2006/04/29

日記「いじわるなモニター」

「FM 2006: 華麗なサッカーは難しい」「下町の学校山の手の学校」ほか。
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■06/04/11(火) □ 忙しい春の日
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 今日は朝のモールでの用足しから始まり、夕方のタンポポ摘みまで外での仕事が途切れず、疲れた。

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 今日から始まった「ごくせん2」を夕方見る。「1」でも少女マンガ的ファンタジーに満ちていたのは最初の方だけで、中盤以降はほとんど熱血本宮ひろし路線だったのでさほど期待はしてなかったが、やはり「ごくせん2」も熱血路線で行くらしい。最初っから殺伐としたケンカばっかりで、もうぜんぜん学園ファンタジーではなくなってしまっている。生徒役のボーイズがなぜか全員老けてかわいげのない奴らなのもしっくりこなくて(萌は「沢田はもういないの?」とがっかりしている)、俺も萌もただ黙って見ているのみだった。まあTVドラマの続編なんてこんなもんか。

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■06/04/14(金) □ 追憶の1996年
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 KT・HNのところに萌を連れて行って、父親のMSさんと話をしていたら、前はバンクーバーのF社で働いていた....という話が出てきた。ん? 待てよ?それってあのF社ですか? ....と記憶をたどり、なんと俺とMSさんは96年ごろ、翻訳&マルチメディアのF社で同時期に働いたことがあるのだと判明した。俺は契約翻訳者で会社にはときおりローカライズを手伝いに行くだけだったので、マルチメディアの部署にいたMSさんとは接点がなかったのだろう。でも会社の全部の人を共通に知っていたので、おそらく当時昼飯なんかは一緒に食べていると思われる。いやー驚いた。

 しかしオークストリートのアパートに住んでたあれから、すでにもう10年だ。東京で過ごした年月ですら12~3年だったのだから、カナダで暮らす年月もそれに近づいている(1年半は帰国してたが)。そう思うと、長いなあと感慨深いものがある。

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■06/04/15(土) □ FM 2006: 華麗なサッカーは難しい
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 チェルシー2-0ボルトン:残り20分で久々に中田を見れた。中田本人は調子がいいので出番をただ待つといい、監督は

>「運動能力や判断スピードというものがネックになっているのかもしれない。
> ミリセカンド(0コンマ何秒)の遅れで、技術を発揮できないのがプレミアだ」

 と論評する中での出場なのだが、率直に言ってボルトンの中盤はボールに触れないのだから、運動能力や判断スピードも見せようがない。びゅんびゅんとボールが飛び交う中でプレーに絡むことが求められており、それには足の速さと判断の早さが必要だと監督は言いたいのだろうけれども、たとえば今日の中田のポジションに鬼フィジカルのMFが入ったとしても、何度ボールに触れたか。

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 サッカーシミュレーション FM 2006 をやっていても思うのは、サッカーというのはスペースのない中盤でのパスを避けて横を回していくのがもう絶対的に効率がよくチャンスにつながる確率が高まるわけで、どこのチームも中盤はプレスが厳しく、MFは自然とボールを持った瞬間にサイドにはたく、つなぎが主な仕事となってしまう。この中で攻撃的MFが何か決定的な仕事をするのは本当に難しい。中田は昔よりもドリブルでボールを運べなくなっているし。

 それでも中田にボールを持たせファンタジーを起こさせようと、中盤で組み立てる 4-3-1-2 フォーメーションにトライしてみる。俺たちの記憶にある「華麗なるペルージャ・ローマ時代の中田」を再現するには、

①相手に押し込まれる②相手攻撃のこぼれ球を拾う(敵のほとんどが前がかりになっている)③中田に渡し、中田がスペースをドリブルで驀進③同時にFWとウィングが猛スピードで上がって複数のパスコースを作る⑤フィニッシュにつながる長く低く美しいグラウンダーパス!

 という流れを人為的に作らなければならない。②の時点で FM 2006 の人工知能は一番ゴールに近いFWかウィングへのミドルパスを選択してしまうのだが、そこをあえて中田に渡せという指示を出すと、中盤からFWへスルーパスが出たりと明らかな変化が現れ、いろんな攻撃パターンを楽しめるようになった。

 だがしかし強い相手にこれをやると当然のことながら、真ん中のやばいところでボールを奪われ一気にシュートに持っていかれ、惨敗を喫する。ボルトンの監督などが恐れているのはまさにこの事態なわけである。華麗なサッカーは難しい。

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■06/04/19(水) □ いじわるなモニター
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 萌は先週水曜に弁当を残し、どうしたのかと聞くと「いじわるなモニター」(※)に早く食い終えて教室を出ろといわれたと言っていたのだが、今日は同じモニターに何かで怒鳴りつけられ、萌と何人かが泣いてしまったらしい。

(※)ランチの時間は先生が職員室に戻り、4年生の係の子供が数人で萌たちを監督している。

 グレイド1の子がなぐさめてくれたそうだが、明らかにかんしゃく持ちのモニターに嫌な目に遭わされているようだ。萌はその子の理不尽な命令に毅然と対処したようだし、先生にも俺たちにもきちんと説明してくれたので即善処されるだろうが(そもそもそういう生徒をなぜモニターに選ぶのか理解できんが)、かわいそうだったなあと胸が痛む。

 そして今日は俺に仕事があるというと萌は一人で静かにレゴをやって遊んでいてくれるので、そのけなげにこれまた胸が痛み、時間がないのについついリビングに出向いていっては遊んでやってしまうのであった。

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■06/04/21(金) □ Pocket PC でどこでも仕事
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 今日はジムナスティックスで萌を待ちながら、Pocket PC 上で仕事を進めた。快調に進んだので、毎日いい子でいて俺に仕事をやらせてくれてありがとうの意を込めて、萌をプレイグラウンドのあるマクドナルドへ連れてきてやった。

 ここでも遊んでいる萌を見ながら、また仕事を進める。機械翻訳をテキストで持ってきて Pocket PC 上で清書一歩手前へと直していくわけだが、Pocket PC では小さなスクリーン上でやっているとは思えないくらいはかどるし、環境が変わるのがいいのか頭もよく回転する。Pocket PC は本当にありがたい機械である。

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■06/04/23(日) □ 停電のかなしみ
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 萌とBRとMがバンクーバーにキッズバレエを見に行くというので、Lougheed 駅まで送り、久々の単独休暇。日本食を仕入れて帰ってきた。アジの干物などうまそう。

 14:15 しかしたまっていた掃除をしつつ、映画を見ながらPCで遊ぼうと思っていたら、掃除の途中で停電になってしまった。なんでこんな春のいい天気の日(日向で28℃にも達している)に停電なんだ? あれもこれもやりたいのになにもできん。はあ。昼寝しよう。春の休日が台無しだ(泣)。

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■06/04/24(月) □ いじわるなモニターと対面
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 今日は昨日にも増して暑く、今年初めて帽子とサンスクリーンを着用して萌を学校へ連れて行く。BCには春らしい春がなくて、先週まで肌寒かったのがいきなりこういう気候になったりするよな。

 で校庭で遊んでいると、萌が「ブリイ(いじめっこ)がいた!」といって俺の袖を掴み体を固くする。―――どの子? あいつか。4年生くらいの、だいたい世界共通イメージ通りの感じのいじめっ子である。顔を見ているとそいつがこちらに気づき、萌の親父が自分を見ているということの意味をたちまち理解したようで、愛想笑いを浮かべて手を振ってきた。先生とこいつとの間でどういう話がついたのか分からんので俺が直接口出しをするわけにはいかないが、とりあえずその愛想に「小僧、俺は知ってるんだぜ」という視線をバシバシと返しておく。

 放課後事件の対処状況を先生に聞いてみると、悪い子ではないがそういう威嚇的な態度をとりがちな子なんだそうで、本人と先生と親とが話し合い、もう一度だけチャンスをやるということになったのだそうだ。つまり二度とキッズに声を荒立てたりしないという約束をしたのだろう。しかし萌は彼をあんなにも怖く思っているわけであり、あと数ヶ月毎週顔を会わせて過ごすのかと思うと単純に気の毒である。もう怖がる必要はないのだと、ていねいに説明してやらねばならない。

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 萌が夕方腹痛を訴え、やがてどぱーっと吐いてしまった。熱はないのだが(ちょっとほてっている程度)、ストマックフルーだろうか。水曜に学校でダンスの発表会を控えていて、萌はそういう楽しみがあるときに間が悪く風邪をひくことがあまりにも多いので先週からずっと気を使ってきたのだが、やっぱりきたかーという感じ。子供の場合どれほど気をつけても駄目なときは駄目なようだ。

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■06/04/26(水) □ 二重に残念な欠席
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 昨日も今日もなかなか萌の体調が上がらない。食べられないのでほとほと心身が弱っているようだ。朝イチでMが薬局にペインキラーと流動食のようなものを買いに行き、この流動食を飲み干したことで元気が出てきた。ふいー。やっぱ食べられんと回復せんよなあ。本日のダンス発表は、やはり行けない。無念。

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 午後、だいぶ回復したところでLSから電話があった。よく分からないが、こないだMと萌の行ったサーモンフェスティバルで撮られた萌の写真がローカル新聞の1面に載り、さらに学校のドローイングコンテストで萌が賞を取ったらしい。つまり今日の生徒集会ではダンスの発表に加えて、ドローイングコンテストの表彰もあったわけだ。萌は楽しみにしていたメキシカンダンスだけでなく、みなの前で絵を表彰される喜びもミスしてしまったのか。かわいそうなり。


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■06/04/28(金) □ 下町の学校山の手の学校
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 10:59 萌は元気になったがまだ回復途上ということで、学校はよしてプレイグラウンドへ。最初は近くの小学校の庭で遊んでいたのだが、休み時間に生徙がワラワラと出てくると萌はやや気圧されて、別の公園へ行こうよという。ここは自分の学校ではないと感じるのだろう。うちの隣家のKTがいたのだが、こちらに目もくれなかった。そのKTの態度がどこか象徴するように、こっちはより雑多で元気でキツイ、下町の学校という感じがする。萌の学校はフレンチイマージョンクラスがあるゆえ、自然と教育熱心傾向の親を持つ子供が広域から集まりやすい(のであろう)、山の手の学校だ。

 ゆっくりと遊び帰ってランチを食べ、即萌は庭へ。俺もタンポポ刈りに出る。カナダではタンポポがナンバー1嫌われ雑草なわけだが(日本じゃもっと背丈の高い強力雑草が無数にあるので、タンポポなんぞなんとも思われていないと思う)、こいつの生命力は日本のセイタカアワダチソウあたりとタメをはるものがある。どれだけ掘り起こしても半日もすれば別なところから花が出てきて、まったくキリがない。これがカナダ中を覆い尽くす事態になってないのが不思議なくらいで、個々の家のこういう地道なタンポポ摘み作業だけが蔓延を食い止めているのであろうか。不思議だ。なんとかならんのかこれは、と庭先で快適モバイルPCをやっているMKに愚痴りながらタンポポを掘り尽くした。尽くしても明日はまた出て来るんだよなあ。やれやれ。

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昨日休んだ日本語学校から宿題と一緒に先生の手紙がファックスで届いていたのだが、俺が知らぬ間に萌は宿題をさっさと終わらせて、先生に長い手紙を書いていた。この手紙がまたいい味で、flu とか vomit といった言葉をうまくカタカナ化&イラスト化しており、最高なのです。

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