2014/08/19

日記「進撃の巨人グッズ発注」

「アニメの叙述作法」「外国人の娘」「キッズの頃に書いたヤツ」「親子で聴くボーカロイド」

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■14/07/30(水) □ アニメの叙述作法
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SF 好きの奥様が、家族で見る日本アニメ第二弾として「シドニアの騎士」をチョイスした。CG と手描きがミックスされた絵は悪くないのだが(アキラや FF フレーバーもいい)、「ナガーテ・くん! なんとかだゾっ」と体を斜めにして喋るふわふわな女の子などは苦手な感じ。この日本学園アニメテーストがやはり家族にも不評で、2話で中止となった。

 SF 部分の話も2話見て依然意味不明だしな。日本アニメは意味不明なまま展開しフラッシュバック(回想)で断片的に説明をハメていき「ああそういうことだったのか」と徐々にフォーカスしていくのを好むが、これがイライラすると家族で評する。なにもわからないという宙ぶらりんに置かれた状態が長い。

 「進撃の巨人」は巨人のことが何もわからないのは視聴者もエレンも同じ不条理で、ワケもわからず引っ張り回される疾走感に身を任せていられたが、それでも回想シーンがあるとストーリーの速度が落ちるのでMが苛立っていた。このフラッシュバックで過去に戻るジグソーパズル的背景描写は明らかに日本アニメのクセだと思う。記憶喪失ものが多いのもそれがハマるからだろう。「東のエデン」も俺は1話だけ見たのだが、これも初回は全編記憶喪失+無筋力女子コンボでうーんという感じであった。

 アニメ好きはこのスタイルが好きなんだろうが、そういう嗜好を持たない俺たちはこのシドニアのように、宙ぶらりんから地面に着地する前に飽きてしまう。ストーリーが視聴意欲にグリップしてこない。シドニアはたとえば「未来少年コナン」のように、ナガテと祖父の物語から始まり時間軸通りに物語が進み、『見るほうがシンパシーを感じられる存在としてのナガテ』が謎だらけの地表に出て冒頭の食料庫シーンになっていたなら、俺たちも楽しめただろう。

 アニメやゲームファンはそういうフラットな叙述を好まないのだろうか。アニメソングはどれもハードロックのシンコペの嵐で独特の「アニメ調」としか言いようがない音楽なのだが、物語の叙述作法もまた独特なものがあると感じる。

 あ、そういえばシドニアの騎士のテーマソングは軍歌・ネオ Jpop ミックスで、あれは素晴らしかったな。

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■14/08/01(金) □ 外国人の娘
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 今日も朝から家事に頑張る。掃除は苦ではないし新洗濯機のおかげで洗濯は楽しいのだが、萌が朝から晩まで iPod をいじっていて他のことを何もしないので、長期休暇はいつもケンカになる。

 MKたちがまた引っ越しするのでガレージセールをやるそうで、萌もいらないものを出品せよと言われ、5つものダンボールに入れてあった不要おもちゃ類を整理する。「これも捨てるの? これはまだ小さい子が遊びに来たら使えるじゃん」と1つ1つチェックしていく。10品ほどはもしかするとという感じで出品用に選択。お金はいらないが、欲しい人にいてもらわれてくれたらうれしいという感じ。

 カナダで子供を育てていると、この子はモノへの愛着とお金へのありがたみがえらい薄いなと感じる。やっぱり我が娘ながら外国人だなという感じ。 小さな頃のおもちゃとか簡単に捨てるし、お金も入ればすぐ使う。夏休み中家の手伝いをしたらお小遣いを増してやると言ってるのだが、「どうせ働いても○ドルだからいい」とか言う(笑)! ほしいものがあるんだろ、貯めろよ!

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■14/08/05(火) □ 進撃の巨人グッズ発注
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今日は晴れてるのだが風がありめっちゃ涼しい。山の方から吹いてるのだろうか。いつも通り猛暑の季節は7月で終わり感が漂う。ちょうどいいので萌の小遣い稼ぎに芝刈りをやらせることにした。フロントが 1 ドル、バックが 3 ドル。先週のお小遣い+手伝い賃を積立て総計19ドルとなったので、これでほしがっていた進撃グッズを買いなさいと eBay を検索させる。

 萌は狂喜しほしいグッズを片っ端から wish list に入れていく。あとで予算と突き合わせて 20 ドル相当をチェックアウトに入れよう。Pay Now だけは絶対に押してはならないと厳命する。

 今回買ったのはペンダント、財布、ポスター、そして巨人の指輪。この指輪はなかなか見事なグロさですばらしい。学校で巨人を知る友達にホラと見せたら盛り上がるだろう。Tシャツやケープは高いので保留となった。また働いて小遣いを貯めなされ。

 萌が iPod とファッション以外のものを欲しがらなくなって久しく、こうしてファンなものに子供のように夢中になってくれるのはうれしい。惜しむらくは回りにアニメ好き女子がまるでいないことで、数少ないアニメボーイズとテキストをやりとりして盛り上がっているらしい。

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■14/08/06(水) □ 「キッズの頃に書いたヤツ」
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カナダ国営ラジオで「キッズの頃に書いたヤツ」という番組があり、これが実に誰もが皆子供の頃はバカだった的内容で大笑いなのだが、今日のは秀逸だった。10歳くらいの姉妹の日記を交互に読むというもの。

「Dear日記。なにか赤いできものができて心配なの」
『Dear日記。私の妹はなにか赤い腫れ物ができて超キモいwww』
「Dear日記。私はジョンが好きなの。キュートなの」
『Dear日記。私の妹はジョンが好きなんだって笑うwwwどこがキュートwww』
「Dear日記。誰かが私の日記を読んでる気がする。誰なの教えて。それから私の姉は太ってるし、おっぱいとか出てきてる」
『Dear日記。私の妹は本当に性格が悪い』
「Dear日記。私の日記を読むのをやめて。それから早くやせて」
『Dear日記。読んでないわよ。失礼な妹は死ぬべき』

 こういう日記や手紙を本人たちが読むというのが「キッズの頃に書いたヤツ」の番組内容で、その朗読がまたみんな見事にうまくてカナダ国民みなコメディアンと感心してしまうのだが、しかしプロの芸人の多くも内容はこのテの『自分(また妻、夫)はバカであった』モノなんだよなあ。カナダのお笑い番組の漫談家の 3/4 はこの系統だろう。

 プロが素人と同じことをやっていては俺はまったく見る気もせんのだが、カナダではこれがバカウケする。お笑いに関する批評性はカナダ国民みな好々爺という感じである。笑いというものに才能とか新しいものとか磨き抜かれた芸とかを求める感性がないのかもしれない。

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■14/08/07(木) □ 親子で聴くボーカロイド
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 萌がボーカロイドにはまっていて俺にあれこれ見せたがるのだが、いやはや音と詩がすごい。これを聴きたいとは思わんが見たことも聞いたこともない音楽があるので驚いてしまう。すごい表現方法が生み出されているなあ。


(赤心性:カマトト荒療治/スズム feat.鏡音リン・レン)

 有名な初音ミクというのもいくつも見たのだが、音楽はスタンダードで(共犯新聞KBの弟がやってるらしい)、さっき見たやつみたいなアナーキーなところはない。声がかわいくて人気なのはまあわかるが、ダンスがなんであんなに森高千里のイモ化が進行したヤツみたいなんだろう。Perfume みたいにカッコよくできないのかな。

 俺がそう感想を言うと萌は「きっとホログラムでは Perfume みたいに複雑な動きが表現できないのだ」と弁護する。そうかなあ。Perfume の先生にプログラムしてもらえばもっとカッコいい動きができるようになるんじゃないかなあ、初音ミク。



 やがて初音ミクたちが歌う「ありのままで」にたどり着き、二人で笑い転げる。日本語の歌詞はやはりよくないねと萌がいう。ツイッターでも議論になっているが、これは致し方ない、翻訳者はわかっていてこう決断したのだ説に俺は同意すると説明した。

 つまり「抑えていたものを解き放つ」「ドアを閉め理解されない不安と決別する」「孤独には元々耐えてきたのだからいまさら何も変わりはない」というオリジナルの行間に込められたエモーションを日本語の歌詞にして歌に乗せることは無理なのだ。だから「ありのままで」という日本人にわかりやすい部分だけをすくい取ったことは正解だったと思うのである。

 こういうことを夜Mが寝てから話すことが多いな最近。Mが推奨していたように、アニメが希薄になってしまった親子関係のリビルドをしてくれている感じ。

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