2009/06/21

日記「チャンスメーカー玉田」

「Nakamura バイク」「リズム天国ゴールド」ほか。

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■09/06/08(月) □ Nakamura バイク
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 Mのピックアップ時オーガニックストアに寄ると、隣のスポーツショップに自転車が並んでいる。お。これまで自転車屋や大型店を回り尽くし、萌に買ってやりたい普通の(前後ハンドブレーキでサスペンションなし)自転車が1つも見つからず困っていたのだが、こんなところにいいのがあった。


 Nakamura という聞いたことがないバイクメーカーで(※)フロントサス付き。サスペンションなどいらんのだが、フロントだけなら重さもかさまないからいいだろう。20インチは今の萌の身長 (135cm) にジャストサイズで、来年以降はやや小さくなるが、この上の24はもうティーンエイジャーサイズなのでこれが今はベストだ。俺のMTB体験からいっても小さいバイクのほうがコントロールがよく効くのである。これで決定だ。
(※)後で調べるとフランスのスポーツストアのショップブランドで、単に日本名は高性能っぽいと「中村」にしたのだとのこと(笑)。

 納品後萌と町内1周ツアーに出てみる。ハンドブレーキもギアも初めての萌はギクシャクと走るが、ギアを重くしてごらん、速くなるからと声をかけシフトアップにトライさせると、わーと喜ぶ。

 ブレーキはこれまでペダル逆回転ブレーキ(コースターブレーキ)だったわけだが、ハンドブレーキはペダルブレーキと違いスピードコントロールに使えるのだと説明し、直線を走りながらやらせてみる。慣れないうちは加減がわからずキッと止まってしまったが、ツアー後半には滑らかなスローダウンができるようになった。よし。危険で馬鹿なコースターブレーキにはもうおさらばだ。コースターブレーキは握力が低い子供に向いてるという能書きだが、子供の握力で止まらんような低性能ブレーキパッドなんていつの時代の話だ北米製造業よ。

 ハンドブレーキが左右逆(右がリアで左がフロントブレーキ)なのは嫌なのだが、カナダの自転車はなぜだかこうなってるのでどうしようもない。ロックすると危険なフロントは(大多数が利き手で)微妙なコントロールのできる右手で操作するのが合理的で、モーターサイクルは世界中そうなってるわけだが、左右逆のメリットって何かあるのだろうか。まあ車のハンドルと同じで、最初に作られたものがたまたまそうで、それが定着したというだけの理由なんだろうな。左ハンドルの車も不便だと思うし(※)、北米交通は全部左右が間違ってるといっても過言ではない。
(※)バック時最良の視界を得るには半身になりシート間から後ろを見るわけだが、右足がアクセル/ブレーキに置かれた状態では右半身にはなれないので、左ハンドル車では狭いヘッドレストの左脇からしか後ろは見れなくなる。阿呆である。

 そうして新操作体系を練習しながら町内を1周し、HNとLちゃんにバイクを見せ帰宅。俺が乗ってみると、20インチともなるとキッズバイクではなく子供用MTBだなと感じられるくらいの剛性がある。安い自転車はディレーラ(ギア)とブレーキの精度が低いのでちょっと心配してたのだが、シフトのタッチと精度にも問題はない。よし。よかったよかった。

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■09/06/12(金) □ 新バイクツアー
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 家の掃除、車の掃除、そして萌の新バイクの調整を行う。ブレーキの片効きを直し、レバーの角度を下げ指が届きやすくし、サドルを後方にずらす。こうしてバイクをいじっていると、井の頭や関東村でMTBをチューンアップしてた頃を思い出す。

 午後掃除を終わらせ、萌の新バイクの筆おろしとして久しぶりにエバーグリーンパークへ行く。林間のトレッキングパスを通っていくとプチ林道ツーリング感が味わえ、萌もうわーと声を上げるくらい気持ちいい。しかし萌はやはりペダルブレーキで育ったゆえに、購入後毎日乗っていてもまだハンドブレーキのコントロールがうまくいかないようだ。一度後ろから追突されてしまった。ハンドブレーキが左右逆なせいもあるかもしれん。現時点では右手ブレーキしか操作できず、右手はリアなのでロックしてしまい制動力にならないのだ。両手同時にじわっとかける練習をさせないとな。

 体操や空手をやってる頃は萌の運動神経は人並かと思っていたのだが、最近サッカーや自転車を一緒にやるとややお嬢様的にニブいと感じる。視覚と体の連動(Hand-eye coordination)が弱いっぽい。別にスポーツが得意にならなくてもいいのだが、自転車くらい自由自在にコントロールできるようになってくれないと困るので、こうして公園などで練習させよう。だが俺が張り切ってジャンプを見せたりしても、ぜんぜん一緒にやってくれなかった。まあ夏だし暑いしただ走るだけ気持ちいいから、あせることもないか。ボチボチいこう。

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■09/06/13(土) □ リズム天国ゴールド
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 【カタール戦雑感】◆つまらん試合であった。ウズベク、カタール戦と「調子悪くても俊輔中心」では、ジーコと同じではないか。カタール戦の俊輔なんかドイツWC時並みに悪かった。なんで日本代表監督はどの時代も俊輔を休ませることができないのだろうか(トルシエは特殊な例外として)。◆憲剛はやはりボランチのほうがずっといい。小細工せず素直に遠藤・長谷部・憲剛のうち疲労のない2人を使えばいいのだろう。◆本田は持ってるものが他の日本選手と違う。単純なスピードで勝負せずタイミングで敵をはずしてクロスを入れてしまう。中田みたいで面白い。頭は悪そうだが、Cロナウドだって明らかに頭は悪いだろうしな。以上。

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 英語キッズ接待用として導入した「Rhythm Heaven(リズム天国ゴールド)」は最高だ。楽しくて悔しくて何度もやってしまうミニゲームが延々と続く。歌が入っているゲームは日本のアイドルポップを完全に英語化していて感動してしまった。声と歌い方だけじゃなく英語詞まで完璧にカワイイのである。日本のアイドルとオタクたちをここまで見事に嫌味なく英語化するとは。英語世界には存在しないアイドルシュガーポップがここに現出しており、それが明らかに英語キッズに喜ばれているのだ。作者のつんく氏も快哉を叫ぶ現象だろうなこれは。

 ゲームは萌が俺よりも常に先行している。俺も追いつこうとしているのだが、楽しい景品がもらえるメダルを取ろうと思うとミスが0~1回しか許されず、シリアスにリズム感を要するゲームとなる。萌がさっさとメダルを取った「ドッスン農園」などで俺は延々と引っかかってしまうのだ。

 萌が「お父さんはリラックスしてなくて、だからこうなってるんだよ」と身振りでアドバイスをくれる。「...それはつまりリズムが走ってる、too early ってこと?」と、やっとパスできない理由を理解した。バンド時代同様、俺は走ってるのだ。優れたリズム感を持って生まれてないのは自覚しているが、それでも長年訓練しているんだからさすがに一般人に比べれば....と思ったら、やっぱ一般人レベルなのね(涙)。しかしそれでも面白い。

 萌もリズムはやや走る傾向があるのだが(それが普通)、簡単なゲームは初見でパスしてしまうことすらある。バンドブラザーズやこのゲームを通してリズム感が育ってるのかもしれない。俺もこうして小3からリズムを意識して育っていれば、もっとギターがうまくなったかもなー。チャーみたいな3連リフが弾けるようになりたくてメトロノームを買ったのがたしか高校2年だったが、あれでは遅かった。

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■09/06/15(月) □ 宮廷料理の謎
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 NHKで北京の故宮その他遺跡番組を見る。中国の故宮、宮廷料理というのは貴族の所有物で、中国の貴族は人民のためになど何もしてないわけで、豪華であればあるほど人民は反感を感じるのではないかと想像するのだが、中国の人々はどう思ってるのだろうか。老人が美しい頤和園を指して「これを残してくれた祖先に感謝しています」と語っていたが、皇帝は民族の祖先ではないではないか。これは「チャングム」の韓国宮廷料理もまったく同じことで、よくわからない感覚である。日本には「皇室料理」だの「殿様料理」だのはないわけで、それはいいことだと思う。

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■09/06/20(土) □ チャンスメーカー玉田
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 予選最終戦【豪・日本】の放送。序盤、豪はやっぱ1人1人がうまいなと感じる。プレスをかけても交わして前に進んでくるし、奪ってもすかさず重いプレスがかかってくる。やはりアジアレベルを超えている。個人技で日本を打ち破るタレントはいないが、全員がレベルの高いサッカーに慣れていることをひしひしと感じる。しかし日本のサッカーもレポートから想像したほど悪くない。キープ力に自信を持つ松井と玉田がボールを引き出し敵の守備ブロックを崩そうと試みる。

 20分、双方プレスが落ち日本がボールキープする時間が長くなる。岡崎が1人交わして玉田にクロスを入れクリアされる。こういうときにDFとゴリゴリと競り合いポジションを取れない玉田のFWとしての我の弱さを感じる。スマートすぎるんだよな。玉田はほんとにうまくてJリーグの誇りなのだが、このスマートさゆえか武藤さんが言うとおり黄金の左足が炸裂する頻度が低すぎる。Jでも点を取ってないんだからなあ(嘆息)。玉田が敵の守備ブロックを切り裂きストライカーが打つという形ができれば理想なのだが。

 前半中盤以降は完全に日本ペース。玉田がキッカーとなりセットプレーが続く。やっぱ玉田はチャンスメイカーだよ。ボールタッチがうまくボディバランスがよく、他の誰よりもDFの近くでボールを触り敵を引き付け、味方のためのスペースを作れる。そんなにブリリアントなアイデアは出ないが、近い味方に簡単につなぐからコツコツとポゼッションが高まりチャンスが生まれるのである。プレッシャーのない後方スペースから長いパスを送っても跳ね返されるだけで、中田、俊輔らがそれを繰り返すのはもう見飽きた。

 しかしチャンスメーカーとしての玉田のプレイはいい感じだが、玉田は実は1トップだというのが問題だ。彼の前にFWがいないのである。これはまず憲剛がトップ下に配されているのが間違いで、スピードとバランスと足技がない憲剛はトップ下ではボールに触る頻度が低すぎる。その3つを持つ玉田にあそこは任せ、憲剛は後ろに下がれば何の問題もないのである。玉田が引き付け憲剛に落とし憲剛がFWに出す。これが Football Manager ならば間違いなくシュート数は上がる(笑)。

 40分、トゥリオのゴール。競っていたのはケイヒルだった。勝っていれば痛快だったろうな。トゥリオはこの試合は攻守とも欧州レベルである。怪我がなければケイヒルのいるエバートンあたりは絶対レギュラーでいけるというプレーぶりだ。

 前半終了。結局驚いたことに前半は完全に日本のものであった。カタール戦よりもずっといいではないか。この違いは自身の体調の悪さからチーム全体の攻撃開始位置を下げてしまった俊輔がいるかいないかの違いだろう。しかしこの後豪の放り込みと疲れでやられてしまうのだろうか。

 イラン・韓国戦がちょっと映る。なつかしいパクチソンやマハダビキアがいる。文句をいうスジではないが、こっちのグループでも戦いたかったなあ。同じアジアに属しながら彼ら強豪とぜんぜん戦えないというのはもったいないことだ。1次2次を適当に切り上げ弱いチームを早めに落とし、最終予選を8チーム2年がかりでやれたら楽しいのだが。

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 【後半】豪が圧力を高めてきたが、あわてず落ち着いてペースを落としていけばまだまだ大丈夫...というところで、13分ケイヒルに決められる。が、日本も火を噴く反撃を開始する。豪が押せ押せになってきてもまだ全然対抗できてるじゃん。えらい。

 解説の山本さんは玉田の仕事量が少ない、名古屋にケネディが来たらポジションが...といっているが、岡崎みたいに相手を追いまくったり爆発フリーランをするところに玉田の持ち味はないわけで、運動量は増やさんでもいい。ただただフィニッシュを狙ってほしい。ゴール前でシュートを打つスペースを敵に与えないというのが豪の唯一にして最大の長所なわけだが、それをかいくぐって打ってほしい。

 そして一進一退の中30分ケイヒルに押し込まれ逆転。後半ここまでケイヒルは腕やハンドを使った汚いプレイも含め常時ギリギリのプレイで阿部を追い込んでいたので、その気の強さが結実したという感じである。あんな袖触れ合うのも鬱陶しそうな我の強い奴と気を張って戦い続けられる人間はそうそういないので阿部を責める気はせんが(―――神様中澤だってドイツじゃロナウドにありえないくらい簡単なヘッドを決められたもんな―――)、しかし阿部の競り負けはオシム時代にも東アジア杯でも何度もあったのに、なんでここで2人いるCBを使わないのか理解できん。山口でも槙野でも、ここで使われればたとえやられても先への糧になるではないか。

 残り10分日本の反撃。玉田のつっかけから矢野のシュート空振りまでいく。玉田の技巧はあまり重要じゃないところでさりげなく発揮されるので話題に登らないが、ボールをコントロールするタッチのうまさには惚れ惚れする。この試合ではまだ怪我あがりで本調子じゃないのかドリブルが見られなかったが、走りながら足にボールを吸いつけコントロール下に置くあのタッチの見事さは(英語では赤ちゃんがお母さんの胸に吸い付くのと同じ latch on という表現を使う)、全盛期の中田以来ではないかと思う(※)。黄金の左足一閃もついに出た。しかしこの試合このシュート1本かー(泣)。玉田は一番シュートがうまいはずなんだボックスに入れと山本さんはいうが、しかし玉田はシュートをたくさん打てる選手では明らかにない。やっぱチャンスメーカーだよ、彼の生きる道は。
(※)Youtube に 08 年代表での玉田圭司のダイジェストがあり、あのボディバランスとドリブルは本当に中田英寿だなと思った。蹴散らす相手がシリア、オマーンあたりだからピーク時の中田ほどの格は与えられないが、松井ら普通の技巧的選手とはモノが違う。また逆に、全盛期の中田には玉田並みのドリブルスピードがあったのだとも改めて気づく。そのスピードがなんらかの理由でなくなって前目でボールキープできなくなり、後ろから確率の低いパスを狙うことしかできなくなったのが後期中田の不調だったのだろう。今の俊輔も心配である。今というか、俊輔はWCでもCLでマンUを相手にしたときも後方で効果のないプレーをやってたので、単に相手が強いと中盤後方に埋没するというだけのことかもしれない。スペインで答えは出るが。

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 それで試合は終わったわけだが、後半もやられたという感覚は全然ない。人々の酷評レポートからの想像とはだいぶ違い、むしろ主力が抜けコンディションが悪くても日本は戦えるのだなと感心した。トゥリオが怒っていたのは、この程度の相手に勝てないのかという悔しさだったのだろう。それくらい豪の攻撃は弱く、それに勝てなかったのはもどかしい。

 日本が強くなっていることは間違いない。これは岡田監督がどうのというよりも、ジーコの停滞期とオシムの走力最重視期を抜けて、日本サッカーの成長が自然に発露してきたからだろうと思う。岡田就任直後に期待したようには必ずしも進んでおらず、適材適所とは思えぬ采配に陥っている岡田監督がこの後得心がいくようなチームを作ってくれるかどうかは心もとないのだが、日本はどんな状態でもこれくらいは戦えるのだと思うと安心する。

 今のままでWCで勝ち進めるとは思えないが、豪程度の国(欧州Bクラス)に粉砕されるなんてことはもうどうあってもありえないな。ここからポジティブなファクターを積み上げていけばよい。その中に願わくば、玉田正式トップ下案も入っていてほしい。ハーフライン手前でボールを受けた彼が高速ドリブルで敵を引き付け、マークの緩んだFWにスルーという、中田ペルージャ時代のようなシーンが見れたら最高だな。

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