2006/11/19

日記「中国音曲底力」

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■06/11/12(日) □ 中国音曲底力
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 明日Mがクラスの人々を招待したので何年かぶりのパーティ主催となり、一家総出で大掃除。これほどきれいになったのはいつ以来か記憶になし。

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パーティが1時間遅れて始まる。カナダ人と外国人が半々の面々だったのだが、チャイニーズの女の子が「中国南西部舞踊」というものを披露してくれた。太極拳と剣舞とタイ・インドネシアダンスの交じり合った感じのものなのだが(南西部だから地域的にタイとも近いのだろう)、もう圧巻の素晴らしさ。すごい。こんなすごいものを市井の人が踊れるのか中国では。恐れ入りました。



 後からMに聞いて実はただの「市井の人」ではなくてカナダにおける中国舞踏研究の第一人者というべき人なのだと判明し、道理で! 激しく腑に落ちる。道理ですごいわけだよ。しかしこういうのを見てしまうと、もともと俺にはサッパリわからない日舞はもちろん、アイリッシュやらスパニッシュやらを含めても、何も知識素養がない人の目にこれほど心地よい踊りが南東アジア以外にあるだろうかと思う。日本にもこんな踊りが伝わればよかったのに。

 そのダンスのためにもう1人のチャイナの方が中国笛を吹いたのだが、ひょうたんと竹でできた笛でスライドバーもついてないのに、スラーで無限諧調音階が出て中国音階になっている。いったいどういう仕組みかと聞くと、中に金属のリードが入っていて呼気でスラーが出るのだそうだ。こんなのも見たことがない。こういうその国独自の楽器がたくさんあって、こうして市井の人(こちらの方は本当に市井の方であった・笑)が弾けてしまうのだから、中国の音曲底力はすごい。中国文化に快感をもって圧倒された一幕でありました。

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■06/11/14(火) □ 「3丁目の夕日」
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 MSさんからお借りした「3丁目の夕日」を見る。昭和30年代(20年代?)の車とか路面電車とか町の風景をよく作ったなとびっくりする。あれはみんなCGなんだろうか。俺が見て育った風景ではないので特に懐かしいというわけではないが、主人公の女の子が本当に吉永小百合みたいで、そっちのほうにノスタルジアを感じて楽しめた。しかし吉岡秀隆(ジュン)って、「北の国から」でのティーンエイジャー役以外のことは何もできないんだなと改めて思った。もっと本当にしょぼくれた役者で見てみたかった。

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■06/11/15(水) □ 嵐のBC
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 今日もひどい雨。というか今日から嵐が本格化するらしい。横殴りのひどいひどい雨。デッキの萌のキッチンが風で横倒しになった。これは停電になるかもしれんのでライトやランタンを準備する。やれやれ。BCの秋冬は駄目だ。雨が降りすぎる。温暖化のせいも大きいのだろうが、それにしてもである。風速 48 km/h、瞬間最大 67 km/h。

 Mがこの雨の中ドクターアポイントメントで出かけねばならず、気の毒。こんな悪天候の中文句も言わずに、全身カッパで身を包みしょうがないと笑いながらバスに乗って行くMは偉大だと思うので、そう言ってほめてやる。カーラジオからは倒木・停電・悪路のニュースががんがんと聞こえてくる。

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 夜、萌の下前歯がついに抜けた。もんのすごく喜ぶ萌 :-)。これは写真を撮らないわけにはいかないのでMKのカメラを借りて撮ったのだが(うちのはこないだのハロウィーン時に死亡)、全部ピンボケになってしまった。どうやらボタン半押しをしないとちゃんとオートフォーカスしないらしい。最近のカメラはなかなか気難しい。はやく当家の新カメラが届いてくれ。

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■06/11/19(日) □ バンクーバーアートギャラリー
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 M萌はバンクーバーアートギャラリーのキッズイベントへ。俺は久々に留守番オフ。しかし買い物雑用を済ませ、さてと思ったらもう2時を過ぎている。早い。はー。雨が上がったので落ち葉かきをまた続行せねば。はー。

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 萌はアートギャラリーが楽しすぎたよと興奮して帰ってきたが、最近ほんとに日本語を喋らなくなってきた。英語のほうが話している時間が長いのだから、どこの移民家庭の子もいずれはそうなるのだが、うちは家族が英語3人に日本語1人だからよけいに難しい。ここまで日本語が完璧できているのに、それを失ってしまうのはあまりにも惜しい。どうしたものかとほんと悩みます。

2006/11/09

日記「ランチ問題発生」

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■06/11/01(水) □ 歯がグラグラ
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Mと買い物に出かけていた萌が、「サプライズがあるの。歯がグラグラしてるの」と車の中から電話してきた。えーほんとかい。虫歯はないけど乳歯はやっぱり抜けるのか。その後も買い物中行く先々から萌は電話をしてきて、なぜだか電話ではずっと日本語を喋ろうと努力していた。えらい。

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■06/11/02(木) □ ランチ問題発生
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 朝萌を送っていくときにランチを作り忘れ、あわててピザを解凍していると、「....お父さん、AUがね、ランチのときに『くさくて気持ち悪いジャパニーズフード!』っていうの」という。あー、ついにきたか。

 NRさんのところのKDも、小学校に入ったときにそう言われて傷つき、おにぎり等を持っていかなくなったのだそうだ。KTは逆に、「いいんだ、誰がなんと言おうと僕はヤキソバが好きなんだ!」とファイトを燃やしてヤキソバ弁当をかっくらっているのだそうだが(笑)。

 「じゃさ、『そういう風にいうのはルード(失礼)だ、あんたが食べるんじゃないから関係ないでしょ』って言ってごらん。それで駄目なら先生に言うしかないけどさ」「....うん」「カナダの子(というのもやや語弊があるが)はジャパニーズフードを食べたことがないからさ、知らないんだよ。萌だってこないだチャイニーズレストランで『うええ』って言ってお父さんに怒られたじゃん。それと同じだよ」「うん」。

 しかし海苔の匂いなんて気になるのかな。ツナサンドやチーズの方がよほど臭うと思うのだが、これはカナダ食で育ってみないと体感できない。これは文化うんぬんと言っても相手の子供には通じんし、弱ったことだ。とにかくどんな食べ物にも貴賎はないのだという真っ当な態度を萌に持たせてやるしかない。

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■06/11/03(金) □ ランチ問題自力解決
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 萌を迎えに行く。「またAUが気持ち悪いジャパニーズフードって言ったよ」「あー (-_-)。それで? ルードだっていった?」「うん。だけど知らねえよって」「ぐあー」「それに私の花の絵も変だ、下手だって」「それで先生には言ったの?」「先生はいなかった」「モニター(先生の不在時に下級生の世話をする上級生)は?」「うん、それでモニターにいったの。そしたらAUは謝って、それでその後のランチのときね、『自分が食べるんじゃないからジャパニーズフードも問題ないよね』って言ったの」。

 「ちゅうことは問題が解決したってこと? AUがナイスになったの?」「そう!」「すんげー。萌、それはすごいよ。自分でそんな難しい問題をハンドル(処理)するなんて。ブレイブだよ。勇気があるって、知ってる?」「トンネルの探検とかできるってことでしょ?」「そう。お父さんだったら怖くてそんな風にできないよ。すばらしい!」。まったく実に、えらい。

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 夜、萌がアニメを作ってMS先生に送ると、なんと添削指導というか改作したプロの作品が届いた。これは憧れの漫画家に色紙にサインをしてもらったのと同じ感動であります\(^o^)/。

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■06/11/05(日) □ やる気なしチアリーダー
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 Lちゃんのバースデイで大雨の中 PoCo のジムへ。このジムにははじめて来たのだが、体操ではなくて地域で有名なチアリーディングのジムなのだそうだ。チアリーディングといっても男女半々で、大勢の男女がひたすらバクテンの練習をしていた。これをフットボールのハーフタイムに披露するという趣旨なのだろうが、こっちはパーティをやってるというのにえらい大音響で音楽をかけてるのが不親切である。バクテンの練習に音楽などはいらんではないか。

 パーティの世話をしてた2人の女の子も徹頭徹尾やる気のないバイト感まるだしで、萌の昔の体操のナマケモノ先生を思い出させる。チアリーディングを教えてくれたのだが前に教えた経験もないらしく、振り付けも曲もその場で相談しながらちんたらとやっている。子供らは体を動かすより2人の相談終了を待ってる時間のほうが長くて、体が冷えそうであった。こういう対人で人を楽しませずして平気な感覚というのは、小心な俺には理解できん。

 ま、子供たちはハッピーだったですが、この遊具施設にプリスクールの先生みたいな熱意があれば、子供たちが忘れられないくらい楽しいパーティになるのになとずっと思っていた。

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■06/11/06(月) □ 栗をむく
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 コリアンスーパーで買ってきた栗を昨夜のうちにゆで、朝萌の学校スナックにとむいてやった。栗をむくとどうやっても指が痛くなる。シブ皮のアクのせいかもしれない。自分の母親はこんなにめんどくさいことをやってくれていたのねえと、親のありがたみを感じつつ一生懸命むきました。

 今日もやまぬ雨。ついに洪水警報が出た。2年前の洪水時に比べればまだマシかと思っていたのだが、ハイドクリークがあふれており、Mは萌を学校で降ろした後ボランティアで通ってるサーモンの孵化場へ寄り、池からあふれて側溝へ逃げたベイビーサーモンの救出をしてきたそうである。うちのドレインを全部点検、万全なり。

2006/11/06

アニメ「かわいいモデル 」

萌が最近ご執心の「モデル」を題材に、またアニメを製作。



そしてそれを玄人のお師匠に送ったところ、なんと添削指導があったのです。感激 :-)!


2006/11/01

日記「なぜだか静かなハロウィーン」

「『Mさん仕事をするの図』製作」「冬の庭仕事」ほか。

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■06/10/26(木) □ 「Mさん仕事をするの図」製作
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 昨日調子がいまいちだったのに学校に行かせたのが失敗で、萌は午後から声が出なくなり、今日はついに休。かわいそうなので久々に粘土細工で遊ぶ。

萌は途中でリタイヤして横になっていたのだが、「コンピュータを使うかわいい女の子」を作ってくれというリクエストに俺1人で取り組んでいると、なんかこれは我が妻に似てるなと気が付く。それで燃えてきて、結局「Mさん仕事をするの図」を作ってしまった(笑)。もちろん実在の人物に人形を似せる技術など俺にはないのだが、こんな髪の毛なんだよな、鼻はこうで....とマンガ的にディテイルを積んでいるとそれなりに似てしまうところが粘土は面白い。



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オシム第4戦イエメン・日本

 現時点の日本代表サッカーにはかなり悲観的になってきたが、送ってもらった DVD 最後のイエメン戦を見る。この試合はサウジ戦ほど日本選手の技術的拙さは目に付かない。ピッチが日本の小学校みたいなハゲハゲの芝でボールが跳ねているが、さほど問題なくボールコントロールをして組み立てている。これは単に相手がサウジより弱いからだろうな。空気が薄くて走るとしんどそうだが、選手の動きは暑かったサウジよりもいいし。

 アイデアと速さで再三チャンスを作り出している達也が完璧なクロス、フリーの巻がはずす! 巻はこの中東遠征で一度もヘッドをクリーンにヒットしていない。体がぶれているのは明らかで、なぜオシムはこんな状態の巻を使うのだろう。後半初めて巻が脚でシュートを打ち枠に行ったのだが、アジアレベルで3試合で数本しかまともなシュートが打てないFWがレギュラーというのは、見ていてつらいものがある。今年前半のようにリーグで切れに切れているときに呼ばれるのはわかるが、この状態で使い続けられる理由がわからない。川渕会長が巻が下手だと愚痴った気持ちもわかるのである。いまは播戸に期待するしかないか。彼にはカズ中山の匂いがするしな。実際うまいというイメージがない中山でも、巻に比べればボールを打つ技術は格段に高かったのだ。

 結局最後は巻の落としをガナハが押し込んだのだが、こういう巻の使い方を見ていると、やがては高いというだけで平山を使い続けるようになるのではないかと不安に感じるのであった。

 風間八宏さんがサウジ戦後、

オシム監督はサッカーを「パスゲーム」と考えており、現時点でのパスの「出し手」よりも「受け手」に質の高い動きを要求している。「個」ではなく、「方法」を前面に出した結果、ジーコジャパン時代と比べて、個人能力の低い選手が集まったように感じる。

 と評していたが、このほかに選手の能力についてうんぬんしている記事はあまりないのが不思議である。

 ―――うわコマーシャルに中田が出ている。トヨタのミニバンの宣伝をしている。何をやっているのかねキミは。お前さんがいないからこんな思いをしているんだよ、俺たちは(泣)。

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■06/10/30(月) □ 冬の庭仕事
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 昨日萌は風邪がやっと良化してHNバースデイパーティへ行って思い切り楽しみ、今日は学校へ復帰。

 サマータイム終了の昨日の朝大風が吹いて雲が消え、それで午後から1週間ぶりにピカリと晴れたのだが、同時に気温がドカンと下がった。夕方6時にはもうデッキに出るとグワ寒いと痛感するほど冷え込み、夜には5度を割り、今朝は当然霜が降りていた。おそらく氷点下になったのだろう。冬だ。

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 大風と雨で家の回り一面に降り注いだオークの葉を、晴れて空気が冷たい中をざっと掃除する。しかし庭のあちらこちら日が当たらない場所の芝は全部死んで、コケに場所を取られてしまった。このコケがはげると黒土がぼろぼろっと出て非常に汚らしくなる。芝というのは非常に手間のかかる植物だ。

 ついでに、大雨浸水時に排水パイプを埋め換え約2年が経ったフロントドレインのサンプ(ため穴)も掃除。25cm ほどの泥がたまっていたが、パイプ自体には泥はまったくなくきれい。これなら排水がうまくいっているはずである。よしよし。

 仕事中ヘッドフォンで井上陽水の最近のアルバムを流す。陽水って喉と唇で実にいろんな音を発している。言葉や語尾の面白さを音として追求するセンスと技能がある。同じ男声高音系でスティングあたりと比べても、陽水の方が才能があるんじゃないかと思う。スティングはポリスという3ピースバンドを発明したことが偉大なのであって、ソロ歌手としては陽水のほうがやってることは面白いだろう....などと思いつつ泥をゴリゴリ。

 萌は元気に帰宅。これで明日のハロウィーンも大丈夫。よかったよかった。

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■06/10/31(火) □ なぜだか静かなハロウィーン
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 今朝も一面の霜。さ、寒い。

 学校のハロウィーンパーティへ。着付けに行くともう皆が着替えており、萌はじれて「遅いよお父さん」とじだんだ踏んでいる。すまんすまん。俺よりも遅くお母さんがきたCHに到っては、一人取り残されすでに泣き出しているという興奮状態。子供にとってはまことに一大事なのである。



 萌はカオナシになった。これはシンプルながら傑作だと思うのだが、昨日まで風邪で機嫌が悪かったので試着が済んでおらず、マスクがうまくフィットしない。鼻がつぶれて痛いというのである。まあ仕方がない、夜の本番にはもう一度作り直そう。クラスメイトは当然誰もカオナシを知らなかったが、うわ何それコワイじゃんと、いい感じにウケていた。



 ところがそのコスチュームをまとったパレードは、数百人の子供らがぞろぞろと校内を練り歩くだけで、さほど盛り上がりもせず。ありゃりゃ。ジムに入る瞬間くらいは「なんとか先生のクラスの入場でーす!」とかいって盛り上げりゃいいのに、そういう楽しい方面にはあの校長の知恵が及ばないらしい。そのくせ彼は俺たち父兄の姿に気が付くと、例の今にもこちらに駆け寄り握手を求めそうな政治家スマイルを投げかけてくるのだった。苦笑。

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 今年のハロウィーンは俺が留守番キャンディ配布係りになってしまった。カオナシのコスチュームがうまくできたので、撮影しながら歩きたかったのだが。

 しかし今年は去年の半分もキッズが来なかったような気がする。1時間半を玄関でぽつねんと過ごし、10分に1組やってくるという感じで50人以下。ありゃりゃ。どうしてだろう。近隣の子供の数が減ってるのかな。うちの前のサークルでの花火大会も参加人数はわずか。もちろん個々の子供たちは仮装とトリックオアトリートを十分に楽しんでいたけれど、全般になぜだか静かな今年のハロウィーンであった。

 しかし3軒隣のSMがうちのドアをノックし、俺の顔を見て「あなたのこと知ってるわ! 萌のお父さんでしょ!」と言ったのがおかしかった。当たり前だろう、いつもうちに来て遊んでるではないか。興奮のあまりどの家のドアをノックしているのかわからなくなっているらしい。子供にとってはまことに一大事なのである、ハロウィーン。