べたとのこと。今日は行ける。大丈夫だ。願ってもないいい天気の旅行日より。出かける支度でゴミを出すために庭に出ると、氷が張っていた。Harrison Hot Springs は山間なので、朝などは気をつけないと。

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16:20 Harrison Hot Springs ホテル着。すごいゴージャスなホテルだ。外の温泉プールがまさに露天風呂。入りてーと萌と共に身をよじらせるが、湯温と萌の体調がどうかというところ。いずれにせよ今日はもう無理だが。

 ここまでの高速ドライブは富士山に匹敵しそうな偉容のマウント・ベイカー(10778ft=3285m)を含んだ雪山が常に視界にあって、冬の長野みたいでよかった。クルマの高速安定性とハンドリングは完璧で、ゆるいベンドでは絶品のコーナリングフォースとミり単位のコントロールを楽しめ、直線ではクルーズコントロールをかけて両足を休め、片手の指先だけでステアを保持して走れてしまった。この直進安定性はこれまででべストであり、今朝タイヤのエアを上げておいたのだが効いたようだ。高速を降りたところの小ワインディングでは、「左サイドをこれだけ沈めてこの角度でおつりのGを出さずに抜ける」というコントロールがほぼ完璧にできた。やっぱタイヤはエアぱつぱつに限るのである。快適性もまったく問題はないし。

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着いてすぐに飯を食おうとすると、レストランが開いていない。6時からだといわれる。リゾートホテルに泊まりにきて飯を食いたいときに食えないというのは馬鹿げた話で、外に食いに出た。ドイツ料理というところが一番まともそうなので入り、「プレッツェル」ってなんだっけ、ソーセージの一種かなと注文してみるとトンカツであった。やっ・た。ホテルで食わなくてよかった。そしてうまい(泣)。ドイツにもこんなにうまいトンカツがあったとは。というか元々はドイツ・フランス系の食い物なのか。

 しかしこのホテルじゃ風呂との行き来に必要なスリッパやガウンも備え付けてないし、なんかいいとこなのか違うのか判断に苦しむわ。まあ日本の温泉ホテルとは違っても当然なのだが。というわけで、初日の Harrison Hot Springs 感想は特になし。

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■.04/11/29(月) 08:40:51    □ ついに風呂へ
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 2日目、今日はやや曇ってしまった。気温5~6度じゃ外風呂は無理かなあ。俺も調子にのると一発で風邪をひきそうな最近の体調。

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ランチ後、屋内風呂からトライ。うーんいい湯だ。ちょうど信州小布施の外風呂あたりの温度。そこで10分ほど暖まってから「んじゃ外も行ってみようか」と移動。う、超ぬるい。だが、髪の毛や顔はキンキンに冷えても肩まで入っていれば体が寒くなることはないので、ちょうどそこにいた小学生くらいの女の子と遊んだりしながらえらい長いこと入っていた。最後に内風呂でもう一度暖まっておしまい。

 しかし、ここで一番熱い内風呂でもホカホカに暖まるという感覚はなかったのだが、上がって暖かい部屋に戻ると汗が出てきた。やっぱ温泉はキクんだなー(感嘆)。暖まると共にぐったり感も出てきて、あー温泉フィーリング。

それがあまりによかったので、萌は夕飯後また行きたいと、今度はMたちと出ていった。ただの温泉なら一日二度も吝かではないが、おれはもうたくさんいただきました状態なのでパス。萌も疲れちゃうだろうが、まあバカンスなのでよし。

 結局楽しみすぎて疲れた萌は予想通り寝る間際に機嫌をそこね大泣きになったのだが、よい温泉の一日だった。




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■.04/11/30(火) 10:37:52    □「おとうさんのバカ」
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 起きてメシを食うともうチェックアウト時間で、さっさと片付けすぐに出る。帰りは Lougheed Hiway をずっと来たのだが、前半部は8年前の記憶どおりの美しい景色であった。フレイジャーリバーのあのあたりの渓谷は美しい。景色を見てゆっくり走ろうと決めて 80km/h 以下で走ってきた。

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 週末は体調が悪いのと旅行で収まっていたのだが、家に戻るとまた強い反抗期になっている萌。今日は俺に「あなたなんて、いや! フン!」「おとうさんのバカ」と2度もくだらぬことを言うのである。半分は芝居なので別に腹は立たないのだが、放っておくわけにはいかず叱って大泣きとなる。これはこれまでとはレベルの違う真の反抗期らしい。まあ昨夜も猛烈に泣いた後、ベッドに横になりながら「お父さん、さっきごめんね、泣いてごめんね」と言っていたので、パニッキーな一瞬を過ぎてしまえば落ち着くのだが。

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■.04/12/02(木) 19:20:16    □ 先生にメール
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今日は雨だし車もなかったので、萌の絵日記をスキャンして幼稚園のMS先生にメールで送ったり工作で橋を作るなど、多彩に生産的なことをして萌と一日フルタイムで遊んでやった。そのせいなのか今日はまったく悪いところがなく、ランチも食べたし機嫌を損ねることもなく、先々週の萌に戻ったかのようであった。やっぱ体調がよくなりよく寝てよく食べよく遊べば、きかん気なんて出ないものなのかもしれない。


 毎日ものすごい量の絵を描いている萌だが、今日書いた本は本当に秀逸だった。「わるいおに」が出てくるストーリーなのだが、都合4カット登場する「おに」の顔がちゃんとみんな同じで、しかも悪役的魅力にあふれているのである。そいつが「いい人検出器」を手に円盤に乗って登場して、隠れていたいい子の姉妹を見つけ出し捕らえるのだが、姉妹は気丈にもおにをにらみつけ、閉じ込められた海賊船の船倉から自力で鍵を手に入れ鎖をはずして逃亡する。そして最後のページでは、してやられた「おに」が姉妹がいたはずの場所―――点線で人型が示され(!)、みしんぐ (missing=いなくなった) と書いてある―――を見つめて悲しい顔になっているのだ。まず爆笑し、やがてその工夫のすばらしさに心底感動してしまった。

2004/12/04

夏の日記をアップロード

整理し忘れていた2004年夏の日記をアップロード。

2004/11/21

日記「8年ぶりの Web 模様替え顛末」

「日英キッズ交流」「Blog 研究」ほか

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■ 04/11/09(火) 12:25:53 □ 日本語でしりとり
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セリエダイジェストを見たらインテル戦での中田はまあまあという感じだったのだが、やっぱ試合前にミッコリと共に「チームの顔役」としてどーんと映っていて、それで普通のデキじゃファンが満足しないのかなあと思った。中村もユーベ戦でまあまあ、足が遅いから1人じゃ相手を抜いてチャンスを作れないのがつらいところという感じだった。

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夕方から家族ディナーに招かれLD家へ。LD姉のTRが萌と日本語でしりとりをして遊んでくれたりして、風邪をひいてる萌は興奮しすぎてはいたが、咳はあっても元気で、楽しかったねえと大満足していた。

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■ 04/11/14(日) 10:32:20 □ Blog 研究
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昨夜萌の咳が鎮まってから「Blog とはなんなのか」という解説記事を読みながら寝た。久々に Web 関連の整理をやる気が起きてるので書きもののリンク切れなど探していると、スポナビに書いたカナダ代表コラム「For the Love of Your Country」と共に、あの記事への感想がいろいろと見つかった。
「スポナビのコラムでも読みなされ
秀逸っていうか、ここしかカナダ情報ないんだよな」
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「久々に名文を読んだ
俺はカナダを応援する」
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「コンフェデの記録を探していたときに、2001年のコンフェデのカナダチームのコラムで少し考えるところがあったので紹介します。じっくり読んでしまいました。いいコラムですね。」

と Web サッカー界有名人の人などにも読まれていたのだった。ありがたいありがたい。

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■ 04/11/16(火) 24:08:00 □ 8年ぶりの Web 模様替え
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結局自分のページを blog 化。今まで通り自前で「Recent Updates」を編集してアップロードするよりも、こっちの方がラクできれいで分かりやすい。やっぱリ店をニューアルするとモーティベーションが湧くなあ。

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録画しておいたユーベ・フォオレンティーナをやっと見る。ユーベのチェックが厳しくて中田はなかなかボールを持てなかったのだが、ハーフライン付近でたまに持ってドリブルに入れてもスピードもコース取りも足へのボールの付き方も以前より悪く、相手のチェックに持ちこたえられなくてつぶされるのが早い。まだ本調子じゃないんだろうな。中田自身の動きは悪くはないが、チームとしての連携はないので一人である程度頑張ってボールを運べないと、プレイが軽いという印象しか残らないのである。とにかく完調に戻ってほしい。

2004/11/17

「サカタ家の粘土たち」

「サカタ家の粘土たち」 - 当家ジブリ人形たちの全貌をご紹介。35体のクレイ・フィギュア(粘土人形)というやつのギャラリーです。

2004/11/17(水) by サカタ@カナダ

うちのクレイ(粘土)人形の全貌を見せてくれとのリクエストをいただきまして、オンラインギャラリーを作ってみました。これは Sculpey というプラスティック粘土でありまして、Play-Doh よりも発色と工作性に優れた粘土です。これで形を作ったものをオーブンに入れて低温で15分ほど焼くと、カチっと堅まります。非常に楽しいです。当家があ るコキットラム地区では IKEA のそばの Lee Valley Tools というところで見つかります。うちではもう40~50体の人形を作りました。いくつかは粉々に霧散してしまいましたが、ご覧ください。







ジムシー、コナン、ラナ、船長

「ラピュタ」と共に、『いい子がバッドガイに捕まるが必ず逃げて最後は勝つ』という萌のアドベンチャー嗜好を決定づけたのが、この「未来少年コナン」。名作です。このコナンは家庭内のあらゆる悪との戦いに駆り出され、何度も何度も修理→焼き直しを受けております。   



ルパン、不二子、次元、五ェ門、銭形警部

うちの隣家に偶然にも日本アニメを愛する青年が住んでまして、彼に傑作「カリオストロ」のDVDを見せてもらいました。やっぱりルパンは面白いなあとバリバリっと全員作成。「問答無用」な五ェ門の妥協なさがうまく出たようです(次元が乗ってる車は粘土じゃありません)



キキ、パズー、シータ、あらいぐまラスカル

このキキはかなり凝って、風に広がるロングドレスなどをきれいに表現したんですが、パリパリと割れてミニスカートになってしまいました。パズーとシータは 何度もトライしてるんですがどうしても顔が似ない。難しい。空から降ってくるシータの姿はけっこう雰囲気出てるんですが。飛行石も首から下げてるし。   



湯婆々、カオナシ、チヒロ

いろんな人に一番ウケたのがこの湯婆々。たぶん絵でも同じでしょうが(私は絵がまるで下手)、普通の人やかわいい人を造形するのは非常に難しくて、湯婆々みたいな強烈な顔は素人でも特徴を掴みやすいんですね。指から魔法が出そうです。



猫バス、メイ、さつき

萌がいちばん初めに見た(長編)アニメーションが、「トトロ」でした。猫バスには私も感動したのでこの猫バス製作には情熱を傾け、うまくできました。トト ロも何度も作ったんですが、萌の友達や件の隣家のアニメ青年が引っ越すときにプレゼントしてしまいました。ここに写ってるのは既製品(瀬戸物)です。>   



ムーミン、スナフキン、ミイ、スティンキー

「ムーミン」は80年代にリメイク版があったらしく、それを何本か萌に見せることができました。昔のオリジナルとは人物のキャラクターがずいぶん違って、 ムーミンとスナフキンにはあまり魅力がない。性格の悪いミイが良い。スティンキーというのはリメイク版だけにレギュラー主演している悪役です。



ドラえもん、ジャイアン、のびた

「ドラえもん」は、萌はあまり熱中しとりません。スリルとサスペンスが足りないからか。   



海賊、ピーターパン、赤ずきん、朝青龍

萌は今年{ハロウィーンでピーターパン}になったんですが、その出どこは日本のアニメの「ピーターパン」なのでした。



ナウシカ、メーべ、コダマ、アトム

「ナウシカ」は父サカタ自身が昔初めて見て感動した宮崎アニメで、今見てもうーんと胸が震えます。萌もあの怖い「オーム」も含めて気に入ってるようです (オームの子供が捕まるシーンは早送りして見せていない)。コダマは「もののけ姫」から(「もののけ姫」も怖いシーンは早送り)。   



鬼太郎と目玉おやじ

鬼太郎もオリジナルを2本ほど見せてやったんですが、お父さんが目玉でお風呂に入ってるというのがなにか強烈にうれしかったようで(笑)、何度も何度も見直してました。その気持ちは分かる。あー日本の風呂に入りたい。温泉のジャングル風呂にも入りたい。





【作りたいけど技術的なメドが立たず保留にしてるもの】
  * ドーラばあちゃん、ロボット兵(「ラピュタ」)
  * もののけ姫、アシタカ、ヤックル(「もののけ姫」)
  * わんわん(「いないいないばあ」)
  * にんたま乱太郎、八方斉(「にんたま乱太郎」)
  * ドーラ、ブーツ、スワイパー(Dora the Explorer)
  * ユパさま(「ナウシカ」)
  * ポルコ、カーティス(「紅の豚」)
  * トンボと自転車(「魔女の宅急便」)

2004/11/16

日記「4歳のエモーション」

「萌の英語問題」「14歳の盲目シンガー」ほか。

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■04/10/01(金) 08:58:29 □ 萌の英語問題
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帰ってくると近所のビッグガールズ5人がうちの前でカンケリで遊んでおり(日本とほとんど同じゲームなのだが、ちょっと違う)萌もジョインしたのだが、ルールが分からず「萌! 違うわよ!」とKTに例によって怒鳴られる。しょぼんと遊びから抜ける萌。夏前と全く同じなのであった。萌は小さいんだから怒鳴るなよと何度も言ってるのだが直らない。

成功だったという学会から戻ったMが萌に今日の一日を尋ね、萌が例によってちゃんと答えないのでがっかりし、「萌の英語が上達していない」という。グサリときた。実はプリスクールでもやはり、日本語キッズはみな日本語で話しがちになってるらしいのである。

二ヶ国語を覚えてるのだから少々遅れるのは当然だし、家族とならなんでも英語で話せるのでさほどの心配はしていなかったが、たしかに今日の午後のようにビッグキッズと遊び会話が頭上を流れて行くシチュエーションでは相変わらず取り残されている。とりあえずプリスクールで日本語キッズだけが孤立するのも困るし、英語で話すよう子供たちに奨励してくださいと他のお母さんがたにお願いすることにした。

その他の学習ソースは近所キッズとの付き合いなわけだが、言葉とカルチャーを抜きにして遊び相手として選ぶなら、萌はきつい近所ガールズより穏やかな日本語ガールズを選ぶだろう。要は近所に気の合う子がいないのだ。しかしそういうきつい性格とつきあっていくのもカルチャーのうちなんだよなあ。悩ましい。

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■04/10/02(土) 10:04:46 □ パンプキンフェスティバル
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車がないのでバスでバレエクラス。昨日の反省で朝からすべて英語を話しつつやってきた。家を出る頃には萌もモードを切り替え英語を話していたのだが、これはやっぱり不自然で、気持ちが通わない。英会話レッスンをやってる気分になりむなしい。やめよう。俺と萌はいずれにせよパブリックプレイスでは英語を話しているのだから、俺からの英語レッスンはそれ以上はレベルが上がらない。

PoCo ダウンタウンではちょうど秋の収穫祭をやっていたので、クラス後家に帰らずしばらく遊ぶ。今日はほんとにいい天気。帰ったら落ち葉かきをしなければ。

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落ち葉かきをしているとKTの友達JMがやってきた。どうもKTが留守で俺と萌と遊びたいらしいのだが仕事が進まんので適当にかまってやっていると、いったん帰って夕方前にまたやってきた。今度は萌にとってもいい機会だとバックヤードに連れて行って、3人で思いきり遊ぶ。

昨日も思ったが、うちの直近 KT・SM以外の子供たちはやっぱ普通だよなあ。話をすればきちんと相手の話すことに興味を持つし、萌とだって大声で怒鳴ったりせず普通に遊んでくれる。ジャパニーズだってカナディアンだって、キッズカルチャーに違いはあってもこれが普通だぜ。近所にこういう子がいれば苦労はないんだよ....と思っていると、彼女は「ねえ萌はSMが好きなの?」といきなり俺に聞くのだった。どへー(^_^;;)。

「うーん難しい質問だな。SMはすぐ怒るから、一緒に遊ぶのが難しいよね。ナイスなときもあるんだけど」
「そうよね。あたしなんか顔を叩かれたわ」
「え、マジ?」
「ほんとよ!」
「げっげー」。

ここで大人が一方に加勢をしては火に油を注ぐので黙っていたが。いやまったくナンギしてるんだよ近所ガールズたちには。

そしてJMは晩飯後暗くなってから三度うちにやってきたのであった。萌は小さいからもう遊べないよというと、「だけど今日は一緒に遊んでくれてサンキューJM」と萌が横で言い、JMはにっこりと笑ったのであった。よろしいよろしい。

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とまあ、今日は萌にとってすばらしい日だった。こりゃマミーが帰ってきたら楽しかったことを全部言わないとなと萌をその気にさせ、なにがあったっけとレビューして言い方を練習させてみる。そしてMが帰ってくると萌は着替えが終わるのも待てずに彼女を捕まえ、朝からここまでのことを、収穫祭がいかに楽しかったかをメインにばーっと全部報告したのであった。こういうことを話してくれないからさびしいと昨日Mはがっくりしていたので、お母さんうれしすぎ。当然「トモが教えたのね」とバレてしまっていたが、それでもたいそう喜んでおった。

夜Mと萌が映画を見ていると、画面で起きていることの意味を知りたくて萌は質問しまくっていた。本を読んでやっていても、調子に乗って適当に「おじいさんはソウレソウレといいました」などと読んでいると、「どこにソウレソウレって書いてあるの?」と文字を見つけ出そうとする。「いや実はそうは書いてはないんだ、ごめん (^-^;」と謝って読み直す。知的興味が非常に高まっている。面白い。

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■04/10/07(木) 11:14:36 □ 14歳の盲目シンガー
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夜サッカーを見ているとPさんが裏番組を教えてくれて、14歳の盲目シンガー木下航志くんというドキュメンタリーを見た。障害があっても強く生きてるといった普通のドキュメンタリーかと思ったが、たしかにすごい子であった。声の出し方1つだけで彼がすごい音を聴いているのが分かる。

最近萌が沖縄民謡「童神」という歌を気に入って歌ってるのだが、これも彼の歌い方に似ていてやっぱ汚されていない歌心というのか、めっちゃいいのである。喉への力の出しいれで絶妙なフェイドアウトを作り出していて、どうしてあんな微妙な音の変化を聞き取って自分で肉体化できるんだろうと驚いてしまう。

航志くんは中学生でポップスをすでに血肉としていて、きっとこのまま優れた音に耳を澄ますミュージシャンとして育っていくのだろうが、萌はどういうシンガーになるのだろうか。現時点では俺の影響下でいい歌ばかりを聴いてナチュラルな感覚だけで歌っているわけだが、やっぱ子供同士の付き合いが濃密になれば変わってしまうんだろうなあ。

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■04/10/09(土) 15:59:35 □ 4歳のエモーション
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大雨の一日。音楽を聴いたり階下のBRばあちゃんのところを訪れたりして、皆が家でのんびりとしている。萌はややエネルギーを持て余しているが、皆が家にいるときには心が穏やかなのが見て取れる。

こないだの航志くんドキュメンタリーの再放送があったので、萌に見せてみた。

「この子は目が見えないんだけどさ、でもピアノと歌がすごくうまいんだよ。ほらね」。自分が知ってる歌(You got a friend)も歌っており、萌は興味を持ってじっと見ていた。そして突然、「あれ? わたし涙出てるよ。ほら。どうしてかなあ」という。

「ん? 航志くんの目が見えなくてかわいそうだから?」
「違うよ」
「歌やピアノが上手でよかったなあって感じ?」
「うん」
「....そうか。それはいい涙なんだよ。悲しくなくても泣くことはあるんだよね」
「うん」

....うーん、そうかー。そうなのかー。4歳でもエモーショナルなところに、音は届くのだ。



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■.04/10/19(火) 13:04:27    □ ピーターパンのコスチューム
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  昨夜咳がなかなか止まらなかった萌と俺は寝過ごした。起きると萌はすぐに
 「ピーターパンクローズを作ろう」という。うーん、ミシンなんか小学校の家
 庭科以来使ったことないぜと思いつつ、分かりにくい説明書を読んで何度も失
 敗してやっと糸のかけ方を突き止め、昨日買ってきたオーバーオールドレスを
 パンツに仕立て、裾をギザギザに切った。それを着せて腰にひもを巻くと――
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似てる~ \(^o^)/! やっ・た。

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■.04/10/31(日) 09:31:17    □ ハロウィーン
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 夕方トリック or トリート、去年までは近所の顔見知りだけを回っていたのだが、今年は1ブロックをぐるーりと回り、飾り付けが多くてやる気を見せている家には全部行かせてもらった。萌は「This is soooo much fun!」とほとんど空を飛ぶような喜びようであった。

帰ってきてからチョコレートは2つ食べただけですっかり満足し、子供にとってはチョコレートよりも家々を回ることがとてつもなくエキサイティングなことらしい。まことこれは1年で最大のお祭りだ。しかしまったく、夏にやればいいのにと思う。寒い。日本の大晦日のお宮参りレベルで寒いのに、子供たちはコスチュームだから厚着できず、どうしたって外に長時間はいられない。

2004/11/15

ごあいさつと略歴

日記のアップロード以外に更新はほとんどない当サイトですが、見た目を改善すべく美麗 Blog サイトにしてみました。よろしくどうぞ。(2004/11/15)

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管理人サカタ@カナダ(坂田知久)略歴

1980年代前半

◆長野県の高校を出、東京多摩の私大に進む。
◆Mazdaカレッジバンドコンテストで優勝、もらった車でサマーツアーに出る。
◆大学を終え、パン屋の売り子等で働きつつバンドでの成功をもくろむ。

1980年代後半



バイト生活しつつ首尾よくレコードデビュー。がシングルレコード1枚のみを残し翌年解散。(ノイジーなニューウェイブ系バンドでした。写真は武蔵美に出たとき。青ギターがサカタ) 記事:古音楽再発見ブームに我がバンドが


1986年

◆吉祥寺に転居、弟と猫と暮らす。バイクで究極のコーナリングを目指す。アパレル会社で荷担ぎのアルバイト、体を鍛える。


バンドは創造的なロックンロールをガガガガと、渋谷ラママでやっていた(記事「1994年のスタジオ録音」)。











1990年代前半

長グツ警備ジャンパーのわが姿
(調布基地隣接サッカー場にて, 1990?)

◆警備員となって旧米軍調布基地関東村(現 FC 東京スタジアム)警備事務所に犬と住み込む。無人の基地でコンピュータとネットと英語を学ぶ。バンドにも散発的に参加。(記事:追憶の調布関東村(1)関東村警備の日々

◆     ◆     ◆

1994

◆カナダ東海岸ノバスコシア州に転居、英語を勉強。翌年西海岸バンクーバーに転居、結婚。翻訳業を開始。96 年雑文を集めたページを開設。

2000 年代

◆娘誕生。翌年バンクーバー郊外の家に転居。妻(教師、研究者)、娘(大学生)、義母の4人家族(長年同居した甥は結婚退出)。庭にかえでと桜と杉があり、落ち葉掃除が大変です。(2023年現在)


(@Kyoto 2012)
Email: 管理人サカタ@カナダ