2011/09/17

日記「ミドルスクールに入学」

「コロレットのスコアカード」「コロレット2人用ルール(改)」「チャイニーズお月見会」「日韓歴史レクチャー」「萌ギターに開眼」

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■11/09/06(火) □ ミドルスクールに入学
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今日から萌はミドルスクール(=中学:当学区では11~14歳)。まだ授業は始まっていないが、「ミドルスクールはすごく違う、生徒の自己責任がすごく重い、それがうれしい」と高揚している。もう歩いて通っている生徒の方が多いくらいなので、自分も1人でバスで通いたいなんて言っている。セルフォンもほしいとか。まあまあそんなに何もかもいちどきに変える必要はないよ。

【WC予選ウズベキスタン戦】後半を朝ちょうど見れたが、日本はリズムが悪く苦戦していた。遠藤が怪我で調子が悪いそうで、本田不在と共にその影響があるのかな。憲剛がこのタイミングで怪我をしたのが実に残念。

後半香川がトップ下に入ったが、香川は狭い場所で細かくタッチしてシュートを打ってしまうという異能だけが際立つ選手であって、ひらめきと視野で味方をインスパイヤする選手ではない。岡田時代も見るたびにそれで物足りなく感じたしなー。

だからザッケローニは柏木を試したのだが、前の試合で芳しいところを出せなかったらしい。日本はMFの宝庫だったはずなのだが、インターナショナルマッチでボールを収め持ちこたえて前に出せる選手は中田ヒデ・本田以外に出てないんだよな。憲剛がこのタイミングで怪我をしたのが本当に残念。

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カナダはボードゲーム名でおなじみのプエルトリコとWC予選を戦っていて、こないだのセントルシアに続き、いくらなんでも相手のレベルが低すぎる。いったいどうなってるんだと真面目に調べたところ、これは4次まであるうちの2次予選で、なんと言ったらいいのか、フツーの人が名前を知ってるような国が出ていない。これは事実上の1次予選だ

カナダの対戦相手は英連邦セントルシア(人口17万)、米連邦プエルトリコ(同370万)、英連邦セントクリストファー・ネイビス(同4万)。全部大国の連邦領地。人口4万人の島とWC予選を戦うのかい(泣)。

2次予選全体6グループを見渡すと、これまでカナダが戦っていた普通の CONCACAF サッカー国が全然入っていない。カナダは 2010 年予選まではポットCに入り2次予選から戦っていたのだが、低空飛行が続きすぎてとうとうポットDに格下げとなり、  この事実上の1次予選を戦う境遇まで落ち込んでいるのだった。とほほ。

カナダは見覚えのない若手も起用して戦っていたが、目の前の相手をフェイントで抜き中へ折り返すくらいしか攻撃のアイデアがないので、相手を一向に崩せない(これは MLS 下位チームもおんなじ)。したがってどんな相手でも快勝はできないという持ち味を存分に発揮し、楽勝ではあったがシブチンなゲームだった。強国と対峙しカナダサッカー魂が燃え上がるステージまで、耐えて上がっていってくれチームカナダ。

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■11/09/08(木) □ コロレットのスコアカード
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夜、萌をTVから引き剥がすためにチケライ Euro をやろうというと、俺のTVで「怪物くん」を見ながらやりたいという。TVを見ながらだと頭使わないからゲームがつまんなくなるんだよねと話しながら、そうだTVを見ながらならコロレットがちょうどいいわと気がついた。チケライはプランニングと下準備のゲームだから何かをやりながらだとたちまち速度とゲーム性が落ちるが、コロレットは出たカードをどうするかというその場その場の判断ゲームだから、自分の手番だけ集中すれば遊べる。

2P戦専用ルール(カードが3-2-1置きになるやつ)のジレンマも萌は一発で理解したので、TVを見ながらの軽いノリでちゃんとゲームになった。これからは日本語TVを見るときはコロレットというのが定着しそう。


暗算苦手な私の計算エイド
しかしスコア暗算の難しさが俺には克服できん。1人ソリテア時なら造作もないが、話しながらだと引き算時に基数を覚えていられない感じ。カルカソンヌの得点板を使えば解決するけど、あれは場所もとるし、コロレットと一緒に持ち歩けないしな。―――といろいろ考えて、スコアカードを自作。ゲーム上重要な点数組み合わせのところを着色したら狙い通り非常にわかりやすく、「21+15+10+4、マイナス-6-3 で 41」と一瞬で計算できるようになった。よしよし。[ColorettoScore.xls]

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■11/09/09(金) □ コロレット2人用ルール(改)
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萌を学校からピックアップし、頼まれてたLD家の猫の世話をしに行く。萌は「小学校は周りがみんな小さくてかわいかったけど、中学は周りの子がみんな大きくて怖い顔をしている」という。いや、ビッグキッズはみんなむっつり顔に見えるんだよ。君だってそうだよ。大きいだけで怖くなんかないよ。


コロレット2人ルール用
3-2-1台紙
LDの猫を庭で遊ばせている間、ガーデンテーブルに新聞を敷きコロレットを始める。タブロイド新聞1枚のスペースがあればきちんとできる。しかし公式2人戦ルール(※)のゲームは今のところさらっと時間つぶしにやるだけのゲームで、3人戦の半分も面白くない。
(※)コロレット・2プレイヤールール
色数:5色
開始時手持ち:2色
台紙:3-2-1

夜萌ともう2戦して、これだけやるとちゃんとサンプル数が取れ、どうも盛り上がりに欠ける2P戦ルールの弱点がわかってきた。3-2-1列システムはいい。しかしカード色が5色というのはよくない。相手のほしい列を汚染することができないのだ。


2色ずつはデフォルトで別色を持つので、そのまま色を取っていくと3色目の黄色が重複し↑こうなる(攻防上重複カラーが違う色になる場合もある)。この状態では赤、青、黄、緑、橙のどのカードを引いても、自分か相手が欲しいカードとなる。すると自分が欲しいカードは当然自分が取りたい3枚列に置き、欲しくないカードは枚数的に不利になる1枚列・2枚列に置き、相手も同じことをして淡々とその繰り返しになる。双方の取りたい列が自動的に分かれてしまうので衝突がない。コロレットの面白さは①自分の取りたい色を1列に集め取る ②敵がほしくない色を取らせることにあるのだが、5色ルールでは②がばっさりなくなってしまい、工夫と駆け引きの余地が少ないのだ。


そこで1色増やし6色にする(B)と、どちらも欲しくない灰色がデッキに入り、これを引けば相手のほしい列へ送り込む妨害カードとして使える。一気にゲームのダイナミズムが甦る。


そしてさらに、(C) のように3色ずつでスプリットしてしまうとかえってインタラクションが減り逆効果なので、最初の手持ちカラーを2色から1色に減らしてやってみると、これでほぼ確実に重複カラーと妨害カラーが生まれバッチリだった。どの3色を自分のカラーとするかという序盤の駆け引きが自体がまず楽しいし、中盤以降は重複カラーと妨害カラーをめぐる攻防が最後まで続く。5色ルールではほとんどなかったマイナス点がガンガンたまり、それを巡ってワイワイと盛り上がれる。よし、うちではこれに決めよう。
(※)コロレット・2プレイヤールール(改)
色数:6色
開始時手持ち:1色
台紙:3-2-1

この6色1枚取りならば3人プレイと非常に近い楽しさとなる。実際ルールとしては3人戦ルールで列カードを3-2-1にするだけだしな。

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■11/09/11(日) □ チャイニーズお月見会
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Wの中華お月見に招かれる。本物中華料理は匂いがきつくて俺は食べられんので、少量だけいただく。ベランダで皆でちょうちんのろうそくに火を灯したのがよかった。とてもアジアっぽい。

中国製のちょうちんの絵柄はドラえもん、ウルトラマン、ケロロ軍曹、キティちゃんなど全部日本モノ。どれも微妙に似ていないのと、ドラえもんが「多拉 A 夢」とヘンな表記になってるのがおかしかった。

日本の月見団子にあたる「月餅」は、あんこかと思っていたら卵の黄身を使ったものだとのことで、お菓子と感じる味ではなかった。俺と萌は日本語で「なるほどねって味だね」「そうだね」とささやきを交わす。

中華食物は微妙だ。スーパーで中華調味料や中華菓子を買うたびに思うが、嗜好の違いを超え、うまみや食感や後味があるべきレベルに達していないように思う。中国の民衆はあの麻婆豆腐ソースの味で満足してるんだろうか。クックドゥのほうが5倍はうまいぞ(カナダじゃ価格も5倍だから買えないが)。出前一丁・カップヌードルなどの日本発人気ラーメンも中華市場向けは人工調味料を増して味を無闇に濃くしてるし、ホント微妙である。

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そして萌とADとコロレット。このゲームは単純な割になんか説明が難しく(やることが抽象的だからかな)MにもSFにも説明に苦労したのだが、やってみれば3ターンで手順がわかるんだと俺も学習した。「これは3つのカラーを集めるゲームです」とだけ説明し、始めてしまうのがいいのである。呑み込みのいいADの場合はこれでうまく行った。

各色の激しい奪い合いとなり、ADはゲーマーじゃないのだがシステム論好きなので、「敵のほしいカードを奪う」「ほしくないカードを取らせる」「列全体でプラスになればマイナスカードが混じっていてもあえて取る」といったコロレットの研ぎ澄まされたシステムが生むジレンマとインタラクションを即座に理解し、ほとほと感心していた。初戦からいい手を打って俺を負かす。よしよし。

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■11/09/14(水) □ 日韓歴史レクチャー
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萌の学校準備が一段落。今回は大変だった。中学校はあれこれうるさくいろいろ厳しく、やっぱ小学校と違うなと本人も親も思う。

とにかく提出する書類が多い。一般的な生徒としての合意書一式が10枚近くあり、加えて萌は可能な限り多くのクラブに入りたがってるので、その1つ1つの情報を探さなければならない。全部のクラブをまとめた用紙がくれば話は早いのだが、申し込み用紙をくれるクラブもあればなんの情報もないクラブもある。そもそもどんなクラブがあるのかという一覧表もない。

そこで親はニュースレター10ページを隅々まで読み、学校のサイトをチェックしてクラブについての言及があるところを見逃さず拾い、「○×クラブに入りたい人は○×日昼休みに○×教室に集合」といった必要な情報にアンダーラインしたり Web でコピペしたりして集めていくという、実に効率の悪い作業をしなければならない。

英語圏の人々は箇条書きが下手で重要情報を地の文に埋め込んでしまい見つけにくいというのはなんの通知でも常にあるのだが、今回のこの分量にはうんざりさせられた。マジで毎日通知類を精読して先週まるまるかかった。のんきに学校と子供に任せていると手遅れになる(入りたいクラブに入れない)ので、緊張が抜けなかったわ。

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萌が韓国系アメリカ人の書いた戦時中朝鮮の物語を図書館司書に推奨されて借りてきたので、アジアの歴史はスーパーセンシティブだから歴史をよく知る前にそういうものを読んでほしくないんだがと話しながら帰る。

帰ってからその本「木槿の咲く庭(リンダ・スー・パーク)」について調べてみると、

《日本統治下の朝鮮で、13 歳のテヨルと 10 歳のスンヒィという兄妹が生きぬく姿は「火垂るの墓」を連想させた。しかしこの兄妹は驚くほどポジティブである。自分で考え、行動する力を持っている。物語だから、悲惨なまま、問題の解決もないまま終わったりはしない。》(韓国風「火垂るの墓」みたいな、それでいて前向きな物語・マルコ)
《軍隊の訓練の様子、統治下の兵士達の横柄な態度の描写は 客観的に抑え目に描かれていて、日本人としてほっとしました。》(好奇心と行動力にばんざい・クラバート)
どちらもアマゾンでの評

という本であるようだ。だったら俺が萌に日中韓関係のベーシックを説明しておけば、読んでも大丈夫かな。日中韓問題というのはカナダに住んでいたら萌が日系カナダ人としていつか直面することで、これがその第一弾だろう。
  • 本の裏には侵略と書かれているが、実際は植民地だった。
  • 当時ロシアがアジアを乗っ取ろうとしており、日本が韓国を植民地化しなかったら韓国はおそらくロシアになっていたし、そうなると日本も危なかった。しかし韓国からすれば強制されたわけで、恨まれるのも無理はない。
  • 日本は病院や学校を作るなどいいこともしたが、警察や軍隊が人々を殺すなど悪いこともたくさんあった。
  • 同じ植民地でもそうした悪行が少なかった台湾のお年寄りは、よかった面を評価し日本をあまり恨んでいないらしい。日韓は仲が悪いが、台湾からの地震援助は世界最高だった。

といった日韓基本知識をざっと教えておく。あとは読んでいる間に感想をちょくちょく聞き、なにかショックを受けたならその都度話をしよう。

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■11/09/16(金) □ 萌ギターに開眼
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ミドルスクールに入り音楽の授業で初めてギターを習った萌が、「D/Em/Gを習ったの」と家でポロポロ弾いてるので、「じゃああとF#mが押さえられればジョンレノンの『Woman』を弾けるじゃんホラ」と弾いてみせると、「お父さんギターうまい!」と感動する。ええっ? 今頃気づいたのか?

「こんなの今までずっと弾いてたじゃん。まあともかく、Dを抑えて小指でこの音を入れてみな。…ほら、Womanのイントロだよ」「…オーマイゴ! すごい!」とまあ、これまでいくら誘ってもギターを習わなかったのに、やっぱ学校の影響は絶大で一気に開眼した模様。

で開眼してみると、俺がペラペラといくらでもギターが弾けることの偉大さも突然理解できたらしく、何を弾いてもすごいすごいと感動している。ほんと、今頃気づいたのかね。目からウロコとはこのことだ。子供って分かってるようで何もわかってないことがあるんだな。こっちが驚いたよ。

ともあれ、ようやく萌がその気になってくれたと俺も気分が盛り上がっている。萌は俺よりもリズム感がよく、ピアノを弾いてるので指が動く。いいギタリストに育つ素地はバリバリにある。それに萌と一緒に楽器を弾くのは文句なく楽しいよ :-)。

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