2011/08/20

日記「二輪の自由」

「チケライの子供向け指導」「コロレットを発見」「『愛のむきだし』感想」「15年ぶりのソロキャンプ」「フレイジャーバレー放浪」ほか。

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■11/08/08(月) □ チケライの子供向け指導
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しあさってからM萌はイングランド行きなのだが、ロンドンは暴動で炎に包まれている。カナックス敗退時のバンクーバーと同じで、火祭りを起こして物を盗みたいだけなんだろう。昨日津波に消えた町で祭りの山車を引く人たちを見て、人間ってなんと切なく愛すべきものなのかと涙が出たが、こういう映像を見ると人間はダメだとも思う。


キッズ3人楽しく樹上
KT・HNが来訪し、子供らみんなでツリーハウスに弁当を持ち込みDSで遊びながらランチを取る。そして裏の路地でローラーブレード、中に入ってチケットトゥライド・ヨーロッパと、夏休みらしいいい1日であった。

KT・HNは家でボードゲームをやる子ではないが、どちらも筋金入りのゲーマーなのでチケライも飲み込みは早い。ゲーム半ばで完全にルールを把握したKTが駅舎を効果的に使い早めに路線を達成したのだが、萌のアシストを受けたHNがなんと最長路線を取って勝利となった。やっぱチケライは初回でも盛り上がるわ。

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夜もM萌とチケライ。俺とメルが上達するにつれ、萌が勝てなくなってきた。萌は必要なカードがオープン場札に出ないと何度も何度もブラインドドロー(伏せた場札から取ること)をするので、不要なカードが山ほど貯まる。何ターンも路線を敷けず遅れる上に不要なゴミカードがたまるという悪循環に陥り、どんどん離され大負けしてしまうのだ。

そこで俺が思うダイレクトな改善案2点、
  • ①あと何枚かで長距離がつながるくらいの状態になったら、その色だけを待っていないで新チケットを取る(待ちカードを多面的にする)
  • ②ブラインドドローは最小限にする(場に出ているカードを取って場札を動かし、必要なカードがオープンされる可能性を高める→取ったカードで同色カードセットを作り、単独トラックでこつこつ点を取るか①につなげる)

をトクと説明する。

これにヒントを得たのか、次のゲームでは自分の長距離チケットに捉われず、カードを集積して8・6・6のロング路線を全部取り、計51点を取るという作戦で僅差に持ち込んできた。おお、それはいい手ではないか。特定カードをブラインドドローで待つことは命取りだということはわかってくれたようである。

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■11/08/11(木) □ M萌出発
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M萌が準備してなかったカメラのメモリー準備、DSバッテリーチャージなどを朝から忙しく行い、昼前に終わる。自分が行かないとなると、旅先でのバッテリーやメモリカードの心配などもしてやらねばならない。よし。萌はすでに昨夜から興奮疲れでブレインがまったく働いておらず、何を言ってもぼーっとしている。何歳になってもそこは変わりないな。

しかしMはチケットトゥライド Euro を持っていかないという。ええっ! デカすぎるから? じゃカルカソンヌは? 箱なしでタイルとコマだけ持っていけるじゃん。ダメ? じゃ「オレの魚」は? ダメ? えーーーっ! ラゲッジがきつきつで余分なものは一切持っていけないとのこと。ゲームは余分じゃないと思うが。

しかしこういうときのために、なにか軽くて楽しいユーロ系カードゲームを買っておくべきだったのかもしれん。カルカソンヌ・チケライと同等の手軽さと深さを備えたカードゲームがあるのかわからないが。

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【出発】寝不足と興奮で萌は道中ずっと黙っていたのだが、空港に入っていくとまたアドレナリンが出たのか元気が出てきた。そして車から降ろすと、「ハ! ここでお父さんとはオサラバよ!」と大声を上げ喜んでいる。俺が1人で日本に行った4年前と大違いだなオイ(笑)。あのときは大泣きだったくせに。まあともあれいい旅をしてくれ。

帰ってきて、1人は気楽で自由だがやっぱ家ががらーんとして寂しい。複雑な気持ち。

とりあえず前からためていた映画を見ようと思い、そこで気がついた。リビングから DVD プレイヤーを俺の部屋に持って来ても、誰にも文句は言われない。俺は完全に自由だ。自由の翼を広げ「愛のむきだし」を見ていると、あっという間に真夜中に。毎夜の日課である皿洗いを今日はしていない。これは「罪」ですか。「罪」ですね。皿を洗わずに映画を呆けて眺めていることの罪の意識が俺を苛む。皿が俺を呼んでいる。

しかし今夜やらなくたって誰にも文句は言われない。そこで台所に行きちょっと考えて、汚れた皿を台所の一角にまとめて視覚的な雑然さを下げるという手法を考えだし罪を飲み干し、そしてあとは眠くなるまで心ゆくまで「愛のむきだし」を見ることに決めたのだ。だって俺は自由、自由、自由なのだ。

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■11/08/12(金) □ コロレットを発見
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名作カードゲーム「コロレット」
Mたちが結局チケライもカルカソンヌも持って行かなかったので、今さらだが旅行用にドイツカードゲームを買っときゃよかったなあと考え、前からオンラインデモ版があると知っていたがあまり興味を感じずやってなかった「コロレット」をやってみた。最初はあまり面白く感じない。勝負どころはわかるしうまくいくと気持ちいいこともあるが、まあなるほどねという感じ。

がとにかく5分もかからず1ゲーム終わるのでどんどんサクサクやっていると、プレイ総計5回を過ぎたあたりから良手悪手、取られて悔しい場合、自分に利は薄い代わりに敵に損害を与えられる手などさまざまな手が見えてきた。するとなるほど面白い。同じく有名なカードゲーム「6ニムト」オンライン版は、何回やっても自分がやってることがいいのか悪いのか、どうしたら勝てるのかというゲームのキモがわからずワクワクしてこなかったのだが、これはそれが見える。

そして10回を過ぎる頃(それでも1時間くらい)にはもう、コンピュータ3名との熱い勝負に熱中するようになってしまった。これは素晴らしい。サンファンほどでかいプラン(役)を立て勝負に出るスリルはないが、場の流れを読む楽しさ、グッドラック・バッドラックの楽しさ、次はこうしようと上達する感覚があり、5分でできるゲームとして実に素晴らしい。

◆札を引き列に置くか、列を取る
◆3色まで得点、4色以降はマイナス

これだけのルールで、例外が一つもない美しさ。カルカソンヌ並みのメカニズムのシンプル美だ。超絶シンプルルールでゲーム性がすべてインタラクションにかかっている点は「オイそれはオレの魚だぜ」と同じだが、これは「オレの魚」より勝ち筋負け筋が明確に見え、戦略性が非常に高い。かつラックの味わいも十分に入っているので、ビギナーでも楽しめる。

旅行用と考えるとカードを手持ちでやるゲームがベストだが、これは手持ちではないものの小さなスペースがあればできる。ボードゲームができないビーチのマットの上や飛行機のテーブル上でやるのも可能だろう。ツリーハウスの上でもできる。手持ち無沙汰のファミリーパーティでの時間つぶしにもやれる。

テーマ性がない抽象的(アブストラクト)なゲームなので萌が気に入るかどうかは微妙だが、パズルやソリテアが好きなMには間違いなくウケる。そして15ドルだもんな。買おう。よし。

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家族の留守中ソロキャンプに行きたいので、準備を開始する。テントを広げてみると、やはりかなりカビくさい。まあ風を通し乾かせば大丈夫だろう。あと水タンク、マットか長ザブトン、コッヘル等が必要だ。

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■11/08/13(土) □ 「愛のむきだし」感想
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テントを一昼夜ほしたがカビ臭さが取れない。うーむ。芳香剤でごまかし我慢するしかないか。天気予報は少し改善しており、火曜から気温は夏に戻りそうだ。どこへ行くかを考えているのだが、至近でよいと評判のローリーレイクキャンプ場でまず1泊、そして前からハリソン・ホットスプリングスへ行くたびに寄り道したいと思っていたフレイジャーバレーのどこかをうろつきつつもう1泊したいな。情報を集めよう。

夕方テントを片付けに外に出ると、もう夏の終わりの空気だった。今年はついに夏が来なかった。やれやれ。

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くれぐれも独身状態になるまで見るなと言われていたバイオレントな日本映画、「愛のむきだし」4時間を観劇終了。

【以下ネタバレ】前半は満島ひかりさんが怖いコイケにレズの道に連れて行かれる描写などすごくよかったが、最後の1時間の大バイオレント・クライマックスはあまり意味がないなあと思った。どうせ大団円になるなら、人を死なせたりしないでなんとかしてもらいたかった。ユウの一途な愛が他者への破壊に結びつき、狂い、戻ってくるというクライマックスの全部が弱い。教団のヘッドが単なるオタク大学生みたいなのもヘンならそいつがユウに殺されてしまうのも馬鹿げている。満島さんが聖書の長い節を一気に暗証しきるシーンには感動したが、結局それが何かを意味してはいなかった。

この映画を本当の純愛映画だとか、”むきだしの愛”の映画だとか言っているけれど、この映画の中で純愛だとかの部分は多分全体の10%も無い、それもほとんど最後の部分だ。90%はギャグでありコミックでありギミックだ。観客はコミックの部分が面白くて映画を見続け、最後の部分でガツンとちょっとシリアスなストーリーでクイっと栓を締められたものだから「ああ、面白かった、ああなんて素晴らしい愛の映画なんだ」と飲み込まれ丸め込まれ、それまでのストーリー全部を純愛だと意識を操作されてしまっているのではないか? (『愛のむきだし』むきだしているのは愛ではなく傲慢な感情。)

という辛辣な評があったが、その通りであり、90%のマンガはすごく楽しかった。しかし10%の純愛部分は取るに足らないものだったのである。

しかし「悪のコイケ」さんがすごかった。いったい誰だ、そもそも役者なのか、町で見つけた風変わりな女子なんじゃないかという凄みがある。で調べたら「奥田瑛二の娘・安藤サクラ」だって。サラブレッドなのだ。いやはや恐れ入りました。
【ネタバレ終わり】

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大恐竜の前で、イトコと
萌と Hotmail 経由でチャットができた。萌はタイプが十分早く、ちゃんと会話になる。これはいいわ。いい時代になったものだ。写真もアップロードしている。博物館がやはりすごいな。

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■11/08/15(月) □ キャンプ準備
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天気は良化している。明日出発と決定。今日荷造りと買い出しを終えるぞ。

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最後の買い出しで「コロレット」本物も入手。これがカバンに入っていれば、電話や Pocket PC みたいにユーロゲームを携帯できるわけである。キャンプにも持っていける。使う可能性はゼロだが、ユーロゲームは持っていること自体が嬉しいという趣味性が強くある。

スリーピングマットはこれだというのが見つからないのだが(薄くて硬い時代遅れなものか、巨大なエアマットしかない)、これはもう仕方がないので家の座布団2枚を持っていってしのごう。

―――うわ、ローリーレイクキャンプ場は1グループ $30 だって。高い。カナダなのに。ちょっと待ってくれよ。マットも買わないほど切り詰めてる質素キャンプなのに、これじゃ2泊できんぞ。しかし調べてみるとやっぱサイトごとの料金なので、BC 州立はどこでも $30 が標準らしい。あちゃー。これは考えなかったな。弱った。

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■11/08/16(火) □ 15年ぶりのソロキャンプ
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旅の本職KZ氏にキャンプ場アドバイスを求めると、安いところは遠くて要4WDであるという傾向が見えてきた。つまり家族連れが気軽に行け都会から近いところは高いということなのかもしれない。

昨日キャンプ用品を探していて、カナダでは一般の量販店では家族向けキャンプ用品の売れ線以外はまったく手に入らないなとわかった。家族向けのコールマン系キャンプ用品とその廉価版しか売っておらず、ソロ用のキャンプ用品(欧州登山用品由来の EPI など)なんて1つも売っていない。俺は1人用のコッヘルセットと EPI パーツが必要なのだが、そういうものは MEC などの山屋専門店に行かないと手に入らないのだ。キャンプ場も同様に、ファミリー用とアウトドアエキスパート用に分かれているわけだろう。

ゴールデンイヤズ公園のノースビーチなら $10 安いとKZ氏の助言が入り、そこに決定し出発。

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うーん、フツーだ...
15:37 1時間でついてテントを張りコーヒー。うまい。が、思ったほどワンダフルではないなあ。うちの近所の森にテーブルを置いただけという感じ。アロエットレイクがまったく見えない。それでいて茂みがないので 360℃死角なく、隣のサイトが全部見えてしまう。地面は砂利混じりの堅い土で、テントのペグが入らない。全体的に、森の中の駐車場にテントを張っているという感じである。

とりあえずはるか下方にある湖まで降りて景色を眺め(湖につながる河口で泳げるようになっていて、そこはナイスだった)水を汲みに行くと、ポンプが滅茶苦茶重い上に汲み取り口の位置が悪く、1人では汲めない構造になっている。5分ほど苦闘して諦めた。はあ。まあいいや、ミネラルウォーター4Lは持ってきたので、それが尽きたら帰ろう。2泊の予定だったが、サイトは魅力ないし湖でオトコ1人泳いでも仕方ないし、この森の駐車場に2泊したい理由はないのである。

テントに寝袋を敷いて横になるとようやく快適に感じてきた。

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晩飯は野菜スープとゆで卵と質素に。昨日作ったおひたしも持ってきたのでお茶のツマミとする。うまい。

◆18:27 日没。山際なので早い。だんだん野営気分が出てきました。
◆19:02 日が落ちると一気に冷えてきた。やっぱここは山なんだな。焚き火を開始しよう。
◆20:39 いやー焚き火サイコー、2時間近く火を絶やさぬよう熱中してた。火の世話をしていると時間を忘れる。

しかしこういう車を入れることをまず考えたキャンプ場は、日本でもそうだが、あんまりよくないな。日本で俺が行ってた廻り目平などのキャンプ場は、狭くて車が入れないので荷物の搬入はリアカーを借りたりして大変だったが、ガヤガヤと混み合い子供が駆け回り、山の中の臨時集落のお祭りという感じで楽しかった。そこにいるだけで気分が盛り上がった。隣りのテントがバイク野郎だと話をすることもあったし、水場や炊事場を共用するのでそこでもコミュニティ感覚があった。こういうガランとしたところにポツネンといるのは、どうも気勢が上がらない。

炊事場はともかく洗い場もないのには参ったな。カナダはどこでもこうなんだろうか(前にキャンプをしたのは15年も前なので覚えていない)。持ってきた皿2枚ボウル2個を使ったら俺は余分な水もないのでどうしようもない。各自大量の水とタライを持ち込んで汚れ物を洗っているんだろうな。そうしてなんでも持ち込む必要があるので装備は重大化し、やがてキャンパーになるわけだろう。ここから見渡せる中、5サイト中3軒がキャンパー(キャンピングトレーラー)である。

ここでソロなのは俺だけであり、やはり自分が孤立しているという感がどうしてもある。1人でいることが寂しいわけではないが、自分だけが異質だというのはあまり気分がよくない。たとえばビデオで自分撮りをしたいのだが、こんな静かなキャンプ場の中大声でひとりごとを言っているという図はどう考えても奇っ怪なので、周りに聞こえないようささやき声で録画しなくてはならない。ウクレレを持ってきたがそれを弾き歌うなんてことももちろん不可。1人でいることの居心地の悪さがある。

◆21:38 テントイン。初めて使って気がついたが、このテントは隙間風が入ってくる。体は冬用シュラフで暖かいが耳が冷える。天気がもし崩れたらかなり辛いだろう。もらい物だから仕方がないが、ヘボなテントである。


このLEDライトが明るくて長持ちでサイコー
LED ランタンで読書、明るさと持続時間はばっちり。このランタンで野外でいろいろしたい、テントで本を読みたいというのが長年の夢だったので、それはかなった。実際今日は旅でも避暑でもなんでもない純キャンプなので、最大の目的はこのランタン読書という話もあるのである。

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■11/08/17(水) □ フレイジャーバレー放浪
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◆07:25 起床。夜半は寒かった。真冬用の分厚い寝袋だが、それでも上面の腿が冷えて何度も目を覚ましてしまった。薄いブランケットを腿の上に敷いたら全身が暖かくなったので、念のため持ってきてよかった。まだ谷間に日が差さないのでコーヒーを入れて寝袋に戻る。

朝飯後荷物をまとめる。でゲートに行って2泊目をキャンセルしたいと相談してみると、理由も聞かず今夜の分は返してくれた。こういうところはカナダのよさなり。

ピクニックエリアに周り10年前今は亡きPL叔母さんを連れてきた懐かしいアロエットレイクを見に降りる。急いで帰ることもないのでここでのんびりしてもいいのだが、お茶も飲んだばかりだし今はタバコも吸えない。ローリーレイクへ移動しピクニックして、それからフレイジャーバレーをのんびり巡ってから帰ろう。決めた。

◆11:30 AKさん一家が宿泊したローリーレイク着。ここでカレーを解凍してランチ。炊飯したかったのだが時間がかかりすぎるし、白昼人目のあるところで炊飯というのもちと異様かと思いカレーを温めたのみ。しかしうまい。

ローリーレイクは小さなレイクで、したがって水も暖かく子供向け。キャンプして四六時中このレイクに入れたら子供はうれしいだろう。しかし水辺は蚊が多いな。

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そこからミッションの裏山を抜けていく。ここは俺が知るかぎりこのエリアで最も日本の山道に近く、山と谷と道が連なる景色が長野の山みたいで走っていて気持ちがいい。でもやっぱりカナダの山道はコーナーのRのつけ方がユルすぎるんだよなあ。ユルいコーナーでおいしいコーナリングフォースを出すには必要以上のスピードを維持し走らなければならない。そんなことは危なくてできんし、のんびり景色を見ながら走りたいのだ。

そしてミッションを抜けローヒードハイウェイに降りる。いつもハリソン・ホットスプリングス往復でいい景色だなあと思うフレイジャーバレーで、どこかいいところを見つけコーヒーを淹れのんびりしたかったのだが、景色がいいところで車を停める場所がない。公園的なところもまったく見つからなかった。1度川沿いまで思い切って降りてみると、蚊がうわっと押し寄せてきて大変なことになった。川沿いフォートラングレーでも蚊はすごかったもんなー。母なるフレイジャーリバーは素晴らしいが、近くに住むとなると蚊は大問題だろう。

川を見渡す高台の公園みたいなところも探したのだが、これも見つからず。景色を好きなドロチェあたりまで行ったが、ガスもなくなってきてだんだん心細くなる。夏の山河を眺めて走りながら、なんだかセカセカと追い立てられてるみたいでリラックスできない。地図でドロチェにも公園はないと確認し、これ以上ハイウェイをさまよってもあまり意味ないなと引き返した。3時過ぎに帰宅。2時間余を無為にさまよい、寝不足と日差しで疲れた。

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ワインディングロードを走っていてもで星の下で寝ていても昔ほど盛り上がらないのは、これはやっぱり結婚して子供ができて、家族全体での楽しみが基本になっちゃったからなのかなと帰り道ずっと考えていた。旅やキャンプは変わらなくても俺が変わったのかもしれない。これは自分じゃ答えが出ない。

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■11/08/18(木) □ 二輪の自由
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キャンプ場で早起きしたからか、今日も早起きしてしまった。

盛り上がらなかったキャンプトリップのことを考え悶々としていたのだが、何かしようと久々に自転車で買い物に出たら、ぶわーっとほしかった自由フィーリングが湧いてきた。あ! これか! 俺がほしかったのは二輪の自由さだったのだ。瞬時に行き先を決めて軽やかに進み、いつでも止まれる二輪の自由。歩道を通り裏通りにまわり無限のルートを自由に組み上げ、適当なところにキッと止めて用を足す気持ちよさ。これだ。

車の旅は、目的地に着くか適当な駐車場がない限り止まることができない。基本的に「移動」なのだ。昨日だって丘の上から一瞬見えたフレイジャーリバーが美しかったが、車を停める場所がついぞ見つからずその後一度も見られなかった。切ないではないか。「リラックスできないセカセカ感」の正体は、止まりたいけど止まれないというプレッシャーだったのだ。多人数なら止めちゃおうかと集団意志の強引さで無理くり止めてしまいもう少しのんびりできるのだが、一人だとなおさら車を停めるには意志力がいる。だから昨日は延々とつまらない気持ちで走り続けていたのだ。

二輪ならば交通の邪魔にならないので好きなところに止まり、好きなだけ景色や町を味わえる。それが俺がしたい旅なのだ。俺はびゅんびゅん車が流れる伊豆のスカイラインでバイクを止め、路上のタヌキの死骸を横の草むらにのけてやったことがある。そういう瞬時の判断で行き・止まる自由がなく、移動を計画し粛々と実行しなければならないから、四輪の旅は燃えないのだ。分かったわ。

今後モーターサイクルを購入して二輪野郎に戻るというのは無理だが、車に自転車を積んでいき、出先でちょこちょこと二輪の自由を味わおう。

バイクにテントと寝袋を積んで走った鬼怒川→伊香保→長野の旅、食べ物とパンク修理セットを持って富士山中を駆け抜けたMTBの旅。あれらと同じ、必要なものを身につけて小さな旅に出る自給自足自由感が自転車にはある。ラブ&ピース。




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