2012/03/14

日記「サッカーゲームのパスについて考える」

「ゼルダ・谷間の廃村」「FIFA 09・ついに開眼」「FIFA サッカーの美点欠点」

=======================
■12/03/06(火) □ ゼルダ・谷間の廃村
=======================


カカリコ村。これも前に見た「ゴッホのトアル村」のファンが作った3D画像だと思われる。こういう感じなんですよ。

【ゼルダ・トワイライトプリンセス】闇に滅ぼされたらしき谷間の廃村カカリコ村に来た。ここもいい光景だ。高いところに登って町を見下ろすと、ラピュタのパズーの村みたいな谷間感があり気持ちいい。上空を舞う虫竜は無重力感漂う飛び方がナウシカそのもの。このゲームはほんと宮崎駿トリビュートっぽい。

町の入口で垂れ下がり風に揺れる看板を見た萌が「あ。......ここは元はきれいな町だったんじゃない?」とつぶやく。家を探索しながら「ここはイン(旅館)だったんだわ。ほら、ベッドがたくさんある」とつぶやく。この村でやることは家々への入り方を見つけ、隠されたものを探し出すだけで割合単純なのだが、そのためにこれだけのビジュアルを持った村と、一つ一つの家をちゃんと作ってくれているからこうして感興が沸き起こる。こういうところに任天堂の良心を感じる。

そしてはるか彼方の高い断崖の上まで道がついていることに気がついた俺が、「あそこに行けるよ萌!」と興奮する。これは楽しいわ。Playstation FF の町もきれいだったけど、あれは擬似 3D の平面絵の中を上下左右に歩いているだけで、レンダリングされてるのはキャラだけだったもんな。こうして広さや高さや大きさがしっかりとある本当のバーチャル世界を旅する楽しさを、今俺たちは存分に味わっている。

=======================
■12/03/07(水) □ FIFA 09・ついに開眼
=======================


一番引いた「TV」画面でこれくらい。シュートレンジを画面に入れるには、もっと前進する必要がある。

親子でゼルダは順調なのだが、なぜかうまくいかない俺のサッカーゲーム【Wii FIFA 09 All-Play】。昨夜も戦いに敗れ疲れ果て眠りにつきながら、なぜだなぜだと考えていて(情けなし)ハタと気がついた。画角だ。ガバリと起き出し1試合だけカメラを次々に切り替えながらテストし、FIFA 98 時に使っていた TV というアングルが見つかった。遠目の高めのカメラ位置で、選手の華麗な技は見えにくいが、一番肝心な選手間の距離がよくわかる。これで昨日まであれほど引っかかったパスが通るようになった。というか通らないときが見えるようになり、無駄パスを出さなくなり、攻撃にリズムが出てきた。よし。

パスが通るか、ドリブルで抜けられるか、相手 DF からボールをスクリーンできているかがサッカーゲームのキモで、映る範囲が若干狭いデフォルトビューではこれがよくわからず苦労したんだと思う。DF からボールをスクリーンした状態でドリブルしつつボールから目を離してパスコースを探し、ここぞというところでパスを出す。カットされたらすかさずプレスに行く。これでいい試合ができるようになってきた。

=======================
■12/03/08(木) □ FIFA サッカーの美点欠点
=======================

Wii FIFA 09 All-Play】ようやく波に乗り、難易度セミプロ(中級)のマネージャーモードでエバートンを操り、リーグ首位を快走中。アーセナルを破ったのにはしびれた。マン U にはリーグでは 2 戦とも負けたが、FA 杯で勝った。ドキドキした。

FIFA は FIFA World Cup 98 の頃から、スペース、AI 選手の動き、操作するプレイヤーのなすべきことというサッカーフィーリング(というかスポーツ感)がよくできている。攻撃が遅ければゴール前に守備陣が揃い、たとえドログバを持ってしてもシュートを打てない。押し込まれるとどれだけクリアしても拾われ、苛烈な波状攻撃を受ける。スペースと人数により局面が変わるサッカーというものの表現が自然なのだ。DF ラインと FW の高さだけで攻撃力とプレス力を調整できたカルチョビットに通ずる、『サッカーにおけるスペース把握』の面白さがある。

FIFA 98 と比較しての進化》スペースへの走り込みや DF ラインの裏取りなど選手たちの AI も進化してるし、技術が高い選手なら接触でボールのコントロールを失ってもどうにかコントロールを取り戻しマイボールにできるという、アクション面での進歩も大きい。攻撃が簡単につぶれないというのはいいことだ。おかげでヴァンペルシーみたいにうまい FW は本当に止められないのだが、ああいう敵は丁寧に丁寧にシュートコースを切って耐えていくしかない。

トラップから反転の動きが半自動化されており、変な方向にレバーを入れなければ澱みなくボールを落ち着け前を向き攻撃に繋げられる。先のロストボールの再コントロールもそうだが、こうしたプレイヤーがやりたいことを簡単操作でやらせてくれるアシストが増えている。これは「反復練習で体が勝手に動いており、その間周りを見渡し次のアクションを考える」というプレイ感覚となっておりよろしい。これはつまり使っている選手の技術の高さがそのままプレイヤーが使える技術の高さになるわけだ。

DF の AI も強化されており、俺のミスでぶっちぎられても別 DF がカバーしてくれることが頻繁に起きる。この AI 行動のうまさにもプレイヤーの能力値が関わっているらしく、いい選手は自動カバーも自動タックルもうまいので、おお頼もしき奴よと好感度がアップする。ここは Football Manager 的に進化している。お金を使って攻守ともいい選手を取ろうという気になるのである。

タックルで双方動きが止まった後、フィジカルの強い選手は動き出しが早いので有利というのもいい。全速ドリブル時は方向キーが効きにくいこと、向きを変えようとしても常に慣性があること、シュートボタンを押しても歩幅が合う瞬間まで実際は蹴れないことなど、FIFA 独特の操作性はアクションゲーマーから見たら「思い通りに動かない」フラストレーションにつながるだろうと思うが、サッカー好きとしてはよくできてるなあと思うのである。こうしたさまざまな選手の AI と動きの進化のおかげで、エキサイティングなシーンが前よりも大幅に増えている。

----------------------
欠点》半自動でダメなのは、触ればオフサイドというボールでも全速オートで追いかけてしまい止められないこと。全速で追いかけるに決まってるからオート追いかけでいいけど、キャンセルは必要だ。それと普通入らんだろうというロングシュートや遠目の FK がすこっと入り、逆に1対1の簡単なシュートが枠を外れることが多いのが×。シュートや FK も、ドカンとしか蹴れないのも×。

そして UI はもうどこからどこまでも×。FIFA 98 より悪くなっている。一番痛いのはリーグをやっている最中に新フォーメーションを作れないことで、ブラジル風 4222 を試したいのだができずにいる。というわけでサッカーの試合自体は面白く、それ以外は全部クソといっても過言ではないが、やっぱりクソはまってしまう 10 年ぶりの指動かすサッカーゲームであります。

=======================
■12/03/09(金) □ サッカーゲームのパスについて考える
=======================


「Advancedモード」カーソルでポイントしてパス。

このゲームにはコナミ「ウィニングイレブン Wii」の Wii リモートカーソルによるパスコース指示をパクった操作モード「Advanced」があるので、ある程度うまくなってから真剣に試してみた。微妙なコースに長さをコントロールして送れるという自由度だけはなるほどと思う。上の画像でそのままパスを送れば FW が 2 枚の DF に詰まりボールを奪われるが、右下のサイドバックと左 CB 間のスペースにボールを送れば FW がクイっと反転してスペースでボールを受け、突破できる可能性が生まれる。パスと FW の走る方向を同時に操作できるのだ。決まればこれはたしかに気持ちいい。

しかしカーソルを画面内に保っていなければ、つまりコントローラを試合時間中常時正確に TV 画面に向けていなければパス方向を決められないというのは問題あり過ぎで、プレイヤーの位置やボール位置に加え、カーソル位置=Wii リモートとセンサーの相対角度にも神経を注がなければならない。そんなことが試合中にできるかよと思う。実際やってみると俺には不可能で、試合中にカーソルが画面からはずれまくり、そのたびにエラーマークが表示される。フィールドにエラーマークが出るというのがこのシステムの非サッカーっぷりを象徴している。DS のペン操作だったらこのシステムは完璧に働いただろうけど。


スマートパス
AI が操作する FW がスペースに走りこみボールをくれと要求し(手を上げることもある)、AI の MF の目がそれを見つけパス矢印が出る。そこから先が人間の仕事。

サッカーをやるときに、あそこにパスを出したいといって指さしなどしてるヒマはなく、コースがあると思った瞬間に体が反応するのが自然なわけで、そのナチュラルなスピード感を実現してるのが FIFA 旧来の「スマートパス」というやつである(このゲームで俺が使う All-In モード)。パスコースは AI の選手たちが自力で作り、いくつもある選択肢からプレイヤーが、いつどこへ送るかを判断することになる。

この「スマートパス」が通るかどうかは、タイミング、距離、パサー・レシーバー・マーカーの位置と能力で動的に決まる。たとえば上図でボールを持つ MF スコールズは相手 MF がプレスしてきて苦しくなり、ついつい自分の進行方向前方にいる右 FW テベスに出してしまいたくなる。これは角度的に DF に引っかからず問題なく通るが、テベスをマークする DF に反応され詰められ、シュートまで行ける可能性は低い。左前方から DF 前を横走りする左 FW ロナウド(※)にパスを送れば間違いなく華麗なトラップで加速し 2 枚の DF の間を突破できるが、そのパスは角度的にスコールズをマークしている MF に引っかかってしまう。

そこでスコールズは右前方に全速ドリブルして自分のマーカーをひき剥がし、ここぞというタイミングで上にレバーを入れロナウドにボールを送らねばならない。そう瞬時に判断し正確に実行できないところがサッカーの難しさで、コントローラ操作も難しいし、スコールズも無理な反転キックになるのでパスが狙ったところへ飛ぶかはやってみないとわからない(パスの上矢印がここぞというときに出ないこともある)。しかしそれこそが頭と指のスポーツであるサッカーゲームの面白さなのだよな。

(※)FIFA 09 がえらいのはプレイヤーがカーソルで指示してやらなくてもこの AI ロナウドがちゃんとスペースを感じて走ってることで(上の絵でわかる)、ここが昔より大幅に進歩している。AI への指示としてプレイヤーには1つだけ、「みな上がれ!」ボタンが与えられている。これが非常に効くのだが、Wii の - ボタンという超使いにくいボタンなのがまた馬鹿洋ゲーならでの難。間違ってポーズを押しまくってしまう。
「スマートパス」式はこういう駆け引きをやっている間、選手のパス能力がそのままプレイヤーのパス能力になるわけだが、カーソル式は逆にプレイヤーのカーソルポイント能力が選手のパス能力になってしまう。カーソルをポイントするプレイヤーが下手ならば、どんなにすごいパサーを擁していてもパスは通らないのだ。それは選手の能力をシミュレートして楽しむゲームとしておかしい。そして Wii カーソルのポイント精度がプロサッカー選手のパス能力より高いはずがなく、どうしたってパス精度はスマートパスより若干落ち、(パス1本ごとにカーソル移動が必要なので)パス回しのスピードは大幅に落ちてしまうのである。

----------------------
今のコナミ「ウィニングイレブン」がどうなってるのか知らないが、Playstation 時代のウィイレのパスは、決められたコースを自動的に通る TV ゲーム感があり、しっくりこなかった。「スルーパスボタン」「1-2 ボタン」なんてのはその最たるもので、ボタンを押すと FW が前に走りオートでスルーパスが出たり、オートで 1-2 が成功するよう選手が配置されるようプログラムされてるんだからまさに TV ゲームの必殺ワザで、こんなのはまったくサッカーではないと思ったものだ。

Wii ウィイレが発明したこのカーソルシステムはさすがにそんな児戯レベルのものではないが、攻撃アクションのすべてを操作プレイヤーがコントロールしたいという発想は似ている。プレイヤーができる指示が多ければ多いほどよいという考え方のサッカーゲームでは、指の動きにキレがあり複雑な操作が瞬時に正確にできるヒト(つまり子供や CPU)に、そうでないヒト(ボンクラな大人)は勝てない。実際緻密でミスのない操作をする CPU に俺は指ドリブル勝負では攻守とも勝てないのだが、アイデアと判断力のパスワークでなら勝つことができる。そこが俺が思う、パスゲームであるサッカーの面白さなのだ。

操作は簡単であればあるだけいい。FIFA 09 の All-In モードは簡単すぎて必要な機能すら欠いておりいただけないのだが(ロブやクロスボタンすらない)、いかに点を取るかに素晴らしく没頭できるデキになっている。

0 件のコメント:

コメントを投稿