2011/12/05

日記「日本語の習い方」

「韓国型の成功について」「柏の栄光」

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■11/11/28(月) □ 韓国型の成功について
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昨日「KPOP はアジアの顧客の嗜好を調べ尽くしタレントを教育し戦略通りに成功している」というツイートが流れてきたが、韓国型の成功はまさになんでもそういう成功だから、リスペクトする気になれないんだよなと改めて思った。

カナダにおけるテコンドー道場の流行っぷりとか、韓国人なのに日本料理レストランを開きまくるところとか、なにかにつけマーケティング第一にしか見えないのである。テコンドー道場はトランポリンなどの体操器具を使ったり、子供が憧れる飛び蹴りや板割り(あれは危険だろう)をやらせる総合カンフーアトラクションにしているし、日本料理は「好きなんじゃなくてただ流行るからやってるんでしょ、本物を食べたことないのでは」と思うレベルの日本食モドキを出す。


ホンダにもトヨタにも見えるキア

ヒュンダイ製シビック。けっこう
俺の好みなのが悔しい
カナダで売れまくっている韓国車はトヨタとホンダと BMW とメルセデスのラインを見事に踏襲している。最近は日本製スーパーカー・オロチやマツダ的なオーガニックなラインも取り入れている。恥ずかしげもなくデザインをパクり、日本車がちょっと手を控えてしまうところをより大げさにガバリとえぐった現在の韓国車のデザインが、実はかっこいいことは認めざるをえないが(※)。
(※)ちなみにヒュンダイがかつてのシビックハッチバックそっくりの車を売ってるのなんか、セダンしか作らなくなってしまったホンダが悪いのだと思う。いまだ街中に 20 年落ちのシビックハッチが走ってるのに新車では手に入らないのだから、似たものを作ったもの勝ちだ。

お金もうけ的に見たら韓国式が日本式に連勝中な現在なのかもしれんが、人がお金もうけが上手かどうかなんて俺も俺の妻も俺の子供も興味はないのである。1曲聞いただけでこれはモノが違うとノックアウトされるような歌を作る人を、これはすごいとリスペクトせざるをえないモノなどを、輩出してからそれを自慢してもらいたい。お金もうけが上手なことを韓国民が自慢に思ってないのだったらすいませんだが、「KPOP は~戦略通りに成功している」というのはドヤ顔の自慢話に聞こえる。

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【映画「なくもんか」】なんかこの浮わついたノリってあれかな、例によって宮藤官九郎という人のノリなのかなと調べてみたらやっぱり脚本が彼だった。ふざけるのはもちろんいいんだけど、話や言葉が別に面白いわけではない。

阿部サダヲという人のマンガ的演技も、マンガほど自由な肉体を持っているわけじゃないのでそんなに面白くはない。「大人計画」をめぐる人々ってなんでそんなに人気があるのかなと思いながら、一度も笑わず見終わった。まあ「大人計画」自体の芝居は面白いんだろうけど、芝居小屋から出てきてこうして映画やテレビで大衆を巻き込むような芸ではないんじゃないかと思う、脚本家も役者たちも。

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■11/11/30(水) □ 日本語の習い方
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萌の日本語学校のワークブック(課題帳)が、残念なデキのものに変わってしまった。前年度までのワークブックは、「漢字の英語語義」+「点線をなぞる練習ドリル」という、カナダの日本語キッズにとってかなり実用的なワーク課題構成だったのだが、今年度の「中学生版(※)」はその両方がなくなり、「画数調べ」+「熟語語義調べ」の2本立てになっている。授業では国語辞典を引いて新字の画数を調べ、その字を使った熟語の語義テキストをまるまる書き写すという、実にめんどくさい作業をやらされたと萌は訴える。コピー? マジかよ。
(※)カナダ日本語学校の学年は地域の小中学校とシンクロされており、萌は6年生で中1クラスになっている。

このワークブックおよびテキストコピーという作業はいかがなものかと学校側に問い合わせると、「中学生だから辞書を使って語義を調べ自助学習するのが望ましいからこういう形態にしている」みたいな回答が返ってきた。いや、これじゃ自助学習にならんだろう。たとえば俺が日本語学習者で本屋でドリルを探していたら、このワークブックは買わんよ。作業項目だけが書かれ、学ぶべき情報が何も書かれていないんだから役に立たない。辞書の定義コピーなんて生まれてこの方やったこともない。

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さらに、「日本語と英語は違うので、日本語だけで学習するのが望ましい」とも学校側はいう。日本語でも英語でも仏語でもこうした、母語を排し対象言語漬けにすることが最良の言語学習法だという説は強いが、俺はそれにまったく同意できない。もちろん会話訓練ならばその言葉だけを使うのが一番に決まっているが、言語学習というのはなにも会話訓練だけではないのだ。会話の基礎には理解と記憶が必要で、それには対象言語と母語を併用するのが一番効率よいと、俺は自分の経験から思う。

たとえば萌は「寄付」の語義を、「公の仕事のためにお金や物を~」という辞書文をまるごとコピーしつつも結局「あげること」と覚えていたが、これは理解として正しくはない。ここで donate という言葉を使えば、ただの「あげること」とは質が違うよと、よりインスタントで正確に深く理解できる。子供が持つ知識と知性を使い、短時間で最大の効果が出るのである。あとはこれを忘れないよう応用定着すればいい。

萌と宿題をやり語義を覚えてない部分を俺が説明すると、萌はその言葉の下に英語で語義を書き記す。これは俺がそうしろと言ってるわけではなく、彼女の学ぶ心が自発的にそうさせているのだ。つまりそれが萌にとってナチュラルな学習法なのである。だから萌の場合、「寄付」の語義欄は「きふ-donate/donation」と自分の英語知識を利用し簡単に済ませ、例文作成に力を入れることがこのワークブック8のベストな利用法だろう(というかそれ以外利用価値がない)。

このようにすでに身についた母語という素養をフル活用し、学習対象言語と組み合わせ自分に最良な学習法を構築するのが、最も自然で効率がよい学習法だと俺は経験上も論理上も考える。対象言語だけを使うというのは不自然で非効率で非柔軟だ。授業と宿題で英語の使用を許さぬ萌のフレンチエマージョン(公立フランス語科)すらも、フランス語学習法として別に優れているとは俺は思っていない。時間量的にフランス語学習法として最強なだけである。

例文作成は生産的創造的作業だし、断片知識ではなくさまざまなことを関連づけてパッケージ記憶にする作業でもあるから、楽しいし身につく。今回萌が書いた例文も、多少間違ってはいてもどれも味があってよかった。「日本がじしんあったから、おかねをきふする」と書いたことを、萌はきっと忘れないだろう。

しかしテキストのコピーになど何の意義も感じない。国語辞典を引く面白さや意義は理解できるが、テキストをコピーすることは労務的機械的で非生産的すぎる。そんな《言葉を知ること》よりは、その《言葉を使うこと》の方に時間と労力を充てたほうが、有意義だしやり甲斐があるし身につくだろうと言いたいのだ。

まあ最終的に現場は授業をする先生に任せるより他ないわけで、こうしたことをできるだけ明瞭に書き述べ、あとはお任せしますと学校側に送っておいた。We'll see。

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あとでMにあらましを話し、「これまでこの作業内容で学校に苦情がきたことはないんだって。俺はなんでこういうことが我慢できんのかな」とこぼすと、「自分が正しいと思い、それに反することに屈従できないのは、私とあなたの最大の共通点だ」と言われた。たしかにそうだ。それでしょっちゅう夫婦ゲンカもしてるわけですw。

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■11/12/02(金) □ 柏の栄光
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【Jリーグ最終戦・浦和-柏】バンクーバーの柏サポ氏と同時ネット観戦。
◆ う~む、外国系サッカー中継サイトは軒並み urawa vs kashimaになっている。。。困ったもんです。
◇ なんで困るんですか?
◆ mではなくてW
◇ あ\(^0^)/
◇ これは、軽んじられてますね柏。

浦和はあの天才小兵 MF 山田直輝がトップで、序盤はこれが少し効いて柏が様子を見ている感じだった。しかしそれも時間の問題で、じきに浦和の状態を見切った柏の一方的な攻勢となる。柏はどこを取ってもいい動きだが、レアンドロというブラジル人の巧さに驚いた。何度か見て、よく走りよく働く優良ブラジル選手とは思っていたが、この試合ではタダモノではない美技を連発している。Jリーグでは久しぶりに見るボールの足への吸い付きっぷり。「Jの歴史でも指折りなほどの外国人選手」とアナが言っていたが、たしかにそう思えるくらい素晴らしい。

そしてピンボールの如き先制点。すごい。ポストに当たってあそこに転がってくるとは。それをそのまま蹴り込むとは、ワグネルという選手も強烈だ。

このブラジル人2名に劣らず、柏全体がいい。全員インターセプトがうまいし、ボールさばきもパス出しも自信とスピードに満ちている。U-22 代表の酒井などはまことに大物感あるし(体が大きいので切り返しで相手からガバッと距離を取れ、いいクロスを送れる)、俺が全然知らない選手もみんな確信に満ち迷いがないので素晴らしいプレイぶりで、大谷など代表チームの中軸ボランチと言われてもなるほどねと思うくらいの冴えまくりだ。これは柏全員のレベルが上がってるとしか思えないな、ほんと。シーズンを通して1位をキープするなんて経験には、そういう効果があるのかもしれない。同じ素質と技量でも、試合中にどれだけ確信を持ち落ち着いてそれを実行できるかで効果がまったく違うんだろう。追加点も取り完全に圧倒して前半終了。

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後半選手を入れ替え反撃を開始した浦和が得点。しばらく浦和が優勢となったが、再度柏はペースを握り返し、しっかりと追加点を取って突き放し、あとは怠りなく丁寧にゲームをクローズして終了となった。やっ・た。やりました。おめでとうございます\(^-^)/\(^-^)/\(^-^)/!

会場がやや静か過ぎる優勝セレモニー。こういうどアウェイでのセレモニーというのも、なかなかぎこちないですな。この静かさはチト残念だが、浦和としては自分のチームが屈辱にまみれ相手は栄光に浴してるのだから、そんなに盛り上げてあげる元気もないんだろう。Jリーグが組織として場所に関係なくドカンと盛り上げてほしかった。

ホームで決められなかったことは柏にとって気の毒だったが、しかし文句ない優勝だった。今日の強さを見れば、この優勝をサプライズだなんて誰も思わないだろう。柏の全員がこんなうまくなり機能しているということがサプライズなのだ。この監督ならこのままの勢いをクラブW杯に持って行ってくれそうで、楽しみになってきた。遠藤や玉田をクラブW杯で見れないのは残念だが、レアンドロ率いる柏の連動組織が世界を驚かせてくれたら、それも小気味よいのである。

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