2009/07/26

日記「崖の上のポニョ」

「河童のクゥと夏休み」「水温26度でイモリぐったり」「アクアテラリウムという盆栽趣味」ほか。

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■09/07/16(木) □「崖の上のポニョ」
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先日送っていただいたDVD『崖の上のポニョ』を見終わった。宮崎監督は「もののけ姫」以降「千と千尋」「ハウル」と、話が進むにつれ謎というかツジツマの合わない部分が増大し答えなく終わる映画を毎回作っており、『いつも後半はワケわかんないけど全体としてすごく好き』というのが俺たちファンの気持ちなわけだが、今回もまことにそうでした。

この映画は後半だけでなく冒頭からリアリティがないことを強く感じる。宗助がポニョをビンから力任せに引っ張り出そうとしたり、ガラス瓶をその場で割ったり、魚を水道水のバケツに入れたり、お母さんもパンを食べながら子供を乗せた車でカッ飛ばすなど、「それをやっちゃ駄目だろ」という突っ込みどころが延々と続く。

宮崎監督が独裁者的ポジションにあり誰もこういう矛盾点を諌められないのかなと最初は思っていたのだが、洪水シーンあたりからはこれは確信的にツジツマを無視してるんだろうなと気にならなくなってきた。危険を侵し通行止めを突破して高潮の中かっ飛ばし、洪水になり町が水に沈んでも平静で、知らない女の子が水の中から現れても身元も聞かず受け入れるお母さん。すべてが失われても朗らかで明るい町の人々。なぜか眠くなってしまうポニョ。水中で息をしているおばあさんたち。説明のつかないシーンが延々と続くのだが、もう「ポニョは疲れると魔法が解けて魚に戻っちゃうんだろうね」といった解釈は萌のために軽くするだけでとにかく映像を楽しんでいると、物語は唐突に終わった。

「宮崎監督が何を伝えたいのか」的な解釈をしようとすると今回も???となってしまうわけだが、これはあの荒れ狂う壮絶な海、水に沈んだ静かで豊かな世界という2つの圧倒的なイメージを描いて、それをさまざまにラブリイなディテールでつないでいったイメージ映像集なのだろう。あの波は北斎だよねと萌に言うと、萌は「あー!」と感動していた。水に沈んだ嵐の後の世界は「パンダコパンダ」の洪水世界の完全版だ(あのゆるゆる泳ぐ古代魚たちはイモリとあまりにも似ている・笑)。その両方に、俺の心はふるふると震え気持ちいい。萌は俺が寝てる間にもう一度最初から全部見直すほど楽しんでいた。

もう「ナウシカ」みたいな整合性の高い圧倒的な「物語」は実際、宮崎監督には頭脳体力的に書けないのかもしれない。そういう体力は俺も、自分でこうして日記を書いていて落ちているのを感じる。しかし宮崎アニメを見る喜びは、彼の唯一無二のイマジネーションを、ヒトの目で鑑賞できる形にしていただけるところにあるんだよな。それは今回も存分に満たされたのである。宮崎監督の大御所アンタッチャブル性と「もののけ姫」以降の作家的独善性を晩年の黒澤明っぽいという話があるが、この映画は黒澤の「夢」に似ている。物語は破綻しているが、美しく心に残る。メルは「もののけ姫」と「千と千尋」を見た後ストーリーの矛盾点(つまり破綻)に強くフラストレートしてたので「ハウル」はもう見せてないのだが、この映画ならどうかな。

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■09/07/17(金) □ お腹プリプリのイモリたち
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友達のバースデイパーティへ行く萌をドロップオフし、久しぶりに1人の用足し日。イモリ水槽の換水とレイアウト変更をする。こないだ日本製ハンドポンプ$4が手に入り、そのおかげで換水自体の時間は中国製ポンプ使用時の 1/5 になった。日本工業製品サイコー。というか中国/カナダ製造業はこんな単純なものさえまともに作れないのだから呆れる。

イモリたちがうちに来て10日。移動のためノボリをつまんでみたら、当初からよく食べているのでもう食べすぎでお腹プリプリだった。捕まえるのに苦労するくらいの迅速さも出てきている。これがイモリ本来のパワーなのか。前とは別種の生き物のようだ。ノボリのこの体の切れを見ていると、ペットショップではみなあまり食べてなかったのだろうなと思う。

ジムシーもドライフードを細かく砕いてやればちゃんと食べており、栄養は完璧に足りている。彼女(だと思う)はあまりシェルターの外で活動してくれないのだが、ノボリも1週間食べ続けてやっと力が出てきたわけで、ジムシーももう少ししたらもうちと活発になってくれるかもしれない。依然拒食が続くパスタはガリガリで哀れなのだが、何を食べさせようとしても顔を背けてしまう。どうしたものか....。

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萌は疲れ果てグッタリとなって帰宅。強力60のサンスクリーンはよく肌を守ってくれたが、真夏の遊園地の暑熱は対処しようもないからな。お疲れ様でした。

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■09/07/18(土) □ ゴールドカップ・ホンジュラス戦
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朝ノボリが水槽越しに俺を見つけ、エサをくれという瞳でこっちをじっと見る。かわいい。―――あ、いや、これはジムシーじゃないか。どっちも太ったのでほとんど見分けがつかぬ (^-^;。ともあれジムシーが水底で長時間遊んでいるのは久しぶりだ。ノボリに続いて彼も探検するだけの体力がついてきたらしい。よかった。

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【ゴールドカップ・ホンジュラス戦】前半は互角。暑そうで双方動きが鈍いが、今のカナダは運動量だけだった昔と違い中盤のキープ力で勝負できるチームに変貌しているので、この展開で特に問題はない。今日は前の試合まででよかったピーターズがおらず、スペイン・デポルティーボ(一流!)に所属するグズマンというMFが下がり目のプレイメーカーとなっている。こいつがうまいがなんとも古典的なラテンのリズムでゆるゆるとボールを愛でるタイプで、それもゲームのスローさを生んでいる。

わ、誤審でPK。オーバーヘッドをやろうとジャンプした相手FWから(ファウルを取られないために)腕を引きさっと上げたスタルテリが、その腕でシュートに触ったという主審の判定。スタルテリ激怒。スローで見てもボールに触ってるか不明だし、もし触っていたとしても腕を上げた理由がシュートと関係ないのは明白ではないか。ホンジュラス選手だってPKなど主張してないし、勝負に水を差すだけで何の意味もない。ここまで格上のホンジュラス相手に自信を持ってゲームをコントロールしていたのだが、これで流れが相手に行ってしまい悪いプレイが続出する。まだまだ時間は十分にある、落ち着け。前半終了。PK以外はカナダのゲームである。早い時間に追いつきたい。

後半も6-4でカナダが攻め、ホンジュラスがカウンターを狙う。高いポゼッションからグズマンが散らしフィニッシュを狙うという、やってることに間違いはなく押してはいるが、決定機に欠ける。グズマンがあと1タイミング早く前に出してくれたらもっと崩せると思うのだが。ピーターズはベンチで準備できていると解説がいう。だったらなんで彼を出してないんだ、グズマンはうまいがホンジュラス選手が守りを固めるPKエリアに突っ込んでいき仕事をできるタイプではないのだから(デポルでもDMFとのこと)、併用すればいいではないか。

あと20分、ようやくピーターズが入る。しかし3トップの右に入ったようで、前の試合ほどボールに触れずリズムを作れない。最後はひたすら放り込み、DFもGKも皆上がって放り込み、ヘッドが枠をヒットするところまで追い込んだものの時間切れ。はーあ。このチームはこれまでとは違うと期待したのだが、運がないところ、格下扱いで簡単にPKを取られるところは昔から変わらない。そしてそこは自力ではコントロールできないからなあ。日本だってそうである。悔しい。

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■09/07/19(日) □「河童のクゥと夏休み」
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ノボリに加えジムシーも体力がつき活動的になってきて、水槽を見ててとても楽しい。イモリというのは個性豊かで、当初から元気で最も食べまくるノボリは人に対しては意外に臆病で、人影が見えるとびくっと体をすくませる。こないだまでシェルターにずっと引っ込んでいたジムシーが、意外や人をまるで怖がらない。上から覗き込むと顔を上げて「なーにー」といった感じでこちらを見上げ、ときに立ち上がることすらあるのが実にかわいい。

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久々にKT・HN来訪。KTは手の上にイモリを取り水中にぼとっと落としまた捕まえヘヘと喜び、それで興味を失う。やっぱイモリは子供にアピールするペットではないようである (^-^;。ジムシーたちが活動しているときに呼んで見せてやれば萌のようにかわいさがわかると思うが、まあ哺乳類のような愛玩性や虫のような造形的かっこよさはないよな。ノボリとジムシーは強いストレスを感じたようで、久々に穴にもぐりこんでしまった。

夜、『河童のクゥと夏休み』を萌と見る。人間のバカさと生き物のやさしさが伝わるいい映画でした。河童を追いかけマスコミが殺到し、人々が携帯電話のカメラを向けまくるシーンで、萌は「こっ、このバカ!」と泣きながら小さく叫んだ。その声に俺は感動してしまった

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■09/07/21(火) □ 水温26度でイモリぐったり
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今日は気温が高く室内で29度、水温も26度ほどになり全員ぐったりしている。ノボリとジムシーはまあ大丈夫だとは思うが、拒食で弱っているパスタが心配である。

シナイモリはアカハライモリよりも低水温を好むという説もあり、やっぱ水温を下げる方法をまじめに考えないとまずいのかもしれない。人間も28度だと耐えられるが29度はぐあーという感じなので、イモリたちと人間はだいたい体感温度が同じであるようだ。

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■09/07/22(水) □ 水槽ファンを製作
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朝、水温は22度まで下がっているのにイモリたちの元気が戻っていない。昨日程度の暑さで翌日までダメージが残るとはショックである。水温30度にも耐えるというアカハライモリに比べ、シナイモリは相当暑さに弱いようだ。うーん。シナイモリのほうが見た目はかわいいのだが。

今日も昨日同様の暑さだろう。一応ボトル氷は用意してあるがそれはいかにも一時的なものだし、水槽用ファンというものを買ってきてもいいが水位が低いイモリ水槽で効果があるものか....。

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あ、「水槽冷却用ファン」というのは実はPCファンと同一のモノだと判明。うちにはごろごろあるのでやってみよう。

ジャンクPCの電源からファンを取り出し規定の12Vアダプタを探してつなぎ、しばらく回してみる。20分ほどで水温が1度下がった。しかも気化熱で涼風が吹き出てくる。調べてみると室温27度で水槽内気温が24度まで下げられる。この涼風はイモリたちにも心地いいだろう。

しかし12Vではあまりに烈風で、これじゃイモリたちの生活にとって大きなストレスになるのは間違いないので、6Vのアダプタを見つけつなぎ直してみる。これがうまい具合に風量半分とはいかず 1/5 くらいになってしまった。そよ風が吹いているという程度で、これじゃ効果がないかなと試してみると水槽内の気温は意外や烈風と変わらないくらい下がる。今室温が28度ほどだが水温は22度。水温が室温と6度差というのはすばらしく(ファンなしでは2~3度差)、ノボリは快調に水中活動している。これはどうやら水槽内の空気が動いてさえいれば、風量はなくとも気化は促進されるものらしい。ノイズはゼロで消費電力はわずか7W、これで夏は乗り切れる。よかった。

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尻尾で浮いてます
今日は一日水温22にキープできたので、ジムシーも晩飯後元気に水中活動開始。ジムシーはノボリよりも体力がないので調子がよくないと水にあまり入らないが、いったん水に入ると人を怖がらない....というか明らかにこちらにアピールするためにガラス際でいろいろ芸をしてくれ、実に楽しい。水中草の茎から葉っぱへと手足を使い器用に移動し、ときには水中をぴゅーとぶざまに墜落する(イモリはかなり比重が重いようだ)。俺が見てるのに気づくと後ろ足で立ち石に片手をつきじっとこちらを見つめたり、尻尾だけで体を支え長時間浮揚してみたり。いつもエサの後にこうなるのでもっとくれというアピールなのかと思うが、見ていれば延々と楽しませてくれるのである。

こういう風に活動しているイモリを見ていると魚では味わえない楽しみがある。手足の自由が効いて尻尾まであるというのが見てて楽しいところだよなー。俺たちが当初ほしかったカメは水中でこんな活動なんてしてくれないだろう。「カメは甲羅があるからこんな風に(手足を自在に使い狭い水中をフレキシブルに)は動けないはずだ」と一緒にジムシーの動きを楽しんでる萌に話すと、「ニュート買ってよかったねえ!」と強く同意してくれた。ほんとだよ。イモリがこれほど楽しいペットだとは、飼ってみるまでは知らなかった。

まあそれはジムシーのように活動的な個体が手に入ればという但し書きはつくけれども。ノボリはあれだけ食いながら人には慣れてくれず、こうした芸はさほどしてくれないのが期待はずれだし、拒食のパスタみたいのが3匹だったらまったく気が重いだけだったろうがね。

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■09/07/23(木) □ 強制給餌を開始
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朝の様子見で拒食のパスタがもう石から足を降ろすにもよろけるほどになっているので、意を決してついに強制給餌にトライする。濡れたペーパータオルで体をくるみ、薄くやわらかいレトルトのパッケージでそっと口を割らせ、水に溶いたドライフード2粒分をきっちり口に押し込んだ。これを嚥下するのを確かめ、もう半粒。これでおよそ3粒分の栄養が入った。これくらいならば毎日やれる。給餌自体によるダメージが見られなければ朝晩やれる。頑張ろう。自分で食えるところまで回復してくれ、頼みます。ほんとに、生きてほしいのだよ。

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■09/07/24(金) □ アクアテラリウムという盆栽趣味
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今日も朝早く目が覚める。イモリが来て2週間以上だが、俺は飽きるどころかどんどんはまっていってる感じ。萌も起き出して2人で水槽を除くと、エサ場の向こうで寝てたらしいジムシーがぐっと首を突き出しこっちを見、ばばーっとフロントに走ってくる。かわいいなあお前。強制給餌を開始したパスタの調子も悪くなさそう。下に平たい石を置いて居住性を上げたシェルターで快適そうにしている。


初期レイアウト。 右奥に石とヤシ
ガラのシェルターを置いた浅瀬、手
前と左が深いところ。 中央にエサ
皿を置くも、自力では入ってくれま
せん。最大水深7cmほど。

4ヵ月後、定番となった水槽レイア
ウト。中央に植木鉢を置いて水深2cm
のイモリ浅瀬と15cmのアカヒレエリ
アを分割。エサ皿は浅いヨーグルト
カップ (砂利が多すぎると水が循環
しにくいため、浅瀬下には空き瓶を
埋め込んでカサを上げてます)。
アクアテラリウム作りというのは盆栽に似ていて、細部に凝るとキリがない。凝るといっても美よりは居住性、移動のしやすさ、隠れやすさといったイモリにとっての快適さと、こちらからの見やすさ(隠れさせてはやりたいが完全に見えないとつまらない)、エサの与えやすさ、安全性、水の循環清掃性といった実用面の折衷最適化を延々とやってるわけなのだ。特に今はパスタが弱っているので、彼が常駐するシェルターの快適さには気を使う。彼が自力で体温調整できるよう、小さなヤシガラ内に濡れたところと乾いたところを作ってやりたいのだがなかなか難しい。住んでいるイモリたちにしてみればなによりも放っておいてほしいのだとはわかっているが、アイデアが浮かぶたびに改善したくなってしまうのです。

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夜、今日初めてのパスタ強制給餌。持った感じの体の張りが昨日とは違う。包まれたペーパータオルから逃れようとする力も戻っている。強制給餌が完全に効いた。パスタ自身もさすがにこの苦行に慣れたのか今日は1口目はほとんど即座に口を開けてくれた。2口目には苦しんだが、全3粒分きっちりと食べた。非常にいい感じなので水槽に戻すときに久々に水に入れてみると、しゅぱしゅぱーっと元気に泳ぐ。こうして強制給餌を続けていけば体力は戻る。そのうちに味にも慣れ自力で食べてくれることを祈ろう。

2009/07/16

日記「イモリで水陸両生箱庭づくり」

「小さなカメの夢は実現不可能」「やること尽きない水槽世界」「ゴールドカップのカナダは別物」ほか。

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■09/07/03(金) □ ペットがほしい
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 萌がペットとしてリザードをほしいみたいなことを最近言っており、無理に決まってると思い俺は特に気に留めてはいなかったのだが、お母さんがよく調べなさいみたいなことをいう。え、いいの? だったらリザードより亀のほうがかわいいではないかと俺がいうと、萌は「タートル! ほしいーっ!!」と一気に盛り上がった。亀は俺も大好きである。子供の頃何度かトライし成功したことはないのだが(逃げられたことがある)、情報のある今ならちゃんと飼えるんじゃないだろうか。

 と調べてみると、思ったよりも大変だ。

 ●換水:フィルターなしの場合1~2日ごとに全交換、フィルター使用時でも1週間程度で換水が必要
 ●温度:冬は水ヒーターとUVライトが必要
 ●衛生:サルモネラ問題があり、触ったら手を洗うのはもちろん、排水処理時も気を使わねばならない
 ●種類:多くの種は巨大に成長し屋内では手におえなくなる

 うーん。当然だが、金魚のごとくエサをやりたまに水を換えてやればOKみたいにはいかないようだ。熱帯魚を飼う以上の手間となるらしい。うーん。

 しかしカメを飼うのは夢が広がる。水場に浅瀬にシェルターに水草に。2年前広口ビンの中でシーモンキーを飼うだけであんなに2週間楽しかったのに、本当に箱庭ハビタットを作れってやれるんだからなー。

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 今日からサッカー【ゴールドカップ】が始まりカナダ初戦のジャマイカ戦を見たのだが、久々に見たカナダ代表は 2000 年のゴールドカップ優勝時よりみんなうまくなっている。やっぱ世代が違うという感じ。実際前に見てた 2002 年頃の選手はもうさすがに1人もいないし。ジャマイカもうまい。ボルトンにいるガードナーが有名だが、知らない選手もみんな見劣りしないレベルにある。米が世界を驚かしたように、CONCACAF サッカーのレベルは上がってるのかもしれない。

 カナダは押され気味のところからカウンターを決め、決勝ゴールを奪う。このMLSトロントの Gerba というFWはカメルーン人とのこと。スピードがからきしないがうまい。いまカナダ代表のエースで25試合で14ゴールしてるらしい。ややラッキーな初戦勝利を見ただけではカナダのチーム力はわからないが、米はコンフェデ帰りで燃え尽きてるはずだし、今回チャンスはあるかも。

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■09/07/04(土) □ 小さなカメの夢は実現不可能
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 萌を連れてペットショップ2軒を回る。小さなカメとして Mud Turtle、Stinkpot (ミシシッピーニオイガメ) がほしいのだが、このあたりには巨大化するミドリガメ類しか見つからず、しかも$98/$69 と意味不明に高かった。俺が子供の頃のミドリガメは 500 円で、今だって 1000 円はしないだろうに、なんで海を挟まぬカナダでこんな無茶苦茶な値段なのだ。わからん。

 帰って一日調査した結果、小さなカメの夢はどうもカナダじゃ実現不可能なようである。決定的法文は見つからないのだが、たとえば「アルバータでは86年までハコガメ種は販売保持禁止だった」みたいな記事が多数見つかり、どうやら昔のミドリガメ起因のサルモネラ中毒でいったんカメの輸入は禁止され、その後環境保護機運から輸入は振るわず(BCの動物保護団体はカメを含む全爬虫類のペットを禁じろと主張している)、現在カナダのペットショップはほとんどカメを売ってないという流れになっているらしい。通信販売でも買えない。結局カナダでは養殖ミドリガメしか手に入らず、珍しいゆえに日米の十倍の値段がついているということのようだ。

 4~5年で30cmにもなるというミドリガメを飼う気はせず(庭に池でもあればともかく)、カメはあきらめるしかないようである。はーあ。

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■09/07/06(月) □ アカハライモリはどうか
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 小さいカメはカナダで買えないようだよと萌に調査結果を説明すると、じゃカエルは? ハムスターは? 鳥は? と、なんでもいいからペットを飼いたいらしい。気持ちはよくわかるがねと、いろんなペットのメリット・デメリットを説明する。

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ハムスター・マウス - かわいいが臭い、噛む、やたら殖える
鳥 - 手乗りは最高のペットだが、家中が確実に汚れる、ダスト要因
熱帯魚 - 設備費多大、つまらない
金魚 - コスト&手間最小だがつまらない
カエル等両生類 - 人には慣れなそう、要生き餌?
トカゲ - おそらく常時ライトが必要、人には慣れなそう、要生き餌?
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 しかし俺がよく生態を知らないペット候補を改めて調べてみると、日本産のアカハライモリ(fire bellied newt)が手軽なペットとして突如浮かんできた。近所のペットショップにも在庫切れだが手軽な値段で売っている。カメと比べ、

 ◎ヒーター不要(日本産なので熱帯種ではない)
 ◎紫外線ランプ不要(カメと逆に暑さを嫌う)
 ○日光浴不要
 ○代謝が低くエサは3~5日に一度で大丈夫
 ○けんかせず複数飼育楽勝
 ◎人に慣れるらしい(水槽から出てきて周りを散歩し、体が乾くと自分で水槽に戻るという驚愕のブログがあった。すごい!)

 と、お手軽ペットとして驚きのメリットだらけになる。金魚ばちの金魚に近いくらいのローメインテナンスで、水陸両棲箱庭づくりの楽しみが味わえることになる。

 イモリを見たことがないのでとりあえず Youtube で映像を探してみると、おたまじゃくしとトカゲの中間という感じの生き物である。カワイイようなグロなような。オオサンショウウオほどグロくはないが、なんとも言いがたい(笑)。

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 隣町のペットショップに電話してみると3匹いるというので、実際に見に行ってみた。覗き込んでみると石の下に隠れて水中に3匹くらいいる。――――か、かわいー\(^o^)/。小さな指のある手足を不器用に使いのそのそと水中を歩くところがなんともかわいい。スローな爬虫類・両生類のかわいさをちゃんと備えている。体の表は退屈なブラックなのに、時折覗く真っ赤なおなかはびっくりするほど鮮やかな赤。

 これはいい。決めた。昔ハワイやタイでゲッコーをほしいと思ったものだが、その実現という感じ。迅速な爬虫類は気持ち悪いが、スローな連中には愛嬌があるのである。決めたがお母さんの許可が出てないので今日は買えず、購入は明日となりました。カメの 1/10 以下の価格だからすばらしい。うーん夢が広がる。すべてうまくいきますように。

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■09/07/07(火) □ イモリで水陸両生箱庭づくり
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 萌のペット+自分の誕生祝いとして、アカハライモリ$7x3匹をゲット(※)。最初は世話がどれだけ大変かわからないから2匹にしておこうと萌と決めていたのだが、2匹を選んだところで最高に元気なやつが隅から飛び出してきて、あ、こいつもほしいと我慢できずピックアップしてしまった。
(※)後日いろんな写真との比較から、うちのはアカハライモリ (Japanese fire bellied newt) ではなく近縁で小ぶりなシナイモリ (Chinese fire bellied newt) と判明。小さいのは残念だが、日本種よりも肌がすべすべでグロ度が低くかわいい :-)。

 一緒にとりあえずタンク、水温計、砂利、エサ(冷凍ミミズ)、塩素抜きというベーシック用品のみゲット。これ以外の備品も揃えたかったのだが、店のオヤジが押し付けがましくて嫌なので今日は最小限にして、残りは必要につれ別の店でじっくり探そうと帰宅する。



 で急いで帰りあせる気持ちを抑えながら水槽を洗い水温を合わせ塩素抜きを入れざっとレイアウトを整える。自力で水槽を作ったのは2年前のシーモンキー(全滅・汗)を除き初めてのことなので、なにか素人的な致命的ミスでイモリたちを死なせてしまうのではないかという不安が拭えなかったのだが、1匹ずつゆっくりと様子を見ながらイモリを投入。手に持った感じはカエルそっくり。スピード的にどうせ逃げられないにしても、それでも人間の手に乗せられて逃げないことにびっくりする。当然皆環境の変化にフリークアウトしている様子なので、落ち着くまでしばらく何もせずにそっと観察しよう。

video


 しらばくして鎮まったイモリたちは、水槽の中をふらふらと歩き、やがて奥のほうの暗い角に落ち着いた。あちこちにシェルターとなるような石やら植木鉢やらを置いてやったのだが、結局暗くて水が浅い部分が好きらしい。なるほど。ならばと浅瀬と陸を多く作り、葉の付いた木の枝を拾ってきて水槽に入れ葉陰をたくさん作ってやる。すると枝から葉っぱへとゆっくりゆっくり散歩する様子が延々と楽しめた。両生類は動いていると最高に楽しい。止まっているといつまで経っても動いてくれないが。

 大きさはどれも尻尾を含め7cm程度。Youtube で見る成体は子供の手のひらくらい頭胴長があり親指ほどに丸々と太っているので、まだこれから大きくなるのだと思われる。横顔はやはりカエルに似ている。エサは今のところ全然反応しない。初日はフリークしているので食べないという話はたくさん出てるので、ここは待つしかない。

 夕方、1匹が水槽の角に両手両足を踏ん張って半ばまで登り、バランスを失いまっさかさまに落ちて後頭部から砂利の上に落ちるという動作を繰り返す。これを朝までやられてはたまらんので、ちょっとレイアウトを変え水に着水し後頭部を痛打しないようにしてやった。こんなことを心配するようになるとは、ほんと生き物は飼ってみないとわからない。萌がこいつを「ノボリ」と命名する。楽しー (^-^)。

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■09/07/08(水) □ やること尽きない水槽世界
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 イモリとの生活2日目。萌も俺もいつもより早く目覚め、水槽を覗き込む。昨日よりきょろきょろと周囲を伺っている雰囲気があるのでエサをあげてみたが、今日も無反応。鼻先にくっつけてやっても口に入れないし、容器に入れ置いてやっても気づかない。心配になってしまう。

 とりあえずイモリ世話用品の追加購入に出る。濾過フィルターシステム、水換え用バケツ、ドライフード、フードトレイその他いろいろ。イモリ代$21+施設エサ代100で環境が完成した。でさっそくドライフードをやってみたのだが―――食べない。全然食べない。うーむ。

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 夜になって他のイモリ飼い主の記事で「水底で沈下型のエサを漁って食べる」という習性を読み、水中にいる奴の目の前にぽとっと1粒落としてみる。すると目の前を通過するときについにぱくっと食べた。おお。もう1粒。ぱくっ。食いつくときだけ異様に早く、噛んで飲み込むのがえらい遅い(笑)。赤ミミズ少量も同じ位置に落とすと、ちゃんと水底を探り食べてくれた。そうか、こいつらは水底でしかエサを食べたことがないんだ。ペットショップでは陸地がほとんどない水槽だったから、バラバラと水底にまかれるエサを食べていたんだろう。

 これでエサのやり方はわかったが、しかしこれでは水中でたたずんでいる奴にしかエサはやれない。3匹いるうち2匹は常時陸地におり、こいつらを水中に誘導してもすぐに泳いで陸に戻ってしまう。うーん。どうしたものか。

 ノボリが依然として水槽の4隅をよじ登りたがってるので、足場として3箇所に石を積んでやったのだが、うち2箇所で石の隙間へ頭を突き進み、抜けられなり救出することになった。これはいかんと積み石を除去。やっぱ生物は考えられないことをするなー。頭を突っ込める隙間がないよう、あらゆる隙間は必ず通り抜けられるよう、気をつけてやらないと。―――うーん、やること尽きない20インチの水槽世界。楽しい。

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■09/07/09(木) □ 3匹の個性がわかる
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 地上にいるやつらへのエサやりアイデアは思いつかず、水中に沈めた貝殻の上に6粒ほどエサを置いて寝ると、朝きれいに食べられていた。おお。しかし誰が食べたのは当然わからない。陸地にいる2匹は昨夜と同じ位置にいるので、また同じ水中野郎ノボリが食べた可能性が高い。うーむ、とするとやや食べすぎかなあ。

 しかし3日目、みんな落ち着きどころが決まり快適そうだ。一番臆病な奴「ジムシー」(命名はみな萌) はいつもヤシガラのシェルターの下からこちらを伺い、近づくと頭をすくめる。一番人を怖がらない豪胆者「パスタ」は置き石の上にずっと落ち着いている。エサを食べてる活動的な奴「ノボリ」(登るのが好きだから) は水中を散歩してはパスタのいる石に合流する。3匹の見分けはつかないが、習性の違いが明らかなので区別できる。

 しかし食ってない「ジムシー」と「パスタ」が心配である。「ノボリ」はもう元気一杯で探検と遊泳に励み、エサは見つけ次第パクパクと食べ(俺が出かけている間にまた2粒を平らげた)、人間に慣れてきた気配すらあるのだが、食ってない2匹には精気がない。「ノボリ」と同様水の中でエサ待機してくれないかとあれこれ誘導してみるのだが、どうしても水の中にいてくれない。ついには庭のコンポストから掘り出してきたミミズを目の前で振ってやっても食べてくれない。そういえば水の中にいないのは調子が悪いからだという話があったなとマジで心配になってきた。

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■09/07/10(金) □ ゴールドカップのカナダは別物
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 イモリを見たくて7時に目が覚めてしまう。昨夜から何も変化なし。ノボリは元気に活動している。彼はやはり昨日から人に慣れてきており、水槽のガラスを叩くと反応する。これは餌付けも可能になりそう。尻尾の形からメスだと思われるが、彼女を見てるとほんとに飽きない。

 しかしイモリっていつ寝るんだろう。いつ見ても首をもたげているが、あれで眠っているのかな。―――と思っていると、ちょうどノボリの活動が止まり水中浅いところで落ち着いた。あれは寝てるんだろうな。寝ていても時々ブレスしてるのだろう。

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 ◆13:44 この夏休みで初めて何もない日となり萌が退屈したので、WLを誘いバイクライドに出る。WLはバイクでの遠出はあまりしたことがないようで、交差点の安全確認、トレールでのベルを使った安全確保など指導しながらのラン。



 公園に入ってしまえば後は自由行動で、みな大喜びで林の間のでこぼこを走り回る。WLのは24インチのMTBで、やはりショップで思ったとおり24は9歳の子供にはフレームがやや大きい。外乱のないロードバイクならばちょうどいいが、オフロードで筋力がない子供があのサイズをコントロールするのは難しいと思う。実際坂で止まったWLはバランスを崩していた。いろいろやってうまくなるには20~22がベストだと思う。

 自転車は最高だ。今後この人生でまたモーターサイクルを所有できるとは思えないが、自転車は体が動かなくなるまで乗れる。ありがたいことだ。しかし最近遠近メガネの度が合わなくなったために、上下動が激しいとちょっと視界が揺れるのよね。スポーツには悩ましいオヤジ視力である。

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 【ゴールドカップ】カナダ・コスタリカ。前半で2-2、拮抗したいい試合になっている。ゴールドカップのグループリーグ3試合、カナダのこのよさは一体なんなのだ。ヘボな出だしからトントン拍子で噛み合いついには勝ってしまった、あの2000年よりもはるかにいいチームである。

 優勝時のカナダはハードなプレスとGKの神業守備からマグレの得点で勝ち進んでいたのだが、今のチームは判断が早く基本技がしっかりしており、ボールをポゼッションできるところがまったく違う。この判断の速さとこぼれ球を競る強さは非常に厄介で、日本が戦ったら相当に苦労するだろう。こないだ日本が戦った豪よりも強く感じる。こんなカナダは見たことがない。

 所属チームを見れば英2部、ブンデス下位、北欧リーグあたりで前の世代と変わりはないのだが、MFピーターズ(英2部イプスウィッチ)あたりは明らかにプレミアのレベルにある選手だし、ほとんどすべての選手がJリーグより高いレベルでの競技経験を感じさせる。カナダの解説者は昔から「プレスがうまくいっている、誰々が調子いい」と局面を語るだけなので、なぜ選手が皆こんなにうまくなったのかは謎だ。日本のユース育ちという中島選手もカナダ代表で出ている。キビキビして有能そうなMFである。

 ひょっとすると米のコンフェデショックがカナダのパフォーマンスに影響してるのかもしれないな。フィジカルでハードワーキングという同じ持ち味の米が世界最高峰を追い詰めたのを見て、自分たちのプレイスタイルへの確信が生まれ、技巧的選手が多い中米相手に迷いなくストレートパンチで戦えているのではないだろうか。

 結果、現在WC予選で首位のコスタリカを相手に2-2のドローで、余裕の1位でグループリーグ突破。見事。―――しかしこんなにうまくいいチームなのに、なんでWC予選は最終予選前にとうに負けてるのでしょうか(泣)。

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■09/07/11(土) □ アカクビの人々
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 今日は昨日以上の炎天、UVレート 8/11。朝9時の段階ですでに外に出れば皮膚が痛いのだが、隣家JKの孫たちは1時間以上ほとんど日陰のないロータリーをぶらぶらしている。スイムから帰った萌も当然ロータリーに直行。こんな日は日陰で遊んでほしいのだが、ロータリーで自転車に乗るのが今みんなが一番やりたいことなので止められない。サンスクリーンをベタベタに塗り、とにかく自転車で停止するときは必ず日陰にいることと命じて送り出すより仕方がない。

 近所キッズは常時放置されているが、あれでサンバーンにならんのだろうか。この辺の家族はJK家同様、昼間はUV浴で肩と首を真っ赤に焼き、夜は庭で夜中まで酒盛りし(子供も夜更かし)、環境保護クソくらえのガソリン水道浪費という家が多く、その育児方針としては『ジャンクフード上等/危険な遊び上等/転んで大泣き上等 (ビービー泣くな)』というレッドネック(保守右翼)気質が強い。カナダ大都市近郊の中産白人地域はこういう傾向なんだろう。

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 今日はジムシーも長時間水中におり、もしやとミミズをぶらさげてみるとついに食べてくれた。3匹連続。やっ・た。しかしそれ以後は見せても逃げてしまう。ということは、やはりあまり腹が減ってないということなのか? わからん。とにかくジムシーもこれで当分餓死はないだろう。残るはパスタだけだが、ジムシーの3匹満腹状態を見て、やはりイモリは当分食べなくても生きていけるんだなと再認識した。

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■09/07/12(日) □ 皿からエサを食べてくれた
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 今日もイモリ見たさに早起き。「私のペット」がほしかった萌にとっては、反応が鈍すぎ手軽にエサをやることもできずつまらんだろうと気の毒だが、俺自身はイモリ趣味に十分に没頭してるなあと実感する。歩きも泳ぎも逃走も捕食も下手なところが実にかわいい奴らだ。同じタンクに金魚でも入れてやればもっと喜ぶと思うが、これ以上水を深くするとイモリたちがますます水に入らなくなってしまいそうだからなあ。

エサやりは、水面下浅くに沈めたトレー上で行うことにした。ジムシーが水中にいるので指で追ってトレーへ誘導し、スプーンから餌付けしてみる。パクっと食べたはいいが吐き出してしまう。駄目か...と思ったらなんと彼は落としたものを拾って食べ、そこから皿の底をさらい全7粒完食してくれた。やっ・た。うれしー。この手でいこう。

 ノボリも同様の方法で大量に食べる。3匹に等分に食べさせるのは難しいが、とりあえずパスタが少しでも食べてくれるようになれば、もう完璧だ。頑張ろう。

2009/07/05

日記「萌はじめてのMTB」

「タレントショーのカラオケガールズ」「続 Always・三丁目の夕日」「NHKのドラマ製作者は本当に...?」ほか。

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■09/06/23(火) □ ショックなスクール・イヤーブック
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 学校に行くとLSがスクール・イヤーブック(全校生徒が載った写真アルバム)を持ってきたので見せてもらうと、萌の写真がない。名前の上が「!」マークがついた空欄になっている。えーっ! いったいいつ写真を撮ったんだ。そんな大事な日をミスした記憶などないぞ。

 そばにいたWL母に聞いてみると、「あたしも覚えてないけど、クラスフォトは普通学年のはじめに撮るわよね。かわいそうねえ萌」という。そういえば去年の9月、日本からの帰国後に萌は熱を出しまるまる1週くらい休んだな。あのときか。そんな1年前の欠席なんて覚えているわけがない。ましてその欠席が1年後にこんな結果になるとは知る由もない。

 ものが出来上がってからこの事態を知るというのがひどい話で、修整不能の集合写真じゃないんだから、空白にする前に写真を持参しろなりなんなり警告してくれればいいではないか。このブックは外部業者が作っているらしく、そいつらが子供や親の気持ちなど考えるはずもないが、しかし担任はじめ学校の人間はこうなる前にチェックできるだろう。それをしないところがカナダの学校の不親切さで、教職も単なるビジネスだと感じさせるところである。親が学校の Web サイトなどを常時チェックし気を配ってない限り、こうして大事なことを逃してしまう。

 萌は自分が「!」マークだなんてファニーだ、気にしないというが、みんなが後から何度も眺めクラスのことを振り返るイヤーブックに萌だけが載っていないというのは、実に悲しい。俺とMは憮然である。

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■09/06/25(木) □ タレントショーのカラオケガールズ
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 萌の学校最終日。タレントショーで、今年は萌が出ないので後半1時間半だけ見に行く。ピアノや体操など普段やってる習いごとを披露する子は問題ないのだが、その他大勢のカラオケシンガーには毎年げんなりさせられる。きらびやかな衣装をまといメイクアップしてステージに出るまではいいのだが、そこで例外なくシャイアタックに身をすくませ、つまらんポップソングを小さな声でぼそぼそ歌うことになる。振り付けもない。こんなものをやられても、誰もどうにも反応できないのである。

 日本ののど自慢形式なら鐘で中断できるのでまだ救われるのだが、カラオケだとフルコーラス4分やるしかないわけで(習い事披露キッズはみな1分以内で終わるのに!)、やるほうも見るほうもただつらいだけ。ひたすら終わるのを待つだけのイタイイタイ時間が続く。こんなものを許可する親と教師が悪い。ステージに出るなら元気にちゃんと歌う、1番だけ歌ったらサンキューと手を振ってさっさと引っ込むなどと指導してやればいいのに。

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 最後に女の先生がギターを持ち3人の生徒を引き連れ、退職する先生への自作っぽいはなむけの歌を歌った。これが無茶苦茶うまいのでぶったまげる。この人はライブハウスでカントリーソングかなにかを歌ってたに違いない。

 このスーパーのど自慢先生の歌唱に乗せられた生徒たちがはなむけソングを全校で歌い、感動的なフィナーレとなった。ES先生とかこの先生とか、音楽の素養がある人はやっぱパブリックアドレス(聴衆への働きかけ)というものを心得ているよなー。要はそんなに聴衆がひどくしらけるようなことはしないという単純なサービス精神である。クリスマス音楽会で死ぬほどつまらん歌をクラスにやらせたり、タレントショーでああいうカラオケシンガーズをヘルプしないような教師たちには、そのサービス精神が欠けているのである。俺はカナダの小学校に対し、Mが怒るようなアカデミックな不満は感じない(というかフレンチなのでわからん)のだが、子供の楽しみを最大化してくれないこうした怠惰さにはいつも腹が立つ。

 後で萌にあのギターの先生はすごいねというと、「そう、「手紙」の人みたいだよね」といっていた。なるほど、アンジェラ・アキか。たしかにアンジェラさんの歌い方は、この北米女性カントリーシンガー的コブシと喉鳴りなんだよねー。

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■09/06/26(金) □ 萌はじめてのMTB
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 午前中に萌に手伝わせて掃除その他を済ませ、前から目をつけていたコキットラム・リバーパークへ俺と萌の自転車を積んでいく。うちのスズキ・エリオにフルサイズの自転車が載るのかはやってみるまでわからなかったのだが、助手席を2目盛りほど前に出すと無事載ってくれた。やはり小さいとはいえワゴンである。古座布団をはさんで萌の自転車も載せ出発。

 いつも通るコキットラム・リバー沿いの道に車を止めて覗き込むと、そこはいきなりティーンエイジャー用バイク練習場になっていた。ダイナミックなアップダウンヒルの連なりに、トリック用のブリッジ状のものがあちこちに作られている。こんなものが町内にあるんだから、まったくカナダの子供は幸せだよ。トリック部は怪我人が続出しそうだけど。

むろん萌はこんなヒルクライムにトライするようなレベルにはないので素通りし、川沿いのトレールへと向かう。ちょうど昔サーモンを眺めるために散歩した橋からスタートとなった。左に川を眺めながら、曲がりくねった林間のゆるい坂道をゆっくりと登っていく。気持ちいーと俺も萌も大声を出す。

「なんか、(森の)全部がグリーンだよね」「光が木の葉っぱを抜けてくるからだよ」。アップダウンを繰り返すうちにオフロードの走り方がわかってきたようで、「だんだん慣れてきたー」と声を上げる。カチカチとギヤを選んで登り、下りをウイーと降りる。俺を真似て下り坂で腰を引き後輪に荷重を移す動作もやるようになってきた。よしよし。やっぱりあきらめて適当なバイクにせず、ちゃんとしたMTBにしといてつくづくよかった。


気持ちのいい川原を物色して小休止。東京に住んでるときもMTBはやってたけど、車で2時間かけて富士山に行ってたからね。家から5分でこんな川があるんだから、ほんとありがたいよ、PoCo の子は幸せだよと萌に話す。

 上り坂がきつくなり、川が白く泡立ち源流っぽくなってくるあたりまで2kmほど探索して、森の中の別ルートを使い降りていくと、まったく知らなかったのだが大きな沼があった。うわー。静かな湖面に白骨化した枯れ木が沈む。萌が「なんか怖いね」という。いつも車で通る Shaughnessy Street からわずか5mの林の中なのだが、ほんとにもうこれはどこの秘境かという深閑とした景色である。町内にこんな景色があるんだから、カナダの自然環境はさすがだわ。

最後にバイク練習場に戻り、ゆるいヒル部分を走ってみる。トレールランで自信をつけた萌も、1人でぐるーりとダートのヒルを回っていた。坂の下りのブレーキングがまだ下手で、リアをロックさせている。両手でじわっとかける練習を積ませないとな。最初の自転車からハンドブレーキがついている日本では小3ともなればわざとロックさせてブレーキドリフトができるくらい習熟しているはずで、まったくカナダのコースター(ペダル)ブレーキ文化は百害あって一利なし。

 というわけで、萌初のMTBは最高の体験となった。いやー、いい日だったねと萌の顔も輝いてました。「夏休みは毎週これるよね!」。いや毎週どころか、スイムと友達と遊ぶ以外の日はいつだって来れるよ。友達を連れてきてもいいしというとさらに大喜び。しかしカナダの子供バイキングはハンドブレーキのあるなしに左右され、誰でも連れてこれるというわけではないのだが。

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■09/06/28(日) □ ネイバーキッズ・ライフ
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今年は当家移住8年で最大のチェリー収穫量となり(原因は謎)、今日が最後の収穫日となり3人でじっくりと取る。ゴザを広げて黙々とかごにチェリーを入れていると、本当の農家になったみたいでストイックな喜びがある。

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 空き家になっていた向かいの家に、萌と同い年のMYとその弟一家が引っ越してきた。萌は超よろこび、チェリー収穫はほっぽってプレイ・プレイ・プレイ。みなで1日中カルデサックで自転車に乗っていた。MYが引っ越してきてくれて俺も本当にうれしい。まったく、これこそネイバーキッズ・ライフだ。萌はこの夏休み退屈知らずとなるだろう。ありがたいありがたい。

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■09/06/29(月) □ 続 Always・三丁目の夕日
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 予定通りに掃除を進め、MYがいない間に萌に宿題と漢字練習をやらせ、MYが戻るとプレイ・プレイ・プレイ。順調な夏休みである。

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 夜、こないだ TV Japan でやった「続 Always・三丁目の夕日」を萌に見せる。普段 TV Japan のドラマを見るときはしょっちゅうポーズして難解な言葉とか不明瞭なストーリーやギャグを説明してるのだが、この映画は英語字幕のおかげで何も説明せずともわかるようだ。やっぱ英語の読み書きはラクだなあと実感する。面白く、いい映画だったと喜んでいた。まったく全部が漫画だけれど、俳優の魅力は大きい。そして普段静かな日本人が声を荒げると感動を呼ぶなと思う。

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■09/06/30(火) □ 夏のスイミングレッスン
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 今朝、昔働いていたアパレル会社の夢を見たので懐かしく思い検索してみると、今もSM2がブランドとして生き残っている。生き残るどころか店舗数が増えている。倒産は時間の問題と当時は思えたのだが、2代目社長が立て直したのかなあ。

 社員名などは見つからなかったのだが、なんと世話になったFさんが人事部代表として Web インタビューされており写真が見つかった。仕事ができいい人だったから当然だが、出世したのねえ。19年ぶりか。しかし髪が薄くなった以外は変わってないなー。懐かしい。

 今日は萌のスイムと歯医者。朝飯を食べてから1時間自由時間でスイムというのは、夏休みスケジュールとして実にちょうどいい。俺自身子供の頃の夏休みはこんな感じだったと思う。サンダーバードとか見てた記憶があるなあ。

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 今回はスケジュールの都合上初めて隣町の Coquitlam 市でスイミングレッスンを受けたのだが、講師が水にも入らずお寒い内容であった。やれやれ。そのまま萌が楽しみにしていたウェーブプールへ。この波がすごかった。というかすごすぎた。俺も完全に体が持っていかれ、まったく自由が効かなくなる。こりゃ危ないだろう、海ならばシケで遊泳禁止になるくらいの高波である。

 事実萌がプールの深いほうへ向かっていくと、危ないから浅瀬に戻れとライフガードに叱られた。危ないなら危なくないレベルまで波の高さを下げればいいだろうが。これもうちの町営プールの速すぎる流れるプールと同じで、オンとオフしかないのだろうか。カナダのお楽しみ動力モノはすべて too much だと思う。

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■09/07/01(水) □ NHKのドラマ製作者は本当に...?
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カナダデー(建国記念日)。夕方カナダデーを祝いに隣町ポートムーディのビーチパークへ。ここはこないだ萌と発見したのだが、海とピクニックテーブルとウォーターパークとプールとプレイグラウンドとトイレが完備した、完璧なすばらしすぎる公園なのである。うちからわずか15分の隣町にこんなところがあるからカナダはありがたい。着くとちょうど音楽が終わるところだった。長い一日の終わりに西日を浴びると疲れを感じるが、気持ちのいい公園をぶらぶらとする。


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NHKと香港の合作ドラマ「幸福のスープはいかが?」を見る。香港女優・劉心悠(アニー・リウ)さんの美しさには目の玉が飛び出るが、しかしどうして日本のドラマを作る人って、外国人俳優にああいう日本人が書いたのがバレバレな台詞を暗記させるのかなあ。あんな日本語はカタコトも喋れない人が、「アナタ、コノ店ノオーナーガ誰ダカシッテルノ? デテッテ!」と喋るのはあまりにも不自然で、聞いていて苦痛で仕方がない。女優さんは必死に暗記したのだろうが、丸暗記の音の羅列には感情がこもらず記憶の底を探る必死さだけがにじみ、少しもよくないのだから気の毒だ。

 なんで日本人製作者はこの「よくなさ」に気づかないのだろう。双方カタコト英語でコミュニケートするほうがよほど自然で胸を打つではないか。劉心悠さんは台湾出身でカナダに留学してたとのことで、彼女の英語と中国語の台詞ははっとするくらいきれいで気持ちがいいのである。まったく才能と美の浪費だ。

 日本人がドラマで英語を喋っても同じ問題があり、同じくNHK「風に舞いあがるビニールシート」で早口の英語をまくし立てる吹石一恵さんも不自然である。彼女は英語は得意なのだろうが、あれだけアクセントがある人があんな速さで入り組んだ内容を喋るわけがなく、台詞丸暗記がここでも露骨に感じられる。まあ中東などには語彙・文法・発音が不正確なのに喋るのが異常に速く、理解不能な英語を喋る人はいるけれど。

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 その丸暗記台詞の不自然さを抜きにしても、「幸福の~」は凡庸でつまらんドラマであった。あれほど魅力的な女優をゲットし日本と香港を股にかけてこんなものしか作れないんだから、NHKのドラマ製作者は本当に馬鹿なんだろうなあ。「ちりとてちん」以前と以後の朝ドラも本当に、常識のある人間がまじめに作ってるとはとても思えない学芸会レベルのものを延々とやっているし。

 今の朝ドラ「つばさ」は、お母さん役の人が大ウケだったらしい篤姫でのスラップスティック演技をそのまま持ってきているのがなんとも不愉快だ。それを買われての配役だろうから彼女が悪いわけではなかろうが(あの役者は元々ああいう性格らしい)、あれが篤姫ではまったのは時代劇でかつらでヒステリックな役だったからで、現代馬面おばさんのリアリティに欠けたドタバタは悪趣味すぎて耐えられない。俺の知る日系家族であれを見てる人はいないと思う。

 まったくNHKのドラマは悪趣味なものが多すぎる。長髪の西田敏行とか劇団ひとりの平安貴族とか、マカナカの白塗りとかおばさんの似合わぬスラップスティックとか、そういう醜悪なものを人はわざわざ見たくはないのだよ。民放と違い製作者が調子に乗って悪趣味にしてるわけではないのだろうから、NHKのドラマ製作者は本当に馬鹿なのだとしか答えはみつからないのである。