2013/04/10

日記「空中庭園はベスト家族ゲーム」

「サンダーストーン習得中」「デッキシステムの長短所」「ミネカダ登山」

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■13/03/26(火) □ 「サンダーストーン」習得中
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デッキ構築RPG、サンダーストーン
Yucata で人気カードゲーム「サンダーストーン」を学習中。大ヒットゲーム「ドミニオン」型のデッキ構築システム(※)で戦士や魔法カードを村で購入し、そいつらを駆使して魔物を倒しに行くというゲーム。出てきたモンスターを限られた手段を組み合わせ倒し、経験値を稼いでレベルを上げていくというのは実に面白い。こりゃなにをやっても最後は点カードを取るだけのドミニオンよりずっといいじゃんという感じなのだが、1人2役で練習すると《デッキが回らず敵が強くて倒せずレベル上がらず》のループにはまり、にっちもさっちもいかなくなってしまった。うーむ。

(※)数十枚の持ち札(カードデッキ)からランダムに引いた6枚だけが1ターンに使える戦力または資金となる形式。

 40ターンほどもトライしたが、このセッションのサプライ(購入可能な場札)ではどう戦力を集めても、ダンジョンに出揃った体力9近辺の化け物どもを倒すのは不可能とわかりリセットする。これってもしかするとサプライをランダムにすると、こうしたドツボにはまりがちなゲームなのかな。ランダムでいい塩梅の難易度になるならドミニオンよりずっと楽しいと思うのだが、面白そうなのにうまくいかない、ドラクエ以前の操作系が悪いコンピュータRPGみたいなプレイ感である。

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 とツイートしていると、どうしても倒せない敵にはわざと負けてお引き取り願えばよいのだと有名ゲーマー遊星さんが教えて下さった。あーそうなのか。ルールをちゃんと読んでなかったすいません。強モンスターにわざと負けイテテテすいませんでしたと頭を下げたら意外や、「まあ今回は許したるわ」とその魔物はダンジョン深部に帰ってくださった。

 で次に出てきた弱敵を「お前な。さっきは番長の後ろでコソコソしやがって。番長がいなければお前らザコは瞬殺である。ファイヤボール!(閃光ドカーン)」とやっつけてやるとすぐさまレベルが上がり、途端に楽しくなってきました。よーし :-)。

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■13/03/29(金) □ デッキシステムの長短所
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 【サンダーストーン】はソロゲームがやれるページ「ほぼサンダーストーン」が見つかりそこで練習させていただき、実戦も3戦やって感じが掴めてきた。2~3戦目で中級の人と当たり、どちらもダブルスコアだったがモンスターを10ほど倒しちゃんと点を取ることができた。

 強くなるのは難しそうだが、これは面白いわ。倒したはずがわずかな計算ミスで倒せなかったりするところがスリリングで燃える。自分が倒したい得点の大きな魔物を対戦相手に奪われるとうあーとなる。今後 Yucata の定番として楽しませて頂きます。

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 元となったドミニオンもそうなのだがこういうデッキ型ゲームでは、『このターンではわずかに戦力が足りない、1回戦力をためて次のターンで勝負したい』という場面が続く。しかしこのターンで使わなかったカードは全部流れ、次のターンの手がよくなるわけではないし、逃した獲物は敵が取りゲームは待ってくれない。ドミニオンでは現戦力から1枚を次のターン用にキープするという効果カードがあり、サンダーストーンにも拡張カードで同様のものがあるだろうが、「ためる」ことが可能なのはその程度となる。

 このシステムだから、これほど明確な拡大再生産システムでもゲーム中大きな差がつきにくく楽しめるのだとはよくわかる。対人ゲームで拡大再生産したものがそのまま使えたら先に武器を買い戦士をレベルアップしたほうが勝つに決まってるわけで、それじゃゲームにならない。ドミニオンが発明した「デッキシステム」はその差をランダムなカードの引きという方法で薄めて競技を持続させる方法なわけだ。

 それはわかるんだけど、やはりデッキがうまく回らず何ターンも続けて魔物を逃すと虚しさを感じるし、苦労して買ったものを意図した組み合わせで使えるチャンスがなかなか巡ってこないことにはフラストレーションを感じる。デッキシステムはなるほどよくできているが、そんなに好きでもないんである。

 拡大再生産+対人ゲームの戦力差問題を、デッキシステム以外できれいに解決したゲームってあるのかな。皆が戦力を揃え鍛えて強い部隊にし、それをマップ上に自由に配分して、それでもなお互角の勝負をクリーンに短時間で楽しめるようなゲームが。サンダーストーンは楽しいが、これをやっているとそんなゲームを夢想する。   

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■13/03/30(土) □ 空中庭園はベスト家族ゲーム
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前記事「【驚きの発明】空中庭園」
にルール解説を加筆済み
ゲームを知り即発注し週明けに届いた「空中庭園」の実物を、今日ようやく家でプレイできた。製品のクオリティは同社の「カルカソンヌ」級で、得点タイルは想像以上に大きくしっかりしている。発色もよくきれいなので集めていくと目に心地いい。

 実際にカードをハンドリングしてみると、きれいに重ねていくのは思ったよりも慣れを要する。ゲームに支障はないがやはり多少はずれてしまう感じ。オンライン版では寺院コマを置くと地形が見えなくなってしまう支障があるのだが、実物では寺院をセンターからずらして置けるので視認性はいい。

 デザイナーは韓国人という噂だったのだが、箱を見ると台湾人だった。「プエルトリコ」とかを好きな単なるいちユーロゲーマーのアイデアを大メーカー・ハンスイムグリュックが買い製品化したらしい。大ゲームメーカーの社長の心を動かすほどのコロンブスの卵的優秀メカニクスだったということだろうな。売れなかったのだろうし無名なゲームだが、これを製品化しオンライン版まで出してくれたハンスは見識がある。えらい。



まずMと1対1。最初はなにをしてるのかピンとこないという顔だったが、屋上の庭園を拡げてるのだとわかると俺と同様にあーなるほどねと理解し、4個、5個と大きな庭園パーツを作ろうと盛り上がってくれた。

 昼飯後萌も加わりすぐに2戦目もやったのだが、3人戦だと1ラウンドに1枚しか取れないのでなかなか大きな庭園をプランして作れず、すぐにMからこれは2P戦より難しいわねと声が出た。たしかに。3枚 x2列の取札を並べたほうがいいかなあと思う。しかし6枚も選択肢があるとスピードが落ちてかえって楽しみが落ちるかな(※)。

(※)あとで試して、「3枚並べ、1枚取るごとに次の人が補充」というハウスルールとなった。これだと「つぎの手番まであれが残れば6連が作れる」と2人戦同様にプランでき、みんな大きな手が作りやすく盛り上がる。

 Mはパズル好きなのでベストな手を考え長考しがちで萌がじれていたが、それでも得点がコロレット式(同じタイルが1枚だと無価値だが3枚4枚と取ると爆発的に点が跳ね上がる)なのが萌にもすぐにピンときたようで、カード置きは散漫だったが得点はそれなりにうまく取っていた。

 この得点タイルシステムはやはり非常にいいな。このゲームの競技性に関しては、このコロレット式の得点タイル構成の絶妙さが大きく寄与している。どの柄のタイルもセット完成枚数、得点の累進性、最大得点と違ったメリットがありハズレ感がないし、どれを取ったら大幅に有利というバランス崩れもない。敵の得点増大もある程度は抑止できる。どのタイルセットを集めるかに毎回違ったランダム性と楽しみがあり、どれを集めようかと気持ちが盛り上がる。「セットコレクション」ゲームとしてよくできてるのだ。これは素人デザイナーが作れるようなバランスではないので、ゲームバランス無双の名作「ストーンエイジ」の作者でもあるハンスの社長が音頭を取って、多数のテスターが関わりバランスを取ったに違いない。

 というわけで最近ボードゲームはどれを持ってきても集中してくれん萌はどうかと思うが、Mは確実にこのゲームの面白さにはまってくれるだろう。グレンモア以来1年ぶりのヒットの予感。

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 家族がパズル的ゲームを好むならば、空中庭園は家族ゲームとしてカルカソンヌよりも優れていると思う。カルク(略称)は画期的に素晴らしいゲームだが乗っ取りをしなければ面白くなく、乗っ取りアリではオンライン競技経験のある俺と俺からセオリーを習った萌だけが強くなり、妨害が嫌いなMにはつまらなくなってうちでは出番がなくなってしまったという経緯がある。

 空中庭園は個々が自分の庭を作るというシステム上、カルカソンヌのような強いインタラクションがない。敵がほしいカードやタイルを先に取るというインタラクションだけで競技性が成立し、それだけで完璧に機能して楽しいのだ。

 そして隠し要素や記憶要素がなくひらめきを競うゲームなので、経験多数の者が絶対有利でもない。俺自身2週間毎日オンラインで戦いいまだにほとんど勝てないくらいの腕前なのだから(恥)、カルカソンヌのようにいくつかの文章化可能なセオリーを飲み込めばマスターできるゲームではなく、したがって俺だけが極めてしまい家では楽しめなくなるという恐れは当面ない。

 つまりこのゲームはカルカソンヌ同様簡単なルールでビギナーでも楽しいというだけでなく、ベテランがビギナーとやってもフルにゲームを楽しめるというカルクにない両立性も備えているのである。ベスト家族ゲームじゃん。素晴らしい。

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■13/03/31(日) □ ミネカダ登山
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 春で天候がよく窓からの光で屋内が明るいので、みんなの気分も明るい週末。萌の iPod 整理を手伝ったり Youtube でジェフベックを聞かせたりしている。

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絶景ミネカダ山

登山道終端のハイノール直下は
真っ逆さまな崖なのが地図でも分かる
午後、久々に町の裏山ミネカダ登山に連れて行かれた。前回登ったローノール(低い頂き)よりさらに高いハイノールというところを目指したのだが、恐れたほどきつさに大差はなく到着(往復10キロ、高低差200mほどらしい)。まことに絶景であった。うちから5分でこの登山口につき、1時間でここまで登れるんだからカナダの大自然はありがたい。

 山頂は下が全く見えない強烈な崖っぷちゆえに絶景なのだが、そんなところで犬が駆け回っていて見ていて恐ろしかった。しかしこうして力の限り散歩できるんだから、カナダの犬は幸せだよな。昔富士山のマウンテンバイクツーリングに警備犬のビコ号を連れて行ったときも、長距離で最後は脚を痛めつらそうだったが、生涯最長のフリーランを満喫し気持ちよさそうだったもんなあ。

 いやはやいい登山だった、俺の体力もこの程度ならまだ大丈夫と喜び降りていくと、下山時に足をくじき家に帰ってから痛み始め歩けなくなってしまった。とほほ (^-^;。

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 夕方新朝ドラ【あまちゃん】が始まる。おれはクドカン節というものをなにも知らないんだけど、これからは大丈夫です楽しんでくださいというNHKの気持ちが画面の隅々に詰まってるような、晴れ晴れした朝ドラになっていた。メールの文章とか、手描きアニメーションとか、文字が落ちてるソニーの看板だとか。画面が発光してる気がしたよ。

 前作に対し余計な不平をいわずしっかりと黙殺していた人たちが、次々に喜びの声をあげている。夜明けだ。明けない夜はないのです。闇夜の国から舟を出してゆくのです。

5 件のコメント:

  1. あっきぃらびっと2013/04/11 23:14:00

    おっ。サンダーストーン♪
    私これ好きです。
    あっ、失礼しました。ある元心理カウンセラーのボードゲーム日記の管理人あっきぃらびっとです。
    サンダーストーン、拡張入ると更に楽しいですよ~(すでにプレイ済みだったらスイマセン)。セッティングによってバランスおかしくなっちゃったりするかもですがw

    空中庭園、面白そうなボードゲームですね!
    ベテランもビギナーも楽しいってのが、またイイですね!

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  2. そちらのサイトにお邪魔して、サンダーストーンの記事を探してみますよ。きっとまた例によって、おかしな変わったサンダーストーン記事があるに違いない :-)。

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  3. サカタさんのブログを読んで空中庭園はじめました。
    自分の庭園(空白)を埋めるように意識したら、点数が伸び始めました。
    なかなか面白かったです
    けれど 取って来たタイルと、自分の庭は別々なため、自分の庭を育てる喜びが少し足りなかったです。
    取って来たタイルを自分の庭に埋め込み、さらに発展していったらもっと面白くなりそうな気がしてなりません。

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    1. たくさんコメントをありがとうジェニファーさん。「空中庭園」はうちの奥様が大好きなので、今でもしょっちゅうやってます。アマチュアのゲーマーが作ったゲームだと思うのですが、奇跡的なメカニクスの美しさだとやるたびに思います。得点タイルを自分の庭園に埋めるというアイデアはすばらしい(笑)。

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  4. サカタさん。コメントしてから久々にまた遊んでみました。空中庭園傑作かもしれないです。
    もちろんさっき言ったせっかく手に入れた都市や彫像のタイルが設置できないのは寂しいですが、
    パズルに夢中になれる良さがこのゲームにはありますね。奥様が好きというのも納得です。
    実物がほしくなってきました。しかし古いゲームなので手に入れるのは難しそうですね。。

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