2011/01/31

日記「ボードゲームお試しの日々」

「カタンを習う」「チケットトゥライド」「アジアサッカーのショーケース」ほか。

=======================
■11/01/19(水) □ 過ぎ去っていく子供らの子供時代
=======================

 萌の前の学校の友達ALがカルガリーに引っ越すことになり、サヨナラの手紙と写真を渡しに行く。転校で会う機会が減って以来2人のフレンドシップはトーンダウンしてしまい、永の別れとなるであろうこの引越しに関しても萌はセンチメンタルなところがあまりない。こないだ遊んだ帰り際に「じゃカルガリーで元気でね」とえらいあっさりと別れを告げたので、それだけじゃALがなんか気の毒だと俺が思い、萌に手紙を書かせ、写真を選んでプリントしてあげたのだ。


数少ない去年の真夏日、最高でした
 実際2人よりも俺のほうがはるかにセンチメンタルになっており、去年の夏の写真をプリントしながらしんみりとしてしまい、「あの海に行った日は、去年の最良の夏の日だったよ」とAL少年にメールを書いてしまった。子供ってまったくアッサリしてるよ。親がこんなことにセンチになるのはたぶん、過ぎ去っていく子供らの子供時代に対して、本人たちよりも惜別の情が強いからなのだろう。

=======================
■11/01/20(木) □ カタンを習う
=======================


カタンのオンラインデモ
 カルカソンヌに死ぬほどハマり4ヶ月、依然まったく飽きていないが他のボードゲームもやりたくなり、ボードゲームの歴史を変えたという名作カタンのオンライン・チュートリアルをやってみた。「何もない緑は丘→羊毛が取れる、→木と土と麦と羊で町が作れる」といった、リファレンスがないと覚えられないタイプのルールだらけで難しい。説明書抜きで誰でも分かるカルカソンヌは偉大だ。

 2日で7~8回のデモゲームをし、あちこちでヒントを読んでようやくコツが飲み込めてきた。確率的に着実にポイントが出る土地を抑え、そこの町を拡大して毎ターン入ってくる資源を最大化し、トレードを活用して開発を波に乗せるのである。このベーシックな段取りが掴め、最後のゲームは計画通りに開発が進み「こうしてうまくいくとたしかに楽しいな」と思っていたのだが、突然敵が何かカードを引いて勝利。得点カードを引いたらしい。へえ(嘆息)。他のユーザーも言っているが、「カードを引いて点が入り終了」というのは実にしらける。

 【カタンの感想】資源セットアップがうまくいくと面白く、そうでないとつまらない。選択や運が悪く資源の役が揃わないときに、せめて枚数をためて何がしかの有効利用に使うという道があればいいのに、8枚以上は盗賊に持っていかれる「バースト」ルールのせいでコツコツためることすらできないのが腹立たしい。いい位置を取り正しく資源計画を立てほしいサイコロの目を出し資源を常に無駄なく使いきり増築していく者だけが幸せになれる、スイートスポットがえらい狭いルールだと感じるのだ。むろんナイトで勝つとか生産で勝つとかいくつかの勝利の道筋はあるのだろうが、整然たる計画を立てうまく行った人にしかこれは面白くないだろう。

 それに毎回最長ロードや最多アーミーで唐突に勝ちが決まりばっさりとゲームが終わるのもつらい。俺だって劣勢にせよいろいろ考えて仕込んでいるわけで、ちょっともう少し遊ばせてくれよと言いたくなる。終了後にボーナス&精算ポイントが入るわけじゃないから逆転の余地はまったくない。制作物の総合的な「出来栄え」で勝負がつくほうがクリエイティブで楽しいはずで、早いもの勝ちというのはゲームの終わり方として最も味気ない。

 全体的にせせこましく幾何学的なゲーム盤の見た目通りの、カツカツして遊びの広がりが感じられないゲームだった。もっとゆるやかに広く美しい地形で豪勢に資源を掘り出し、自分の陣地を拡げていくという爽快なゲームがやりたい。

 しかしカタンにあるこの「生産・取り引き」というシステムは実に楽しく、ドラクエでRPGを初めてやったときのようなときめきがある。面白い生産ゲームをぜひともやりたいなあと思う。探してみよう。

=======================
■11/01/21(金) □ カタール戦
=======================

 【カタール・日本】6時に起き後半から見る。カタールの堅守に日本が攻めあぐねている感じ。カタールの前線アフリカ南米勢はみんな脚が強烈に速いので、日本の守備陣はファウルを取られ苦しんでいる。厚く守ってボールを飛ばせば前線がなんとかしてくれるので、カタールのほうがチャンスは多い。

 香川は相変わらずボールが今ひとつ脚に吸いつかない状態だが、混戦からこぼれ球を香川が持ち出し左足で決める。よし。華麗ではなかったがあの落ち着きはさすが普段リーグで点を取りまくっているだけある。

 長谷部が前にドリブルで持ち出したり、飛び出してボールを引き出そうと変化をつけている。キャプテンらしい働き。本田はなぜか中盤にいるストライカーといった感じのプレイで、後ろ向きでボールを受けポストプレイばかりしている。シュートに持ち込めない中距離でポストなどしていても効果はない。ドリブラーがいないのだからトップ下はもっと早くボールを散らさないとチャンスは作れないだろう。パッサーとしてひらめきを見せていた柏木を出してほしい。

 残り 10 分、日本がボールキープできず相手のCKが増えてきて、負けるとは思わないがこのままではもう1点取れる気もしないと思っていると、長谷部の高速スルーを香川がぎりぎりコントロールして持ち出し倒され、伊野波がこぼれ球を決める。あのスルーを出した長谷部もそのボールを失わずあそこまで持ち出した香川もえらかった。素晴らしい。

 というわけで、やれやれの辛勝。日本は勝ったもののトップフォームとはとても言いがたい。香川はなんでブンデスで点をボカスカ取ってるのかわかるプレイを2回見せてくれたがまだまだ本領はこんなものじゃないだろうし、グレイトなのは長谷部だけだった。これで韓国には勝てんだろう。本田のポジションを変えるか、彼のプレイ選択を変えていかないと。

=======================
■11/01/22(土) □ チケットトゥライド
=======================

 カタンでコンピュータ相手のボードゲームの気楽さを知ると、破壊型プレイヤーに会うこともままあり、いったん始まったらしばらくPC前から離れられない BSW でのオンライン・カルカソンヌ対戦を重く感じるようになる。カタン以外にもなにかソロプレイができるボードゲームはないものかと探してみる。と、なんとほしかった最強初心者向けゲーム「チケットトゥライド」のデモが見つかった。やっ・た。ルールを読みながらやってみよう。


チケットトゥライドOnline
 デモでやれる3ゲームを終了。1戦目はルールがわからず何度も中断してルールを確認し、2戦目で要領がわかってロボット相手に2位となった。面白い。敵が自分に近い路線に来ていると、先に取られたらつなげなくなるぜと焦る。欲しいカードを取りたいが、あの路線を今取らないとヤバいというジレンマがある。取れなかった路線を回してつないでいくあたりはなんとも楽しい。

 しかしルールが「これだけ?」ちゅうくらいシンプルなゲームで、楽しいけれどえらいあっさりしているなと思う。なにかメインの路線接続以外の得点法はないのかな(※)。まあカルカソンヌも最初は対戦プレイヤーとの絡み方や草原がわからず肩すかし感があり、そこが分かってからとめどもない熱狂が始まったので、チケライも慣れて相手と路線を奪い合うようになればもっと盛り上がるのだろう。
(※)調べてみると3の「メルクリン」は乗客ルールというものがあり、それで 30 点どーんと取れることがあるらしい。それがカルカソンヌの「草原ルール」に相当するサブ得点法だな。

 続いて同じくデモの【チケットトゥライド・ヨーロッパ】。1の北米大陸よりも路線が密集したマップ、トンネルルールがやや面倒。せせこましいので、人にワルシャワ線を取られたらもうベルリン→モスクワがつなげなくなってしまった。それくらい狭い。

 しかしあとから「駅舎」をつかえばあの取られたワルシャワ線を自分の線路とカウントしていいのだと知り、それを使って2駅をつなぎ2戦目はポルトガルからストックホルムへの21点最長距離を見事接続した。気持ちイー。しかしこの「駅舎」は自分でつないだわけじゃないのでややチートっぽい気もする。これが1個ならまだしも、3個もあるんじゃどんな路線だって人の線路でつなげてしまうではないか(※)。
(※)Takkun 氏の評によれば、実際のボードでは単に駅舎コマを使わなければよく、このバージョンは最高とのこと。なるほど。

 USA と比較すると、追加ルールがなく広々した1のほうが楽しいかな。しかしデモだけでは甲乙付けがたい。どちらも文句なく楽しいけれど、やはり今俺はもう少しいろんなことがやれる生産系のゲームをやりたいな。

=======================
■11/01/25(火) □ アジアサッカーのショーケース
=======================

 朝5時半から【日韓戦】。序盤は日本が速く短いパスをつなぎ攻める。プレスも速い。韓国は中2日でやや疲れが残っているのかもしれないが、日本の動きが前の4試合より明らかにいい。

 12 分、韓国も反撃。長谷部がパクとばちばちやり合っている。韓国はいつ戦っても「やっぱり強いなあ」と思わせるものがある。現チームでは日本のほうがタレントが揃っていると感じるが。

 遠藤がワンタッチで完璧なスルー、長友のクロスに岡崎のヘッドがゴールポストでぎりぎり止まる! 素晴らしい攻撃だった。日本のパスの速さと正確性はWCより一段上がっている。これはいいぞ。

 20 分:―――え! PK。ロングボールに競ってパクにショルダータックルした今野にPK。15 番が決める。この甘いマスクの 15 番が韓国の新エースなんだろうか。しかし唐突で事故的な失点だが、時間はある。この試合は日本が明らかに支配している。技術に加えフィジカルコンディションで上回っている。パクも調子はよくなさそうだ。

 そして本田→長友→前田のビューティフルゴール。これだけ強い相手にあれほど美しいゴールを決めたというのは、日本代表史上に残るようなシーンだろう。スルーを出した本田もそれを紙一重でつるはげチャドゥリの裏で受け全速のままコントロールした長友も、ただ者ではないことを示すゴラッソなプレイだった。それこそ全盛期の中田英寿に匹敵するワールドクラスな2人である。香川もついに本領を発揮しており、ボールタッチが素晴らしい。この3人がフル稼働したら、これは強いわ日本。

 前半終了。素晴らしい。本田香川長友内田となぜ騒がれるのかよくわかる強さ巧さとクレバーさ、岡崎前田遠藤は J リーグのレベルを示す速さと巧さ、まさに日本サッカーのショーケース。前の4試合とは段違いだ。しかし韓国も出だしの重さが取れるとやはり強い。アジアサッカーのショーケースといえる試合になっている。

----------------------
 しかし前半飛ばしすぎたのか韓国が戦術的に対応してきたのか、後半はガラっと趨勢が変わってしまった。日本がまったく攻められない。韓国もアクシデント的にしかチャンスを作れないけれど、それを危険に結びつける力は十分にあるので怖い。この審判も怖い。

 後半60分:韓国が2人でごりごりと突破しシュート。代表歴の少ない岩政あたりは、あそこまで倒れず前に進み打ち切る相手とはあまりやったこともないかもしれない。すごい経験である。65 分、往時の中田ヒデを思わせる本田の絶品なトラップ、しかしそれに振り切られずついていてシュートを打たせなかった韓国 DF もたいしたものである。

 韓国のパスワークにも素晴らしいものがある。前半見せた日本のワンタッチパスは昔の小野のワールドユースチーム並みに美しく、韓国にはああいうサッカーはできないが、個人が個で持ちこたえここしかないというところに乾坤一擲のパスを送るという韓国のサッカーもほんとにさすがである。魂を感じる。

 延長5分:岡崎はまだ走っている。―――PK! えー。まあいいけど(笑)。やっぱ一番疲れてない細貝が一番最初に追いついた。

 延長後半、岡崎はまだ走っている(笑)。残り10分、韓国は放り込みを開始。そしてうわ、来た。やっぱいつもの諦めない韓国。うーむ。

 しかし川口同様頭脳はどうかと思うが PK 戦には無茶強そうだという国民の期待に応え、川島が止めてくれ試合終了。よし! いつもいつも勝てそうで勝てなかった韓国に勝て、無茶苦茶気分がいい。

 というわけで、今日の前半は素晴らしかった。素晴らしすぎた。あんな素晴らしい=神経が張り詰めるような絶妙なダイレクトパスサッカーを後半まで維持できるのかなと思ったら、やっぱり全然できなかった。決勝ではあの前半の9割程度を前後半通じて出せれば、もう楽勝だと思われます。ウシシ :-)。

2011/01/18

日記「シャキーン・ザ・ライブを世界に」

『「20 世紀少年」3部作』「Wii にふるえる子供心」「カルカソンヌの拡張考察」「岡崎はえらい」ほか。

=======================
■11/01/04(火) □ 「20 世紀少年」3部作
=======================

 映画「20 世紀少年」3部作を見終わる。3部作通じて物語はマンガ的すぎて(まあマンガなのだが)、面白さとうーむの微妙なあたりにある。(以下、ネタばれは書いてません)。

主役のケンジは、友人としての魅力はあるがなにか特別な人物とも見えない。その彼に数十年ぶりに会った幼なじみが全員命を預け、彼の姪を「最後の希望」と崇め助ける。この友情物語のキモ部分がすべて日本マンガ&ドラマ的リアリティのなさでできてるのが難しい。日本のハナシは「交通事故から助けてくれた人が実は会ったことがない双子の弟だった」みたいなのが多すぎるんだよな。

 全篇通じて彼が歌いまくりそれが人類の希望の詩となるという図も変であった。だってその歌が売れないバンドマンにふさわしく超つまらないのである。

 しかし昭和の町並み再現、大人にそっくりな子役発見、東京を囲む壁(永井豪の影響ありあり)、そしてもちろんあのロボットなどもろもろの映像はまさに「20 世紀日本マンガの映像化」で、すごかった。こんな映像が作れるとは、日本の特撮技術は飛躍を遂げたのね。マンガの歴史と円谷プロからの積み重ねが完璧に結びついている、20 世紀ニッポン文化の結晶だ。

 そして最後10分ほどのエピローグは、賛否両論あるだろうがよかったな。あれがなくてコンサートのシーンで終わっていたら、かなりハラホロヒレハレだっただろう。

=======================
■11/01/07(金) □ Wii にふるえる子供心
=======================

 久しぶりに萌と甥MKのところへ行く。カルカソンヌ2をクイックに1戦。萌は Wii をやりたかったのだがTVが壊れていてできない。しかしTVがなくてどうせ使えないのだからと、この Wii システム一式を萌が借りられることになった。萌は大喜びである。帰ってうれしさに飛び跳ねながらセットアップし、Wii スポーツを楽しむ。

 Wii は改めていろいろやってみると、実に優れた スポーツゲームばかりである。ボーリングやテニスなど、「本物ではないということ以外はすべて本物と同じである」という感じ。タイミング、手首の角度、スピード、スナップの効かせ方などなど、体技を上手に行うために必要なもののすべてがコントローラから画面に伝わっていくのだ。ほんとすごいわ。

 中にバスケットボールがあったのだが、これがまた驚きであった。ジャンプシュートのポーズを取らないと画面上のキャラのジャンプが足りず、打つ前に足がついてトラベリングになってしまう。なんでジャンプしてるかどうかが Wii に分かるんだ? すごい。角度だけじゃなくて上下方向の慣性も読み取っているのだろうか。結果萌の圧勝。俺は天井が低くてジャンプシュートできず、1点も取れなかった(笑)。

 任天堂ってほんと革命的だよな。ソニーや他社がグラフィック命のモンスターと化して行くなか、どうしたらもっと面白い遊びができるかと考え、Wii とか DS をばーんと作っちゃうところが任天堂はすごい。

----------------------
ひとしきり遊んだ後萌は、「このくらいにしとく」と興奮疲れで自ら早めに終了し、「Wii ってほんっっとにいいよね!」と俺に心から語りかけ、そして日本のイトコAちゃんに電話したいと言い出した。そして「Wii をもらったってAちゃんに言いたいの、そう言っていい?」と聞くのだ。なにか複雑な子供の胸のときめきがそこにあるようである。Wii がうちにあることがうれしくてうれしくて、そのうれしさを「借りてるだけ」ということで水で薄めたくないのかもしれない。

 こりゃこれから俺は貸してくれたMKに働きかけてだな、「こんなに喜んでるのに返せと言えないぞお前」と、そのような方向に持って行きたい。父として。

=======================
■11/01/06(木) □ カルカソンヌの拡張考察
=======================

 うちはカルカソンヌ購入以来ずっと俺が拡張セット1のデカコマ抜きのハンデでやってきたのだが(総手コマ数は同じ8個、つまり大人はデカコマを得点ボード上のマーカーとして使う)、最近は萌があまりにも強く、俺がどれほど頑張っても勝てなくなってきた。ここのところ1勝4敗くらいなのである。ここまで差がつくとやはりつまらない。もう萌に対しデカコマハンデは無理が来ているのである。

 そこで萌といろいろ試してみて、俺もデカコマを使い、萌にはうちで使ってない「修道院と市長」セットの市長コマを2個目のデカコマとして持たせることにした。何度か試したがこれはバランスがいい。俺もデカコマがあればこれまで不可能だった乗っ取りができるし、萌は当然デカコマ2つを1つの都市に送り込んだり(つまり4コマ相当!)、2箇所で同時に乗っ取りを敢行したりとクレバーに使える。全体としては萌が有利なまま、しかしこれでより競ったゲームが増えるはずだ。

----------------------
 カルカソンヌは疑いの余地なく最高級のゲームだが、この市長コマなど拡張セットの追加ルールはバランスに難があるものが多い。俺がやったことがあるものを列挙してみると、

=======================
 【拡張1:大聖堂と宿屋】
=======================
 大聖堂都市タイル数x3点は点が大きすぎて、エキサイティングではあるのだが大都市1個で勝敗が決まってしまうことが多々ある。逆に未完成でゼロ点制も酷すぎる場合が多い。そこで大聖堂都市はサイズに関わらず+ボーナス5点、未完成時はマイナス5点くらいが手頃なのではないかと思う。
=======================
 【拡張2:商人と建築士】
=======================
 オンライン BrettspielWelt で一番人気があるのだが、建築士コマのために勝っても負けても常に大差になる。要は追加タイルを引ける建築士コマの活用度で引けるタイル数が大きく異なるからで、相手の建築コマを凍結し(クローズしにくい場所に追い込み)、自分だけ多くのタイルを引くというのが最重要キラー戦術となる。これに成功したほうが大勝するわけだ。同じ持ちリソースから多くの点を取るのがゲームの技量というもので、持ちリソースが大きく違ってはフェアネスを欠くと思う。商品も人の都市を完成させたらその分相手の点を削れるというルール(商品2枚で4点奪取とか)なら面白いが、ポイントをためるというのはまだるっこしい。
=======================
 【拡張5:王女とドラゴン】
=======================
 これも BrettspielWelt でやってみたが、置いてあるコマを除去できるというのは無茶苦茶なルールで、大きな都市に誰もおらず、次に都市タイルを引いた人のものになるなんて馬鹿げた事態が多発する。これじゃカルカソンヌではなく別のゲームである。
=======================
 【拡張9:修道院と市長】
=======================
 クリスマスでもらったが、追加コマはゲームバランスを崩すので1つも使っていない。都市にあるクレスト (紋章) の数と強さがイコールになる市長コマは、大きな都市では4コマ相当にもなり無敵すぎ、カルカソンヌの基本戦術を壊すので没。敵の農場を奪い取る大農場も同じく没。完成した地形からその隣へと移動できるワゴンは使ってみると全然機能しない。それにそもそもコマが3つも増えるとコマ不足が発生しなくなり、面白さが減る。

 というわけで、ほしいルールだけを採用し、さらにその家に合ったようなルールでやるのが一番楽しいのである。他のルールでやってる人とプレイするときは公式ルールでやるしかないけれど。

=======================
■11/01/11(火) □ シャキーン・ザ・ライブを世界に
=======================

 昨年秋に放送された「シャキーン・ザ・ライブ」を Youtube にアップロードした。ほんとにいいコンサートだったので、多くの人に見てもらいたいのだ。



①ザ・シャキーンズのテーマ

メインボーカルの気弱さが歌詞のテーマにどんぴしゃ。そしてサビに入ってくるセカンドボーカルの声にぶっ飛びます。誰だこのベースはと調べてみると、外人部隊というユニットの ACKO という人らしい。なんてかっこいいんだ。



②かんじてごらん
楽器の音色、コード、コーラスとすべてがビートルズで、歌詞は全部小1の学習漢字でできているというもう、傑作工芸品といえる曲であります。メインボーカルのテツロー、サイドのサキタの両者とも声量と技巧がないのが実にロック。エンディングのこの圧倒的なサイケ音を現場で浴びた親子は幸せものだ。



③知るや君
古典の教養がない私たちにも島崎藤村の美しさが分かる名曲、「知るや君」。この曲が音楽教科書に載り、作曲のサキタハヂメが毎月のお米代を終生もらってもいいくらいの曲だと思う。ノエ(熊本野映)さんの歌も素晴らしい。



④いっしょにいるから
弱い心と体を持ち才能はあるがなかなか日の当たらない(ように見える)テツローを、お日様のようにつよく照らし、その温かさを知るノエ。JPOP は「あなたを信じてるそばにいる待っている」てな、いわば無条件サポートを謳う保証書みたいな歌ばっかりですが、この歌にはそれらとは違う、人という字は支え合ってるのだという普遍的な善美があります。メンバー間でボーカルを回していくというクラシックなことをしてくれる二番にもほんとに泣ける。ここでもベース ACKO 氏の声が突き抜けている。



⑤うた時計
御大ムッシュかまやつもくるみ割りソルジャーとなり登場。このコードとメロディの豊かさよ。この曲のアニメ版は3分で地球の歴史が学べておおおと勉強になるんだよね。どこかに残っていないものか。というわけで、後世になんとか伝えたいすばらしいコンサートでした。

=======================
■11/01/13(木) □ アジアカップ・ネット観戦
=======================

 ネットで日本シリア戦がライブで見られた。ありがたい。見たのは後半だけだが、シリアが予想以上にいいサッカーをやってるなあという感じ。中東はどこも昔から日本より足技はうまいわけだが、その技巧とチーム全体のマネージメント力が釣り合ってきたのだろう。攻撃に人数をかけているし、守りも前から仕掛けているので日本がそうそう自由にはプレイできない。日本の失点シーンでも相手の詰めがあったからミスが連鎖したのだ。

 日本は格上サッカーをやっており、結果も幸いそうなったのだが、本田、香川あたりがもうチト「モノが違う」プレイをしてくれないと今後も点はなかなか入らないだろう。この試合ではどちらもJリーグの普通のうまい選手としか見えなかった。とりあえずWCでのイタリーのように、苦しみながら勝ち進み調子を上げてくだされ。

=======================
■11/01/17(月) □ 岡崎はえらい
=======================

 【日本-サウジ】セカンドハーフに間に合うよう6時に起きると、なんとすでに3点入っていた。岡崎が裏に抜けてループ、ニアに飛び込んで完璧なダイビングヘッド。前田がクロスに合わせ3点目。非常にイージーなゲームのようである。柏木が入っているらしい。本田を休めているのかな。

 後半早々伊野波のクロスから前田が2点目。内田がイエローをもらったから次の試合に慣らすために伊野波を出したとのことで、その彼がさっそくアシストなんだから日本にはツキもある。

 サウジがやけになってラフなプレイをすることはなく、プレスはゆるくなっている。サウジってこれだからWCでいつも大敗するんだよな。日本にとっては相手のボールをしっかりと奪い攻撃というちょうどいい練習になっている感じ。香川が相変わらずJリーグレベルなのを除けば磐石の日本であるようだ。まあJリーグレベルで国際マッチでも十分通用するんだけど。吉田に換えて岩政、ザッケローニはジーコや岡田監督と違って合理的にサブを使ってくれていいなあ。このあと李にもチャンスが与えられるだろう。

 日本は柏木がズバっと意外性のあるスルーやミドルを狙うことが多い。カナダユースの時も思ったが前園みたいだ。ああいうファンタジスタな角度とタイミングのボール出しって中田俊輔が衰えて以来日本代表じゃ見てないので、どんどん狙い成功し代表に定着してもらいたい。

 岡崎ハット! 狭いところを前田とのコンビで通していきステップなしのトゥキックで撃ちぬく素晴らしいゴールだった。あれができれば移籍と噂のドイツでもどんどん点が取れるだろう。あんなシュートが打てるならどんな相手からだって点が取れる可能性があるよな。才気にあふれ器用な選手ではないのだが、一発で得点機に持ち込むことだけは死ぬほど反復してやってるのだろう。えらいえらい。

 ありがたやありがたやの5-0勝利。早起きの必要もないほどゆるい後半だったが、ダイジェストじゃ見られないだろう柏木のひらめきを何度も見ることができたので満足である。

2011/01/05

日記「3つのカルカソンヌ拡張セット(カルカソンヌ破壊者論)」

デストロイヤー対策(カルカソンヌ破壊者論 」「カラオケの嵐」ほか。

=======================
■10/12/26(日) □「坂の上の雲」
=======================

BV家でクリスマスブランチ。夜、録画しておいた NHK「坂の上の雲」を見る。明治の青年期を描いた第一部はその映像が宝物のようでわくわくしたのだが、戦闘が始まってしまうともうどこの国のどの戦争映画とも変わりはなく、すでに本で読んでる人間としては映像化による喜びはあまり感じない。

華やかなロシア王朝などを描いた部分も同じで、金がかかっただろうなあ、すごいなあと思うだけであった。で第3部の放送は1年後というのがすごいな(笑)。戦闘をはしょってもっと早く見せてくれ。

=======================
■10/12/27(月) □ 3つのカルカソンヌ拡張セット
=======================

俺はクリスマスプレゼントで3つものカルカソンヌ拡張セットをもらってしまった。ゲーム時間を伸ばしたくないのでミニセット「キング&スカウト」だけを頼んでおいたのだが、萌が「リバー2」を、MKが「メイヤー&アビー」を買ってしまったのである。特に「アビー」はタイルもコマも増えて新ルールが入り、非常に複雑化してしまう。うーむ。とりあえず1つずつ試してみよう。

「キング&スカウト(王と斥候)」は、一番大きな都市、一番長い道をそれぞれ完成させた人にボーナスが入るというミニセット。萌がさっそく張り切って 16 タイルの超ロングレイクロードと 48 ポイントの大聖堂シティを完成する。そこにリソースを傾注しすぎたゆえ他で点が取れず結果 12 点差で負けたのだが、そこで「あ、キングだよ萌!」と気がつき、10 点 x 2 が入り、Yahoo! と大興奮大逆転大成功初戦となった。

やっぱこりゃいいな。オンライン BrettspielWelt でも劣勢を王と斥候で逆転できることがしばしばあるのだ。新タイルもそれぞれかっこいい。都市王と道王タイトルホルダーがもらえるタイルも、まあかわいいし :-)。

「リバー2」は 12 タイルの川をランダムに組み立て、そこからゲームがスタートするというミニセット。初期の選択肢が増え、このあたりに俺様の都市群を築いていこうという戦略性が増す。それに草原を分割する効果が高いので、大きな草原を巡り2~3コマが争い負けたほうが草原点ゼロ点という悲惨な争いが避けられる。分岐は風景としてきれいだし、使いたいときだけ混ぜて使えるし、これはよいアクセントである。


大都市で絶大な権力を持つ市長、
町から道へと移動できるワゴン、
草原を独占する大農場コマ
そしてこの「アビー&メイヤー(修道院と市長)」が問題だ。ルールを読んで萌と共に1つずつコマを試してみたが、その働きはそれぞれ面白いものの、ゲームのメカニズムを大きく変えてしまうのでどれも使う気がしない。それにそもそも3つも手ゴマが増えてしまうと、限られた手ゴマをうまく工夫し配置するというカルカソンヌの面白さがなくなってしまうのである。



この空きスペースに置けば
道と都市がクローズ扱いになる
しかし追加タイルは非常に面白い。立体交差が入り、大きな草原を分割する効果が高い町&道タイルが増え、行き止まりの道やロータリーなどが入っている。面白い。

そして各自1枚配布されるアビー(大修道院)タイルが最高。どこにでも置けるワイルドカードで、大きな町をクローズできない終盤に切り札として実に助かるのだ。萌とも相談し、うちでは追加コマは加えずタイルとアビーだけを使うことにした。

----------------------
寝る前に上記のタイルを加えもう1戦。これまたいい試合で、最後に萌がクローズできなかった道と町をアビー1枚できれいにクローズし、これで見事に点がドローとなった。なんていい勝負なんだと感動していると、王と斥候で萌にさらに 20 点が入り快勝、がっくし。

しかしタイルが増え追加ルールもありながら、それでも最後は僅差になるのだから素晴らしいゲームだ。やっぱ開発元も何百回もテストプレイした上で、熟練者同士ならいい勝負になると判断し各種ルールを決めてるんだろうな。ほんと素晴らしいゲームだわ。クイックで運と戦術の両方があり、ハンデも簡単につけられ、やるたびに景色が新しい。他にこんな完璧なボードゲームがあるのか疑わしいくらいである。

=======================
■10/12/30(木) □ デストロイヤー対策(カルカソンヌ破壊者論
=======================

BrettspielWelt オンライン・カルカソンヌで2ゲーム連続で破壊型プレイヤーに当たり、げんなりさせられた。2人目にはやめると宣言し俺は途中で抜けた。彼らがやってるのはサディスティックないたぶりであって、ゲームではない。こういう悪趣味に付き合う義務など誰にもない。

コの字の内部に町を作るなどタイル1枚でトラップ(ミープルを未完成建物に封じ込め使用不能にすること)されるようなミスをしたら、そこにつけ込まれるのはこれはもう単なる下手であり仕方がない。でかい町の完成を妨害し、その結果としてトラップするのも勝負ではアリに決まっている(俺はよほど相手がポカをしない限りトラップまではしないけど)。しかし Her**ma や今日の相手のように、自分の町を作らず最初から全タイルを使い相手の町を壊しに行くのは、まったくフェアではない。なぜならば;

◆カルカソンヌではメカニズム上破壊は防げない

防御側(普通の)プレイヤーは敵が侵入できずかつクローズが可能であるよう考え抜いて構築していくわけだが―――そこがこのゲームデザインの神がかった優秀さなのだ―――、破壊者は侵入と得点は目的ではなくクローズが不可能になればいいのだから、どんなタイルでも相手の町の周りにガンガン置いて妨害していけば、いつかは必ず不可能地形にできる。これは時間の問題で、攻撃される方は相手の狙いが見え見えでも防ぐ方法がない。運がよければ不可能にされる前に必要なタイルを引いてクローズできるが、クローズに必要なマッチするタイルは有限で、マッチしない=破壊タイルは悲しいことに無限にあるのである(※)。
(※)ためしに1人2役で片方が妨害と破壊だけをやってみると、簡単に2個をトラップし、4個を終盤までフリーズすることができた。やはりこれじゃゲームにならない。

◆得点方法を逆手に取っている

防御側プレイヤーは乗っ取られないよう大事な町には多くのコマを入れるが、そうすればするほど破壊者にとってはトラップできるおいしいターゲットが増えるわけで、破壊の結果防御側は多くのミープルを一気に失う。つまり点を取ろうとすると罠にかかるという逆手になっている。

◆破壊者は攻撃を受けない

前半すべてのタイルを妨害と破壊に使う破壊者は、自分の町を持たないので攻撃を受けコマを失うことがない。したがって終盤はコマ数で圧倒的優位な破壊者が得点機を独占し、負ける可能性はほぼ皆無となる。

つまりカルカソンヌのおそらく唯一の必勝法がこれ、「序盤は破壊だけ行い敵のコマを壊滅的に減らす」なのだ。これ以外に Her**ma たちが 80% なんて数字を出せるわけがない。実際昨日の3人戦では今日の破壊者 bej** がいいところなくビリだったわけだしな。あれは2人を破壊するにはタイルと回ってくるターン数が足りないので、破壊を控えめに普通に打っていたわけである。すると彼らには必勝の切り札などないのだ。

カルカソンヌの製造元もルールとしてこういう破壊行為は禁止しようがないわけで(文章化もシステム化も無理)、このゲーム(―――おそらくあらゆる対人ゲーム―――)の楽しさはお互いに楽しもうという人々の善意にかかっている。善意を持たないプレイヤーとのゲームは避けるしかない。今後はほんとこういう輩は相手にしないでいこう。目安としては自分で町を作ってるかどうかで、数手打つだけで分かる。

【Her**ma 後日談】その後オンラインゲームサイト BSW のカルカソ破壊魔王ドイツ人 Her**ma からまたゲームを挑まれ速攻で逃亡したのだが、彼はおそろしいことにチャットで追尾してきた。

「逃げるのか貴様。答えろ」
「いやだって対戦相手を選ぶ権利は誰でもあるでしょう」
「いや、貴様は対戦相手募集とフラグを立てていた。したがって私の対戦要求に少なくとも答える義務がある。黙って去るのは非礼だ」
「それは失礼。しかし、ぼくは君のプレイスタイルが好きじゃないんだよ。だから今後はどうしたら非礼のないように君を避けられるか考えますよ。じゃ」
「待て。つまり貴様は私のような強い相手とはやりたくないというのだな」
「まあなんとでもw じゃ」

とまあ、打ち手通り高飛車な閣下でした。こわかった(笑)。

=======================
■10/12/31(金) □ カラオケの嵐
=======================

ごった返す大晦日の中華スーパーで年越しの買い出しをし、晩飯はカニ鍋。俺は生きたカニを殺す度胸がないので普通のカニ足だけ買ってきたのだが、それでもやはり鍋はうまかった。案ずるより鍋が易し。

そして鍋のあと、年越しカラオケ大会をやってるというNKさん宅にマイクとアンプを提供がてら訪ねてみると、子供らは紅白を見ながら「嵐」の歌を歌い盛り上がっている。なんという完璧な日本のお年越しなんだ。日本人家庭はみんなやっぱり TV Japan で「怪物くん」を見て盛り上がっていたらしく、「怪物くん」「モンスター」では全員大合唱だった。

KDさんは「嵐」の大ファンだそうで、モンスターを歌いながらなんと「嵐」うちわを振っていた。どこでそんなものを手に入れたんだ君は(笑)。萌はPC上でセットアップしてもらったカラオケでも「モンスター」を歌い踊る。カラオケ自体が萌は生まれて初めてだろう。ビデオを持っていけばよかった。よかったよかったのお年越しでした。

----------------------
紅白はいつも通り早朝録画して早送りで見、ちゃんと見たのは怪物くん、嵐、桑田佳祐、ドリカムの4曲くらい。桑田とドリカムはよかった。ドリカムは年に1度しか俺は見ないが、毎年その音楽の力に感動させられる。萌も一度見ただけで歌を覚え、吉田美和さんのジャンプを真似てましたよ。素晴らしきワールドミュージック。