2005/10/24

日記「スポーツにみる夢は」

「久しぶりのギター弾きまくり」「萌1人で泳ぐ」ほか。
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■ 05/10/08(土) 12:36:54 □ 久しぶりのギター弾きまくり
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 今日は久しぶりの全休。最近俺はどうもイライラがつのっていたのだが、8月以来オフなしで毎日送迎でドタバタしてたのだから、ストレスが積もっていたのであった。

Mと萌が車で出ると同時にギターとドラムマシンをアンプにつないで、爆音で弾きまくった。今回はちゃんとドラムとサイドギターを録音してからソロをダブで入れる。少しずつうまくなってくる。昔はあまりブルーズのフレーズは弾けなかったのだが(まあそんなにソロを弾きまくるような曲を現役時代にバンドでやった経験もないのだが)、いつの間にか下手ながらジミーペイジっぽいブルーズフレーズがけっこう弾けるようになっていた。


カナダに来て以来、アコースティックで1人で弾いていて気持ちいいようなフレーズを自然に手が練習していて、それでこういうブルース風のリックが身に付いたのだと思われる。長く1人ギターだったからリズムが前よりさらにヨレヨレになって恥ずかしいが(^_^;;)、そこはそれ、今後直していけばよし。

 しかしこうして録音してまで練習するのなんて高校以来という気がするな。音を研ぎ澄ませていくこと自体がやはり面白い。くーっとエモーションが突き抜けていくところがある。こういうブルーズなソロ設定にするとアンプもいい音がして、買ってよかったなあとエレキな喜びが湧いてくる。

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 今日の大オフ日のメインイベントはTVの「男はつらいよ 柴又慕情」(1972 年) 観賞だったのだが、よくなかった。思えば吉永小百合という人は俺が子供の頃から日本一の大女優扱いであるが、彼女の出てる映像でいいものなんてCMを含めても見たことがないのである。彼女に悲劇のヒロインみたいな役柄ばかりやらせる周りも悪いのだろうが、彼女があらわす可憐さだとか、(中年以降の)湿気のつよいなにものかには、ひどく古風で現代性がなく、廃れていくものを感じる。寅さんやさくらにはこの映画でも保存しておきたい高い普遍性があるが、吉永小百合が出ているシーンはいらないなあと思うのであった。

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■ 05/10/11(火) 10:03:28 □ 萌1人で泳ぐ
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 今日はスイミング。萌は顔をつけていられる時間が伸びている。もう一瞬ではなく、水の中で息を止めて我慢をする間が入っている。

 げっげー! そして先生の指導を受けた後は、フロートだけで1m以上、顔をつけ補助なしで泳いでしまった。たまたま一緒に見ていたAKさんも驚愕して「トモさんビデオ撮らなきゃ!」と声を上げるほど、画期的なシーンであった。すごい。センセーショナル。えらい。先生すごい。わお。先生がいいと子供はこんなにも目に見えて伸びるのだと改めて感じ入る。こういうのをナマケモノ先生らに見せてやりたいくらいである。

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 用事を足してから午後はライオンズパークへ。萌はもうプレイグラウンドに来てもそれだけでは盛り上がらず、自分の友達とここで遊びたいなあとずっとぼやいている。たまたま同じ小学校の別クラスの子を見つけ、目を輝かせて話しかけたのだが、そちらは姉や別な子らと連れ立ってきていたので萌とはあまり遊んでくれなかった。かわいそうなのでそこからは俺が本気で全面的に相手になって遊ぶ。

 プレイグラウンドは適当に切り上げ、川へと降りていくと、ちょうど今日からサーモンの遡上が始まったという感じで、ときたまバシャっと跳ね上がるのが見える。1つだけ大きな死骸もあった。夏は人が水遊びをし秋はサーモンが大挙さかのぼってくる。コキットラムリバーはいい川だなあとしみじみ思う。

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■ 05/10/12(水) 11:09:34 □ 友部正人で落ち葉かき
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 雨が降りそうなので朝から落ち葉かき。Pocket PC とヘッドフォンで MP3 をずっと聴きながら働く。落ち葉かきをしながら、「君がニューヨークに居るのと同じように 僕は東京に居る」と友部正人の声を聞くと、実になんだかふさわしいような気がする。君が東京で歌を歌うのと同じように、僕はカナダで落ち葉かきをしている。

 チューリップの曲を入れておいたのはチトまずく、「♪ほんの小さなーできごとにー」と流れてくると、中学生時代からの時の流れと距離の大きさが津波のようにおしよせて、涙腺がゆるみそうになってしまった(^_^;;)。しかしこういう圧倒的な感傷というのもなかなか普段味わえないので、このままにしておこう。

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■ 05/10/14(金) 09:33:41 □ 学校ストライキは終わる気配もなし
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 ジムナスティックス:今日は音楽を鳴らしてのゲームからクラスが始まった。これは半年以上やったナマケモノ先生のクラスではなかったことで、このN先生は本当に素晴らしい。生徒が早く着けば気持ちを汲んで時間前に始めてくれるし、ジム内の明るさや温度に気を配ってくれる。自身がお母さんなのだろうが、そうした優しさに満ちている。

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 結局、先週金曜から今日まで学校がストライキで全休になったわけで、学校というものがこんなにも長いストになるとは思いもよらなかった。考えてみれば数年前のバスのストライキも、1~2日で片付く日本の感覚からは信じがたいほど長かった(2~3ヶ月?)。カナダのストライキは労使双方本気で戦っている。

 想定外の子供の世話で誰もがヒイヒイいってるわけだが、俺は実を申せば学校がないほうがラクだ。学校があると萌と俺は、水泳体操日本語スクールと学校の間をひたすら駆け回って日々が過き去ってしまうのである。習い事だけの今週は、のんびりしていてラクだ。プリスクール時代に戻ったくらいのゆったりさである。LSも萌と同じ学校で去年は午後クラスだったので、お母さんは去年は本当に何もできなくて大変だったわよと言っておられた。そうなんですよねえ。

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■ 05/10/22(土) 11:35:51 □ 萌の言葉遣い
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 SHたちが芝居を見に行くとかで、SFが今日はうちで過ごす。こうして萌とSFの会話を聞いていても、ジムナスティックスなどで萌が友達と話しているのを見ていても気付くのだが、萌の喋り方から一時の英語幼児的押し付けがましさはだいぶ減ってきている。いまは自分の家にいるから、ゲームのやり方などSFにあらゆることを教えたくてたまらず喋りすぎてはいるのだが、そのトーンは問題なくなってきた。

 それからまた、最近萌は口答えをして俺を閉口させるのだが、

「だって前に○○って言ったじゃん」「だってマミーはいいって言ったよ」「(ご飯を手で食べるなといわれ)I'm trying not to!わざとやってるんじゃないよ!」

 と、いかにもな子供の屁理屈になっていて、その場では腹は立つが後から思い出すと笑える。

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■ 05/10/23(日) 10:56:46 □ スポーツにみる夢は
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 今日は雨。萌の昨夜の咳は幸い本格化せず。朝から「パーティの支度をするの」とあれこれと案を練っている。別にパーティなんてやる予定はないのだが、萌はそれが念願らしくしょっちゅう「パーティの支度」をやっている。「NRさんところでスシパーティやったじゃない、だからバースデイじゃなくても友達を呼んでいいでしょ」と、どうしても家でパーティをしたいらしい。実際萌はバースデイをプリスクールの施設を借りてやったので、家に友達を呼んでパーティをしたことがないからなあ。自分でセッティングをやって友達を呼びたいという気持ちはよく分かる。うーん。

 まる2週間のストはどうやら終わり、明日から学校が始まるらしい。交渉は教員組合の敗北的妥協で終わったようだ。

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 その萌の相手をしつつ菊花賞の録画を見る。ディープインパクトはスタートが良すぎて1周目のくだりでのっけから勝負体勢に入ってしまい、それを抑えるためにユタカが内に入れたのも嫌がって余計に興奮してしまいそうな気配もあって、かなりソーハクな展開となる。これはまずい。1周目の正面を口を割ったまま過ぎ、1コーナーをまわってやっと落ち着く。ステイヤー血統ならばここから息を整えていけば最後もしっかり伸びるだろうが、あれほどスピードのある馬なのでここまでのロスが最後に出るかどうかという感じ。

 この展開なので皐月賞のときほどの余裕は当然なく、そっと3コーナーを登ってそっと4コーナーを降り、さあ直線。しかしそこからの伸びは、ユタカの言うとおり天馬と呼びたくなるものであった。素晴らしいの一語。

 インタビューでユタカは、「よかったですねえ」と答えていた。さすがに彼はよく分かっていて、競馬にとってのめでたいことが損なわれなくてほんとによかったというレースであった。競馬だから今後負けることもあるだろうが(ルドルフだってこの後負けたのだ)、ナリタブライアンやその他のダービー馬たちとは違う、この馬が最強なのだというファンの夢を最後まで味あわせてくれる馬でいてほしい。オグリキャップのように。

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 夕方ダイジェストでボルトン・ナカタのウェストブロミッチ戦を見る。すごい。決定的シーンのほとんどすべてに、主役として絡んでいた。しかも、監督から注文を付けられているという「相手からボールを奪う」という仕事をやった後にそのボールをフィニッシュにつなげるという、文句の付けようのないシーンが短いダイジェストに山盛りであった。

 2点目をアシストしたシーンなどは、相手ボールになった瞬間に相手が予測していない反対側からダッシュして追い抜き足を入れボールをインフィールドへ蹴り出してつなぎゴールにつなげるという、アフリカ人みたいな意外性と判断力と技術を見せたシーンであった。初めて19歳くらいのナカタを見たオリンピック代表での、わざと普通じゃないプレーを楽しんでるのかと思わせたような意外性に通じるものがある。普通あそこで取りには行かないだろう。取りに行かなくても誰も彼を責めはしないから、相手も無警戒だった。ゴールしたFKを取ったシーンも、天晴れなまでの恐れを知らぬ飛び込みであった。

 ダイジェストだからしかとは分からぬが、これが本当ならばついに全盛期、あのペルージャ時代のナカータに戻ったのではと思えるほどの冴えわたりである。ピークを過ぎた選手を再生する名人だというこの監督の手腕は、行かなくても誰も責めはしないような場面で一歩を踏み出させてしまう、ああいうチクチクいびりによる動機付けにあるのかもしれない。パルマとフィオレンティーナではこういうタイプの指導者に出会えずに、あのナカタですらもどこか自分を追い込み切れなかったところがあって、プレー選択時にそれが現れていたのかもしれない。実際日本代表でだってこんなプレーはしていないのだ。

 ああうれしいぜ、ナカータ。やっぱり俺はあのペルージャ時代のナカータが、どんなサッカー選手よりも好きなのである。ナカータが最強なのだという夢を、最後まで味あわせてほしい。

2005/10/09

日記「ST家でジャムセッション」

「パンプキンフェスティバル」「萌のアニメーション」ほか。
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■ 05/09/30(金) 08:44:25 X キンダーのスポーツデイ
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 今日はキンダーのスポーツデイ(体育祭)。なのだが相変わらず日付以外学校側から一切情報がない。昨日先生に口頭で尋ねて雨天でも体育館でやるとは分かったのだが、何をやるのか、親も見ていていいのかは分からぬまま学校へ。



 学校に着くと教室で何か生徒に対して説明があり、やがてゲームが始まった。校庭のあちこち10箇所くらいにゲームステーションがあり、それを順繰りにこなしていくという次第らしい。なるほど。こうしてキンダーからグレード5まで全校クラスごとにスポーツゲームで1日を楽しくというイベントなのね。なるほど。親は見たい人だけが適当に残って見ているので、俺もそうすることにした。学年は違うがLSもいて、なかなか楽しかった。萌はクラスのどの子とも均等にコミュニケートしているようだ。グレード1の子もいるので体格が違い、ぶつかってぼかーんとぶっ飛ばされたりしているが。

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 午後はLちゃんたちと萌を久々に遊ばせてもらう。Lちゃんは言葉が分かりきらないキンダーで苦戦しているそうで、KD姉さんが自分の経験からそのつらさを分かって、いろいろと助言してあげてるのだそうだ。えらい。

 ネットでフランス語の初歩フレーズ集が見つかったので、俺も簡単なものを覚えていくことにした。まったく知識がゼロだとやはり拒絶反応が出てしまうので、せめてカタカナ発音でも、少しだけでも積み上げをしていこう。

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■ 05/10/01(土) 24:48:22 X パンプキンフェスティバル
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 萌を去年楽しかったパンプキンフェスティバルに連れて行った。今年も同じように楽しい。それにやはり年齢と共に萌にローカルな知り合いが増えているので、こういう地元イベントでは出かけるたびに友達に会い(今日はキンダーのクラスメイトが2人にキンダーダンスの先生がいた)、そのことも萌は「なんか今日は知ってる人ばかりだねえ」と、すごくうれしそうだった。

 屋台をブラブラ眺めていて、探していたカスタネットを発見し購入。それをカチカチいわせながら歩いていると、去年も見たようなスコティッシュバンドが演奏を始めた。元クラスメイトJSと一緒に最前列に座って見ていた萌は、途中から立ち上がって演奏に合わせ踊り、カスタネットをカチカチを鳴らす。バンドはそれにえらい喜んで、君は今日のベストオーディエンスだから賞品をあげようと萌にCDをくれるのであった。今年もよき秋の日なり。


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■ 05/10/02(日) 16:30:24 X ST家でジャムセッション
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義弟ドラマーST家で待望のジャムセッションをやってきた。ベースなしのセッションはツライのはあらかじめ分かっていて、ドラムとギターだけでもそれなりに聞こえる(ギターで低音部を補える)曲をいろいろ考えて向かったのだが、STが家で使ってるのはエレクトリックドラムなので、予想以上に厳しかった。

 STはアンプを持たないのでEドラムを俺のギターアンプにつないだわけだが、彼もアンプにつないだのはほとんど初めてらしく、「普段個人練習で使ってるヘッドフォンとは大違いのしょぼい音だ」とその違いに驚いていた。ちゃんとしたPAにつないで音量や音色をきっちり調整してやればよいのだろうが、ギターアンプではバスドラの音圧などまるで出ない。PCのリズムボックスを鳴らしてるのと大差ないのである。俺のギターの音色自体も、こういうバランスに苦しむ状態ではアンプの音色チューニングにも限度があったのだが、思ったほどいい音が作れなかった。楽器はなんでもそうだが、バンドで使ってみて初めて本当の音が分かる。

 そんなわけで「Cross Road」「Superstition」など、俺が低音リフを刻み続ける曲をやるとバッチリと決まるものの、その他のタイプの曲はやりようがないという感じ。俺が低音弦でべース部を常に鳴らしていないと音がスカスカで耐えられんので、ギターソロもオカズも入れられず、えらい単調で尻すぼみになってしまう。アコースティックドラムならSTが叩き方を変えてある程度カバーできるだろうが、Eドラムは強く叩いても音圧は出ないからなあ。やっぱベースがいないと、特にEドラムでは、ジャムは無理だ。

 盛り上がらなかったのはこうした音問題に加えて、STが叩けるほど知ってる曲は俺が知らないアメリカンで、彼がストーンズやビートルズは意外と知らなかったというのもある。「Around and Around」なんてバンドマンの間じゃ世界の常識かと思っていたが、カナダじゃ通用しないらしい。考えてみればラジオでツェッペリンやピンクフロイドの渋い曲(アルバムを持ってるファンしか知らないような曲)はバリバリかかるが、ストーンズはブラウンシュガーあたりしかかからないからなあ。ビートルズもしかり。カナダではZepの人気が飛び抜けて高いとは思っていたが、ストーンズやビートルズの認知度は日本より低いのかもしれない。それにビートルズやストーンズがやれてもあれは歌が入ってるからかっこいいのであって、ベースがない上に歌も聞こえない状態(俺がマイクなしで大声で歌ってはいたが)でガシャガシャやっていても、どうということもない。

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 そんなわけでパッとしないままジャム第1弾は終わってしまった。アンプを買って楽しみにしていたジャムセッションが思い通りにいかずに落ち込みそうなところはあるが、まあ俺もキャリアは長いのでこんなこともあるさとそそくさと片付ける。

 今度ローカルの新聞でベースを見つけて、ちゃんとしたドラムのあるスタジオに入り直そうとSTは言うのだが、俺はあまりその案に気乗りもしないのである。ただジャムセッションのためだけにそこまでするのもなあ。そうして人を探しても、どうやらやれるのはクラプトンの「スローハンド」な曲とかになるんだろうと思うと(※)、そんなの俺はうまく弾けないし、やっても楽しくないなと思ってしまう。

(※)STのバンドを見た経験から、「Lay Down Sally」とか「Further on up The Road」とか、あの辺がカナダバンドマンの「常識」レパートリーなのだと思われる。

 俺は別にただバンドをやりたいんじゃなくて、やっぱり好きな歌をやりたいんだよな。クリエイティブなシンガーのいるバンドで、皆でかっこいい音を追い求めるのが面白いのである。その中でギターを弾きたいのだ。これまでカナダで10年間バンドをやらずにきたのも、一時須坂に住んだときにTNとやらなかったのも結局、俺はバンドでジャムができればそれで楽しいという奴ではなく、バンド贅沢が身についてしまっている男だからなのなのである。

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■ 05/10/03(月) 10:54:01 X ベックで庭の落ち葉かき
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 中田のボルトンの放送がまたあった。中田が入ってからもう3試合目で、どうして中堅以下なのにこんなにやってくれるのか不思議。前回はまるで切れがなかった中田もさすがによくなっており、すでにCK/FKも任され、ボールに触れば何事かを起こせる力を見せている。パスの決断が早く、フォームの美しさが戻っており、そして狙ったところに飛びつつある。

 だが中田がトリッキーなパスを出すたびに敵と共に味方も意表を突かれて反応できないことが多い。昔の日本代表でもこんな風に、中田のスルーがフィールド上全員をスルーしていくというシーンがよくあった。中田が欧州に行ってからはあまり独善的なパスを出さなくなったのだが、このボルトンの場合は直線的にドーッと走りバシーッとつなぐというサッカーが持ち味で、中田のトリッキーなタイミングに慣れてないのだろうか。中田自身も、ボールが前後に激しく動くプレミアのペースにはやや遅れている感じがつよい。そのせいでボールに触る頻度が今ひとつ。

 おっ、PKボックス内でオーバーヘッドキックをやった。ヒットしなかったが、ボールが浮いた瞬間に袈裟切りに叩きつける体勢に入っており、この反応の速さはベストの状態に近いのでは。あと中田自身がメールで言っている通り、前よりもヘッドをまじめに強く競っている。当然競り勝つことも増えている。こうした進化も見えてうれしくなった。

 と、サッカーをつい45分見てしまったら他になにもせぬうちにもう萌を迎えにいく時間。まことに毎日あわただしい。

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今日から庭の落ち葉かきを開始した。フト思い付いて Pocket PC に MP3 を入れ試してみると、スクリーンをオフにできるので電池はえらい持つ。使ってない 128MB のカードがあるので、これを MP3 専用にして挿しておこう。アンプ購入流れで聴きたくなったジェフベックなんかを聴く。昨日のジャムでは俺のレスポール Jr の音は堅かったなあ、やっぱ物置のどこかにあったであろうストラトを持ってきた方が、出せる音に柔軟性があって遊びには向いていたかなあと考えつつ庭を掃く。萌は最近俺が弾いている「Cause We've Ended as Lovers」が気に入っているケド。

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■ 05/10/05(水) 10:41:24 X 萌のアニメーション GIF
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 朝から仕事を開始する。TV Japan で適当に日本語番組を流して横目で眺めつつ仕事というのは、なかなか素晴らしい快適さである。これに加えて外に出て昼弁当を買ってきて食べつつ仕事をしてた日本時代にはさすがに負けるが、萌のベイビー時代に働いていた頃は思いもよらなかった恵まれた環境だ。

 ふと気が付くと禁煙してから3ヶ月が経っている。もう普段タバコを吸いたいという欲求自体がなくなっている。こんな風に仕事が入ると、前はストレスから普段以上に吸っていたのだが。今はもう人が吸ってるのを見て、ああうらやましいなあと思うだけだ。まあ保険の不当なまでの格差がなければ、すぐまた喫煙者に戻るのは確実だが。

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萌が Pocket PC で描いた「アニメ」をアニメーション Gif にした。萌は構図とか動きとかを頭の中で計算して描いているのがすごい。天使がフレームをはずれて出て行くとか、文字がフェイドアウトして消えていくいうのを描いて表現してしまうところなんかは、まことに唸るしかない。

2005/10/01

日記「ギターアンプのよろこび」

「フランス語への抵抗感」「Rainy Days and Mondays Always Get Me Down」ほか。
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■ 05/09/17(土) 11:32:10 □ フランス語への抵抗感
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 朝萌が退屈しているので、欲しがってるカスタネットでも買いに行こうかと支度したのだが、萌が俺に延々とフレンチの講義を始めてしまい出掛けられない。適当に相手をしてはみるものの、フレンチは発音が英語と全然違うし、スペイン語みたいに単純な音ではないので(※)、どうにも聞き取れない。萌は俺に新しいフランス語を言わせようとカンシャクを起こし大声を上げるのだが、聞こえない音は言えないのである。いささかウンザリし、「そんなのお父さんが知ってるわけないでしょ。もっとやさしく教えてくれないと分かんないよ」とピシャリというと、萌はウェーと泣き出してしまった。

(※)スペイン語は発音が容易なので、アニメ「 Dora 」を見るだけで言葉を簡単に覚えられ、かつ「ファンタスティコ! デリシアッソ!」と響きがかっこいいので、覚えたら使いたくなる。

 こうしたフランス語の取り付くシマのなさと、萌の学校の情報面での不親切に対する感情が入り混じり、俺の中にはフレンチへの反感が育っている。そしてフレンチが萌の中で増えていくことに、ややイライラしているのである。しかし萌は新しい知識の吸収に精神が高揚しているだけなのであって、俺自身のフランス語に対する感情がどうであっても、それをむげにすることは許されん。気をつけないとと反省はするのだが......。

 Mも萌の日本語に関して、こうした気持ちを抱いているのだろうか。ある程度日本語ボキャブラリのあるMはこんなにサッパリなワケ分からなさは感じてないはずだが、萌と俺が話していることのすべては分からないというつらさはやはりあるだろう。フレンチが入ってきて、それを俺が味わっているというだけのことかもしれない。

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■ 05/09/18(日) 13:21:26 □ テリーフォックス・ラン観戦
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KT一家が走っているというテリーフォックス・ランを見に行った。彼らは結局見つからなかったが幸いに晴れたので、ぞろぞろと歩いている数千の人々を眺めていると楽しかった。テリーフォックス高校ではチアリーダーがランナーを応援してるのを見れたし、ゴール地点まで自転車で回るとステージにバンドが出ており、小規模ながらお祭りになっていた。走らない一般市民も楽しめるよう、もっと屋台などが出てほんとのお祭りにしておいてくれたら、俺たちもランチを食べゆっくりできてもっとよかったのだけど。

 しかしこういうお祭りはいいが、テリーフォックスの偉業うんぬんはあまりピンと来ない。ガン研究の資金が足りないならガン患者(テリーフォックス)が命をかけて走って訴えなくても、政府が出せばよかろうにと思う。テリーフォックスが命をかけたことは全くパーソナルなことであって、他人が感動するようなことだろうか。よく分からんのであった。フォレストガンプが大陸横断をしているうちに教祖になったというエピソードがあったが、それは全くテリーフォックスのことだろう。

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■ 05/09/19(月) 11:39:32 □ Rainy Days and Mondays Always Get Me Down
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 毎週のことながら、土日は友達と遊べないことが多いせいで萌は月曜朝にフラストレーションの頂点に達する。もちろん俺はアニメ作成ツールなんてものまで見つけてちゃんと遊んでやっているのだが、やっぱ萌は本当は友達と遊びたいんだよな、俺がいくら努力して遊んでやっても満たされないんだよなと思いため息が出てしまう。午後がフリーなら平日でも友達と遊べるのに。Rainy Days and Mondays Always Get Me Down。

 萌を学校に連れて行くと、クラスで友達といる間だけはパーフェクトにハッピーそうで、それが救いだなと思う。

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 その足で楽器屋へ行き、日本から持って帰ったギターをつなぐアンプの価格調査をしてみると、目標の $100 で 15W+リバーブというそこそこの家庭用アンプが売っていた。

 家に帰ってネットで調べてみると、この辺の最安帯アンプは値段はあまり下がっておらず、半導体の進歩で音や使い勝手がよくなっているという感じらしい。価格低下は中級以上のアンプに出ているようだ。フェンダーの 100W(ツインリバーブじゃないけど)でも US$300 あたりで、誰でも買える値段になっている。マーシャル2段積みは US$700 でさすがにまだ高いが、リバーブすら入ってなかった昔と違いデジタルエフェクト満載になっている。CUBE などもアンプにエフェクトが最初から入っている奴が人気なようだ。やっぱ半導体は安くなってもキャビネットやスピーカの値段はあまり変わりないので、出力は上がらないということなんだろうな。

 しかしどうせ一番安いのしか買えないとはいえ、80年代以来のアンプ購入なもんで、わくわくする。まるで初めてバンドをやるときみたいに胸が弾む。

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■ 05/09/20(火) 10:31:19 □ スイミングレッスン
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 今日からスイミングレッスン。萌は知らない大人と泳ぐのは初めてなのでどうかなと思っていたのだが、逆に先生や他のキッズと一緒であるゆえに、普段だったらやらないことにも萌はトライしていた。やっぱりクラスだからこそ勇気が出るものなのね。レッスンが始まったときには鼻つまみ顔つけまでしかできなかったのが、30分で鼻つまみなしでできるようになった。えらい。先生のやることもいちいち合理的で感心した(ストローを使ってブレスコントロールを学ぶなど)。

 しかし問題はそのままさっと水から上がってしまうことで、萌は水の中ですごく冷えてしまうのでいつも泳いだ後は暖まるまでジャグジーにゆっくり入れるのだが、先生はそこまで面倒を見てはくれないのである。他の子は大丈夫だわよとMはのんきなことを言っているが、萌は真夏のアウトドアプールでもすぐに体温が下がってしまう低血圧(?)な子なのだ。今日はとにかく急いで帰り、すぐにココアをやって温まるまで毛布で包んでやったが、この先気温は下がる一方なのだしこれはまずいなあ。レッスンの内容は文句ないが、これには困った。

 体温が上がり落ち着いたところで萌は友達と遊びたいとまた言い出す。午後から学校だからと言うと、「じゃあ朝はスイミングでアフターヌーンはスクールだから、ぜんぜん遊べないじゃない!」と、萌はついに核心に気付いてしまった。「うーん、そうなんだよ、学校が午後になってしまったからさ。仕方がないから、スクールのあとでちょっとだけでも友達のところを訪ねていけるようアレンジするよ、なるべく」「うん、そうして」。ふいー。

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午後KT・HN家に行けるように手配し、「友達に見せたいの」と萌が用意していたあらゆるクラフト類を持っていくべく整理していると、俺が気付かぬ間にも彼女はさまざまに素敵な絵や、俺には思いもよらぬような発想のクラフトを作っているのであった。友達に見せたいからとかわいいものをこうして大量に作りこむいじらしさに、こたえてやらねばならない。


 こうした才能が大人になったときに残るのか消えてしまうものなのかそれは誰にも分からないが、現時点で俺たちは間違いなく、アートを毎日目にしている。

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■ 05/09/22(木) 10:06:11 □ 狙いのアンプ決定
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 スイミングレッスン:来る前は朝から水泳はしんどいなあと思うが、室温の高いセンターに来ると体調も気分も自然と上がる。今日はフロートに両手を持ったままでのキック&顔漬け。これは前回の単純顔漬けよりもだいぶ勇気が必要なはずだが、萌は実に頑張ってやっている。クラスだと勇気が湧くなあ。これにはほんとに驚く。やることのレベルはどんどん上がっているのだが、先生が子供の恐怖感を上手に取り除いている。やっぱり専門家は違います。

 そしてまた冷えてしまった萌を急いでくるんで帰って暖め、体調をゆっくりと上げてからスクールへ。しかしちょっと鼻水が戻ってしまった。やっぱりスイミングで体温が下がるのはよくないのである。困った。

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 ついにアンプを2つ試してきた。15W の方は、もう全然駄目であった。どうやってもいい音が出ず、箱もスピーカーも小さすぎてビービーびびってるし、音は信号を半導体だけで強制的に歪ませてるのがありありで、これは楽器の音ではない。やっぱ $100 でディストーションにリバープ回路まで突っ込むというのが無理がある。

 がっくりし、同じメーカーで 10W 違いだからこいつも同じだろうと思いながら 25W の方も試してみると、こっちはつないだ瞬間ちゃんと楽器の音が鳴るのであった。おお全然違う。歪ませないクリーンチャンネルで自然にアンプがドライブして、深みのあるいい音で「鳴る」。キャビネットとパワーアンプとスピーカという基本がいいのである。ドライブ(ディストーション)チャンネルはかなり音が割れイメージ通りに歪ませることはできなかったが、これはギターとの相性があるのである程度使いこんで最適値を探さねばならない。これは決まりだな。個人の遊び用だけで 25W は贅沢だが、$150 でこの音が手に入るというのは素晴らしい。

 アンプを買うのに際して昔の日記のバンド関連部分を検索してみると、関東村や立川基地のこと、犬のビコや競馬のことが大量に書いてあって、懐かしさに延々と読んでしまう。まったく愉快な日々であった。いつかあの頃のことをネットに書きたいなと思う。

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■ 05/09/24(土) 09:24:18 □「男はつらいよ」
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 萌と俺は昨夜から今朝、ずっと咳が出ており苦しい。昨日子供らを呼んで遊んだのがまずかった。今週は水泳体操学校とフィジカル的にハードだったのだから、週末はゆっくりさせるべきだったのだ。萌のハピネスを最優先しすぎた。

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 夕方俺は体調が下がり、萌は割合に元気だったのでMにまかせて「男はつらいよ」を見る。やっぱりしみじみ面白いなあ、寅さんは。昔司馬遼太郎が、「寅さんはファンタジーだが全然非現実的な存在ではない」というようなことを書いていたが、よく分かる。

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■ 05/09/26(月) 10:31:33 □ ギターアンプのよろこび
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 萌は昨日から体調がよくなって、延々1人遊びをしていても機嫌がよいので助かる。俺の体調は咳がありまだまだ元気とはいえない。去年まではタバコのせいで風邪をひくと咳き込むのだろうと思っていたが、関係ないみたいである。この咳のおかげでタバコの代わりに中毒になっていたガムをやめられたのでよかったけれども。

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アンプを買ってきたぜー! 楽器屋で確かめたとおり、クリーンチャンネルは $150 のアンプとは思えない素晴らしい音がする。この歪ませないでリバーブだけかけた素の音にしびれる。俺が一番最初に買ったでかアンプとその次の真空管アンプはもちろんのこと、小音量のクリアサウンドだけの勝負なら愛した Roland CUBE 60 にもまろやかさで勝つかもしれない。Cube 60 はキャビネットがしっかりしすぎていて、かなり大音量でドライブさせないと音が堅かったのだ。

 それに対してドライブチャンネルは、これもやはり店で感じたとおり、いい音がなかなか出ない。ハムバッカーのヘビーメタル用にチューンされた安いディストーションペダルという感じで、ピンポイントでソロ用の音を作ればそれなりの音はするが、回路で歪ませてるという感じが強くコードを鳴らすと音がつぶれてしまう。でもまあドライブチャンネルはこんなもんでいいのだ。家の中ではフルパワーで鳴らせないからこんなもんだが、ある程度音量を出せればあの甘いパワーアンプ側にナチュラルなドライブがかかるので、プリアンプ側のディストーションを減らしより美しいコード音が出せるのである。

 AUX 入力端子に PC から mp3 音を入れてみると、適度に音が悪くなるのでギターの音とよく混じり、見事にジャムセッション風な感じになってしまう。こりゃ楽しい。萌がキンダーから帰り、初のエレクトリックサウンドを聞き興奮してタンバリンを打ち踊りまくる。やっぱエレキの力は違うぜ。そこでマイクもつないでやり、さっそく「Iko Iko」をタンバリン入りで合奏して mp3 録音した。音楽一家となりつつあります。


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 考えてみればこのコンピュータ全盛の世の中、MIDI を鳴らすリズムボックスなんかも当然あるだろうなと探してみると、「これ一つでオーケストラ演奏がやれる」みたいな DTM ツールはフリーウェアでも当然のことながらたくさんあるのであった。しかしやはり1から音を打ち込むのはとてつもなく面倒なので、適当にドラムだけ鳴らせるやつを探してみよう。

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■ 05/09/27(火) 11:20:11 □ ピアノもほしいぜ
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 昨夜フリーのリズムマシンと共に見つけた MIDI の DTM ツールのピアノで、朝萌をしばらく遊ばせた。やっぱりピアノは楽しいなあ。ギターは上手にならないと楽しめないが、ピアノはこうしてマウスで画面上のキーを叩いてプレイしているだけでも楽しめる。萌にエレクトリックピアノを買ってやりたい。

 しかしエレピってどうして $1000 もするのであろうか。音源はこうしてサウンドカードに載ってる程度の(おそらく)数ドルの FM 音源チップでもちゃんと鳴るし、カシオのキーボードなんかは $100 で買えるのに、ピアノは鍵盤を重くタッチセンサー付きにするのに大金がかかるのかな。この程度の音源でいいから(PC などにつなぐようにすれば内蔵アンプ&スピーカも最小限でいい)、数百ドルでエレピが出てほしいものだ。それ以上はどこの家庭にとってもハードルが高すぎるのである。BVのところなんか億万長者だけど、後々使うかどうか分からないといって子供にキーボードを買うのをためらってるもんな。

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 夜、俺自身の快気祝いにばりっと鳥のからあげとフライドポテトその他を作る。久々にうまい晩御飯。やっぱり主夫がご飯をちゃんと作らないと、風邪も治らないわい。

 こないだ包丁の柄が取れてしまったので、日本の出刃に似た中国向けの小さなナイフを買ったのだが、刃が広すぎてけっこう使いにくい。広刃は用途が限られるんだな。料理というのは本当に徹底して科学と合理性が貫いていて、こうして一つ一つ壁にぶち当たり、ああそうかそうかと納得することが多い。

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■ 05/09/28(水) 09:28:39 □ 家庭内スタジオを構築中
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 萌のキンダーガーデン全日デイ。今日は仕事が入る可能性があって空けておいたのだが結局ボツった。というわけで徹底掃除。咳も出なくなったので頑張ろう。

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 掃除の昼休み、PCでドラムマシンを鳴らしてギターを弾き、Pocket PC でMP3 録音する。昔はドラムマシンなんて買えなかったから、こういう遊びはできなかったもんなあ。便利な世の中になったものです。かなりリズムに没入し「ビーナス (The Roosters)」のコードカッティングをやって聞いてみたら、やはり微妙にリズムが前めに走るクセは昔と変わっていなかった。しかしこうして現代のテクノロジーを用いて練習できれば克服できるのではないかと思う。今頃克服しても仕方がないが。

 しかしもうすでにドラムマシンは鳴ってるし、その場で mp3 録音できるし、時間と根気さえあれば MIDI でベースも組めて、多分 HDD でマルチトラック録音もできるわけで、現在の PC を持ってすれば簡単に家庭内スタジオができてしまうのだなあ。すごいことだ。

 萌を拾ってその足でKT家を訪ねる。昨日MSさんの Flash アニメとゲームを大量に楽しんで感動したので、その話をしにいくのが目的であった。んでアニメの技術的な話を1時間以上もなにかのインタビューのように訊ねて話し込んでしまった。技術を持つ人の話は実に面白い。