2014/09/14

日記「空返事される父の背中」

「木更津キャッツアイでオフ」「夏服の女たちも見納め」「バンクーバー散策」「YT名画劇場」「絵にならない不幸-自転車泥棒」

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■14/08/31(日) □ 木更津キャッツアイでオフ
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 親戚のランチに呼ばれたが長駆出かけて飯を食い帰るだけなので俺は辞退し、一人でスパゲティを食べつつ「木更津キャッツアイ」を見ながらブログを書いたりカメラのテストをする。落ち着いた休日。

 「木更津キャッツアイ」は12年も前のドラマなのだが、アナーキーでキック力半端なくありつつ投げやりなところが全然なくちゃんとしていて素晴らしい。「あまちゃん」の頃みんながクドカン節として影の伏線的に楽しんでいたのがこれかーと改めて感じられる。

 それに櫻井翔が天下の二枚目とされてる理由も阿部サダヲがコメディ俳優として人気の理由も、これを見てよくわかった。阿部サダヲこりゃすごいわ、すべてがキレキレだったんすね。薬師丸ひろ子もすでにこの頃キュート極まりないコメディエンヌだったんだなー。なんにも知らなかったよという思い。

 こういうベースとなるエンタメ背景知識がない俺はやっぱり半分外国人で、「あまちゃん」を見る喜びも木更津ネイティブな人たちに比べるとやや体温低かったのかもしれない。それでも十分に楽しかったけど。

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■14/09/03(水) □ 夏服の女たちも見納め
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 もう日が射しても暑くなくなってしまった。夏服の女性たちもそろそろ見納めだなと望遠 75mm あたりでカシャリ。小心な俺はこれくらい遠くで、これくらい「レンズはそちらに向いてませんからご心配なく」なフリをしないと通りがかりの人を撮れない。ときには通り過ぎる人をやり過ごし、その美しい後ろ姿をありがたいありがたいと撮らせていただいたりしております。




久しぶりに萌と日本語勉強会、お題は進撃の巨人「紅蓮の弓矢」。家畜の安寧虚偽の繁栄この豚野郎とすごい歌詞なんで笑いながら意味を解釈していく。萌はいつもとはケタ違いの熱意でサビを歌える英詞にしていた。

 この歌は曲も転調の嵐ですごいんだが、萌はコードをネットで探し、間違ったところを耳で拾って一生懸命直し弾いている(ネットでコードを探すとどうして必ず間違っているんだろう?)。まあ頑張ってくれ。

 萌が自発的に(!)辞書を引いて調べたのだが、この写真の下に書かれたイェーガー(Jagar)って「狩人」って意味だった。おーなるほど。難解な歌詞を読解しつつ、こうして単語や意味がわかるたびに詞がアニメの世界観に見事に合っているので盛り上がるのである。グローバル学習である。




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■14/09/06(土) □ 空返事される父の背中
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 US オープン準決勝の錦織を見て緊張した静かな午後。錦織はブレイクポイントを握られぎりぎりジュースに戻し、しかしまたブレイクポイントを握られ……が1ゲームで10回ほども続いた第3セットあたりは本当に苦しかった。テニスって勢いでは格上に勝てないスポーツだなとつくづく思った。そのセットを取ったのだから本当に偉い。



 最近萌がなんの返答にも「ンー・フン」という空返事を使い始め困っている。「起きて朝飯食べなさい」「ンー・フン」「iPod はやめなさい」「ンー・フン」。そして何の行動も起こさない。

 返事界ではこれまで「はい」が最も好ましく「I know(わかってるから言わないで)」が最低だったのだが、「ンー・フン」はもはや口を開けることすらしない鼻音(だから表記不能)による I know であり、これはかなわん。完全に定着する前に消し止めたい。

 しかしやめろと言っても TV でもみんな言ってるしフツーだと萌は主張する。

「いや萌のンー・フンは I know をさらにレイジーにした、つまり《口を開いて返事をするのも面倒なときの I know》じゃん。わかる?」
「……」
「TV や会話の中ではちゃんとしたフィードバック(相槌)だけど、言いつけに《ンー・フン》というのはほぼ無視なの、わかる?」
「ノー」
「……」

 やれやれ。ため息。

『はい→うん→んー→Yeah→Ya→→(ここからはもはや返事としての魂を失っている)→→OK→I know→ンー・フン』

 という序列かな、日系ティーンエイジャーの返事ワールド。

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 【おやじの背中:なごり雪】大声を出さないと聞き取れず声量を上げると怒鳴るなという、うちのばば様と同じな西田敏行に苦笑してしまった。しかしペーソスある倉本聰人情噺として展開しまとまるのかと思ったら、最初から最後までわがままは許され皆に愛されて、よかったですね頑張った人生に甲斐がありましたねとしか言いようがない話だった。

 この「おやじの背中」連作はずっと見ているが、田村正和、役所広司とどの親父も愛らしい娘に大事にされ、よかったですねとしか言いようがないファンタジーばかり作られている。3作目にして老いの孤独がテーマなのかと思ったら、さらにしょうもない敬老ばなしだという。

 「おやじの背中」なんて大層なお題をつけるなら、愛されないおやじも描いたらどうなんだろう。そしたらなにか特別な感情が生まれるかもしれない。この連作に描かれたおやじたちとは違い十代の娘にンー・フンとあしらわれ憤慨している俺には、これらの話がリアルに感じられないのである。西田敏行は俺よりも上の世代なので、「なごり雪」もやっぱりどう説明されても空回りしてると思ったし。



 【倉本聰】俺とMが日本に住んでた頃に「北の国から SP」を毎週連続でやっていて、日本の超メジャーなドラマと説明するとMが食いついたので、純が東京の出稼ぎ先で事件を起こしてしまう回などを一緒に見た。Mはもごもご僕わ僕わ言う純にフラストレーションを感じ、「はっきり喋れ純!」と毎回イラついていた。まあそうだろうね。

 しかしとつとつと喋りながら純のために風呂を沸かしてやる五郎の姿には感動してましたよ。やっぱり日本の口下手な若者はどうだかわからんが、日本の寡黙なおっさんには世界に通じる魅力があるのである。

 Mと見た「北の国から SP」でもう一つ覚えてるのは純がラブホテルに入るも女の子に拒否されショボとなったときに女の子が同情してその気になってくれたシーンで、「男 は す ぐ こ れ だ!」と奥様が激高したことである。そそそそうなんですか(笑)。

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■14/09/08(月) □ バンクーバー散策
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 ついにMの博士論文審査。Mがこれほど緊張したのは出産以降見たことがないくらいな状態。教育系の専門的な分野で俺と萌は立ち会っても内容がわからんので来なくていいと言われ、バンクーバーダウンタウンを散策して待機し、打ち上げに合流することとなった。

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 久しぶりに歩くバンクーバーは日本食屋が非常に多くて、「Sushi なんとか」系は怪しいが丼専門店はちゃんと日本の人がやってるっぽい。そういう店の1つに行列ができてたので入ったのだが、めっちゃ大衆食堂的な作りで、1人客は相席する感じの店になっていた。

 おばちゃんが大声で注文を読み上げ、エプロンをした日本人のお姉さんが「すいません」とかいいつつさささっと走り回ってテーブルを拭いてくれ、お茶は自分で湯のみに汲んでくる。そして味もまったく普通においしい大衆食堂で満足したのだが、しかしカツ丼9ドルは大衆食堂の値段ではないような気がする。この店の作りと味でこの値段でこんなにお客が入るんだから、やっぱり日本人が普通の日本食を出せばカナダの外食産業では無敵という状態なんではないかと思う。



 しかし都会はタバコを吸う人が多いなあと気がついた。町のどこを歩いていてもタバコの煙が漂ってくる。俺も昔はタバコを好きだったんだけど、頭が痛くなってしまった。郊外のほうが明らかに空気はクリーンです。

 カナダは公共の屋内では全面禁煙なので大丈夫なんだけど、日本に行くと食べ物屋でタバコの煙に苦しい思いをする。禁煙を成し遂げた者はたいてい「もう余命いくばくもないと宣告されたらもう一度タバコを吸いたい」などと禁煙直後は言うんだけど、実際はもう吸えないんだろうな。あイタタタタタ…。





 夏休み中毎週恒例行事としてグランマとバンクーバーを散策している萌は「バンクーバーを熟知」しており、出かける前は俺を案内すると張り切っていたのだが、ガスタウン以外は知っているところはなく、あてどなくグランヴィルやロブソンをぶらぶら歩く。やっぱ俺たちは観光客ではないので、バンクーバーを歩いてもそんなに盛り上がるわけでもない。食べ物屋は充実しているがそうそう面白い店もない。レコード店や古い建物がある路地に入って写真を撮る程度。

 萌とグランマはいったい毎週ここで何をやってるのかと尋ねると、ゴージャスなランチを食べ図書館でグランマの本を借り帰ってくるだけらしい。なんだそうなのか。まあグランマも萌も外食が好きなのはわかるが、2時間半かけて往復して実質ランチを食べてるだけか。気長なことである。



 写真は前半ガスタウンは曇っていて色が出ず露出が合わず(空に引っ張られ地上が非常に暗く写る。中央重点測光で改善した)、途中から晴れたが撮るものが見つからず高層ビルばかり撮っていた。人を撮りたいのだが、やはり怒られそうな気がしてレンズを向けられない。



 そして審査が終わる頃に大学の会議室へ。まだ結果は出ておらず、取り囲む同僚の研究者たちが「素晴らしかった、絶対間違いない」と力説する中「駄目だったらもう論文書き直しなんてする気力がないからあきらめるわ」とそわそわするMを半時間ほど待たせ、審査結果が出る。合格! やっ・た。仕事をしながら途切れ途切れに研究と執筆を続け足掛け8年、ようやくM博士の誕生です。



 審査員や研究者たちとパブで祝杯を上げ帰宅。「当初思っていたほどの論文にはならなかった…」と本人が落ち込んでいたので心配してたのだが、皆が絶賛していた。やっただけのことはあったのだろう。本当に長いことお疲れさまでした。明日はお祝いになにかうまいものを作ってあげよう。

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■14/09/09(火) □ YT名画劇場
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 嘘かと思うが6月に始まった BC 教組のストライキは間に教師たちの夏休みをはさみ継続中で、8月から政府との話し合いが再開され、交渉が決裂に次ぐ決裂となっている。つまり小中高は新学期がいつ始まるかまだまったくわからないという状態。

 「政府はわざと交渉を決裂させ父兄の敵意を教師に向けようとしている」と識者は見るが、生徒も親もとにかくイラついている。学校を始めてオンゴーイングで交渉してくれまいか。子供がアホになっていく。学力はともかく、子供がスマホにかじりつきくだらん動画ばかり見る日々が続くのは耐えられん。

 夜は博士号お祝いに完璧な天ぷらを作った。うまい。おめでとう。

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BSで古い映画をやるというツイを見て、そう日本に住んでた頃は古い伊仏日米名画をたくさん見れたんだよなあと切なくなった。カナダじゃハリウッド以外のクラシックはまったく放送されないし、レンタルにも有料ネット映画にも在庫はほぼ皆無。俺はああいうものをもはや見れずに死んでいくのか…

…とふと前にチャップリンがあったなと思い立って Youtube に行ってみたらフェリーニの「道」があった。ああ素晴らしい。隅から隅まで美しい。なんとどこまでもかわいらしいと、ジェルソミーナと戦後間もないイタリアの景色や結婚式や大道芸の人たちの様子にただただうっとりさせられる。映画を見てこんなに美しいと思ったのはいつ以来だろう。まったくハリウッド大作とか CG とかどうでもいいな俺は。

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■14/09/10(水) □ 絵にならない不幸-自転車泥棒
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「道」に続き今夜もYTでクラシック映画「自転車泥棒」。ただ自転車を盗まれただけすべてが台無しになってしまう、戦争直後の貧困がヒリヒリと悲しい。

 俺は萌が大騒ぎする「レ・ミゼラブル」にまったく心動かず30分で見るのをやめたのだが、この映画は最後まで目を離せなかった。「レ・ミゼラブル」はヒロインとその不遇が美麗すぎて逆に「ここに描かれなかったのが本当の、絵にならない不幸だろう」と思ってしまい感動できなかったのだが、絵にならない不幸はこういうところに凝縮されていた。この映画にはストーリーなど何もない。「道」のような美しいシーンも特にない。主演の男は役者ですらないらしい。ただただ焦燥感だけが描かれている。それがどんな現代ハリウッド大作よりも痛々しいのだ。

 最後にセリエ A のローマとモデナの試合が出てきた。さすがはカルチョの国だ。――あ、Youtube には小津もあるではないか。見ねば。ありがたし。

2014/09/07

日記「一眼カメラは楽しい」

「レンズの味」「日系祭り」

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■14/08/18(月) □ 一眼カメラは楽しい
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旅行を終えルーティンに戻る。午後萌を連れ出しうちから一番近いハイドクリークトレイルを走っていると、上流に橋がありクリークの逆岸に渡れた。その先が林道になっている。こんなところがあったとは知らなかった。うちからわずか10分、直近の人家から100m くらいしか離れてないと思うがどうですかこの林道フィーリング。気持ちいい。サイコー。距離は短いけどね。

 いやー地元でも知らないところってあるもんだなあとウキウキ走っていると、やがてトレイルの分岐があり、右が森の出口、左が根っこだらけで自転車では登れなそうなラフなトレイルとなっていた。この左のトレイルがどんな塩梅なのかと徒歩でちょっと覗いてみると、曲がり角でなにかと鉢合わせしてしまった。(うわ!)瞬間頭真っ白……鹿だ!

 数秒で我に返り、はは、ハローと声をかけつつじりじりと下がり静かにカメラを取り出し、緊張で震える手でカシャ。やっぱりちょっとブレたけど、この近さよ。最短で5mほどだったろう。カナダの自然はスゴイなあ。遠くまで行かなくても、家から自転車10分で野生の鹿だもんね。

 しかし鹿だったからよかったがこの森にはクマもときどきいるわけで、バッタリと出くわさないように気をつけなければ。クロクマは森で人に会っても関わりあったりはしないそうだが、鹿でもこの近さでいきなり会うとやはりヒヤリとしたよ。クマなら何もなくても俺はショック死する。

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 しかしこの森の暗い中で撮った写真が明るすぎ、見た目 EV+1.0 くらいになってしまっており修正できないほど色が飛んでいる。このカメラは暗いところを明るく撮りすぎるのだと再認識した。暗いところでは露出を下げるべきなんだ。夜の室内もそうで、-0.3EV~-0.7EV くらいにすれば見た目の明るさと同じになるしシャッタースピードも上がる。シャッタースピードが上がる分ズームすればボケを増やすこともできる。そうか。なるほどねー。


ズームしてスポット測光して背景を落とすという
いろんな新開発技を盛り込んだ勉強ショット
このところこうして露出についてよく考える。たとえば島で多かった逆光時は EV でプラス補正するのではなく中央重点測光にすればよかったのだと気がついた。逆に白い花をスポット測光すると輝度が下がり白飛びを防げる。なるほど。「ハイキー」で白を飛ばしたり「ローキー」で対象以外の背景を切り捨てるなど、調光でいろいろやれることがあったのだ。忘れていた。そこを気づかず使っていたのだから、これからさらに可能性は広がる。



 オリンパス・ペンミニ E-PM1 を買って1年になるが、夏の旅行とその後のエディット&テストで測光調光をいじるようになり、ようやく一眼の使い方に開眼してきた気がする。腕はともかく画質はまだ上げることができる。ホワイトバランスの色を微妙に調整することすらできる。PEN はほんとうに素晴らしい趣味カメラだ。

 一眼は楽しい。こんな安いマイクロフォーサーズと標準レンズでも、ほんと一眼カメラは楽しい。俺のは処分品でコンデジみたいに安かったのだが、こんな価格でここまで遊べるものなんてどんな世界でも他にないだろう。

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■14/08/21(木) □ レンズの味
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M母の用足しのため遠路バンクーバーへ。俺は単なる運転手でやることゼロなのでせめて写真を楽しもうと、久々に SIGMA 19mm をつける。今日は屋内撮影だろう。

 モールで長時間待たされなにもいいことはない陰鬱な日だったのだが、帰ってカメラの写真を見て慰められた。久々に使った SIGMA はやはりいい絵だ。柔らかで細部までくっきり写っている。i-Finish とのマッチングも絶妙である。ここ数週間は標準ズーム MZ14-42 の可能性を切り開くために単焦点 SIGMA は封印していたのだが、使ってしまうとやはり絵は二段違うと思う。

 帰る道すがらバシバシ撮った、ジョイスステーションの陸橋下などバンクーバーのなんてことない街景がいちいちいい。最近はズームを使っていたので、背面モニター上では 19mm は短いなあと感じていたのだが、PC の大きな画面で見ると車の窓から見ていた景色が 3/4 くらいのスケール感で十分な迫力で撮れている。19mm(換算 38mm) というのは絶妙だな。




もう1つの交換レンズ MZ40-150mm は俺の E-PM1 の効きの弱い手振れ補正が 100mm 以上のブレを止められないのでまったく仕事をしていないのだが、たまに持ち歩くとこんな写真が撮れる。坂の上の信号待ちでビルの見え方が面白いなとなにげなく撮った写真に、全然気づかなかったが鳥とマツダがきれいに写っていた。こうして撮るときには気づいてないようなものが撮れるところが望遠の魔力だな。

 一眼はやっぱりレンズ交換やレンズごとのクセ把握が面倒で、高性能なコンデジにしてしまいたいと思うこともあるのだが、しかし一眼にはどのレンズをつけてもそのたびにいいなあと思うレンズの味がある。SIGMA をつけるとなんと描写が細かいのかと感動し、40-150mm をつけると撮れる画面の迫力におおと興奮し、標準レンズをつけると小さなズームでなんでもよく撮れる便利さにありがたい滋味を感じる。これが味わえるのは一眼だけだからなあ。

 ほんと 14-75mm(換算 28-150mm) くらいの広角~中望遠ズームが出てほしい。コンデジは普及品でも換算 125mm くらいはあるので、巨大ズームに付け替えないとコンデジより遠くが撮れないことだけがマイクロフォーサーズの弱点だと思う。



 帰ると萌の「進撃の巨人セット」が揃っていた。カッコいい :-)! 手の噛み跡はグッズが届く前から毎日描いているエレンの歯形。デカくない(笑)?

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■14/08/30(土) □ 日系祭り
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朝の日本語 TV でバーナビー日系祭りの告知があり、駆けつけ日本の屋台食を食べ、和太鼓と神輿とボサノバシンガーと津軽蛇味線のパフォーマンスを見てきた。神輿のお姐さん(なんていうんだっけ、上に乗る花形)がかっこよし。ちゃんととび職っぽいシャツも着てるし(笑)。

 すごい盛況で混雑しており、食べ物ストールはドコモ長蛇の列、20分待ちくらい。外で梅ホットドッグなるものを食べている時に屋内ステージでボサノバシンガーが歌い始める。低い声でビートルズやクラプトンをいい感じに歌ってるのをスピーカで聞いて後から駆けつけたのだが、見た目はまったくの日本人なので軽く驚いた。声からしてもっと白人っぽいハーフの人かと思った。名前と喋り方(英語)は明らかに日系二世以降だった。カナダで育ち低い声で歌い続ければ、日本人の骨格でもこんな低くシルキーな声になるんだなあ。

 このステージでの催し物がどれもよくて、夕方に組まれていた「日系タレントショー」も超見たかったのだが(――のど自慢的催し物で、おそらく子供が Jpop を歌うのだろう――)、シニア席のパイプ椅子5列くらいしか座る場所がないのでそうそうゆっくりともしていられない。それに前に来た時に見た盆栽の展示品などもなく、食べ物関連は超充実していたのだが見るべきもの時間つぶしになるものがない。下の写真は唯一の展示、戦時中の日系人収容所のキャンプ模型。

 結局タレントショーまであと2時間つぶす方法がなく、計2時間半ほど楽しんで帰宅しました。楽しかったけど、もっと見て回るものがほしかったな。そこが惜しい。

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 日系のお祭りだからフルサイズの一眼を持ってるおじさんたちがたくさんいたが、飯盒みたいないかついボディに天体望遠鏡みたいな望遠レンズをつけて撮ってるのを見ると、人ごとながらめんどくさいことをやってるのうと思う。俺は小さな PEN に標準レンズで気軽に写真が撮れて幸せだと思った。

 しかし標準ズームの 42mm で撮った神輿写真は、背景のビルがもっとボケてたらよかったなあと思う。MZ40-150mm をつけてたらもっとボカせたなー。模型写真だって SIGMA F2.8 をつけていたらもっときれいに撮ることができた。MZ14-42 はいいレンズだが暗いと解像力が大きく落ちるのである。やはりMZ14-42は万能だが、写真を撮りにでかけるならどっちか1本の交換レンズは必ず持って行くようにしよう。