2005/01/24

日記「浸水との戦い」

「冬のソナタがよくわからない」「レゴの指導」「書き順を直す」ほか。

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■.05/01/15(土) 09:18:55 □「冬のソナタ」がよくわからない
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 午後からLSが来訪。最初あまりにもハイパーで(笑)、俺も萌もどうしたらいいのか分からんと圧倒されていたが、それ以後は非常にいい感じで遊んでいた。

 夜、Port Coquitlam にできた新しい寿司屋「旬」に行ってきた。すし美麗&激うま。だがやっぱ田舎は定食とテイクアウトしか流行らないのではないか、どれほど寿司に気合を入れようと田舎カナダ人には定食しか理解されず客が寄らないのではないかと心配してしまう。流行ってほしいもの。

 食べてる途中で雪になる。やっ・た、新タイヤ Kumho のテストだ。前の雪が残ってるうえに新雪が積もったバックロードで感触を確かめ、いかにもツルツルという感じの Oxford、雪煙が舞う Prairie と進んでいく。ターンの立ち上がりで前後輪の回転差をグヌヌと感じる以外、ドライ路面を走ってるのとほとんど感覚が変わらないことに唸ってしまう。もちろん自信過剰が一番怖いので正気の雪上スピード以上は出せないが、とにかく雪のグリップはすごいわこのタイヤ。

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 夜 TV Japan で「冬のソナタ」というのを見たが、昔の「飛び出せ青春」みたいだった。ヨン様という人が不良の石橋正次で、"意外にも" さまざまな才能を発揮するところとか、昔のマンガだなこりゃ。なぜにこれがそんな天下無双の大人気なのだろうか。女優さんはまあ昔の日本の女優よりも表情があってかわいいけど、それ以外は「飛び出せ青春」の類の方があらゆる面で面白かったと思う。生徒役の役者たちなんかペーソスがありまくったし。分からん。......まあ分からんといえば流行歌も流行ドラマ流行アイドルもなにもかも、俺には昔から分からんのだ。今に始まったことではない。

(※)後日、「後からよくなる」とすでに見た方から教わった。なるほど。

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■.05/01/16(日) 22:48:37 □ レゴの指導
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 雪は昨日の夜半から雨になり、今日はBCらしからぬ寒さもついに峠を越したという感じの終日しとしと雨だった。萌が久々にレゴを出したのだが、自分では組み立てずMに任せていたらしい。レゴは緻密な数学的思考を要するおもちゃで、数学一家出身のMは大得意ですぐに幾何学模様の建物を作るのだが、萌は作った建物に人形を載せて遊びたいのであって、建築そのものには気持ちが盛り上がらないようだ。

 後から俺がしっかりとした土台と床の基礎と外壁を作り、「これでもう壊れないから後は何を付けてもいいよ。自分でやってみな」というと、萌はたちまちやる気を起こして「ここはポリーが入るドア」「この屋根がドアの上にくるの」「ここに階段つけたいんだけど、やってくれる?」と、ひらめきまくってデザインをし、パチパチと面白い「タイタンズタワー」を完成させていった。やっぱり今のところは芸術家タイプだな(Mも絵が超うまいし)。

 俺も可動式のパーツを使って「これ罠ね、トラップ。その下が牢屋になってるの」と落とし穴を作ってやる。すると萌はもう心得たもので、「あれーバッドガイはどこだー? ―――ああああ!」と落とし穴にさっそくロビン人形を落とし込んでいた。

 明日萌はプリスクールで Show & Tell(おもちゃなどを持っていって、それがなんなのか、どうやって遊ぶのかを皆に説明する初歩のプレゼンテーション)なので、その練習もする。やっぱりタイタンズ人形とポケットポリーを連れて行って、いつもこれでグッドガイ・バッドガイごっこをやってるのだと紹介するのだそうだ。子供にとっては晴れの舞台らしく、えらい張り切っている。本番になったらシャイになって喋れなくなるのかもしれないが。

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■.05/01/17(月) 20:11:53 □ 嵐の渋滞1時間45分
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 昨日からの雨が大雨になる。昼間NRさんたちにモンテソーリとジムナスティックスの情報を教えてもらい(萌のために考えねばならないことは実に多い)、飯を作ってから大雨の中を幼稚園に出ようとすると、玄関前の排水口が詰まっているのを発見。これはエライことだと放っておくと家が浸水すると時間ギリギリまで棒を突っ込んで泥詰まりを貫通させようとしたが、水がはけていかない。ちょうどBRが戻ったので危機を伝えて出たが、大丈夫だろうか。

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 そして幼稚園からの帰路、とんでもない大渋滞に遭った。モールの手前から渋滞してるということはハンパではないと、PoCo ダウンタウンに抜ける裏道を目指すがなんとその裏道につながる道までがギッチリ詰まって動かない。これはただごとではない。何かがあってピットリバーブリッジまで延々詰まってるに違いない。いっそ Mary Hill Bypass に大迂回すべきか。

 ハイウェイを1時間近くかかってやっと横断するもそこから先がまだ動かず、とにかく最初に駐車可能だったパーキングで我慢していた萌におしっこをさせる。こんな大変な事態になってもおしっこさえしてしまえば明るく愚痴を言わない萌がえらいので、先ほど幸いにも買ってあったえびせんをあげる。もう晩飯の時間は1時間以上過ぎている。

 ダウンタウン裏道なんかは PoCo 市民しか使わないので、分岐を過ぎればもう大丈夫....と思ったが PoCo 市内でまたも詰まる。あとはもう選択肢はなくジリジリと進むしかない。そこからダウンタウン出口までさらに 30 分以上かかったが、あとは PoCo 市内なので大丈夫だった。コキットラムセンターからうちまで 5km を1時間45分、距離が短いので時速に換算すれば人生最悪クラスの渋滞であった。

 連絡のしようもなかったのでMが心配して泣いてるよなあと萌ともども心配してたのだが、彼女はラジオで渋滞情報を得ており過度な心配はしていなかった。いったい何の渋滞だったのよと聞くと、長雨で Mary Hill Bypass が冠水して、橋向こうの住民が全部コキットラム方面に回ってきたというのが原因だったのである。ほえー。冠水してたバイパスに迂回しなくてよかった。そういや前の豪雨のときも冠水してたよなあ。雨は2003年の洪水時より少ないと思うが、おとといまで雪が降ってたのが突如気温10度の大雨になり、雪解け水が同時に発生しているのである。まあ今のところは近辺では Mary Hill Bypass だけで、うちの前の排水口は幸い水が引いていた。ふいー。

とにかく腹が減った、疲れた。萌は2時間近くも車に閉じ込められても不平を言わず明るく、本当にえらかったので晩飯後チョコレートを2つあげたが、朝から Show & Tell で興奮していたしほんとに疲れたのだろう、早く歯磨きして本を読もうと自分から言ってきた。Show & Tell はうまくできたらしい。ふいー、疲れた。

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■ 05/01/18(火) 09:44:54 □ 浸水との戦い
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 寝ていても雨音が気になる日。Mに聞くとリッチモンドとサリーで浸水が起きているとのこと。「伝説級の大嵐」だそうだ。去年も「世紀の大雨」と言ってたではないか、いい加減な。前回もそうだったが、カナダの場合ローカルTVというものがほとんどないので、どれほど自分の地域に差し迫った事態なのかがTVでも Web でも分からずイライラする。地域情報はCBCラジオですでに起きている被害情報が出されるだけで、「知らせがないのは大丈夫な証拠」と受け取るしかないのかね。

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 午後、強い雨脚とともに玄関前排水口のウォーターレベルが過去最高になり、水たまりが家に危険なほど近づいた。飛び出して水を掻き出し、流れがいい裏の路地の排水口に捨て始めた。MK青年はそんなのは焼け石に水だ、表層の水を取り除けば浸透圧で近隣の水が等量同じだけ入ってくるだけだと手伝わないのだが、放っておけば数十分のうちに家の土台に水が達するわけで、これ以外にできることはないではないか。こうなると理屈ではないのである。

 1人でのバケツ掻き出しではちょうど雨量とトントンで、休んだら負けだという状態だったのだが、途中からリサイクルの巨大バケツにいったん水をためて運ぶという手を思いつき、これが効いて2往復であっという間にレベルはグラウンド以下になる。これだったら体力的にまあ当分は続けられるとほっとしたところでちょうど雨量も下がって、いったん終了。その間にBR母さんがシティに電話をしたのだが、市のパイプは十分に水を流してるので、家の排水構造の問題だ、個々の家までは面倒見れないという返答だったそうだ。はあ。まこと人生は波風なしには進めない。

 とりあえず隙を見て排水パイプに棒を突っ込みゴリゴリやったのが効いたか、エリアのウォーターレベルが下がったのか、夜からは問題なくなった。ほっ。

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 そっちにかかり切りになっている間に、夜中ベースメントのBRの部屋に水が浸水してきた。もうなにも考えられず黙々と雑巾で水を吸い取り絞る。本当の災害に遭うとこういう気持ちなんだろうなあと想像する。ちょうどBRがフローリング床改装をやっていたところなので家財に被害はないが、その床は使われる前に床下浸水で駄目になってしまった。先週床を張る前にこれが起きていてくれたら、発見と対処は100倍ラクだったのだが。

 家のあの部分の土台はどうなってしまうのだろう、いったい修理にいくらかかるのだろう、ただそれだけを考えていた。この家は好きだが、どうしてグラウンドレベルより下に作ってくれたのかと設計者をうらむ。まあそれが「ベースメント(半地下室)」なのだが、なぜこんなに雨の多い土地でベースメントを作るのだろうか。分からぬ。朝まで続けているわけにもいかないので、1時間半やって3時前に中止。今は数日ぶりにいったん雨が止まり、空に雲の切れ目が見えている。雨よ止まってくれ、もううちは耐えられん。

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■ 05/01/19(水) 10:40:35 □ 浸水の後片付け
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 大筋肉痛とともに目覚める。雨は朝までしょぼ降りで済んだらしく、セットしておいた雑巾と除湿機でかなり水は吸い取れた。萌を送り出すとまた雨が来たので、とにかく外側にプラスチックシートをかぶせて水が直接壁際に流れ込まないようにしておく。玄関前排水口は昨日より水位が 5cm 下がり、大降りでもあふれなくなった。やっぱりこの水が流れ込むシティ下水の水位が下がったのではないだろうか。

 雨がやむまでは外側はいかんともしがたいので、すでに水につかり駄目になったドライウォール(内壁のしっくい)下部をはがして浸水箇所を探すことにした。そこを抑え、雨がやんだら外を抑える。ドライウォールはMK青年が元に戻す技術を持っているらしい。

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 なにはともかく床を乾かさねばならないので、床板を全部はいだ。MK側の壁にはさほどの水量は届いておらず、下敷きの吸湿気フォームが床一面均等に水を浸透させていたので水タプタプに見えただけで、被害は床板と庭側の壁とクローゼット部分のドライウォールだけである模様。それらを直すだけでなんとかなるかもしれないという感じで、やや希望が湧いてきた。必死にやって気がついたら12時半、クラクラと休憩を取りブランチを取る。後は除湿機で徹底的に乾かすのみ。昨日からの疲労で気を抜くとぶっ倒れそうだ。

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■ 05/01/20(木) 09:28:47 □ リークはどこなのだ
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 昨日は相撲を見ずに早く寝、9時間寝た。これで体力が回復したので、今日はMKとともに頑張らねばならぬ。MBさんから久しぶりにメールが届く。禁煙したとのこと、うーむ俺もやはり頑張らねばと反省する。

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 午後、ドライウォールの濡れて駄目になってる部分をはがし、外壁際に水を流し込んでテストを開始した。ところが1時間放水したがリークはなし。困った。水量が足りないのか、時間が足りないのか。とりあえず2時間やれば出るという確証もないので、他に余分な浸水を起こしそうで怖い壁際ダイレクト放水は中止し、3時間ほど置いたがまったく変化なし。分からぬ。プロはどうやってリーク箇所を探すのだろう。リークが起きるまでひたすら水を流すのだろうか。

 そのまま夕方まで観察を続けたが、リークはまったく発生しなかった。本当の雨の大降りに比べると、水道水など水量のケタが違うのかもしれない。それに水が流れ込んだと明らかな箇所がどうしても見当たらないので、クラックではなく浸透してきているのかもしれない。ここまで来て分からないとなると、やはりプロの見立てに頼るしかないと断念。ふー。

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■ 05/01/21(金) 19:00:35 □ 萌風邪
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 雨がやんだ。まあまたポソポソは来るだろうが。夕方、保険屋から電話がある。浸水修理の補償に希望がないことはないような口ぶりであった。まあその場合でも自己負担は大きいので、保険が出るよりは出ない事態で済んだほうが助かるのだが。

 萌は夜は軽い咳が出始めた。そろそろまた風邪が来る頃だと思っていたので仕方がない。昼間遊んだKTも風邪をひいていたし、夕方さらにプリスクールで遊んだしな。そういえばさっき俺が取り残したサバの骨がのどに引っかかって、萌は経験したことのないタイプの痛みにパニックになりそうになったのだが、「大丈夫、ご飯をまるめて飲むんだ」とやらせたら見事に取れた。日本人の知恵は偉大だと思ったというか、ちゃんと骨取ってやれよ>俺。

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■ 05/01/22(土) 10:19:27 □ 書き順を直す
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 萌は軽い咳とハナミズ症状となるが、体調は問題ない様子。最近気に入っているレゴで遊んでやる。車に乗りたくてたまらないが、何も出る用事はない。

 萌のひらがなやアルファベットの書き順がけっこう間違っているので、一緒にマンガを書きながら直してみる。そんなのどっちでもいいじゃんと言うかなと思ったが、正しい書き順は子供心にも納得するものがあるようで、あそうかと練習している。俺自身があまり自信のない書き順もあるんだけど。しかし萌と共作したマンガがまたおかしくて、笑った笑った。今回は英語のセリフを入れたので、Mにもウケた。めでたしめでたし。

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 朝青龍無敵の優勝。今まで見た朝青龍優勝の数場所の中で、優勝後の場内インタビューが一番盛り上がっていた。3戦も4戦も残して優勝しても、その後も絶対負けないという気持ちがむき出しの相撲を取った横綱を賞賛しているかのようで気持ちよかった。

2005/01/16

日記「うっかりサンタさん」

「禁煙はまる2日で挫折」「タイヤ探し」ほか。

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■ 05/01/09(日) 10:54:34 □ ELと雪遊び
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 昨日一日家で俺と過ごしたので、今日はELちゃんを呼ぶことになった。萌はこの週末体調ダウン気味かなと警戒してたのだが、風邪の兆候はない。

 俺は今年の冬はもう2度も咳に悩まされたので、さすがにトシを自覚してタバコをやめようかと考えている。今残ったタバコが今日一日で終わるので、テストとして買い足さずに行ってみよう。あれば吸ってしまうのは当たり前。元々量は一般的スモーカーより少ないとは思うが。

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ELちゃんは屋内ではあまり盛り上がらなかったのだが、うちのMK青年が外の雪遊びに誘ってくれ、皆でバックヤードで遊ぶとバリバリでニコニコであった。雪合戦で盛り上がり、ソリをやってひっくり返ってギャハハと大笑いし、楽しい。なんか日本語で話が通じないときは英語にすると分かることが多いようであった。喋る方は日本語の方が得意そうに聞こえるが、両親の会話が英語なので聞く方は英語の方が得意なのかもしれない。

 タバコは朝の1本、ニコチンガム2個で今日は終わった。このまま我慢は可能なような気がするが、これでほんとにおしまいなのかいと思うと悲しい。禁煙の真の難しさは、この寂しさにあるに違いない。

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■ 05/01/10(月) 09:09:15 □ 禁煙2日目
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 朝イチでタバコが吸えないのはつらい。さすがにこれはキツイ。朝からニコチンガムを噛むのも気が進まんしなあ。だが仕方がない。

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 夕方幼稚園に萌を連れて行く頃には、丸一日半の禁煙でさすがにつらくなってきて、萌を降ろすと用もないのにモールに向かっていってしまった。明らかに俺はタバコを買おうとしている (^-^;。「まあニコチンガムがあるとはいえいきなりゼロ本から禁煙を開始するというのは無理がある。普通は徐々に減らすのではないだろうか」などと自分に言い訳しつつタバコを探したのだが、売ってなかった。車に戻ってニコチンガムを噛みながらしばし考え、まあとりあえずどこまで行けるか実験を続けようと心を決めなおした。

 幼稚園に戻ると餅のおやつタイムになっていた。俺も萌も2つもいただいてしまった。餅はうまい。

 夜はどうやらニコチン禁断症状のピークは越えたのか、そんなに苦しくない。1日ガム2個で我慢できてしまうんだから、やっぱりそんなに中毒ではなかったのだろうか。ということはやっぱり吸っててもそんなに体に悪くはないんではなかろうか―――んなことをついつい考えてしまいます。

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■ 05/01/11(火) 10:30:04 □ 禁煙はまる2日で挫折
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 朝イチでMをバス停に送り、帰りにそそくさとタバコを買ってきてしまった。あっけなし。う、うまい。しかし2日ぶりなのでクラクラする。とりあえず2日我慢することは可能というデータが取れたところで、あとは量をなるたけ制限する方向で行ってみよう。元々吸ってたのが1日6~7本だったのを、まずは4~5本に。

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 永住カードというものを作らないと海外旅行に行けなくなったとMが聞き及び、調べてみるとこれに4ヶ月かかるという。ということは4~5月に日本に行くという案が消滅する。愕然。もう永住権は持っていてそれをプラスチックのカードにするだけなのに、なぜにそれが4ヶ月もかかるのだ。こんなのは移民局に出向いてその場で発行してもらうというレベルの仕事ではないか。世界共通の役所仕事の馬鹿ばかしさ。

 分かりにくいガイドをプリントして精読し、電話もかけて問い合わせやっと何をしたらよいのかの全貌が分かると、さらに脱力した。ほとんどの書類はオンライン pdf で入手できるのだが、1つだけは郵送してもらうしか入手方法がない(自力でダウンタウンまで取りに行く時間がない)。どうみても間に合わない。がっくり。本当にどうかしてるぜ、この現代の情報世界で。というかこの現代の情報世界でこれほどの一大事を知らなかった俺が悪いのだが(泣)。

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 がっくししつつも揃えられるものから揃えるしかないと証明写真を撮りに行こうとすると、すごい粒雪がざあざあと降っていた。ものすごく滑る。これは危ないとソロソロ走る。写真屋で芸術家っぽいアンちゃんに「あんたメガネかけててバディホリーに似てるねえ」と言われた。「ギターも弾けるぜ」というとカッコイイねえと褒められ、ギターを持ってたら「ペギースー」をサービスで歌ってやるところであった。

 バス停でMを拾いぐるっと車を出すと、リアがずるんずるんと左右に振れダックテールになってしまった。それでも前に進んで収束し、加速時にリアにパワーがかかるスバルの4WDシステムを感じられてうれしくないこともなかったが、こりゃ本当にこの溝なしタイヤではいかんと超慎重に走る。

 Lougheed に入っても 40km/h 程度でそろーりそろーりと走っていると、俺の後ろにボルボの XC70 という車がピタリとつけ、右に左に車体を振っているのが見えた。これは危ないと車線を譲ると、そいつは嬉々として俺をぶち抜いていった。単なる阿呆なのかと思ったがタイヤがしっかりグリップしているのが見て取れる。なるほど、あいつは雪が降ってボルボのクロカン性能を引き出せてうれしいのね。あれを買うからにはAWDのライバルであるスバルの性能も熟知しているはずで、俺に勝ってうれしいのだろう。気持ちは分かる。本当はタイヤの溝の差で負けてるのだが、今日のところはスバル完敗です。

 これでタバコに続きまた反省し、タイヤは交換してしまえばこの車の寿命くらいまで持つのだから、こんな危ない思いをして一冬しのぐよりは交換してしまったほうがいいに決まっていると考えた。Canadian Tire ショップブランドの安タイヤでも、雪に関しては溝があるだけ今より確実にマシなわけで。

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■ 05/01/12(水) 09:58:36 □ タイヤ探し
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 さっそく昨夜調査を開始したのだが、結局俺の知る限り Canadian Tire にあるタイヤしか選択肢はないので出かけていくと、最安 Canadian Tire タイヤでも $420(工賃ホイールバランス込み)といわれ、しかも支払いしてからタイヤが来るのが5日後だなどというので馬鹿ばかしくて帰ってきた。Costco に行くと、こっちはBSやミシュランといった高級パフォーマンスタイヤしかサイズが合わない。うちのレガシィは実はかなりな扁平&高スピードレンジタイヤを履いているらしく、したがって選択肢が狭くて価格が高いのだとやっと分かった。扁平率やスピードレンジを低いのに換えたらどうなるのかと聞いてみると、前者は径が変わってしまうし後者は剛性が違うからブレーキングを含めすべてに悪影響が出るといわれた。ふいー。

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 家に帰って徹底的に調査し直し、Kumho という聞いたこともないメーカーの ECSTA HP4 716 というタイヤの評判がいいのを発見。聞いたことないなあと検索してみると韓国のタイヤメーカーだった。なるほど、それだと値段はCT並みが期待できる。

 さらに検索するとテスト記事があって、Goodyear や Bridgestone といったハイパフォーマンスタイヤと互角のスコアを出している。さらには 843 人ものユーザーが平均 8.5 と大絶賛の嵐になってるユーザーデータベースも発見。強力レイン&スノー性能、スムーズ&クワイエット、その代わりやや甘いハンドリングという総評、これだ。これを探そう。

 しかしいろんなタイヤのレビューを読んでいると、ステーツでは個人の主観こそがすべてなんだなあと思う(ここにカナダのユーザーはあまりいないし、いてもトーンが控えめな人ばかり)。ほとんどのユーザーが雪に強いと評価しているタイヤでも、「こんなに雪に弱いタイヤは他にない、絶対買うな!」と声高に断言しているユーザーがいる。「うちの車では最悪」とか言うなら至極まっとうな評価なのだが、こういった自分の主観で他人も律しようという感覚がやっぱり、あの国を表しているよなあと感じざるを得ない。

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■ 05/01/13(木) 09:06:11 □ Kumho 716 を発注
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 Kumho のオーナーレビューを読みながら昨夜は寝たのだが、800 人以上のオーナーがほぼ例外なく雨雪快適性能を絶賛している。ステアの切れに関しては甘すぎるというオーナーが少なくないが、これはもうメジャータイヤより上と多くが評する雨雪快適性能とのトレードオフなので仕方がない。今の Toyo Proxes H4 はまだ溝の残る3年前から堅く乗り心地が悪いので、今さらハンドリングを求めて堅いタイヤを選ぶ気はしないのである。

 しかしどこにあるんだ Kumho。バンクーバーにもユーザーはいるので売ってるはずなのだが、カナダの車好きはどうやって好みのタイヤを探すんだろう。分からん。家に帰ってネットと電話で調べ尽したいのだが、モールのプレイエリアで萌が友達を作って盛り上がっており離れられない。こういうのを見ると、やっぱ萌がバイリンガルでよかったと思う。

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 帰ってから Kumho Canada の Web で調べ、BCでは OK Tire というところが唯一 Kumho 716 を扱うディーラーなのだと判明。これが Port Coquitlam にある。電話すると在庫はないが明日入庫即インストール可能とのこと。価格は $83.94 と、予想通り Canadian Tire 安タイヤより高く、メジャーブランドより安いというところだった。これで決定、発注。ふいー。

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■ 05/01/14(金) 12:33:07 □「うっかりサンタさん」
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 萌をKT宅で預かってもらう手配をして、タイヤ交換に向かう。交換は 30 分ほどだった。OK Tire はあまり流行ってそうにないがその分 Midas や Canadian Tire より感じがよく、今後は整備もこの兄ちゃんに頼もうかなあと思う。「Kumho ってまるで聞いたことがなくて、ネットで多くのユーザーが褒めてるのを読んで決めたんだけど、どうなの?」と聞くと「Very good for the money、もっといいのも悪いのもあるけど、ちょうどミドルレンジってところだよ」という当たり障りのない答えだった。さあテストだ。

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Kumho 716テストラン
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 とりあえず外皮がむけるまでは慎重にと、雪の残るバックロードをゆっくり抜け Lougheed に出てスーパーマーケットに向かう。タイヤのゴツゴツが見事に消えている。路面に凹凸があるのは感じるが、車内にゴトゴトという音となって入ることがない。なるほどこれが静かさの秘密なのね。びゅーっというタイヤノイズ自体はさほど減っているとは感じないが。

 Lougheed で遅い車を抜きながらきゅっと車線変更すると、Gの立ち上がる早さが落ちているのがはっきり分かる。前は切った瞬間にGが唐突に立ち上がり、特に多人数乗車時はそれが嫌で必要以上に遅いステア操作を余儀なくされていたのだが、タイヤのトレッドが沈み込む何千分かの1秒の違いがそこの部分での柔らかさにつながっているようだ。これは快適になるのは明白だが、ツイスティなところでこの特性が気持ちいいかどうかはまだ分からない。やはりスポーツタイヤという感じではなく、ここ1年ほど感じるアンダーステアは直らないかもしれない。まあ昨日までは乗り心地が悪いうえにアンダーだったんだから、快適なだけはるかにありがたいが。

 買い物を済ませてから雪山エリアへ。山の方は平地より除雪がしっかりしていて実は雪が全然なかったのだが、途中で雪がフルに残り路面が見えない横道を見つけて入る。前のタイヤだったら怖くてとても入れないような雪の急坂を、縦にも横にもまったく滑らずウゴゴゴと上っていく。角度のあるターンでパワーをかけるとスライドしたが、前後輪がきれいに揃ったドリフトとなりステア修正の必要なく前進して再グリップし気持ちよかった。やっぱ4WDはすごいのねえとしか言いようのない登りっぷり、そしてこれはほんとにオールシーズンタイヤなのかと不思議に思うほどのタイヤの食いつき。道が狭くなりUターンできなくなったら恐ろしいから途中で引き返したが、下りも万全、雪上ブレーキング性能も高い。

 さらに前のタイヤで一番恐ろしかった slushy なグジグジ雪も体験しておきたいので、溶け加減の適当な路地を選んで入ると、出せる速度(=体感グリップ)が違うのは溝の深さの違いで当然なのだが、一番 slushy なところでフル加速してもものすごい排雪音とともにピターリと安定していた。これはいける。やはり大きなグルーブが効いて、雪が詰まらないのである。実際パターンを見れば、センター部分はほとんどスノータイヤに見えるもんな。これで本当に保証の8万キロも持つのだろうか。

 All in all、雪に対しては日本の 4WD 軽ではいてたスノータイヤと同等という感じなのであった。すばらしい。車体の重さが全然違ううえに、レガシィはアクセルコントロール度の低いATなのであの軽ほど気軽に雪山に入ってはいけないが(あれは真冬の山田温泉でもヘーキで行けたもんな)、タイヤに関してはあのスタッドレスと同等のグリップ感がある。こないだみたいに雪でカバーされたハイウェイも走ってみたい、この冬中にもう一度降ってくれ。

 だがハンドリングに関しては、やっぱマイルド過ぎるかなあと感じつつ家に戻った。バリバリのクリスプを望んだわけではないが、コーナーでのトラクションは減った Toyo と変わりない。Toyo のトレッドがまだ残っていた3年前に何度か感じることができた、あの大きなコーナリングフォースやトラクションを感じることは町中ではなかった。まあハイウェイなどでもっと荷重が高くなれば自然にトラクションが出るはずだし、マイルドになった分安心してステアを切れアンダーが減るだろうとは予測がつくが、ワインディングではそれほどエキサイティングではないかもしれない。まだタイヤもこなれてないし本当のところは分からないのだが、現時点での満足度は 7.5 という感じです。

 それが済んでからKT家へ。グッドガイ・バッドガイゲームで超盛りあがる。

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夕方萌が30分ほど集中してなにかを描き俺のところに持ってきたのだが、これがなんと24コマをビッシリと埋めたマンガなのだった。「おひさま」にあった「うっかりサンタさん」という童話を、自分なりに再構成してオリジナルストーリーに仕立てているのである。

 萌の絵はいつでも面白いが、この情報密度にはドギモを抜かれてMに見せると、お母さんも口をガクッと開き、「ちょっとこれは....才能養成教育が必要なのかもしれないわ」と驚愕する。

 というわけで、Mは突如として個人の素養を徹底的に伸ばすというモンテソーリ式キンダーガーデンの情報を集め始めた。フレンチスクールには入れたいけど、この絵の才能も磨かせてやりたいから悩むわとBV姉などにも電話して相談している。萌の近未来の進路が変わるかもしれない。それほどのインパクトを持つ1枚の絵であった。

2005/01/06

日記「初詣~ヨーコさん何やってんですか」

「このうえフレンチか」「初雪」ほか。

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■.05/01/01(土) 09:38:58 ■ 初詣~ヨーコさん何やってんですか
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 「萌、あけましておめでとう。今日からニューイヤーだって知ってた?」「知ってたよ。今日からニューカレンダーなんだよ。ブルーカレンダーなの」などという会話をしながら目を覚ます。

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昼過ぎ、コキットラムの日本寺・ 東漸寺へ初めて初詣で行ってみる。住宅地にある日本の公会堂という感じの小さな建物で、お寺には見えないのだがまあカナダだから建物は仕方がないかと入ってみると、中の本堂はゴージャスだった。萌に作法を教え、お賽銭を入れて家族みなの健康を祈る。萌はまず「お父さんの風邪が治りますように」と祈っていてくれた。

 お寺の和尚が少林寺拳法クラブに向かって説法をしているのを聞いていってくださいといわれ見てみると、70歳の和尚さんが仏法を守りここまで頑張ったからこうして東漸寺は完成してうんぬんという話をしていて、これを聞いていても仕方ないので外に出るが、庭がないのでもうすることがない。時間を合わせてくれば除夜の鐘やお茶の接待などあったらしいのだが。まあ要はお参りできればいいのか。中身が大事で。

 しかし中身が大事だとは思うが、あのご本尊の金箔を省略してその分の資金を庭づくりに回せば、もっと来て気持ちがいいお寺になるのになあと思う。現時点ではこのお寺よりは、Mが妊娠中の冬によく散歩したバーナビレイクの森の方が、神仏が宿る感覚がより強くある。

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 お正月の TV Japan では「ジョンレノン音楽祭 2004」というものがあり、そのタイトルから『埼玉にあるジョンレノン博物館』というのとよく似たふさわしくないノリを感じて期待せず見ながら新年会の支度をしてたのだが、若いコーラスグループがやった「Woman」がひどかった。日本の歌謡曲や 50 年代コーラスグループみたいな度数(ビートルズには出てこない古くメロウなハモり)でハモるのである。歯が浮く気持ち悪さに音声を切らざるを得ない。人生でシャウトすることなくこういう歌謡で成長して、かつ商業的に成功してそこで音楽観が幸福に固定されてるような人間に、ジョンの歌を歌ってほしくないと思う。まあその満ち足り感が持ち味のグループを呼んだ方が悪いのだが。サビで「さあみなさんご一緒にィ!」とやっている彼らには、ジョンの歌は英語の懐メロに過ぎない。

 その他も20代で、ウォウウォウと「聞かせる」タイプの歌手はもう、おしなべてヒドイ。それにひきかえ、投獄された学生運動の闘士を夫に持つ加藤登紀子の「Power to the People」は、ロックではなくても真実を感じさせるのである。「ポップジャム」などを見ていても思うのだが、この20代で "いい歌" を朗々と歌い上げちゃってる人々の多さ→それを好んで聴く人々の多さは、俺なんかの世代の音楽好きの感覚とは隔絶したものがある。

 とにもかくにもそんな連中を呼ぶ主催者が悪いのだが、その主催者(?)のヨーコ本人は、全員合唱の場面でステージに上がってクネクネと踊っているだけであった。それがヘンな踊りで悪くはないが(笑)、これはなんの意味があるイベントなのかなあとほんと思ってしまう。会場全体が蒼白となるような奇声を発してこの満ち足りムードをぶち壊してほしいのに。

 あ、1曲だけ歌った。「イマジン」。だが声に自信がないらしくメロディなしで歌詞だけをつぶやいている。あの、「イマジン」を歌うジョンのピアノの横で宙を見据えていたヨーコはいなくなってしまったんだなあ。奇声が出ず奇行をするエネルギーはもうなく、ヨーコ・オノはこうしてよいおばさんとして余生を送っていくだけなのかい。

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 夕方皆が来て鍋の新年会。LDの彼氏の子供も来てくれ萌も興奮し、今日は例年にないほどいいお正月だった。

 天皇杯は、準決勝を見てジュビロがヴェルディの若手の勢いを止められるわけがないと思い実際そうなったのだが、2点を追いかけるジュビロのしぶとさもなかなかすごかった。特に西が、タダモノではない感をビンビンに漂わせ攻めまくってていた。代表じゃ合うポジションがないらしいが、代表で活躍できなくてもこれだけの選手がいるということが、10年を過ぎたJリーグの風格を感じさせて悪くない。ほんと今年はアジアチャンピオンズリーグで勝ってほしい、横浜とヴェルディ。

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■.05/01/03(月) 17:41:48 ■ P家新年会
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 初めて朝起き抜けに咳が出なかった。ふー、ようやく終わったシックネス。昼飯を食べてからP家へ。着く前から「おもち、あんこついてるかなあ」と期待に盛り上がっていた萌は、一口大のアンコロ餅をおいしいねと7~8個もいただいて、MYちゃんともたっぷり遊んでもらえて幸せであった。おみやげにもらったお餅を明日も食べたいと帰りにアンコを仕入れてきて、風呂に入ると満ち足りた疲れのままバタリと寝てしまいました。よかったよかった。

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■.05/01/04(火) 17:44:43 ■ BCにあるまじき超好天続き
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 午後萌はKT家へ。明日からプリスクールだと聞きあわてた。カナダは学校側の連絡がそっけないので(年末に子供が休んだ家に、日本語幼稚園の先生は親切に連絡してくれるがプリスクールはしてくれない)、親が気を張っていないと大切なことが分からない。しかし正月からBCにあるまじき超好天が続き、したがって毎日ものすごく寒い。朝は氷点下で昼間でも3度を超えてないだろう。長野よりはマシだが、近所を歩くだけでもほんと寒い。

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 晩飯後、「ティーンタイタンズ」でテラという子を巡る裏切りと友情のもの大ドラマがあり、会話が多かったので萌は半分しか内容は分からなかったと思うが、ストーリーの展開に連れて刻々と変わっていく萌の表情がいたいけであった。「ティーンタイタンズ」は残酷性や取り返しのつかない悲劇がしっかりと排除されている優れた子供番組なのだが、その範囲内で今日のやつが一番情動を揺さぶる回だったのである。俺とMは萌に、「テラは本当はいい子だけどあのスーツでコントロールされてるんだね」「だけどビーストボーイが言うとおり、テラが本当に頑張ればコントロールを破れるのよ」と声をかけて、萌の感情が揺れすぎないようサポートして見ていた。

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■.05/01/05(水) 09:03:09 ■ このうえフレンチか
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 プリスクール開始、Mが送って行ってくれるので俺は見送りなのだが、車の窓が霜でバリバリに凍っている。今日は俺はポストクリスマス掃除だ。

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 掃除をひと段落させたところで、Mが「萌のフレンチ幼稚園なんだけど、午前と午後のどっちがいい?」と言い出した。幼稚園からだと英語学習環境はあと半年でおしまいである。まだ日本語に追いついていないのに。ため息。フレンチスクールといっても英語から始まり徐々にフレンチを増やしていくらしいのだが、2ヶ国語を覚えるというハンデがすでにあるのにこのうえフレンチかという重たい気持ちは、やはり拭えない。

 Mのメソッド―――というか言語発達学者たちの研究では、「(比喩的にいえば)2ヶ国語ならば2倍、3ヶ国語ならば3倍に脳の言語分野が発達するから大丈夫」というわけなのだが、それは容れ物の話で、いくら容れ物が広がってもそこに言葉を詰めていくのは本人と周りの努力しかないのである。俺は単国語ペアレントより言葉についてはたぶん多く努力しているが(日英の言い方を努めてペアで教えている)、俺自身が英語ネイティブじゃないので、萌の言葉は当然 1.5 よりは伸びようがない。そこから先を学校で補うしかないのに、このうえフレンチか....。

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■.05/01/06(木) 09:13:15 ■ 初雪
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予報どおり雪になった。昨日のうちに自力でエンジンオイルを換えておいてよかった、しばらくは屋外作業はやれん。コーヒーを作りながらあとでレガシィのテストで買い物に行こうと思いつつ外を見ていると、最初に来た古いアメ車(FRのステーションワゴン)がいきなり 180 度の大スピンをやりやがった。スピードは出てなかったので自然に止まったが、KTの家の車にあやうくぶつかるところであった。あぶないなあ。細かくて相当滑る雪らしい。

 萌は俺の支度が整うのを我慢できず、MKを起こしてさっそく雪の中に出て行き巨大雪だるまを作った。よしよし。


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 夕方萌はもう一度、今度はKTたちと一緒に外で遊ぶ。萌を仲間はずれにしたがるSMがいたのだがKTの友達もいて大人数だったので問題にはならず。ディナーができたよと迎えに行くとそのKTの友達に向かって萌は、「あとはスノウマンの顔をつければ完成だね!」と元気に話していた。もう近所キッズとのコミュニケーションは大丈夫だなと思う。

2005/01/01

日記「マジカルな気持ち」

「超絶反抗期の終了」「萌のボキャブラリ教材」ほか。

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■.04/12/24(金) 23:33:21 □ クリスマス前最後の駆け込み買い物野郎
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Mのプレゼントを買いに Lee Valley Tools へ。表の道は俺と同じクリスマス前最後の駆け込み買い物野郎で混んでるだろうと裏のバイパスから行くと、道が曲がっていて実に面白かった。どっちが時間的に短いのか微妙なところだが、景色もいいしこれからはあっちをもっと利用しようと思う。レガシィはフラットさがやや不足しフラフラするところがあるが、右も左もハンドリングは良好だった。長く風邪でグッタリしていたので思ってたよりも体調は悪く、Lougheed 裏のワインディングを全部ノーブレーキで抜けるというスポーツドライビングをやっていると、脇がつってしまった。プレゼントはクラシックなオイルランタン。ハロウィーンに使えると思う。

 萌は今日、結局一度も切れなかった。遊んでいてなにかが思い通りにならずカンシャクを起こしそうになったときに、「萌、深呼吸して」と俺が言うと、部屋を駆け出し必死に深呼吸して impatience を自分で処理し、OKといって戻ってきた。やっぱ体調がいいとそんなに切れたりしないのかもしれない。



 夕方、クリスマスライトを眺めるついでにKT家に行って、メリークリスマスという。HNも萌とまったく同様にシックでパーティを欠席したそうだが、もう元気になっていた。クリスマスが終わったらまた遊びましょう。

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■.04/12/25(土) 14:11:35 □ マジカルな気持ち
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 早く朝にならないかな、萌がプレゼントに喜ぶ顔を見たいと思いつつ何度も何度も目が覚めて、9時に起き出すとまあびっくり、俺は全身筋肉痛の大シックになっていた。コーヒーを入れることもできず、萌のプレゼントオープンが終わるとただただ横になっているだけ。なんだこれは? もう風邪は昨日ほぼ克服したと感じたのに。

 寝ても起きても体がつらく、夕方4時間ほど寝ても一向に改善せず、Mに強いペインキラーをもらい飲むと、からだがホカホカして汗が出、痛みが消えてきた。これでどうにか人並みの感覚に戻れそう。

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 俺は全く遊んでやれなかったが、萌はMKやLDとたっぷり遊べて幸せな一日だった。プレゼントはお母さんが明らかに買いすぎてどえらい多品目になっていた。やりすぎ。

 クリスマスをここまで過剰に祝う必要は俺は感じないのだが、M母BRが、「クリスマスにもうマジカルな気持ちがしなくなっちゃったわ、今は普段からなんでもありすぎるから。子供のときは戦争中で、オレンジとかバナナとかをもらってものすごく興奮したのよ」と言っているのを聞いて、そうかと考えた。カナダの人にとってクリスマスは、その子供の頃の「マジカル」を再現しようという努力なのかもしれない。

 俺もクリスマスにはそういう気持ちはないけれど、小学校の頃図書館から借りまくって読んだヨーロッパの童話のことを思うと、ジワジワとおなかが温かくなる気持ちがあって、ああいうマジカルな気持ちをもう一度味わいたいと強く思うときがある。今となってはなんの本なのかまったく思い出せず、萌にその本を紹介してやることもできないのだが。有名な「エミールと探偵たち」とかかなあ。

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■.04/12/26(日) 11:37:11 □ 支援の気持ち
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 8時間きっちりと寝て起きたが、昨日よりマシという程度であまり良化はしていない。今日もペインキラーの世話になる。Mと萌はクリスマス行事第2弾でSHのところへ行くので、一人で録りためた映画などを見よう。クリスマスなのにかわいそうと皆は言うが、俺は幸いというかクリスマスにセンチメンタルな気持ちはないので、一人で寝ていても苦にはならない。クリスマスに関するセンチメンタルな記憶は、東京で好きな女の子と過ごしたことくらいである。

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 スマトラ地震の津波被害支援で、赤十字に送金することをMが決める。MとBRは「よく募金してくれる人々」リストに載っていてありとあらゆる団体から募金を頼む電話が毎日かかってき(まずうちが鳴って、切れるとブレンダ家の電話が鳴る)、そのしつこさにときには俺なんかはケンカ腰になってしまうのだが(※)、こうしたときは自然と支援の気持ちは湧いてくるものだ。
(※)「どこに寄付するかは自分らで決めてるから」と断っても、使命に燃えた難病児支援団体の人とかは「あなた方のような人たちが助けてくれないと、この子供たちは死ぬんですよ!」とか非難がましく食い下がったりする。すると売り言葉に買い言葉で、「貧しい地域ではたくさんの子供たちが今この瞬間も死んでるんだ。そっちを可能なだけ支援するというのがうちの方針なんだから、どうこうせよと言う権利はあなたにはないよ」と言って受話器を切ってしまうのである。

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■.04/12/27(月) 13:01:05 □ 超絶反抗期の終了
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 今日もあまり回復せず、ひどい頭痛とともに目を覚ます。朝イチでペインキラー。今度はMの体調が下がっているので、俺が萌と遊んでやらねばならない。萌がもらったクリスマスプレゼントで一通り遊んでみる。やっぱ小型着せ替え人形 Polly Pocket が一番楽しい感じ。きれいなドレスを着た Polly たちが粘土の悪役に襲われ、それをティーンタイタンズが救い出すというアクションシーンでえらい盛り上がった。

 こないだまでの萌の超絶反抗期は、フルーが治るとともに消失してしまった。一日に何度か思い通りにいかないことにうわあとメソをかくが、すぐに機嫌を直して自分でごめんねと謝ってくる。やっぱあの度を越えた反抗は病気のせいだったのね。そのフルーを今俺が体験しているわけで、これほど具合が悪いんじゃ機嫌を損ねるのも無理はないと実際思うわ。

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■.04/12/28(火) 09:54:21 □ 俺の体調がなかなか戻らん
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 咳以外はもう問題なし。日本に行ってるNRさんが、俺の Web 日記の萌大反抗部分を読んで元気付けのメールをくれた。KDがスギ花粉による喘息を起こし、期待ほどは楽しく過ごせてないらしい。気の毒。やっぱ子連れの海外旅行は大変だよなあ。Lちゃんも日本で大反抗をやってるのだそうだ。性格上お母さんにばちーんと当たってこれずスネていて、かえってかわいそうに感じるとのこと。

 夕方クレイをやってるときに、自分が作りたいものをうまく説明できず萌がじれて大声を出したので、「なに怒ってんのよ萌」と叱るとすぐさま謝り、その後も俺の立腹が直ったかを何度もチェックする。「もう怒ってない?」「最初から怒ってないよ」「悲しかったの? じゃもう悲しくない?」「もう悲しくないけどさ、ほらいっぺん悲しくなったりすると、しばらく直らないじゃん。だから仕方ないよ、そのうち直るから心配しなくていいよ」「そうか。ごめんね」てな会話が延々と続いて、これは反抗期から完全に抜けたなあと実感した。もう風邪もとうに完治してるので、明日あたりは絶対友だちと遊ばせてやろう。

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■.04/12/29(水) 12:58:46 □ 2週間ぶりに友だちと
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 起きてすぐに電話でアレンジをし、今日は萌はLSと一日過ごすこととなった。よかった。

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 萌は夕方遅く、堪能したーという顔で帰ってきた。よかったよかった。

 最近萌は英語も書こうとトライしているのだが、日本語と同じで自力で音からスペルを探り当てるメソッドを使ってやっている。英語のスペルというのは音からでは覚えられないのだが、その自発性がえらすぎて感動してしまった。

DER MOAY, A U HVM FAN? (Dear Moay, are you having fun?)
GD U R HVM FAM.  (Good, you are having fun)
AELAFU   (I love you)


 萌は俺と同じくMとN、RとL、FとVの発音が今ひとつらしいのだが(俺には単に子供発音であるとしか聞こえないが、教師のMには分かってしまう)、スペルにもそれが現れている。スペルを直してやってもあまり積極的に覚えようという気にならないようだ。しかし「U R」なんて、これはプリンス式つづりではないか。えらい\(^o^)/。

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 奈良の殺人事件の犯人が捕まる。2度子供に対する犯罪を実行した人間が、その1年後にのうのうと3度目を実行できてしまう社会というのは、いったいなんなのだ。国家と警察には子供を守る気がいくらかでもあったのかと、親は泣いても泣ききれないだろう。俺ならば黙ってはいない。しかもこいつがその後1月も捕まらずその間地域ははなはだしい危険を抱えていたわけで、本当に馬鹿げている。実に馬鹿ばかしい気持ちになる。

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■.04/12/30(木) 14:10:01 □ 萌のボキャブラリ教材
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 咳は止まらぬが体調はガラリと上がった。久々に萌と遊びつつ掃除に励む。萌の性格はもう絶頂期に戻ったとしか思えない状態。英語で「ティーンタイタンズ」ごっこをやるときだけは妙に萌の口調がきつくなるのだが、これは登場人物で唯一昔ながらの大時代な英語アニメヒーロー的な口調をするロビンの影響かと思われる。「萌さ、どうせならスターファイアとかビーストボーイみたいにナイスに喋ればいいじゃん。ロビンってなんか怖いよ」というと「あ、そうか」と改めてくれるのだが。

 「ティーンタイタンズ」は萌にとって格好のボキャブラリ教材になっていて、―――「わたしを信じて!」「信頼というのは、待ってりゃ自然に来るもんじゃないのよ。自分で勝ち取る (earn) ものなのよ」「じゃあ、どうしたらいいのよ?」「まず私を信じることから始めることね」―――なーんつーかっこいいセリフを覚えられるのである。―――つーか「カッコイイ! 萌いまの分かった?」と俺が解説してやって、一つ一つのセリフを覚えていくのだが。こりゃお母さんが見てる「バフィ」よりも成熟してクールなショーなんではないかと主張したいのだが、やっぱ敵は「しょせん小学校低学年向けアニメだ」と、もうその時点で一段見下しておる。目が曇っておる。

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■.04/12/31(金) 18:37:34 □ 餅を求めて
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 明日客を呼んで大お雑煮をやろうとT&Tへ行くと、餅がない。店員に聞いてもまずそうな菓子餅を指し示すだけ。ちゅ、中国人は餅を食わないのか。知らなかった。

 仕方がないので魚介類と野菜をあれこれ買って、鍋ものだけはやれるようセットアップしてからコリアンマーケットにもトライしたが、こっちもなし。店員に聞いてもまずそうな菓子餅を指し示すだけ。こ、コリアンも餅を食わないのか。知らなかった。というわけで明日は餅なしの正月となってしまった。がっくし。

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 朝録画しておいた「紅白歌合戦」を夕方見る。し、シドイ。最後に見た25年くらい前と同等にヒドかった。見るに耐えずほぼ全曲早送りしてしまった。「モーニング娘。」などというものは、子供やお年寄りが見ているこんな番組にあんなものを出していいのかと思った(まあ子供があれを好きなんだろうけど)。萌が美川憲一を見て、「この人男でしょ?」と目を丸くしていた。やっぱカナダから見ると日本のTVは、刺激が強すぎる。

 結局1曲通してちゃんと聴いたのは3曲、夏川りみ、平原綾香、ポルノグラフィティだけであった。ポルノグラフィティというのは名前はシドイが(自分の昔のバンド名を思うと大きなことは言えないが ^_^;;)、よかった。

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 そして今年も一人暮れゆく。去年までとは違い「ゆく年くる年」を見ながらの年越しなので、それなりの感慨はあるかなと思ったが、日本で見てたのはどうやら民放の「ゆく年くる年」だったようで、NHKのは必要以上に内省的でつまらないのであった。今年のニュースはなにもないが、萌に本当の近しい友だちができ始めた年だったといえよう。