2011/05/22

「宮沢賢治よ起きてください」

「カナダキッズの低い声」「オイそれはオレの魚だぜ」「日本ブランドは寓話だった」「スクールミュージカルその2」

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■11/05/08(日) □「宮沢賢治よ起きてください」
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 夕方、MK夫妻に誘われて Port Coquitlam のタイ・ベトナム料理店へ行く。実に久しぶりにトムヤンクンスープを食べこれはうまかったのだが、Mのチキン唐揚げの甘酢煮とBRのチャーハンは普通(こりゃどっちもチャイニーズだろう)。MKの野菜炒め、焼きヌードル、萌のライスヌードルは並み以下だった。

 総じて言えば中程度のチャイニーズという味で、タイカレーが$13と価格もかなり高い。こんな店が満杯になってるんだから、ほんとカナダの外食産業は楽な商売だと思う。あとでググってみたら平均レビューは4つ星で驚いた。こういうところに来る客というのは、「う、うますぎる!」と体がフリーズするほどの食味経験をしたことがないんじゃないだろうか。

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 夜皿を洗いながらネットラジオ「武田鉄矢の三枚おろし」を聞く。武田鉄矢は震災後泣いて泣いて何もできなくて、せめて詩を書こうと夜明けに泣きながら書いていたそうだ。
「宮沢賢治よ起きてください。あなたのイーハトーブが燃えています」
「発電所が燃えております。グスコーブドリを遣わして、あの火を消してください」


学校からの募金に添えて、東北へ送った写真
 ああと体から力が抜け、皿を取り落としそうになってしまった。そうだよ。まったくだ。お願いです。グスコーブドリを遣わして、あの火を消してください。

 福島第一の現状を撮影したスライドを見ると、すさまじい壊れ方で途方に暮れる。この惨状で諦めず作業案を立て実行している人々はほんと、グスコーブドリだ。

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■11/05/12(木) □ カナダキッズの低い声
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 萌のクラスのCHとMRが来る。小5が3人揃うと興奮して言うことを聞かないし調子にのって危ないことをするし、扱いにくさ普段比1.5倍という感じ (^-^;。

 カナダの小学生はみんなそうなんだろうが、寄り合って盛り上がるとき、相手の言葉を遮る勢いで低音に力を込めた自己主張トーンで喋る。自分が会話をリードすることが強力に目的化しているようだ。

 小学生のうちからこうしてやや無理めの強い低音を発声し続けるから、カナダ人(欧米人?)は声帯の下のほうが腹式呼吸的に発達し、声が低く大きくなるのだろうな。日本でも小5の自己中度はこんなもんなんだろうが、低い声はかわいくないという価値観があるから声は高いまま育つのだろう。どちらかといえば低いほうが好ましいけれど、10歳で子供の声からナチュラルなイノセンスが消えていくというのは悲しい。

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■11/05/14(土) □ 新ゲームを探す
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 MとLDが借りたコキットラムリバー沿いのレンタル畑に肥料を入れに行く。河原の平地に小さなかわいらしい区画がたくさん並んでいる。家の庭に畑があるのによそに同規模の畑を借りる理由はよくわからんが、まあ農園を持つということ自体が楽しいのだろう。

 帰りに飯を食いに行き、その横のボードゲームストアに久しぶりに入ってみるとセールをやっていて、「オイそれはオレの魚だぜ」や「ディクシット」が値下がりしていた。面白そう。しかし萌は友達のところでやったことがある「UNO」や「ピクショナリー」など有名 US ゲームを所望し意見が合わず。大人ボードゲーマーはドイツ系の、考えどころの多いゲームをやりたいんだけど、子供はやっぱり友達と素早く単純に盛り上がるUS系ゲームに惹かれるのかもしれない。まああれこれ調べて考えてみよう。

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■11/05/15(日) □ オイそれはオレの魚だぜ
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このプラペンギンの「デラックス」より
古い木のコマのバージョンがほしかった
 たっくんのサイトをはじめたとした各サイトで評を確かめ、《オイそれはオレの魚だぜDX》を買ってきた。1ゲーム10分なので3回もやれた。で、3敗 (^-^;。敵を狭い方に追いやり橋(移動できるマス)をカットしてやろうと画策するとまさに陣取りで非常に燃えるのだが、動かしてから「あ、墓穴を掘った」と気づくことが多く、Mはそこを見逃さず俺の背後を取り退路を断ってくる。面白い。中央部で広がる穴で大陸が分断されていくときなど、どこを取るかと考えワクワクする。

 カルカソンヌをやらなくなってしまった萌がボドゲ娘に戻るような高揚感を持つゲームではないと思うが、これはMがけっこう遊んでくれそうである。彼女は攻撃的ゲームが嫌いなのだが、これは相手を小島に孤立させる攻防自体がゲームなので、うーむやられたと盛り上がれ、後味が悪くならない。

 プエルトリコのような、このゲームを手に入れればあれもこれもできるという贅沢感はないが、陣取りの面白さと10分で終わるキレのよさは見事だ。プエルトリコ/サンファンっぽい拡大再生産をやりたいのはやまやまだが、うちの場合カルカソンヌ以上に重いゲームはやってもらえないと思うので、そういうゲームはコンピュータや BrettspielWelt でやっていこう。

 子供同士のパーティゲームとして、萌がほしがってた《ピクショナリー》もいつか買おう。あれはたしかに面白いだろう。

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■11/05/17(火) □ 日本ブランドは寓話だった
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 福島原発だけでも何十件も過去に故障隠しがあったというニュース記事を読む。日本の企業と政府って、これほどまでにいい加減だったのか。プロジェクト X なんておとぎ話だったと落ち込む話である。「日本ブランド」というのは、たとえ経済は落ち込んでも品質とモラルはどこにも負けないという武士の高楊枝マインドだったわけだが、それはもともと日本人の願望の中にしかない寓話だったらしい。

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 ランチ後TVを見ながらMと「オレの魚」。やはり10分かからずに終わる。2人プレイなら勝てると思ったのだが、俺の狙いを読んだMがムーブを読み切って罠を張っており、Mコマを孤立させても返り討ちに遭い、相打ち状態でリードを奪えない。結局6点差で負け。強い。

 夜もう2戦して、ようやくMとのソロ戦で勝った。局面の移り変わりがダイナミックなので、萌とMとの対戦を横から観戦するのも楽しい。ゲームの面白さは正直カルカソンヌには及ばないが、カルカソンヌでは味わえない純粋陣取りが手に入ったのはうれしいし、スタート盤面をいろいろとデザインして始められるという柔軟さもいい。なによりもカルカソンヌでもなかなかやってもらえない非ボードゲーマー家族持ちにとっては、あっという間に1勝負終わり、その中に必ず「あー」「ウシシ」があるというのは大きな美点である。

 このあっさりとしたゲーム性にしてカルカソンヌと同価格はやや高いので、木のコマの「ノーマル版」がほしかったな(絶版かもしれない)。「デラックス版」は大きなプラペンギンがコマになっておりそれが売りではあるのだが、さほど魅力のあるフィギュアでもないのである。木のコマのほうが見やすいしかわいい。

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■11/05/19(木) □ スクールミュージカルその2
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主役よりも華やかな衣装で大見得
 萌のスクールミュージカルその2、「アリストキャット」。萌はほしい役が取れずふてくされ家での練習を怠っていたので俺とMに叱られたのだが、幕があいてみたら一番きれいな目立つコスチュームで、セリフと演技が主役と並んで多い役どころだった。なんでこの役でブータレていたんだ? ソロ歌唱はなかったが、笑えるセリフもあればバシッと決めポーズもあり、はっきり言って前回よりもおいしい役ではないか。

 萌はコスチュームがよかっただけではなく、あの練習サボリっぷりからはまったく予想外のデキのよさだった。主役ながら緊張からやや早口の定型的な演技しかできなかった前回とは段違いの自信のある表情で、長い手足がリズムに乗り伸び伸びと優雅に動く。踊るには難しい4ビートの曲が多かったが、見事に踊り切っていた。やっぱDSバンドブラザーズ(音楽ゲーム)などのおかげで、リズム感が育っているのである。よくやった。素晴らしい。

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 【オイそれはオレの魚だぜ】BoardGameGeek で、「自分だけの島を切り取るのが勝利への道だ」というコツ解説を発見。そうか、俺はM萌のコマを孤立へ追い込もうとしては背後を取られ墓穴を掘っていたのだが、自分を豊かな孤立状態に持っていき独占するという逆転の発想が必要だったのか。

 その作戦を持って午後、Mと対戦。また負け。Mは実は俺を攻撃するより3魚タイルを徹底して狙っており、それが勝つコツなのだという。ならばと「自分だけの島を切り取る法」をやりつつ2~3魚タイルを狙ってみると、ようやく会心のゲームでMに勝てた。やっ・た\(^-^)/。

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