2009/03/22

日記「外食嫌い」

「英国食の謎」「ジャニーズの底力」ほか。

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■09/02/28(土) □ おひな出し
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おひなを出す。今年はキモノ着付けパーティはなしということで、お祝いは平服で身内だけとなった。2年連続で着物パーティを催したので、着物を着てみたいというティーンエイジャー招待客が枯渇してしまったというところである。萌のクラスメートがもうちょっと大きくなってくれば、またやるかもしれない。

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 萌が学校のプロジェクトで心臓病支援の募金をしてくれと封筒を持ってきた。いつも思うがカナダの募金活動は特定の病気を支援してくれというのがやたらに多く、なんでその特定の病気の患者を支援せねばならんのかと釈然としない。貧しい人々や国を支援するのならわかるが、特定病を支援しても他の病気患者にフェアではないではないか。萌にそういうとしゅんとしてしまったので、いや嫌だといってるんじゃないよ、ただ理由がわからないのだよと説明する。

 なんで学校がこんなことをするのかとMに尋ねると、単にPTAのボランティアが心臓病支援団体をプロジェクト対象として選んだだけで、他の団体を選んでいれば他の病気になったであろうとのこと。募金が集まれば心臓病予防教員かなんかが出張してきてくれるらしい。特定の病気を支援しても意味ないだろう、しかも心臓病なんか特に食習慣で予防が可能だろうにというと、まあその通りだわね、とにかく子供が加わる募金活動に意義があり、対象はなんでもいいのだそうだ。よくわからん。

 募金といえばうちの町出身の国民的ヒーローとしてテリーフォックスという人物がいて、骨肉腫にかかり、ガン研究資金を募るためにカナダ横断単独マラソンをやり、その途中でガンが進行し亡くなったという若者なのだが、この人が「カナダでもっとも偉大なヒーロー」とかに選ばれたりするその理由もわからない。彼の行動が偉業なのかどうかすらよくわからない。エイズ撲滅等、世間の耳目を集め啓蒙することに予防と支援効果があるような病気ならばこうした行為にも意義はあろうが、彼が命をなげうってガン研究資金を集めて、それでカナダは変わったのだろうか。

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■09/03/01(日) □ 英国食の謎
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 日曜は毎週M母のチキンディナーなのだが、英国食というのは謎な食べ物である。チキンを蒸して油を落とし、そこに別途作っておいたグレイビー(チキンくずや油と野菜を煮込んだソース)をかけて食べる。中華和食はチキンの旨みを失わないよう調理するのに対し、英食はいったん旨みを分離しそれを戻すという手順になるわけである。いったん抜いたものは戻しても同等にはならないので、結果として非常に味が薄いというのが特徴の食べ物になる。MK青年はこのチキンに驚くほど多量の塩と胡椒を振って食べているが、無理はない。

 Mは日本にしばらく滞在すると、「なんの食べ物もみな醤油の味がする」と非日本食を食べたがるのだが、それは実は醤油ではなく旨みのことを言ってるのだと思う。つまり彼女にとっては日本で何を食べても旨みが多すぎ、英国食ほど旨みの抜けたものは日本にはないのだ。M自身が日本で作ったビーンスープなども、材料の缶詰豆自体がカナダのものよりも旨みがあり、出来上がりが普段より数等うまかった。カナダで売ってるような味がしない缶詰豆は日本に輸入されないのだろう。英国系カナダ人は基本的に、『旨みがないもの』が好きなのだと思われる。

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■09/03/06(金) □ 家仕事たまる
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 素晴らしい春の好天になったので、久々に外の家仕事をする。雨どい修理、ヒーターのノイズ問題、落とした庭木枝の処理、水道タップ交換、デッキ掃除&ペイントと、火急の家問題はこれだけあるのだ。まったく家を持つということは物入りだ。

 雨どいは大雪で壊れたわけだが、隣家から長はしごを借りてきて登り見てみると交換パーツが必要だった。これを買ってきて無事交換できたが、地上5mのハシゴ上で反り返ってパーツを取り替えるというのはけっこう恐ろしい仕事であった。高いところでは春の風もまだ冷たいのです。

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■09/03/14(土) □ ジャニーズの底力
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 カルチョビットでついにチャレンジカップを獲得。疲れた。興奮した。ふー。

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 TV Japan の音楽番組「Mステ」に、「ヤスコとケンジ」のケンジがやってるバンドが出てきてあの主題歌「雨傘」を演奏し、萌と見ていてそのうまさにぶったまげた。この歌はいかにも椎名林檎的な、アタシは好きなように歌うから後はなんとかして的なバンドに対し不親切な曲だと思うが(歌も林檎スタイルなのでボーカルの人は困ってるだろう)、この難曲を TOKIO はちゃんとノリを出して演奏してるのである。

 こんなアイドルバンドに注意を払って見たことなど当然なく、ただベースの人が凄腕なことだけ気づいていたが(あの構えと腕の太さは、芸能界よりもフュージョンバンドにいるべき人材だろう)、ギターもピアノもドラマー・ケンジ松岡もみんなちゃんとうまいのであった。これってジャニーズらしいのだが、事務所の方針でアイドルが楽器をやってるみたいなレベルの技量ではない。元々バンドをやってたのかしらん。

 ケンジ松岡は腕は並だが叩く姿がかっこよい。背筋を池畑のごとくしゃきっと伸ばし首を左右に激しく振りながら叩くその姿は、俺と萌が楽しんでいる「ヤスコとケンジ」での彼の役柄と見事に重なっており、非常に楽しめた。

 最近 TV Japan でやってる NHK ドラマは、大河(天地人)、朝ドラ(だんだん)、青春もの時代劇と全部俺にとってハズレだが(※)、あそこが買ってくる民放ドラマは近年当たりが多いように思う。今春の「ヤスコ...」と「佐々木夫妻の仁義なき戦い」は文句なく面白い。萌は毎週の「ヤスコ...」をいつも楽しみにしているが、俺も実は「佐々木夫妻...」を毎週心待ちにしている。
(※)「だんだん」をこないだちらと見たら、歌手だった主人公の1人が看護婦に、そのマネージャが医者になっていた。いったい何がどうなったらそうなるのか(笑)。

 稲垣吾郎という人は、昔すごいシリアスな舞台をやってるのをTVで見て驚いたことがあるが、このドラマでは妻への思いと怒りと正義感と自己正当化が入り混じった複雑な存在を見事に体現している。彼の妻にも、彼の表と裏の双方を見ている視聴者にも彼の本心がわからない。当事者にもわからない夫婦の心というものがそうして描かれており、脚本も素晴らしい。

 このドラマでの稲垣や、松岡のケタ外れの運動神経演技を見ていると、ジャニーズってなんか底力あるなあと思う。顔がいいだけじゃない人材を育てているというか。まあ顔がいいという基準だけでとりあえず数を集め、中にはこうした人材がいるというだけのことかもしれないけれど。

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■09/03/16(月) □ 外食嫌い
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 今日は春休み初日、夕方萌が前々から希望していた外食に行く。萌が外食好きなのを知っているMK青年が誘ってくれたのだが、「萌は外食がえらい好きなんだよね、なんでかな」とMKにいうと、「あんたたちがあまり外出しないからじゃないの」ときついことをいわれた。そうなのかな。うちは他の人々よりも外出が少ないのだろうか。家では俺は人一倍萌と遊んでやってるとは思うのだが。

 レストランで萌ははしゃぎにはしゃいで、料理が出る前から俺に「お父さん、ね、来てよかったでしょ」と聞く。って、まだ何も食べてないんですけど(笑)。こりゃたしかにMKが言うとおり、萌は単に外出がうれしいんだな。

 しかし外食は高いし、チップという陋習があるし、たいていがうるさく会話が聞こえず、暗くてそこにいること自体に苦痛を感じる場所も多い。なによりもカナダのレストランはホントうまくないことが多いのである。今日は人気のイタ飯屋でさすがに大はずれはないだろうと思ったが、俺の取った貝のリングイーニホワイトソースはまあなんというか、クノールの粉末ソースと同じ味であった。同じソースなど絶対に使ってないだろうが、結果として同じ味なのだから仕方がない。しかもリングイーニはゆですぎで、自分で普通のスパゲッティを作ったほうがうまいと正直思う。

 萌のピザも、いくらなんでもレストランでピザを注文してこれかよと言いたくなる、スーパーの一番安い薄ピザと見た目まったく同じものであった。味見はしなかったが、あれでちゃんとうまかったら魔法である。平日に客がしっかり入っているイタリアンレストランでこれなんだからなあ。こんなものにそれなりの金を払い、皿を運んだだけのウェイターに15%のチップを払ってハッピーに帰るというのは、やはり難しいものがある。萌には悪いがやっぱり俺は、あんま外食する気にはなれないのである。

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