2009/11/30

日記「ホームスクーリング」

「WALL-E のロボット」「ニューブランズウィック州プロジェクト」ほか。

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■09/11/21(土) □ WALL-E のロボット
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 朝PCが起動せず、復帰に5時間かかった(後から電源タップの不良で電圧が足りてなかったのだと判明)。

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 夜、萌がお勧めの「WALL-E(ウォーリー)」を借りてきて見る。始まってすぐに、こんな人間が見てかわいいと感じる動作、思考、行動だけで絶妙な塩梅に出来上がったロボットというのも、なんだかなあと違和感を感じる。やることなすこと全部かわいいのだが、いろんなペットや子供やアニメのかわいいところを掬い取って作った理想のキュート物という感じなのである。ロボットらしい行動が愛らしいというのとはぜんぜん違う。

 相方のイブも最初のうちは機械的な行動をするロボットだったが、数分のうちに怒って目を吊り上げものを破壊しまくる人情味あふれる存在になり、まるでロボットっぽくない。女の子のかわいいところを凝縮した理想の女の子マシンなのである。このロボットの造形? がどうにも解せず、普通に面白かったがまあねーという感じであった。「ニーモ」と同じだな。

 この登場ロボットに対するもやもやはなんだと「Wall-e ロボットではない」と検索してみて、「ラピュタ」のロボット兵との対比を書いている人が見つかった(「WALL-Eに感動し損なう」)。―――あ、それだ。シータに手を差し伸べながら死ぬロボット兵、人間が去った後もラピュタを守り永久に働き続けるロボット兵。その仕草にかすかに見える「心根のようなもの」に俺は胸を打たれたが、饒舌なハートにあふれた WALL-E はとても幸せで、それは見ていて楽しいけれど、しかし胸が震えることはないのである。

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■09/11/25(水) □ ニューブランズウィック州プロジェクト
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 萌が風邪の喉痛と頭痛で休。ちょうど週末のレポート宿題をやってなかったので、それに取り組むこととなる。

 しかしMがこれを見ていて、萌がここんとこずっと学校で取り組んでいたはずの課題ニューブランズウィック州に関するリサーチが、まるでお粗末であることが判明する。当人はサボろうという気があったわけじゃなく、子供向けの Wiki みたいなページでニューブランズウィック州の概要を1ページプリントし、それをまとめれば終わりと思っていたらしい。Mは小学校の教職免許を持っているので「グレード4でこんなレベルでは話にならない」と超厳しく指導され、萌は泣きながら全やり直しとなる。気の毒。

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■09/11/28(土) □ ホームスクーリング
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 先週に続き、レポート宿題。今週は萌が自ら選んだイモリについて。そりゃいいものが書けるに決まっていると俺も手伝おうとすると、萌の学校の指導があまりにヘボいと最近怒りがピークに達しているMが「もう教師の方針など関係ない、萌には私がバリっと有意義なレポートを書かせる」と陣頭指揮を取り、俺は除外されてしまった。俺が持つ豊富な知識をそのまま萌に与えてはリサーチにならぬそうである。とほほ。

 萌の学校は実際、よそに比べてレベルが低いといわざるを得ないようである。これまで5人の担任中3人は教育や子供に何の興味もなく単に仕事として教師をやってるのははっきりしており、それがカナダじゃ普通の教師像なのかと感じていたのだが、この学校は明らかに並以下らしい。

 今の担任は厳格で、これまでで一番教師っぽいが、「ニューブランズウィック人の暮らしや宗教なんて課題を出す時点で凡としか言いようがないわ。そんな誰も興味を持つわけないことを調べても意味がないし苦痛だし、しかも萌が1月で1ページしかリサーチしてないことに気づいてなかったということは、彼は授業中モニターしてないということじゃない」とMは憤慨する。その通りだよな。萌が泣きながら何時間もかけてやったニューブランズウィック・プロジェクトは、ほんとに意味がないと俺も気の毒に思った。ニューブランズウィックは寒い。フランス語人口がある。どこの国の人だって他県についてはこの程度しか知らんだろう。

 萌の課題を俺がヘルプできないのは、最終提出物がフランス語だからというのもある。萌は英語や算数の宿題は俺に聞いてくるが、フレンチは俺に手伝わさせない。課題を英語に翻訳し俺に説明すること自体を面倒に感じてるようだ。これは親としては味気ないことで、レポートを手伝えない俺は気分が落ち込む日だった。

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 浮かぬ顔の訳を夜Mに聞かれ、「インターナショナルスクールに子供をやる日本や韓国の親みたいな気分だよ」と説明する。外国語を習得できるのはありがたいことだが、子供が今どういう課題をやってどう答えているかは、子供自身にノートを全部翻訳でもさせない限りわからないわけである(Mだってさほどフランス語がわかるわけではない)。これが外国語教育ゆえの巨大な喪失でなくてなんなのか。

 ともあれ今さら学校を変えるのは無理なので、これからはMが家で平行して教育するという。ホームスクーリングだ。萌が最近注意散漫なのも学校のつまらぬ授業がヘビーに影響してるとMは見ており、たしかに家でしっかりと教育を与えるしか対処法はないだろう。しかしそれでこうして萌の自由時間が激減することには気の毒さを禁じえない。

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 【競馬ジャパンカップ】ウオッカ! 勝った? 同着か? ―――勝った! ふーっ。

 ウオッカはユタカが下手な乗り方をずっとしていたので(ネットでG1しか見てないのでわからないが、ああいう出し引きが裏目に出るところが近年の武豊の「スランプ」なのだろうか?)、フランスのジョッキーにきれいにロスなく乗ってもらえてよかった。距離が長いので残り 300m まで追い出しを我慢したと過去形が使えない下手な英語で彼は語っていたが、それでも抜け出したあと追いつかれるというこれまでにない展開だった。この走りを見ればやはり 2400 は距離が長い上に、能力的にはピークを過ぎてしまってるのだろう。それでも勝つんだからえらい馬だ。本当にこのレースを勝ててよかった。

 これでもうファンも思い残すことはないので、有馬記念など出ずにお疲れ様で引退してもらいたいです。海外の競馬ラバーにいい走りを見てもらえなかったのは残念だけれど、牝馬なのでそういう日本競馬のプライドみたいな役割は期待していない。オグリキャップ同様、世界で勝てなくても君が素晴らしかったことには何の変わりもない。ありがとうウオッカ。父さんが最後に愛した馬よ。

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