2010/03/19

日記「鳥肌のアイススレッジホッケー」

「鄭大世が日本にほしかった」「全盛期の中田のような」ほか。

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■10/03/12(金) □ イモリ水槽にも春
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 イモリ水槽を4L(1/3)換水する。前の全換水からもう 39 日だが、水質が安定し一向にぬめりが出てこない。魚たちが毎日大量に食べ大量に糞をしてるわけだが、ぬめりが出ないということは汚れが分解されているということで、バクテリアの活性が高まっているようだ。この水は大事にしないとな。


そり返ってこっちを見てるんです。
 水温一定でも春がきたのがわかるのか、ここ1週間ほどイモリたちが活発になってきた。水槽ガラスに指をつけると寄ってくる。かわいい :-)。ノボリ・ジムシーはフェイクプラントの葉っぱが好きで、葉っぱに半ば体を隠して過ごしていることが多い。そして俺が覗き込むとエサかなと首をえらい急角度でグイっともたげる。イモリはああしないと角度的に上が見えないのだろうか。これがまたかわいいのである。

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■10/03/13(土) □ 鄭大世が日本にほしかった
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 【Jリーグ・名古屋 VS 川崎】という好カードが TV Japan で放送、前半終了 1-2。なかなか面白い試合だが、しかしお目当ての玉田はJリーグでも今ひとつ真価を発揮していない。勝負機会が訪れるとスピード勝負に持ち込み、半身振り切ってシュートまでは行けるがきっちりミートしないのである。昔のアジアカップの映像では速さではなく緩急で敵を振り回せるところに天賦の才を感じたのだが(※)、代表でもJリーグでも同程度の切れとなると、タマちゃんの緩急と方向転換力はもう出ないのかもしれない。方向転換力で川崎のレナチーニョあたりに劣る選手が、WCでチームに違いをもたらせるとは思えなくなる。
(※)俺はCロナウドみたいにフィジカルに相手を上回り点を取ってしまう選手には感動しないが、タイミングで相手の裏を取れる人間には心底天才を感じ感服する。

 そして鄭大世が強さと反転力と集中力を示す素晴らしい決勝ゴール。ああテセが日本代表を選んでくれていたらば。日本協会はテセを勧誘しなかったんだろうか。日本育ちで現在最強のFWではないか。

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■10/03/16(火) □ 全盛期の中田のような
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 CLチェルシー・インテルを見ていると、本田のチームとセビージャ戦のダイジェストが入る。1アシスト1ゴール。見事。先週に続きカナダ Sponet のダイジェストで本田の名前が呼ばれるのは気持ちよかった。

 ゴールもよかったが、FWとのシンプルなパス交換で崩し自分のシュートまで行ったシーンと、それに続くアシストのプレイが実に素晴らしかった。代表で見る本田はとにかくボールをゴリゴリ持ち出しシュートを打つオレオレ野郎というイメージだが、高いレベルではあんな愚直勝負ではシュートなど打てんとちゃんとわかっているらしい。素早くシンプルなタッチと動きで味方を使い、敵の意表を突き崩してしまうところがなんとも気持ちがいい。プレイの判断と実行が早いので、欧州一流のDF陣が本田の手の先が読めないのである。本田があんなセンスを持った選手だったとは。まるで中田英寿ではないか。

 この2つのプレイではどちらもFWはフリーではなかったのだが、「ここでボールを渡せばあいつが仕事をできる」という瞬間が彼には見えるのだろう。ペルージャ時代の中田が乏しい人材で美しい攻撃を展開できたのは、このように自ら厳しい場所で勝負しつつ味方を生かすというセンスが抜群に優れていたからで、彼がひらめきと技術をシンプルに発揮してラパイッチを操れば、どんな強いチームの守備陣でも破れるというカルチョの夢がそこにあったのである。

 これはもしかすると日本は、全員が猛プレスしやがて力尽きるだけの芸のないチームではなくて、全盛期の中田英寿のような選手を核としたチームでWCに行けるのかもしれない。本田は中田ほどプレイがエレガントでスマートでスター性のある選手ではないが、2002 年でもすでに代表酷使・怪我等でベストの状態になかった中田よりもフレッシュな状態でWCを迎えられそうだし。セリエに中田がいた頃の胸の高鳴りがじわじわと甦ってきた。

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■10/03/18(木) □ 鳥肌のアイススレッジホッケー
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 【スレッジホッケー・VS カナダ】日本はセミに進めれば万歳だと言っていたので、ここはおとといのノルウェーのごとくカナダにボコボコに粉砕されるのだろうと思い期待もせずに 10 分過ぎから見始めたが、スコアはなんとまだ0-0で、なんとなんと日本がパスワークでちゃんとゲームを作っている。驚きつつ数分試合を見つめて、そうかとその理由がわかった。スレッジホッケーは普通のホッケーほどにはフィジカルコンタクトで差が出ないんだ。ならば日本得意の組織プレイがカナダを上回っても不思議はないな。これは面白いと真剣に見始める。パワープレイで圧力に抗し切れず1失点で1P終了、しかしこれは勝負になるぞ。

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 【P2】パワーの違いがプレスの差となってだんだん日本が押し込まれてきた。プレスに負けて苦し紛れの縦パスを出すとパックを失い悪循環で苦しくなるのはサッカーと同じなので、ショートパスでポゼッションを上げてくれ。しかし選手の滑りが遅い分技術と戦術が鮮明に見えて、こりゃ普通のホッケーより面白いな。普通のホッケーほどフィジカル差で優劣が決まらないのが面白いというか、カナダが普通のホッケーで強いのは、単にフィジカルが強いからではないかと思えてきた(笑)。

 長時間の猛攻に耐え、カナダのペースが落ちたところでパワープレイから全員守備と全員攻撃でラッシュを仕掛け、きれいなインターセプトから日本が追いつく。よし。あれだけ守備に頑張った後の攻撃で点が取れないときつかったので、これは勝機があるぞ。ここで一息つきたい。その後のカナダの猛攻もしのいで、ペースを取り戻しイーブンのまま2P終了。日本は落ち着いている。カナダは焦っている。大アップセット(番狂わせ)の匂いがしてきた。カナダ放送の解説にも焦りが見えます。しかし日本はグループリーグ最終戦でステーツにボロ負けしたそうだが、それはこの試合のために捨てたということなのだろうか。信じられないほどいいホッケーをしている。

 「日本は見たことがないほどきついフィジカルトレーニングを昨日やっており、それがコンタクトプレイに生きている。フィジカルで勝るカナダに臆すことなくぶつかっている」とカナダ解説。それに加え、岡田ジャパン的ショートパス全員ホッケーが効いてると私は思う。組織プレイでは明らかに日本が優っている。カナダは個の力で勝る部分で決めてしまおうと選手間が離れがちで、日本はその間隙を縫ってのパスワークが小気味よく決まる。こぼれ球を拾う率とインターセプト率も非常に高い。

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 【P3】組織プレイの日本、個人パワーのカナダで完全に互角なラストピリオド。2ピリオドからカナダにラフプレイが増え、日本のパワープレイが頻発している。それが日本ペースを生んでいるが、だがしかし日本選手も疲れており、コンタクトプレイで相当なダメージも負っている。日本がやや優勢だがお互いフィニッシュまではつながっていない展開で残り5分。

 残り2分、カナダが最後のラッシュを仕掛け、疲れが激しい日本がギリギリまで押し込まれてきた。クリーンなショットは許していないが、混戦からポロっと押し込まれるリスクは非常に高い。これはPKに持ち込むしか勝ち目はないかもしれない。―――と、フェイスオフから突如日本のカウンターアタック、前がかりになったカナダはゴール前に1人しかおらず2対1になり、決めた―――っ! 鳥肌! スレッジの刃の下を通すトリッキーなアシストからの完璧なシュート、ビューティフル!

 そしてカナダが5人で全員攻撃となった無人のゴールにもう1ゴール。うわー鳥肌(笑)。試合終了。大泣きの日本選手たち。やっ・た。やってくれたわ、こいつら。えらい。

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 カナダの解説は大ショックを受けた顔で、カナダに規律が乏しく(ラフプレイによる)パワープレイを与えすぎた、そして日本のGKが人生最高のゲームをしたといっているが、シュート数でカナダが大きく上回ったという類のアップセットではないのだから、GKを日本の勝因に上げるのは当たっていない。パスとインターセプトで上回った日本の組織力の勝利だろう。

 しかし面白かった。この種目はマジで普通のホッケーより面白いと思う。日本が強かったからではなくて、サッカーと同等のプレイスピードやフィジカルx組織バランスになり、パスワークと戦術が楽しめるのがいい。普通のホッケーは狭いリンクに対し選手たちの身体能力が高すぎて、大男たちが猛烈に往復しはじき飛ばし合ってるようにしか見えないのである(パックすらも速すぎて見えないし)。スレッジホッケーではボディチェックもスピードと体重で敵をつぶすのではなく、当たる角度で敵の動きを止めパックのコントロールを奪うという技術の競り合いになり、実に面白い。


Go for the gold medal!
 放課後校庭で「萌、日本がカナダに勝っちゃったよ」と伝えると、「What!?」と萌は狂喜し、大声で友達にニュースを伝える。「ちょっとちょっと、みんなカナダを応援してるんだから、日本が勝ったと大喜びするのはちょっとまずいぞ」と抑えたが、萌の興奮は止めようもなかった。残念なのはこれが昼間の放送だったことで、夕方だったら友達の多くがリアルタイムで見て、萌は鼻高々だっただろうな :-)。

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