2010/10/17

日記「カルカソンヌ中毒」

「ボードゲーム探し」「シャキーンの猛烈な高品質」「草原ルールの悩み」ほか。

=======================
■10/10/04(月) □ ボードゲーム探し
=======================

 一般の店には売っていない希少なドイツゲームを探しにMKが言っていたコキットラムのゲームストアに行ってみると、ほしかった「チケットトゥライド」が店頭ウィンドウにずばり置いてある。興奮してプライスを尋ねるとしかし $59.99。ネット価格の倍近い。うーん、無理か。他にもカタン、プエルトリコなどすべての有名なドイツゲームがあったが、どれも値段は同じであった。がっくし。

 しかしこういう店はカナダで初めて見たな。数百のボードゲームやジグソーに加え、ボードRPG用のフィギュアや戦車、塗料が売っている。強烈な懐かしいフィーリングに包まれ、「お父さんが小さい頃に入ってたプラモデル屋みたいだよこれは」と萌にいう。カナダにはプラモデルがほぼ存在しないのだが、「小さく精緻なものを作りたい」という僅少なボーイ需要はこういうところで満たされているのだろう。日本のプラモデルとはバラエティも価格も比較にならないけれど。逆にでかく頑強なものを作りたいというオトコ需要はカナダじゃ膨大なので、ハードウェアストアが巨大になり廉価なわけである。

 あとでネットで調べると、「カルカソンヌ」というゲームが安くて人気が高い。これを探してみよう。

=======================
■10/10/05(火) □ カルカソンヌを入手
=======================

 BRのドクアポついでに、これもMKがいつも行くというポートムーディのゲームストアへ。そこでお目当ての「カルカソンヌ」が一発で手に入ってしまった。なんていい町なんだポートムーディ。海と街並みが美しいだけじゃなくて、田舎町なのにゲーム文化まであるのか。

 飯を作りながら1人で2回テストプレイして、絵柄が合うように置き土地を所有する基本ルールがわかったところで萌とやってみる。ここに置けるよと何度かベーシックを教えると、あとは萌の方が手を見つけるのが早く(これはカルタなどと同じで視力の差だろう)、お互いに教え合いながら進むのが楽しい。大きな都市が完成するパネルを引いたときは、「出た!」と2人とも興奮する。

 結局22ポイントという最大の都市を作れた俺が4手差で勝ち、初回にして十分に楽しい勝負となった。プレイ時間も期待通りに短い。30分かからないし、スゴロク系と違い人数が増えてもシステム上プレイ時間は変わらない。萌も「楽しいねこれ!」と続けてやりたがり、2戦目は大都市を完成させた萌が取る。

 あちこち細かく点を取りつつメインの大きな都市づくりを目指すというのは非常に自然で心地のいい遊び方で、大人同士がよりコンペティティブになれば乗っ取りその他でこんなに牧歌的にはやってられないと思うが、協力と攻撃の両方ができるところがこのゲームの美点だな。クルーなんか協力も邪魔もできないし運の要素もほとんどないので、萌ら子供が勝てるわけがなく気の毒なのだ。スゴロクはフォーミュラDのように、どれほど複雑化しても逆に運だけすぎるし。

----------------------
 夜、1人で3色を動かしカルカソンヌ戦術研究をしていると(――俺が勝ちたくて研究してるのではなく、ベストな定石を見つけて伝え誰もがコンペティティブにプレイできるようにしたい――)、萌が横から加わり一番負けていた黄色を勝たせようと一緒に考えてくれた。こういうふうにひとり遊びでソリテアとしてやっても面白いし、隠す札などがないゆえ横から口を出せるところもカルカソンヌのよさである。やはりこれは大人になってからやったボードゲームで最高だな。

 俺はバンド時代ツアーに持っていき、移動の車内や宿でやっていたバックギャモンにノスタルジックな愛着を持っているのだが、あれはダブリングキューブと掛け金がないとゲーム性ががたっと落ちてしまう。たとえばMとやると彼女はダブリングキューブを使わず、常に効率のいい数学的最善手を打ち、俺が仕掛ける罠をさっさと飛び越えていく。そして俺のことを単にバックギャモンの下手な人だと思っている(+_+)。こうされるとバックギャモンというのは味気なく単調な遊びで、何度もやれるようなものではない。カルカソンヌには1人2役をやっても延々と思考の愉しみが得られるだけの面白さがある。

=======================
■10/10/09(土) □ シャキーンの猛烈な高品質
=======================



私がアップロードした「知るや君」は、1年で2万回もプレイされていた。
国民の愛唱歌として教科書に載せてください。
「シャキーン!ザ・ライブ」第2弾? を見る。声が低くオトナっぽいアメリカンアイドルに憧れる萌は、「あやめちゃん」のキンキンした声に代表される日本的子供番組にはもう興味をなくしており、シャキーンバンドの素晴らしい演奏がばんばん続くのに向こうから一緒に口ずさむだけで画面を見もしない。おいおい。しかし名曲「知るや君」ライブバージョンあたりからはさすがにこっちにやってきて、その後は釘付けであった。音楽の力なり。

 カナダで暮らす10歳ガールが TV Japan 番組の幼稚さを笑い無視するのは自然なことで、俺自身カナダに住んでるおかげでそういうものにあまり触れずに済むのはありがたいと思っているが(大人が子供風にたどたどしく喋る「ポチタマ」Tarako さんその他のナレーションからして、日本的幼稚TVは気色が悪い)、シャキーンに込められたイノセンスは幼稚さとは別物であり、混同してほしくないものである。

 しかし一度見て2度目はダビングするために好きな曲だけ見たのだが、前回見た時よりもさらにすごいコンサートである。ベースが女性で歌が無茶苦茶うまい。検索してみると外人部隊というバンドの人らしい。声を聞いただけでタダ者ではないと思うレベルのボーカルが、樹木となって顔も名前も見せずに歌ってるのだからこのバンドは意外性だらけだ。後半にはムッシュかまやつまで出てきて俺は意外性にひっくり返った。サイケなストリングスおやじもかっこいい。実にまったく猛烈な高品質のシャキーンコンサートでした。素晴らしい。

 こんなにすごい子供音楽はほんとに、カナダにもUSAにもないんだよ(※)。それが見れることの幸せを俺は萌に説き、ほらここにビートルズのコードが入ってて美しいと思わんかと解説してやるのだが、理詰めで好みは変えられんからなあ。
(※)ついでに「どれみふぁワンダーランド」も世界無二のすごい音楽番組である。毎週(隔週?)ほんとに楽しみなのだ。

━━━━━━━━━━━━
【追記】シャキーン・ザ・ライブ2010を Youtube にアーカイブしました。
━━━━━━━━━━━━



①ザ・シャキーンズのテーマ

メインボーカルの気弱さが歌詞のテーマにどんぴしゃ。そしてサビに入ってくるセカンドボーカルの声にぶっ飛びます。誰だこのベースはと調べてみると、外人部隊というユニットの ACKO という人らしい。なんてかっこいいんだ。


②かんじてごらん
楽 器の音色、コード、コーラスとすべてがビートルズで、歌詞は全部小1の学習漢字でできているというもう、傑作工芸品といえる曲であります。メインボーカル のテツロー、サイドのサキタの両者とも声量と技巧がないのが実にロック。エンディングのこの圧倒的なサイケ音を現場で浴びた親子は幸せものだ。


③知るや君
古典の教養がない私たちにも島崎藤村の美しさが分かる名曲、「知るや君」。この曲が音楽教科書に載り、作曲のサキタハヂメが毎月のお米代を終生もらってもいいくらいの曲だと思う。ノエ(熊本野映)さんの歌も素晴らしい。


④いっしょにいるから
弱 い心と体を持ち才能はあるがなかなか日の当たらない(ように見える)テツローを、お日様のようにつよく照らし、その温かさを知るノエ。JPOP は「あなたを信じてるそばにいる待っている」てな、いわば無条件サポートを謳う保証書みたいな歌ばっかりですが、この歌にはそれらとは違う、人という字は 支え合ってるのだという普遍的な善美があります。メンバー間でボーカルを回していくというクラシックなことをしてくれる二番にもほんとに泣ける。ここでも ベース ACKO 氏の声が突き抜けている。



⑤うた時計
御大ムッシュかまやつもくるみ割りソルジャーとなり登場。このコードとメロディの豊かさよ。この曲のアニメ版は3分で地球の歴史が学べておおおと勉強になるんだよね。どこかに残っていないものか。というわけで、後世になんとか伝えたいすばらしいコンサートでした。

=======================
■10/10/10(日) □ カルカソンヌ中毒
=======================

 俺は完全にカルカソンヌ中毒となり、毎夜TVを眺めつつソリテアとして1人でカルカソンヌをやっている。昨夜ついに奥さんもカルカソンヌに引き込んだ。彼女の好きなトランプのソリテアを対戦型にしたようなゲームなので、当然ながら即座にルールを理解しはまり、なんと5戦も連続でサシ対戦となった。このゲームのクイックさと面白さが十分に伝わったのは間違いない。奥さんもカルカソンヌ中毒。

----------------------
 午後久々にきたMKとゲームの話をすると、ポートムーディのあのボードゲームストアはやはりゲーマーであるMKの友達がやっており、「最近背の高い日本人が来なかったか」と店主に聞いたら「おお来た来た、カルカソンヌを買っていった」となり、「彼は僕の叔父さんだよ!」という会話で盛り上がったのだそうだ。

 あの若い店主は今なんと、日本の忍者スクールに行ってるとのこと。なんでカナダ人には忍者スクールがそんなに人気があるんだ(笑)。格闘技の一種と捉えられているのかな。

=======================
■10/10/16(土) □ 草原ルールの悩み
=======================

昨夜からイトコのSFがスリープオーバー。今日は萌とSFがクローゼットのドアに美しいリンゴの木を描いた。これは素晴らしい。話をしてみるとSFはアート全般に興味があるらしい。来年にはハイスクールを終えるわけだが、アートカレッジ等に進むのかな。

----------------------
 晩飯:MK家でバーベキュー。当然カルカソンヌを持ってきたのだが、ゲーマーMKは昔やったことがあるとのことでルールをほぼ把握していて、いきなり萌の都市に相乗り(強制的に自分の都市を相手の都市に連結し同スコアを得ること)してきた。これまでこのゲームでアタックされたことのない萌はルールを分かっておらず防御しなかったので、なんときれいに乗っ取られてしまう。なんてことをするんだお前はオニかと大盛り上がり。

 しかし幸いにもこの都市がでかくなりすぎたためにMKは完成できず、萌は別に中規模の都市を完成させて着実に点を取り2位。教会をきれいに2つ完成させたSFが1位、俺は特に何もできなかったが3位。そして最大タウンに固執しすぎて他の都市を開発しなかったMKが結局最下位で皆満足となる。グレイト :-)。4人ゲームはやはり使えるタイル数が2人時の半分になるのであっけなく終わるという感はあるが、その分大人数でにぎやかな楽しい勝負になる。

 草原ルールはポイントが大きすぎると感じるから1都市2点にしている(※)とMKに説明すると、その大きなポイントを熾烈に奪い合うのが面白いのではないかと奴がゲーマーらしいことを言う。まあ熱いゲーマー同士ならそうだろうが、萌もいるわけだし、1つの手が過剰に結果を左右するエレメントは俺の好みではないのである。しかしこうしてその家にあったローカルルールを考えて実施できるところが、ボードゲームの面白さだ。
(※)《都市に連なる草原を取ると接する1都市につき3点》の「草原ルール」というものがあって、これは下手するとコマ1手で8都市24点とかの巨大都市並みのスコアがぽんと取れてしまう。それまでの楽しい都市開発の趨勢とは見た目上まるで関係なく草原プレイヤーにどでかい点が入るので、Mも憮然としていたし俺もバランスが悪いと思っている。

 このあたりのルール調整はこれからも検討していきたいが、とりあえず初所有のボードゲームとしてカルカソンヌは非常に満足感が高い。「カタン」など傑作と評判の別ドイツゲームもやってみたいが、これよりも複雑で時間のかかるゲームをボードでやるのは面倒だという気がする。PCやDSで複雑なゲームをやるのは苦にならないが、それは自分のペースで断続的にやれるからで、人とやるゲームは次元の違う集中が必要だからなー。カルカソンヌに拡張セットを足しハウスルールを整備して、よりゲーム性を高めていこう。

2010/10/10

日記「Stars On ビートルズメドレー」

「『クールな子』とは」「Axim X51v に移行」「不思議なカナダのファストフード」ほか。

=======================
■10/09/20(月) □ 「クールな子」とは
=======================

 午後、新しい学校で最初にできた友達CHがやってきた。萌はボーイズやALと一緒だとバカをやって騒ぐだけなのだが、JDやCHのようなおしゃれな子と話すときは、かっこいいことを言おうと高揚してベラベラと喋りすぎる。まあそれがノーマルな10歳なんだろうけど。キュートではなくクールでありたいのだろう。

 学校でも「クールな子」とそうでない子は明確に分かれているらしく、萌が「そのときクールな子たちが言ったの―――」と学校での出来事を俺たちに報告することがよくある。萌は「クールじゃない子たち」に属すわけである。これは要は気が強く攻撃的な子が「クール」だということなんだよな。

 ちなみに萌に前の学校での「クールな子たち」とは誰かと聞いてみると、なるほどと思い当たるガールズの名前が並ぶ。それらクールキッズのお母さんもみな、見るからに癇癖の強さが漂ってくる人々だ。俺や萌と校庭ですれ違っても目を合わすこともなく、萌が自分の娘のクラスメートだと気づいてすらいないらしいお母さんがたである。

 萌の友達のお母さんは例外なく、知り合いになる前から物腰が柔らかく挨拶を交わしていた人たちなわけで、クール(意地悪)とノン・クール(普通)は血統できっちり決まっているように思われる。

=======================
■10/09/21(火) □ Axim X51v に移行
=======================

 「クロスロードで iPhone に魂を売り渡した」というP氏が使わなくなった Pocket PC、DELL Axim X51v をついに譲り受けた。ありがとうございます。ハード的には予想以上にいい。これほどネット速度が速いとは思わなかった。そして手書き漢字認識の精度がすごい。現在校庭でお試し入力中。これは Pocket PC 史上最強の認識精度だろう。

 しかしある程度予想はしていたが、Pocket PC 2002 までのソフトウェアが1つも動作しない。そしてそれらのフリーウェアの Windows Mobile (Pocket PC 2005 相当のOS) 対応バージョンが全然ない。Windows Mobile 時代ともなると iPod その他に押され、Pocket PC の利用人口自体が減ったのだろうな。

 さらにこれは知らなかったのだが、Windows Mobile 5.0 というOS自体が不安定だ。明らかに Pocket PC 2002 よりもフリーズが多発している。アプリのフリーズから復帰できないのである。これも今時の OS としてなんなのかとため息が出る。

=======================
■10/09/22(水) □ 文句ない担任
=======================

 萌の新しい学校の先生紹介で、担任の先生と初めて会った。快活ですごくいい人で、「ペアレンツはフランス語がわからな(くて手伝えな)いんだから、宿題はできるだけ出さないよう心がけている。連絡もペアレンツにわかるよう英語でやる」と、若い人なのによくものが分かって気遣いがある。カナダの教師は物腰はフレンドリーだけどやることは我が道を行くという人が割合多いので、こういう気遣いをされると感心してしまう。生徒に自発性を持たせるようどうしているかといった説明も理にかなっており、文句ないな。ありがたい。

----------------------
 学校の施設は新しい割にあまりよくないのだが、冷水と温水が出る(つまり子供がカップラーメンが作れる)給水器、電子レンジなど田舎の学校にはなかったアメニティがあるところがなんとなく都会的だ。

 しかし都会だからなのかなんなのか、年上の男子に向かって「ルーザー(負け犬野郎)」と罵る2年生(7歳)なんてのがいるらしい。萌がそれを校庭で目撃し、「そこまで言うことないんじゃないの」と口をはさむと、「あんたは私のボスじゃないわよ!」とその2年生は反論したのだそうだ。

 この「you're not my boss」というのはうちの近所の子供も皆言う捨てゼリフなのだが、その親はいったいどういう躾をしてるのかと呆れるものがある。SMの父親は実際「俺がボスだ、俺のいうことを聞け」と娘を叱るのを見たことがあるので、まあそういう躾が相当に一般的なんだろうな。物ごとの正否と関係の上下なんて1つも関係ないではないか。馬鹿である。やれやれ。

=======================
■10/09/24(金) □ 不思議なカナダのファストフード
=======================

 3日間設定に苦闘していた Axim X51v は、フリーズの原因と対策がネットのユーザーフォーラムでわかり一山超えた。やはり Windows Mobile OS のせいだった。さまざまなバグつぶしとソフトウェアの構成に苦労しやっと実用ベースに乗ってきたけれど、ユーザーにここまでやらせる Pocket PC/Smartphone はもう、一般人が苦労もせずに使える(のだろう)iPhone とかの家電型端末にはかなわないなとつくづく思う。

 俺は要はキーボードを使わずに手のひらでラップトップと同じことをしたいわけで、Windows 的に自由度が高い Pocket PC はその用途では今でも最強だとは思うのだが、しかしそれも基本的にトラブルフリーで動いてくれたらの話である。先端的な Linux じゃないんだから苦労は望んでいないのだ。

 ともあれ Windows Mobile には問題が多々あるが、Axim X51v のハード性能は素晴らしい。美麗な画面、高速なアプリ動作、クリアなボイスレコーディング。管理に苦労はしても、もうカシオ E-2000 には戻れない。

----------------------
 ビアード・パパのシュークリームをお土産でもらう。数年前リッチモンドに開店したときに行列ができて話題になったが、もう10店舗もあるのだそうだ。文句なくうまいがこのレベルの菓子を作るのがさほど難しいとも思えず、なんでカナダのベーカリーでシュークリームがいまだに作られないのかワケがわからない。うちの近所で普通に買って食いたいのに。

 バンクーバーのダウンタウンでは「ジャパドッグ」というホットドッグスタンドがこれまた行列ものの人気で、これもやがて店舗を広げるのだろう。単に「ジャパン」が高級ファストフードのブランドになってきているっぽいが、これまたうまいホットドッグを作るのが日本の匠の技なはずがなく、普通にうまいものを作れば爆発的に売れるくらいまずいものばかり売っているということだろう。なんでカナダ人は塩化カリウムが多すぎるKFCやバサバサにドライなマクドナルドを文句も言わずに食っているんだ。ファストフードとはいえこんなものは食ってられんと無視していればもっとレベルは上がるはずだろう。ほんとカナダ人の食ビジネス感覚は不思議である。

=======================
■10/09/28(火) □ 日本の秋のような日々
=======================

 BRの指圧アポイントメントでポートムーディへ。秋にしては珍しく暖かく晴れている。週末は雨が降りながら20度もあって、まるで日本の秋のみたいで気持ちがいいなと思った。学校で会った日本のお母さんもほんと日本みたいよねと同じ感想をもらしており、そうだよな、日本の秋って幸せだよなと思う。

 放課後、萌を遊ばせに前の学校へ連れてくる。やっぱいつになってもこっちのほうが友達も多く楽しいよなー。しかし萌が「新しい学校にこれこれがある」と話したせいで、WLとALが「そうかよ、うちなんかこうだぜ」と口論になっていたので割って入る。くだらんことでケンカをせんでくれ(笑)。

=======================
■10/10/01(金) □ 「最近のJ-POPの歌詞」
=======================

> koji_hiyama 「最近のJ-POPの歌詞」
>
> 翼広げ過ぎ
> 瞳閉じすぎ
> 君の名を呼び過ぎ
> 会いたくて会えなさ過ぎ
> 前髪切りすぎ
> 私弱すぎ
> 桜舞いすぎ
> 親感謝されすぎ
> 季節めぐりすぎ
> 君のこと考えすぎ
> もう一人じゃなさすぎ
> 大切な人居なくなくなりすぎ
> あの頃に戻りた過ぎ
> 一歩づつ歩いて行き過ぎ
>
> TeseBochum9がリツイート

 芝刈りをしつつ Axim でネットを読んでいると、チョンテセがこんなに素晴らしいつぶやきをリツイートしてくれていた。久々に何かを読んで爆笑したなー。外で仕事をしつつチョンテセのメッセージを読み、こんなすごいものを教えてもらえるという、幸福な Axim モバイル体験である。とにかく安定してほしい。1週間経ったがまだ安定性が完全ではない。

=======================
■10/10/02(土) □ 日系ファーマーズマーケット
=======================


小さな巨木!
 日系ファーマーズマーケットがあるのことでニッケイセンターに来る。ナスやカブなど日本の野菜があるだけで別にお祭り的なイベントではなく、各種習い事道場を見学し、まんじゅうとおはぎ(懐かしい!)を食べ野菜を買い、盆栽を見て帰る。この盆栽がすごかった。松の木などは見てもなんとも思わないが、この小さな巨木は本当に風格がある。これならほしいが、おそらく百万円とかするんだろうなあ。

 伝統あるここの日本語学校は優秀との定評があり、実際今日クラスにLSがいたが、週末半日潰してここに通うというのは難儀なことである。クラスから出てきたLSがわしらを見て「あれ?」と目を丸くしてるので、「今日はLSがちゃんと日本語を勉強してるのかチェックしにきたのだよ。ちゃんと勉強してくれよ。頼むよ」と言っておいた。

=======================
■10/10/03(日) □ Stars On ビートルズメドレー
=======================

 ST家のホームパーティ。ディナー後、みんなが欧州旅行写真を1時間以上も見ているのに待ちくたびれ、俺と萌は階下のミュージックルームで遊ぶ。萌にドラムを叩かせ No Reply から Stars On ビートルズメドレーにトライ。この Stars On メドレーは実に驚くべきデキのよさなのだが、自分でやってみると各曲歌い出しで音程が全部はずれる。それがおかしくて1曲ごとに爆笑のメドレーとなった。Stars On はあれは実はつなげて歌えるよう、全曲のキーを変えていたのだ。すごい職人技だ。

 今 Google して今はじめて知ったが、「Stars On 45 - The Beatles」はオランダのスタジオミュージシャンが作ったのだそうだ。意外なところに意外なビートルマニアの才人がいたというわけだ。

 久しぶりに大声でビートルズを歌うと気持ちがいい。萌の音程も素晴らしく、「Please Please Me」は2人が完璧にハモった上に俺のギターとパシパシという萌のドラムでビートにうねりが出て、素晴らしいグルーブが生まれ最高だった。萌、これがバンドだよ。すごいよね。萌もいつまでもビートルズを歌い育ってほしいものである。そのためにこの Stars On Beatles が役立ってくれるだろう。

2010/10/03

日記「萌の勉強部屋が完成」

「イモリの病気」「前の学校で遊ぶ」「ボードゲーム考」ほか。

=======================
■10/09/10(金) □ イモリの病気
=======================

 バンクーバーの秋らしい、今にも降り出しそうな空が毎日続く。BCの秋が悲しいのは爽やかな夏が終わると同時に雨季になり、あとは春まで延々と寒くジメジメなところにある。春、夏、雨季、冬しか季節がない。本格的な雨季が始まる前に、排水ポンプの非常用バックアップシステムを構築しなければ。

 イモリのパスタに皮膚の疾患ができてしまった。こいつはうちに来てから自力で餌を食べたことがなく、1年余ずっと俺が強制給餌を続けてきたほど弱いやつなのだが、本格的に病気になったのは初めてのことである。調べると特に薬などなく感染の可能性があるので、とにかく小さなプラ水槽を買ってきて隔離することにした。長期戦となりそうだ。

 はあ。元気な日本のアカハライモリ飼いがうらやましい。Youtube や飼い主ネットカメラで見るとアカハラの活発さは実際驚異的である。水面に浮いた金魚の餌を泳ぎながら食べたり、水面を流れる浮島にひょいっとよじ登るなんて映像を見ると、これはほんとにうちのシナイモリと同種の生き物なのかと思う。小亀並みの動きの速さと生命力だ。うちのシナに比べ体型的に頭が大きいので、脳神経系の発達具合がまったく違うんだろうな。

 ペットショップの兄ちゃんは日本イモリの発注も可能だと言ってるのだが、しかしカナダというのは店員の言ってることがものすごくいい加減なところなので、生き物の発注はこわいのである。何が届くかわからないのである(苦笑)。

=======================
■10/09/15(水) □ パスタ死亡
=======================

 隔離水槽のパスタの様子は今朝も変わりなく、それなりに元気で餌も食べられそうに見えるので、反応を見るために赤ミミズとドライフードを底に少量置く。で1時間半ほどしてから水槽に目をやると、なんと彼が水中に沈んでいた。えーっ!

 今後ことによるとここで一生過ごすかもとサブ水槽を快適に整備していたのだが、隔離1週間で死んでしまうとは完全に予想外だった。金魚たちが死んだときのような予兆は全くなかった。むしろ隔離当初より水がきれいな今の方が体調はいいと思っていたのだが。まあもともと極端に弱い奴だったので、寿命だと考えるしかないだろう。はあ(合掌)。死人が出たので予定を変え全換水しよう。

=======================
■10/09/16(木) □ 萌の勉強部屋が完成
=======================


まさに夢の子供部屋。
 PCを組みデスクライトを設置して、萌の勉強部屋が完成。こっれは夢の子供部屋だなあ。萌は一人っ子で気の毒だが、兄弟がいる子はこれほどのスペースを1人では使えないだろうから、その点だけは恵まれている(ベッドとPCは親戚からのお下がりだし)。俺は大人になってからだってこんなにいい部屋に住んだことはないぞ。

=======================
■10/09/17(金) □ 前の学校で遊ぶ
=======================


石とプラ植木鉢で浅瀬と深場を仕切り、
悪食の魚をブロック
 水槽のレイアウト変えをした。最近ミノウ(金魚っぽい小魚)がイモリたちの餌を盗みに来て止められないので、魚が入れずイモリだけが石をよじ登り入れる浅瀬を作ったのだが、バカなのでイモリたちも深場から浅瀬に登れない ^_^;。どんなに頑張っても登れずパニックになりかけており、手を入れてガイドしてやるしかなかった。アカハラだったら簡単に登るだろうが、シナイモリの運動能力じゃ「泳いでグリップしてよじ登る」というアクションは無理なのかな。まあ明日から慣れてくれ。イモリだって少しは学習するだろう。

 広くなり快適そうな浅瀬でくつろぐノボリたちを見ていると、死んでしまったパスタにもこの浅瀬を味あわせてやりたかったなと思う。

 パスタが死んだことをイモリに興味のないMには特に報告しなかったのだが、「そんな大事なことを話さないなんて」と怒られてしまった。夫婦というものは実に難しい。

----------------------
 今日は放課後、萌を前の学校の校庭に連れて行った。「萌が来た、萌が来たよ!」とAL姉弟の熱狂ぶりがすごい。悪友WLは木登り中で、萌が登って行くと「お前かよ! 来るんじゃねえよ!」みたいに盛り上がっていた。

 しかし事情を知らない人にどうして学校を変わったのかと聞かれると答えにくい。しかも萌はALに誘われ前の担任に会いに行こうとする。ちょ、ちょっとそれは、転校の理由を原因本人に訊かれたらヤバいではないかと止めておいた。やっぱ前の担任の教育指導がごく低調だったとはいえ、萌は特に嫌いじゃなかったんだよなと申し訳なく思う。教師以外はこちらのほうが環境がいいし友達も全部いるわけで、週に一度くらいはこっちの校庭で遊ばせてやろう。

=======================
■10/09/18(土) □ ボードゲーム考
=======================

 うちでは最近ボードゲームが流行ってるのだが、MKが「フォーミュラD」という新しいやつを仕入れてきた。サイコロでサーキットを回るスゴロクなのだが、車の5段のギアによって振るサイコロが変わり、《高いギアは大きく進むがコーナーを曲がりきれずペナルティがつく》という法則がなかなか面白い。

 しかし要はそれだけのスゴロクなので、バックストレッチに入る頃にはもう勝負は決しており、皆の関心はサイの目が悪く大きく遅れた気の毒な萌をどうやって追いつかせるかだけとなった。最後にペナルティなどもう構わんから5速サイコロを振れといい、それで萌が2台ごぼう抜きしたときだけが盛り上がった。つまらなくはないが、雑誌の付録で数回やって終わりくらいのレベルのゲームだなあと思う。

----------------------
 家族でやるボードゲームはとても楽しいのだが、この前にやっていた「クルー(これは英語圏の家族は誰もやる古典らしい)」が典型的であるように、こっちのボードゲームはやたらに時間がかかる。「クルー」なんか面白いけれど下手すると1ゲームに1時間かかる。それに「クルー」もこの「フォーミュラD」もルールに工夫がなくて、逆転の可能性や子供(萌)が勝つチャンスがほとんどないのがいかがなものか。どちらも初回の途中ですでにこりゃルールが片手落ちだろうと思い、ゲームを楽しむより改善案を考えてしまう。

「フォーミュラD」は要はコーナーオーバーランのペナルティがボディへのダメージだからいかんのである。ダメージなどあっても1周のレースでは余裕で完走できてしまうから、どうやってもサイコロの目がいい奴が勝つに決まっている。欲をかいてオーバーランしたらコーナーの手前に戻してしまえばもっと僅差の勝負になるだろう。スゴロクなんだから一番痛いペナルティは戻されることなのだ。

 「クルー」は俺がサイコロを1個から2個にして移動時間だけは短縮できたのだが、証拠集めの効率の悪さはいかんともしがたい。15分くらいで1ゲームが終わり、どんどん次のターンに行けるゲームに改造したくなるし、萌とグランマにはハンデもあげたい。勝ってるやつの足を引っ張ったり、負けてる人を支援したりするという日本的なおせっかい&親切心が、「マリオカート」を筆頭とする任天堂ゲームに込められているんだろうな。

 俺が子供の頃やった「バンカーズ」や「騎兵隊ゲーム」はもっとずっと楽しかったと思うのだが、あれは単に子供だからだったのかな。バックギャモンやリバーシ並みに簡単なルールと戦略でぱっぱと1ゲームが終わるボードゲームがないものか、探してみよう。萌の友達が来たときにやれるくらい単純なものがいいよな。