2014/01/31

日記「Yucata 新ゲーム学習」

「Yucata 新ゲーム学習」「高校説明会」「『ヴァイキング』は厳しい」

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■14/01/14(火) □ Yucata 新ゲーム学習
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ルールは超簡単だが
なかなか勝てない「マオリ」

「ヴァイキング」
オンラインボードゲームサイト「Yucata」で「マオリ」を覚えた。ほしいタイルを軽い駆け引きで手に入れ、自分の島々を完成させていくのが楽しい。実戦をやってみると、いいタイルを取るためには船が重要だし、船自体が点にもなるのだとわかる。なるほどー。これは新定番とできそう。

 続いてこれも似たゲームの「ヴァイキング」。島タイルを競って取り並べていく。戦闘員コマで島を守らないと海賊にやられるというシステムが楽しいのだが、最終的に全タイルを買わねばならないので、「いいタイルを取り不要タイルを相手に取らせる」という駆け引きがかなり強い。1人2役練習ではうまく島をつくれたのだが、実戦では経験者に手も足も出ずやられた。相手が妙に高いお金を使い遠くの島タイルを買うなあと思っていると、気がつけば俺が地形的に使えるタイルを全部取られていたのである。手番に必要なタイルがなにも取れないというハマり状態に陥る。

「う。俺はドツボにはまっている。使えるタイルがない」
「ソーリー」
「まあ初回なんですべては学習なんだけど、出るタイルはこんなにランダムなの?」
「そう、完全にランダム。だから時には無理して取っておかないと、ヒドイめにあうわけ」
「なるほどー。とにかくできるだけ退屈な対戦相手にならないよう、最後まで頑張りますよ」

 ――てな感じで、勝つには修業が必要そう。うまく人員を配置できれば楽しいが、経験者とやると黒の戦士コマをブロックされ得点機会を大きく逸する。これだけ妨害が効きやすいとややエレガントではなく、自分の島々をデザインする楽しみが削がれるなーと感じる。



 しかし Yucata で「ヴァイキング」「マオリ」といったゆるめのゲームをやってる人は、いい人が多い。こっちが初心者でヘボ手ばかり打ちゲームとしては張り合いないだろうに、コツや注意点を話しながら楽しく親切に遊んでくれる。

 もともと Yucata は非リアルタイム型で手が空いた時だけ少しずつ打てばよいというサイトなので、リアルタイムの BSW や BGA とは比べ物にならんくらい雰囲気がやさしい。BSW や BGA でカルカソンヌなんかやってると、30 秒待たせたら「遅い。早く打ってくれプリーズ」と言われ嫌な感じなのだ。待ち時間なく一気にゲームが進むのはいいし、あちらにしかないゲームも多いのだが、ああして時間を拘束されるサイトではもうやる気がしないな。

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■14/01/16(木) □ 高校説明会
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 萌の行きたいとなり町の高校の説明会に行くと、日本とは違いすぎてびっくりした。楽しげなスクールライフの様子はまあ映画その他から想像の範囲内だが、勉強方面が違う。生徒が迷うくらいカリキュラムの選択がどーんと与えられているし、先生は俺のコースを取ってくれ後悔はさせないよとプレゼンしている。すごいな。

 公立の一般校に受験はないので賢い子もそうでない子も該当学区の高校へ行くわけだが、賢い子は大学に、そうでない子はちゃんと社会に出られるようにすると教師がえらい自信を持っているのがわかる。うちの高校の卒業生は地域の担い手なんだ、卒業生がクラブのコーチなどですごく密接にインボルブしてくれるんだ等々。教師が自信あり気なわりにはどうということはないという経験を小学中学としてるので(カナダの教師は全般的に自己評価高すぎ・笑)、話を全部そのまま飲み込むわけじゃないけども。

 面白かったのはフランス語科の教師で、初めて見る本物のフランス人教師だったのだが、フランス文化へのプライドが言葉の端々から噴き出してきて笑えた。「PI(となり町の進学校)とうちとで迷ってるなら言っておくが、うちのフランス語科のほうが絶対にいい。間違いない。この学校でリーダー的役割を負っている生徒はたいていフランス語科のキッズなんだよ。英語の点が一番いいのもフランス語科の子だ。頭の使い方が違うんだね」だそうな。はは。

 日本の高校でも超進学校だったり、商業・工業高校などならばやることが具体的で、カナダの高校のように生徒の適性を伸ばすと自信を持つ教師もいるのかもしれないが、俺が行ったのは中レベルの普通高校だったので、学業にはまったくなんの特色もなかったな。勉強以外の高校生活は楽しかったけど。



 まあとにかく萌がここに来ればてハッピーなのは間違いない。勉強が大変だという PI よりハッピーになるだろうことも当然。もう1つの地元校よりいいかどうかなんてわからんがーー結局どっちも深く知る人なんていないのでわからないことなのだ――、あっちは電話したら学校秘書がペアレンツ訪問日さえ知らないほどやる気なかったので、そんな学校よりはマシだろう。ウェブサイトからも活気が感じられなかったしな。

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■14/01/17(金) □ 「ヴァイキング」は厳しい
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 Yucata ヴァイキングで、前に「洛陽の門にて」で何度も対戦した赤毛のかわい子ちゃんゲーマー(アイコン写真が非常にかわいいが本当は中身おっさんかもしれない)と久々に当たる。「おいおい僕の戦士をとらないでくれよ」「僕の? LoL」とデレデレしながらプレイしてたのだが、やがて俺が必要なタイルをすべて奪い取る彼女のえげつない攻撃がはじまり、俺は全然点が取れず焦って悪手を打ちまくり、やがて黙りこくってしまった。つ、つよい……。53-97 の惨敗。

 このゲームは面白いが、悪手、つまり黒の取りこぼしがゲーム全体を支配しすぎる。黒を取れなかったら他の色をいくら工夫して配しても得点にならないのだ。多人数戦ならまた違うだろうが、2人戦だと相手にいくつ黒が必要なのかは常に明白で、したがってそれを先取りする技に長けた上級者が圧倒的に優位なゲームとなる。初戦もこのゲームもそうだった。俺にいくつ黒が必要でそこにいくら払えるかが相手には丸わかりなので、一歩先に全部取られてしまうのである。

 美人に無様に負けた負け惜しみだが、こういう競りが主軸のゲームはあまり1対1でやるものではないな。このゲームの場合「いまなら8金で黒を取っても最終的にはペイする」という見通し先が遠いため、経験なしによい重みづけ力を得るのは難しい。遊びがそうした計算で成り立つゲームでは、初心者は砂を噛む修行が続く。ビギナーでも仕組みを理解さえすれば、あとはひらめきや賭けで楽しく戦えるゲームが俺は好きなのだ。「カルカソンヌ」や「洛陽の門にて」がそう。

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 このあと4人戦に入ってみたのだが、なんと経験者相手に僅差の2位となった。1~2ラウンドとも黒を取れないいつもの惨敗パターンだったのだが、他3人が船を取ってくれたので減点ゼロで初回精算なんと首位。3~4Rも残り物を順当に取っていたら船が来ず首位キープ。

 最終精算の食料不足の減点で2位となったが、結局俺のところに海賊は全体で1隻しか来ず、まったくのまぐれでこの好成績となってしまったわけである。2P戦だと徹底的に得点機会を阻止されるが、多人数だとこういうこともあるわけだ。つまりこういうタイル競りゲームの争点は主に阻止のし合いにあり、3人以上になると阻止するための計算量が幾何数的に増えて誰も計算しなくなるので、こういう雑なゲームになってしまうこともあるのだろう。

 同じ早いもの勝ちの競りを主軸にしていても、メカニクスは名作「ストーンエイジ」等のワーカープレイスメントのほうがやはり新しい分、はるかによくできている。たとえ一番ほしいものを取られても、次善の策、三善の策が考えられる。ヴァイキングは黒が取れなければ万事休すとなる。

 「ストーンエイジ」もまあ取得ジレンマと得点機会阻止のゲームではあるので、2人戦だと計算力に優れた上位者が勝つ確率は非常に高い。しかしいいアイデアを思いつき賭けに出てサイコロが決まれば、中級者の俺でもトップランカーに一矢報いることは十分に可能なのだ。そうした戦術の幅が、黒戦士を失った「ヴァイキング」プレイヤーでは見えてこない。

2014/01/26

日記「「ボーナンザは理想のカードゲーム」」

「ユニバーサルタイム無用」「日英「ラブレター」比較」「ボーナンザを検討」「正月庭園」「地元ラジオ発見」「不死身のカシオ」「フォークソングズ」「日本のメロディアス」「やっとボーナンザ」

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■13/12/21(土) □ ユニバーサルタイム無用
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日がなマウイの写真を整理する。写真は楽しい。行った先で撮ることが楽しいし、帰ってきてもおみやげ写真で延々遊べる。TG-630 のオート WB バランスがときどき悪かったのは残念だったが、主力機 PEN E-PM1 の写真はいいクオリティである。

 標準レンズ MZ も遠景での木の葉や人物の分解は SIGMA より弱いが、萌の撮ったレストランの壁飾りだとか近い距離のものは素晴らしい質感で撮れている。白黒だと木の葉も解像するので、MZ で緑を撮るときにはいつもの Vivid より色薄めの Natural にすれば、色飽和が抑えられてもっときりっとするかもしれない。i-Finish の弱が Vivid と Natural の中間っぽくなりいい感じなので、しばらく試してみよう。

 しかし写真に埋め込まれた撮影時間がおかしくなっていて困った。カメラの設定でハワイのタイムゾーンを選んでおいたのだが、帰ってきてその写真を PC で開くと日付が実際の撮影時間と2時間早く表示される。つまり jpeg 内の撮影時間としてユニバーサルタイムが記録されており、それがバンクーバー時間で表示されるので2時間の誤差が出るのだ。このせいで整理中に写真を現地時間順に正しく並べられなくなってしまい、直すのにえらい手間取った。

 Outlook や Google のカレンダーもそうだが、近年コンピュータで主流のこのユニバーサルタイムって、国際ビジネス用途以外には面倒なだけだと思う。入力した飛行機スケジュールは行った先でずれている(あらかじめ現地時間を指定して入力しておかなくてはならない)。写真やファイルはタイムスタンプのズレが起きる。家の PC にあるローカルファイルですら、夏時間と冬時間ではタイムスタンプが1時間ズレて表示される。そんなことに意味はないだろう。

 旅先でカレンダーに行動予定や記録を入力するのは楽しいことだし、なかなかリアルタイムでは書けない日記を後から書き起こすときにも役立つのだが、当然 PC/携帯にセットした現地時間帯で記録されるので帰国するとその時刻はずれて表示され、日本での出来事なら日付まで違って表示されてしまう。これを後から1件1件毒消し(タイムゾーン情報の削除)していかなければ実際の時間で表示されないわけである。

 誰だって出来事はその場の時間で認識しているに決まってるではないか。紙の予定帖にユニバーサルタイムやらグリニッジ標準時やらで事物を書き込む奴はいないのだ。こうして紙のノートとは違ったことにかかずらわされ、直感的には使えないものがコンピュータの世界では昔よりむしろ増えている。Google+ なんか典型的で、Google でちょっとボタンを押し間違えると知らぬ間に加入させられるが、開いても意味がわからない。ナニコレ? としか言いようがない。

 昔 Web ページを素人壁新聞的にレイアウトしていたとき、理系の学生に「サカタさんは Web ページを紙のように使っている。コンピュータを使うのに向いていませんね」と言われたことがあるのだが、近年のコンピュータ界の独善的方向はそういう人々がもたらしてるんだろうと思う。かつては人間の直感に寄せるのがコンピュータの進化だったが、今は人間が直感を捻じ曲げコンピュータ側に寄せることが求められている

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■13/12/25(水) □ 日英「ラブレター」比較
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 今年もカナダのクリスマスはトゥーマッチ、ベイビーに注がれるおもちゃの洪水に人ごとながらやれやれと思う。その光景を見て萌はもう自分は子供ではないのだ、プレゼントが来ないのだと実感したらしく、しゅんとしていた。叔母さんたちに服はたくさん買ってもらったけどね。


この文字量がぞろぞろ出てくるわけですよ
ゲーマーの姪 SF が出してきたのは【DCコミックス・デッキビルディングゲーム】。ドミニオンを遅くつまらなくするには、カードの効果を複雑化すればよい。ドミ派生ゲームはそんなんばっかだと思うのだが、これは2時間近くかかった。疲れた。

 「手札の中に『装備』がある場合、すべてのプレイヤーの『装備』カードと混ぜてシャッフルし、各1枚ずつ引き捨て札に入れる」みたいな攻撃カードが何十種類もある。これを早口で読まれてもまず意味がわからない。ゲーム慣れした MK が「つまり言い換えると……」とわかる英語に訳してくれてやっと分かる感じ。

 攻撃大好きアメゲーらしくこういう効果が満載されており、その都度おいおい勘弁してくれよとボヤくことができ場はそこそこマイルドに盛り上がるけど、それってゲーム性とは関係ないと思うんだよな。こういう効果って人生ゲームの「振り出しに戻る」的な外れクジじゃん。この手にどれだけのメリット/デメリットがあるかと考えることがドイツゲーム的なゲーム性であって、アメゲーに満載されたこういう操作は場を盛り上げるための罰ゲームに過ぎないと思う。出てくるカードによる振れが大きすぎて、どうやってデッキを加速させようかというゲーム的な思考を放棄させる。

 しかしそのテキスト効果による振れ幅の大きさがアメゲー好きにはウケるようで、姪は攻撃カードの連鎖が決まりまわりへの攻撃がドカンドカンと決まるとえらい喜んでいた。

 そんなわけで俺と萌はまったく盛り上がらず、失礼にならない程度の熱意をキープしたまま、カードを読まずただ買えるものだけ淡々と買っていた。こうしてテキスト満載アメリカンゲーム(ワレスも同類)ばかりがMKのゲーム会に出てくるので、萌は「ボードゲームとは長時間拘束されよくわからないことを延々とやるもの」とネガティブに感じていると思う。カルカソンヌやグレンモアの頃はボードゲームを楽しんでいてくれたのだが。

 うちは Netflix で妻子が映画漬けとなり家ではボドゲを一切やらなくなってしまい、俺はもう長いこと買ってないのだが、ここらでなんとかしないともう限界だわ。テキスト満載アメゲーはもう全部パスしたい。メカニクス明快なドイツの名作を自分で持ち込みたい。



 いろいろボードゲームは用意されており遊びたかったのだが、2時間ものゲームをやるともう他にゲームをやる気が皆から失せる。あとはSFの持ってた「ラブレター」日本語版を3勝ルールでやれただけ。日本語版は英語版より絵が圧倒的にいいが、英語版に慣れていると職業の割り当てがちょっと不自然でプレイしにくい気がした。

【日】        【英】        【効果】
1兵士        Guard         他者の職業を当て追い出す
2道化        Priest         他者のカードを見る
3騎士        Baron         他者と手札を比べ勝負する
4僧侶        Maid        次のターンまで攻撃を受けない
5魔術師    Prince         他者の手札を捨てさせる
6将軍        King         他者と手札を交換する
7大臣        Countess     手札と合わせ12を超えたら→(大臣)脱落(Countess)この札を捨てる
8 姫         Princess    捨てたら脱落


 ああ、不自然というか兵士と姫以外は職名が全部まるきり違うんだ。だから慣れてるはずなのに妙にプレイしにくく感じたのだ。こうして見るとカードの効果から考えれば、どれも日本版のほうが自然である。僧侶は人の手を盗み見るより争い事はやめなさいというほうが自然だし、勝負に出るなら男爵よりも騎士だろう。幻惑して敵の手札を捨てさせるのはプリンスより魔術師の仕事っぽい。英語版の役職名と効果はどれ一つとして整合性がない。絵も役職名もなんでこう不自然な形にリメイクされたのか謎だな。

 大臣/Countess(伯爵夫人) だけは Countess の効果のほうが引っ掛けに使えていいと思うが、大臣を引いた瞬間脱落というのもなかなか笑える展開だったので、これは日本語版が姫2名とプリンスかを選んで使えるように、大臣か Countess を選べるのがしとくのがベストだろう。

 「ラブレター」が日本製カードゲームとして初めて世界的ヒットとなり、英語版は一般のトイショップにもカタン等と並び売られるほど普及してきているのだが、こんなに元と違う形で、日本らしさ皆無で海外ゲーマーに定着してしまうのは残念なことだ。眼鏡プリンセスを海外デビューさせて欲しかった。

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■13/12/28(土) □ ボーナンザを検討
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 朝突然ひどい喉の痛みで目が覚め、昨夜までまったく前兆もなかったのに風邪を引いていた。なぜ? 超キツイ。晩飯まではつくれたが、そこで倒れた。

餅を探していて明日日系センターに行くことになり、ついでにニューウエストのゲーム屋に寄りなにか買おうとショップの在庫カタログを眺めていて「ボーナンザ」を見つけた。豆を作って売るゲームで、すごく面白いと読んだことがある。ルールを読んでみると、必要な豆を交渉してやりくりし、畑で増やし価格を上げて売るというゲーム。畑を拡張もできる。つまりこれは同作者「洛陽の門にて」の原型だ。「洛陽」は面白いがめんどくさくてオンラインでやらなくなってしまったので、その簡易版ならばバッチリではないか。

 頭のなかでゲーム展開をイメージしてもこれは面白い。「ここで畑をリセットしたくない、誰か助けてくれ」というゲームになるんだろう。「洛陽」では自分に足りない作物を手に入れるためにヘルパーカードを駆使して複雑な操作を行う。そこが面白くもめんどくさいところなのだが、そこを「交渉」というただ1つの手段で実装してあるわけである。いや作られた順序は逆なので、交渉なしに作物生産&取引の面白さを出そうと思えば、「洛陽」ほどに複雑で時間のかかるシステムになってしまうということなんだろう。「洛陽」は面白いが重いから人気ないもんな。俺ももうずいぶんやってない。よし買おう。こういうテキストがなく軽いドイツゲームを揃えていこう。

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■14/01/01(水) □ 正月庭園
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年末風邪でダウンし「ボーナンザ」は買いにいけなかったが、MKが正月訪問に来たので「空中庭園」をやる。このゲームはとにかくルールが3つくらいしかないので3分で説明が済み、ゲーム内で起きていることを誰もがすぐに把握でき、「あそこにこう置けば6になる!」的なひらめきと計画と読みを存分に楽しめるところが素晴らしい(詳細はこちら「驚きの発明空中庭園 」)。

 MKはむくっと立ち上がり自分の庭園をさまざまな角度からためつすがめつし、「ぼくがこれを取れば君がこれを取るだろうが、それでもこれが残るから6が作れる、ヨシ!」と計画を楽しみ熱中し、見事初戦勝利。最近MKとゲームをやる機会は多いが、彼がこんなにのめり込むのはパンデミック以来じゃないかと思う。

 「君も今年は長文テキストを使いハプニングや派生の多彩さを誇るアメゲーは買わず、こういうルールの見通しがよく思考やプランニングを楽しめるドイツゲームを買ってくれたまえ。俺も買うから」というメッセージを込めた元旦プレイであった(つもり)。

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■14/01/02(木) □ 地元ラジオ発見
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 マウイで移動中聞いてた地元ラジオがバンクーバーよりもはるかにいい音楽をかけてたので、バ局ももうちょっとどうにかならんかとスキャンしてみたら、他と違う音楽をかけている局が見つかった。80年代のヒューマンリーグとかあの辺の英国臭がする、いまどき売れなそうな曲をかけている。

 やがて「CKPM 98.7FM、……Sound of トライシティ」というジングルが入り、うちの町のローカルラジオだと判明。すごい。局はとなり町にあり、近辺3市に向け放送しているミニ FM 局らしい。インディだ。だからあんな売れなそうなヘンな曲をかけられるんだ。そして道理で音が悪いわけだ。

 当たり外れはあるが――もしかするとバンクーバーのローカルバンドの曲をかけてるのかもしれない――、カナダの他の局はロックもポップもマジでもう百万回聞いたよという曲しかかけないので、違うのは実にありがたい。貴重である。最高だよガンガン知らない曲をかけておくれよ DJ と投書しておいた。

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■14/01/03(金) □ 不死身のカシオ
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腕時計のバンドが切れてハワイに持って行けず往生したのだが、掃除してたら日本でむかーし買った温度計&世界時計付きのカシオが見つかり、これがまだ動いていて驚いた。電池は一度交換した気がするが、20分も狂ってたので相当長い間使わずにいたんだろう。えらいカシオである。

 で日記を検索したら買った日がわかってしまった。1994/01/03、なんと20年前の今日ではないか。Mとの初めての海外旅行から帰り、世界時計が欲しくて吉祥寺で探したのであった。なつかしいなあ、あの三多摩の冬。日向はポカポカしてるんだよね。

 そしてこの時計を腕にはめ、その春にカナダに来たのだ。以来バンドは2度ほど交換したがメカ部は当然何のケアもしてないわけで、20年間当たり前のように動き続けるカシオ製品はすごいなあと思う。

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■14/01/6(月) □ 「ボーナンザ」は理想のカードゲーム
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 ようやく「ボーナンザ」が手に入る。ルールを覚えるために1人2役や1人3役をやってみると、畑2枚でも3人がうまく交渉するとちゃんと回る。「そこまで育った畑をリセットじゃかわいそうだからオレの畑を捨ててその豆をもらってやろうありがたく思え(ト言いつつそれで有利になる)」という感じの密かな喜びが随所にある。手札から不要カードを櫛の歯のように抜いて手番プレイヤー(このゲームでは「敵」という感じがしない)に渡し、自ターンで残ったカードをドンドーンと2連で置けたりすると超気持ちいい。1st デッキが尽きる前に全員畑を購入、2巡めのデッキは驚くほど薄い。

 終了、16-15-13。最後はどこの畑も豊作となってゴキゲンな状態であった。4, 22, 24 と拡張カードが最初から加わり 150 枚と膨大な枚数となる英版ルールは明らかにおかしい(評判も悪い)ので原作ドイツ版の 104 枚ルールでやったのだが、3人でバランスもプレイ時間もばっちりな感じ。これはほんとうに面白い。「出た豆は植えなければならない。植えられないものは人にもらってもらわなければならない」という2つの must ルールだけでメカニクスができている。カルカソンヌ級の画期的シンプルメカニクスだと思う。これだからドイツゲームはすばらしい。

 ほんと【理想のカードゲーム】がやっと見つかった。

①パーティゲームのようにすぐ導入でき、うまくなる楽しさもある
②テキストがなく、誰もが常に交渉に参加できるので待ち時間がほぼゼロ
③ルールに例外が1つもない超シンプルなメカニクスながら深い
④トランプ2組分のコンパクトさ

 家族ボードゲーム導入における最大の障壁であるめんどくささがまったくなく、それでいてコロレットのような単調さがなく飽きにくいはず。このゲームの弱点は、

①シャッフルが大変
②手札が見にくい(要カードホルダー)

 これしか思いつかない。①はセットコレクションゲームなのでゲーム終了時にはカードが揃っており、枚数も多いので相当念入りにシャッフルしないと次のゲームに支障をきたすという問題。電池式のカードシャッフラーを使っても、うちのは安物で左右均一に混ざらないので手でやるより結果が悪い。

 ②は手札がガンガン増える上に並べ替えられないので、見やすく並べることが物理的に難しいという問題。カードホルダーがないとこれはプレイできないだろう。うちには紙製のホルダーがあるが10枚も並べるとカードがオーバーラップし、するとこのゲームはカードの端には判別困難な小さなアイコンしか描いてないので、種別が判読できなくなってしまう。さかさまだとなおさらわからない。これが最大の欠点だろう。トランプのように重ねても数値だけは見えるデザインにしてほしかった。大ヒット作で改版もされてるのになんでそうなってないのかな。

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■14/01/07(火) □ フォークソングズ
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 NHK で坂崎幸之助と所ジョージが下北で遊ぶ番組があり、この人たちってほんとフォーク好きだよなと思う。Youtube であらためて見てみると坂崎は音程は正確だがプロ歌手としてはかなり厳しい声量のなさで、これだからアルフィーのサイドボーカルに甘んじてるのかと再認識した。もし歌えたらあんな趣味と合わなそうなハードロックバンドなどやらず、自分でフォークバンドをやりたいことだろう。



 これに触発されて Youtube フォークソングめぐりをし、「上海帰り(南正人)」を見つけた。高校の時田舎の町のライブハウスに巡業来たセミプロバンドがこの曲をやり、なんていい歌だと市内のアマチュアがこぞってコピーし流行ったのであった。RC SUCCESSIONを初めて聞いた下北沢音楽祭のラジオでも、ボブズフィッシュマーケットというバンドが歌っていた。

―――♪幸せを運んでくるというー 青い小鳥を追い続けー 今宵はいずこ、上海帰り―――

 B'z とかがカバーしたら、「ウルトラソウル」級のカラオケ盛り上がり定番になるのは間違いない。坂崎幸之助はこうした完全に埋もれた 70 年代フォーク/ロックの名曲たちを掘り起こしていただきたい。

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■14/01/11(土) □ 日本のメロディアス
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 久々に萌の日本語勉強会、Aiko「ボーイフレンド」のギターと歌詞を学ぶ。ハワイで萌はこの歌をずっと歌っていたのだ。

Am7      B7
早く逢って言いたい
Em7      Dm7
あなたとの色んな 事
CM7  B♭M7
刻みつけたいくらい
Am7  D7
忘れたくないんだと

……B♭メジャー7……俺も知らん。調べてああこうかと進んで行く。難しいがカッコいいね。

 Aiko のコードをネットで探していくと、コードマニアがやはり彼女の曲を考察している。《「カブトムシ」と「ボーイフレンド」はすごく凝ったコード進行だが、「ほほうこれは珍しい逸品」というコードマニア的な感心を感動が上回る。天才作曲家が人生で2~3回作れるかどうかっていう名曲》と評している人がいた。後段はどうかと思うが、前段はその通り。

 しかし Jpop は超メロディアスなのが全体としての特徴だが、Aiko 級になると英米カ人はメロディ多すぎトゥーマッチと感じるかもしれない。俺も「くちびる」とか聞いてると、いつまでメロディが続くんだ、呼吸が苦しい、早くキメの「あなたのいない世界にはあたしもいない」に行ってラクにしてくれという感覚がある。

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途中萌が教科書を開いて見せてくれたのだが、カナダ中学の世界史副読本の日本の項目にこういう平安貴族の絵巻みたいなのが掲載され、萌ら意識の高い女子たちがこれを見て「これはアジア人蔑視よ! わざと細くてつり目に描いてるのよ!」といきり立っていたという。いやいやいやいや(笑)。

「これが当時はノーブルな美男美女だったらしいのよ」
「へー」
「ここでエンペラーの写真を見てみなされ。ほら、似てるでしょ」
「あーやさしそう」
「プリンスも」
「あー(笑)」
「相撲が好きなその娘さんも」
「あー(笑)」
「つまりいまもこれが日本のノーブルなお顔立ちなのだ」

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■14/01/12(日) □ やっとボーナンザ
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ようやく夜「ボーナンザ」を家族でプレイ。冒頭説明「畑が2つとも使用中で新たな豆を植えられない場合、畑を破棄して新たな豆を植えねばならない」というあたりで、ボドゲ導入の天敵である『ナニコレどこが面白いの感』が忍び寄ってきたのだが(※)トレードが始まると「いらないものと欲しいものを交換する」というのは超直感的なのでバリバリ回り始めた。

※手札をオープンにして数ターン回し、「こういう場合これを植えたくないから、他の人のターンの間に交換で出してしまえばいいのだ」とマネージメントの基本を説明すればいいのだとあとで読んだ。なるほど。


 Mがこのトレード交換がめっちゃ気に入って、自分の番になるとものすごく積極的にトレードをする。「これはいらないわね。2枚あげるからなんでもいいからちょうだい」とバンバンと交換してくれる。カードには明確な価値の上下があるのだが、交換により手札を整え畑を切り回すというオーガナイズ自体が遊びとして楽しいのである。同じ豆を交換すればお互い植えることができるという裏技が可能なこともすぐ気付き(これはルールで許されている)、見事に畑を充実させていく。4枚目の畑まで買おうとして買えないと悔しがる。

 デッキ(オリジナル独ルールの 104 枚)3巡はあっという間に回転し、時間とゲーム性のバランスが非常にいい。最後集計してみると意外や俺の勝ち。豆貨幣価値がまだわかってないのでみな希少な豆でも1対1でどんどん交換し、たまたま俺に6豆がどどっと来て4金取れたのが勝因であった。

 Mは「これはキュートね、皆でヘルプするというのがいいわね」と非常に高評価。でしょー。でも慣れてきたら「いやその豆でこの豆は高すぎる。2枚はもらわないと」てなふうにシビアになるわけよ。これ以前のMのお気に入りゲーム「空中庭園」をプレイした時よりも導入時の反応はよい。Mとのゲームはとにかく彼女のほしいタイルを取るとかの一般的ゲーム競合行為をすると怒るのが問題なのだが(笑)、このゲームならば「空中庭園」よりもさらにケンカになりにくそうだしな。

 萌は終始「まったくやる気ありません友達とテキストするか寝たいんですけど無理強いされて超不快」という顔でやってたのだが、俺とMが「まあいいからこれをもらっておけ」と豆を交換であげたので、最後はけっこう立派な畑ができ点もたくさん取れていた。

 おかげで「やる気はまったくなかったけどたしかにこれはキュートである」と言い捨て部屋にこもっていった。つまりプレイ感はよかった様子。これほどゲームをやる気がないプレイヤーをもゲーム内で自然にアシストできてしまう秀逸なシステムよ。

2014/01/09

日記【マウイ旅行③】雨にけむるジャングルドライブ

「ホテル前でお手軽スノーケル」「照っても降っても楽園の島」

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■13/12/17(火) □ ホテル前でお手軽スノーケル
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【5日め】本日はホテル前の浜で二度目のスノーケリング。一見延々と続く砂浜なのだが、ところどころ海床がいい感じに岩になっている場所があり、そういうところにはスノーケラーが浮いている。マスクをつけ覗き込むとちゃんと魚がたくさんいる。うわー。岩場ほどのバラエティや面白みには欠けるが、ホテルから出てホイで魚ざくざくというお手軽さがありがたい。昨日はカメも一瞬見かけたのだが、さすがにそう簡単には見られないか。

ひとしきり魚を楽しんだあとはそのままプールに移動し、Mも交えてまた水中バカ写真撮影大会で盛り上がった。




 晩飯はMのリクエストでラハイナの炎吹き上げる日本鉄板焼き屋へ。輪切りのオニオンを積んだ中にリキュールを注いで火を着け、ハレアカラ火山だとやっていた(笑)。鉄板焼きはどこもこのファイヤーショーをやるのかと聞かれ、いやこうして火を使うのはアメリカで日本移民が始めたことじゃないかなと話す。

 昔父さんが兄貴と俺を肉屋学問として東京の高級鉄板焼きに連れて行き、神戸牛をこうして食わせてくれたことがあるが、日本の地場ビーフはどこもすでにうまさメーターを振り切ってるので、信州牛と神戸牛の違いなどわからなかったよ。どっちもただひたすらうまいだけ。―――鉄板で焼くとほんとなんでもうまいが、肉は普通の米ビーフであった。まあ当たり前か。


旅のお供にウクレレがほしかった


 夜のラハイナの町を撮っていて、SIGMA 19mm はいいと思った。カメラが遠くの明るいものにフォーカスしがちだが、それに気をつければ 1/20s-ISO1600 くらいで夜の町を自由に撮れる。。夜に遠くを撮りたい場面なんてないのでズームも必要ない。気持ちのいい夜の散歩撮影。




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■13/12/18(水) □ 照っても降っても楽園の島
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こういう岩とサンゴと魚の上をそーっと
泳いでいける。
【6日め】最後のスノーケルは1時間ドライブし、島で一番カメに会える可能性が高いという南端ワイメア近くのウルアビーチへ。15年前に泊まったホテルがワイメアだと思うが、どこだかまったく思い出せない。

 ウルアはコーラルがきれいに波を消してくれるサンゴ礁だった。はるばる来た甲斐あり魚影がこれまでで最も濃い。波が静かなので、サンゴに触らないように気をつけながらそーっとその上を泳いでいくことができる。これは気持ちがいい。

 望んでいたカメは俺とMが姿を見かけただけに終わり、写真は撮れず。海ヘビがいて写真を撮れた。ヘビだと思ったが後で図鑑を見るとウツボだったらしい。スノーケルをやるなら、より岩場の多いハワイ島のほうが向いているのだろう。島の自然はマウイのほうが美しいと俺は思うが。ハワイ島は地質がすごくドライな感じがする。




 昼飯後、別のサンゴ浅瀬に移動しMが潜る。こうして車で移動してのダイビングは、水から上がるたびに砂を落とし体を乾かさないと車に乗れないので、行きはいいが帰りが面倒くさい。車を汚すとレンタカー屋にチャージされるのである。いったん乾いた身体をもう一度濡らすのは気が重いので、俺と萌は水に入らず絵に描いたような南国の浜辺で待つ。

 するとスコールがやってきた。俺は車に逃げ込むが、萌はスコールの下で濡れながらずっとサンゴを拾っていた。雨に濡れながら軽やかに飛び跳ねサンゴを拾う少女。これも南の島らしい美しい光景。照っても降っても楽園の島よ。




 ホテルに戻るとウクレレで歌うおいちゃんが。あのおいちゃんも日系なのかもしれない。明日は帰宅。もう旅は終わりなのかとセンチメンタルな気持ちになり、最後の夕日と夕闇のビーチを撮り続けた。

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■13/12/19(木) □ 雨にけむるジャングルドライブ
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【最終日】夜までに空港に着けばいいという1日なので、あちらこちらと寄りながら移動する。昔ハナドライブの途中で見つけた美しい滝壺にもう一度行きたいとネットで目星をつけ Google マップして車を走らせたのだが、滝は1つも見つからなかった。昔もそうだったがこの道はとにかく道標がなく、ガイドブックを持ってないとどこで車を停めどこまで歩けば滝が見れるのかがわからんのだ。前回見つかったのはたまたまだったのである。今回はついに見つからず引き返す。

 マウイ北側は俺たちがいたドライな南岸とは気候が全然違い完全な熱帯雨林で、途中車が一斉に路肩に止まり雨をやり過ごすほどの豪雨となった。猛烈な雨にけむりどこまでも生い茂るジャングルに声が出る。萌が道中撮った写真に写る雨が美しい。極度に細く極度に曲がりくねり、センターラインを割ってくる対向車が怖い豪雨のハナドライブをそろりそろり走って行くのは、恐ろしくもスペクタキュラーな体験だった。往復2時間、神経とブレーキを踏む右足がクタクタに疲れMに運転を代わってもらう。





そして最後に Iona ニードルマウンテンへ。15年前に来た時よりもいいカメラを持っているので張り切って撮ったが、あとで見ると使った標準ズーム MZ の解像が今ひとつだった。MZ は遠くの有機物を撮ると解像というか色分離が弱い。具体的には葉っぱのわさわさ感が足りない。緑あたりの色が滲んでるのかもしれない。色設定で彩度を若干抑えればもうちょっとよくなるかな。SIGMA もここでトライしておくべきだった。

 しかし距離的には MZ14-42mm(換算 84mm) で足りなくて悔しいような場面は結局なかったな。もう1つ上の望遠レンズ、換算 300mm は子供の運動会とか野鳥撮影専用だろう。つまりもうちょっと背景がボケ(左中はF4/20mm、ぼかしたかったがボケなかった)、もうちょっと遠くがカリッと解像して(左上22mm/F6.3、下35mm/5.2開放、絞るべきだった)もう倍ズームできたら完璧なのだ。換算 28-150mm F2.8-3.5 くらいのレンズが SIGMA あたりから廉価で出てくれたらいいわけである。お願いしますレンズメーカーさん。

【追記】いつも旅先ではレンタカーのインプレを書くのだが、今回の 2013 VW ジェッタ 2.5(ゴルフのセダン)はなにも書くことなし。低速トルクをえらい絞って燃費を稼いでるので 2.5L を積んでる意味ない加速感、どのスイッチが何なのかまったく見当がつかないドイツ車らしい UI。コーナーで攻め込めばガシッと決まる昔ながらのジェッタ味は健在だったが、近年借りたレンタカーで一番乗ってて面白くなかった。これよりは夏に借りたヒュンダイのほうが買いたくなる。VW やフォードフォーカスは日本ではハンドリングの評判がいいのに米加レンタカーで借りるとほとんど特徴なしで、攻め込んでサスを沈めた時だけいい味が出るので、米向け仕様は足回りがふわふわ快適にデチューンしてあるんじゃないかと思う。






はあ、短い旅だったと帰ったバンクーバー空港は10cm 超の大雪となっていた。げげげ。しかも早朝なのでまだ交通がなく、道の雪が融けていない。坂道と高速を避けるため空港からマリンドライブに入ったのだが、バウンダリーに近づくにつれこれは駄目かもしれんねという路面状況になってくる。ラジオは「車が電柱に激突して停電している、マリンドライブからバンクーバーには上がるな」と警告している。えらいところに帰ってきてしまった。

 路側帯に落ちてる車も多数いたのだが、しかし新タイヤファイヤストーンは驚異的な雪性能で、見事完走してくれた。助かった。お疲れさま、ただいま。

2014/01/05

2013 紅白歌合戦感想

 序盤は毎年無条件早送り。48 とジャニーズ系はいったい日本にいくつあるんだとうんざり早送りしていて、48 というのはつまり昔からあるジャニーズの男子用なのかと気がついた。昔からジャニーズに人生つぎ込む女子はいたわけで、男子もそうしたいでしょとできたのが 48 なのか。E-girls というのも 48 人くらいいたから当然 48 人と思われ、4組で 192 人もいる。弁当足りるのか。

 【10曲後】ようやく今回のメインである「あまちゃん」勢登場。スナックアリスに全員いる。これ生芝居なのかな、すごいな。ユイは北三陸にいるのか。アキは会場で最初から一貫して滑っているが、そういうキャラとして司会の嵐がしっかりと受け止めている感じ。

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 【サカナクション】普通に考えて曲調も見た目も紅白に出るようなバンドじゃないと思うのだが、こういう頑なな精神性というものがオネエ毒舌家と同じくらい日本のお茶の間に受け入れられてると感じる。緊張なのか声が揺れていたが、ラップトップから早変わりで楽器に持ち替えるなど冷たい熱さでいい演奏だった。

【進撃の巨人】の歌。アニメ歌というのはシンコペがやたら入っており、iTunes で売れてるという自主制作系シンガーもたいていこういう歌になっている。音や歌詞的には素人っぽいと俺は思うが、その素人っぽさが届くリスナーはチャートを動かすくらいたくさんいるわけなのだろう。

 そのアニメ歌の頂点が【水樹奈々/TM組】で、このくらいうまくて見た目がいいとよろしい。「革命のデュアリズム」なんて意味分からんが中2っぽくてよろしい。

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【花は咲く】ここまで目立っていなかった綾瀬はるかが泣き歌う。この歌は名曲だと思う。【EXILE】は今の米加ポップスの特徴である単純なメロディの繰り返しという特徴を強固に持っている。

【ももクロ】お地蔵さんになっている(笑)。「煩悩を浄化する」とかいう歌詞やこういうコスチュームが、まわりの大人たちが方針を決めてる感が強すぎてちょっと引いてしまう。本人たちがそういうちょっと変わったあたしたちを求めてるのだとしてもナンだしな。2曲めの普通の歌の普通の笑顔のほうがやはり魅力的だろう。

【ゴールデンボンバー】Aikoが好きな娘が見に来て、ゴールデンでなんなのこの人たちと大ウケ。知らんが面白い(笑)。【aiko】「Love letter」じゃなくて違う曲のほうがよかったな。紅白というのはファンじゃない人のほうが多いわけで、空気を掴み損ねると不発花火な感じ。【和田アキ子】「あーこの男に似てる女の人知ってる」とムスメ。

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【あまちゃんSP】暦の上ではディセンバー! ドラマを見てなかった娘も俺見てるのを小耳に挟んでこの歌を覚えていて、うわーといって飛んできた。ユイ! 紅白に来るの? 来た、歌ってる! よかったよかった。鈴鹿さんは出てこないの? 出た春子! 出た鈴鹿さん! GMTも! みんないるじゃん。よかったよかった。

【ドリカム】震災の年から出ていなかったと思うので、「何度でも」を歌ってほしかったな。この「さぁ鐘を鳴らせ」は人々へのシンパシーがストレートすぎて歌として成功していない気がする。涙で歌詞が、譜面が書けない。【Perfume】なんか充実してハッピーそうでこれまでで一番よかったと思う :-)。

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【美輪明宏】去年のヨイトマケには恐れ入ったが(もう1年経ってるのか!)、よほどいい歌じゃないとこの大波どんぶらこビブラートは俺は心地よくは思えないかもしれないと思った。今日の曲では去年のほうがよかったと思うのみ。「銀巴里」を聞きたかったな。

【泉谷しげる 】せっかくなんだからあんな言葉で煽るんじゃなく、「野生のバラッド」で観衆をノックアウトしてほしかったな。あー何てお前に伝えよう。騒ぎの好きな俺について。あー何てお前に伝えよう。静かに暮らすいらつきを。泉谷ってコワモテの偏屈なやつなだけじゃないのだと、世間に知らしめてほしかった。今日紅白に出た歌手の中で、実は泉谷が最も美しいメロディを作る人だろう。「騒ぎの好きな俺について」の2拍3連メロディのしなやかさとかすごいのだ。それを日本中に響かせる機会を、泉谷はドブに捨ててしまった。

 しかし泉谷が客席にイラツク気持ちはわかる。紅白の客席ってどうしてああ反応がなく精気がないのか。どの曲の後も静かすぎて嫌な気持ちにさせられる。あそこで演奏していたら吸い込まれそうな気持ちになるのかもしれない。

【松田聖子・クリス・ハート】これ外国人のど自慢の人じゃん。こんな歌がうまいだけのただの外国人が国で最高の舞台で大物歌手と歌えちゃうところが、米歌い上げ系崇拝ニッポンの情けないところである。日式に歌うダイアナガーネットさんなら 48 系のどれかと交換してくれてもまったく問題ないけど。



 というわけで、音楽的には近年で最も聞き所がなく、「あまちゃん」完結編があそこでライブでなされてよかったスゴイすばらしに尽きる。



おまけ【Mステスーパーライブ】

オープニングを見て、全員紅白と同じではないかとガッカリした。違うのは斉藤和義、VAMPS、GLAYくらい。結局人気バンドは出てきてないのね。【Aiko】花火はいつも通りだったが2曲め「ラブレター」は紅白同様弱い感じ。【カッツン?】リーガルハイの助手がいたw

【ポルノグラフィティ】「アゲハチョウ」このギターの人はうまいといつも思うけど、ガットギターまでうまいとは恐れ入った。録音かな。しかしこのバンドはなんでどの歌もフォルクローレ調なの?【Perfume】ミュージアムは初めてダンスを見た。キュート。しかし彼女たちの生歌声を聞きたい願望が俺は近年強すぎて、見ていてももう Perfume を素直に楽しめない。

【ゴールデンボンバー】この後ろで踊ってる人たちって画期的だよなあ。ただいて盛り上げてるだけだが、いたほうが明らかにいいという。どこでもホストクラブにしてしまう人たち。こんな音楽グループって日本にしかないのでは。

【Exile】卒業というかリーダーが引退みたいなこと言ってるので、AKBみたいにメンバーが流動的なグループなのかな。しかし「卒業」という一身上のことをここで発表せず紅白でしたAKBは、やっぱおかしいよな。

Exile って音を消して歌詞テロップと動きを眺めていると、ジャニーズとまったく同じだな。衣装や髪型が違うだけ。ジャニーズ事務所に入れなくても同じことがやれるシステムを目指したわけではなかろうが、結果的にそうなっている。同様に E-girls というのは顔がケバくて 48 に入れない子たち用の 48 になるのだろう。なんで日本人はこういう汎用システムで量産される娯楽を好むんだろうか。

【関ジャニ】「はらちゃん」の田中さんがいる! まさかアイドルだったとは(笑)。【VAMPS】Hyde っていい歌を作りたいとか人に聞かせたいとかそういうありがちなモーティベーションがなく、「カッコよく圧倒的な音とオレ」しか興味なさそうな感じがする。その通りいつ見てもカッコよくて圧倒的だなあと思うが、それしか感じない。しかし GLAY、ラルク以降国民的人気バンドが出てないのかな。

2014/01/04

日記【マウイ旅行②】水中カメラとラハイナ散歩

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■13/12/15(日) □ スノーケルと天国モール
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ブラックロックと呼ばれる岬

親譲りのマーメイド

おーいちょっと待っておくんなさいよーい

1/160s、浅いのでけっこう明るい。

【3日め】ついにM念願のスノーケリングへ。ホテルの砂浜から15分ほど歩いた岬の内側の岩場が、近場スノーケルのメッカとなっていた。片側は岬で切られているがそれでも相当に外波が来てるのだが、大人も子供もヘーキでスノーケルをやっている。大丈夫なのかな。俺がスノーケルで怖いのは波で沖へ運ばれてしまうことなのだが、浮かんでいるスノーケラーは皆波が来てもその場に漂っている。そんなに流されるようなものではないのかな。

 自分で入ってみても思ったより人は波には運ばれず、波は体の下を通り過ぎるのだと実感する。多少は流されるが浜に向かってであり、修正は簡単であった。それでもいざというとき足がつかないというのはけっこう緊張するので(マスクに浸水した場合など、立ってマスクを直したい)、俺はM萌よりもはるかに慎重におそるおそるいく。昔自分の能力以上に遠泳して死ぬかと思ったことがあり、俺は海が怖いのである。そんな俺でも数m進むだけで魚や岩場のイソギンチャクが見れて満足。

 【防水カメラ TG-630】は海中でもちゃんと使えたが、とにかくこれを持って泳ぐというのが難しい。ハンドストラップだとぶらぶら邪魔になり岩にぶつけそうだし、手に持つと水かきができない。水没専用のウェストポーチを用意してそこに収納し、泳ぐ→出して撮る→収納して泳ぐというのが最善な運用法だろう。なにごともやってみないとわからないものである。

 それでもM萌はいい写真をたくさん撮ってきた。動いている魚に近づきスチール写真でフォーカスするのはなかなか簡単ではないが、ビデオだと素晴らしい絵がイージーに撮れる。M は波が来るごとに岩の上部にわっと群がり普段食えない部分のコケかなにかを突っつく魚群の素晴らしい動画を撮ってくれた。こんなのが自分で撮れるんだからすごいことである。昨日のハレアカラではオート WB の悪さを露呈してしまった TG なのだが(火口写真が青かった)、水中の色はいい。えらいコンデジである。



 午後は近所のショッピング施設、ホウェーラーズビレッジへ。ここは屋外モールであった。売ってるものはどうということはないが(こういうところでルイヴィトンとか買うメリットってあるの?)、モールが屋外なんだから笑っちゃうよね。まったく天国気候だよ。フォトジェニックな場所だったので、俺は買い物はせず写真だけ楽しんだ。1人でじっくり町を撮るならレンズはやはり SIGMA 19mm がいい。



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■13/12/16(月) □ 水中カメラとラハイナ散歩
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 Mは出発前の疲れが出たのか体調すぐれず、仕方がないので萌だけ連れ昨日買ったビーチボールを持ってビーチへ。行ってみるとやっぱり気持ちいいので泳ぎたくなり、泳ぎまくった。というか水中カメラ TG-630 で遊びまくった。水上で撮り水面下で撮り、海中で撮りプールで撮り、高速ドライブでコマ落としの水中ビデオを作り。水中カメラとはこんなにも遊べるものだとは思いもしなかった。お母さんのアイデア大ヒットである。

1時間乾かし水を切ったあとでラップトップとシンクするためにハッチ(防水フタ)を開けたのだが、ハッチとボディの隙間(防水パッキンの外側)に砂数粒と水が残っていた。内部にはこぼれ落ちていないが、これほど気をつけても水は残るんだなと肝が冷える。水気が機内にいったん入ると、防水カメラは故障まではしなくてもレンズが結露するなど障害が起こるのだそうで、全ハッチを開けバッテリーも外して風を通しておく。濡れた後ハッチを開けるときは開口部を下向きにして作業するよう心がけよう。



水から上がりランチ。バカンスだなあ。コーヒーはせっかくだからコナ入りを買ったのだが、買ってから俺はコナのナッティな味が別にそんなに好きではなかったのだと思いだした。うー。萌が気に入って飲んでくれてるが。この島はスターバックス以外はどこでコーヒーを飲んでもナッティな味がする。さすが。

 うちは旅行の宿はいつもキッチンがついたところを借りて自炊してるのだが、ここは料理器具の質がひどく包丁類はすべてダラーショップのもので、野菜を切っていると包丁がたわむ。これはとんでもなく危ない。たわんだ刃がどっちに飛んでくるか予測がつかない。キャンプナイフを持ってくるんだった。

 この島は本当にパラダイスで、「唯一の欠点はアメリカであることだ」と着いてからずっと俺たちはぼやいている。1島くらいカナダ領になっていてもなんの問題もなかったはずだし、医療がフリーになってピープルはさぞ喜んでいただろう。実際ハワイの TV は老人ケア医療の CM 満載である。郊外の住宅コンドーはリタイヤした from 本土の老人ばかりなんだろう。

 こういうホテルは白人資産家が所有してるのだろうが、現場で働いてるのはみなポリネシア系とフィリピン人である。食器をダラーショップで揃えるほど経費を削ってるわけで、彼らの給料も知れている。道路の隅々まで草花が植えられた美しい島だが、炎天下それを刈り込んでいるのもポリネシア/アジア系の兄ちゃんたちである。この島は本当のパラダイスだが、米加日本人がざーっと雨のように注ぐ金で人工的に支えられたハリボテ感もある。本当にパラダイスならば包丁くらい安全なものを用意しておいてもらいたい。





午後もMは体調的にダメでホテルに残り、萌と俺は近くの観光地ラハイナへ行く。町外れにあった日本のお寺浄土院は驚きの立派さであった。椰子の木と三重の塔の不思議な光景。大正時代の日本移民の墓が並ぶ墓地は、無縁墓が多いのか荒れていた(※)。パラダイス墓地なので荒れていてもそんなに寂寥とはしてないが。

(※)あとで発見したが、片岡義男が「ラハイナまで来た理由」といういいエッセイを書いていた。それが「青空文庫」でフリーになっていて俺は以前携帯にダウンロードしておいたのに、気付かなかったよ大バカ。彼の父の墓はあの寺にあるのだろう。





↑これだけTG-630、WBは「曇り」。
「晴れ」か「夕景」がよかったのかな。

そしてラハイナはうすうす気づいていたが、やはり昔俺とMが歩いたあのリゾート買い物タウンだった。バニヤンツリーというハワイ最大の樹木を見る。公園いっぱいに広がりあちこちで根を下ろした樹木が全部、つながった1本の木なんだそうだ。

 すごい素晴らしいと写真を撮りまくっていると。なんかバカなアメリカ人カップルが映画みたいに激高してバカな痴話喧嘩を始めてしまった。―――「もうたくさんだ! 最初からお互いに束縛しないって約束だったじゃないか!」「だってだって!」「俺がどんなウーマンと話をしようと勝手だろう!」―――みたいな(笑)。付近にいる人々はみな目が点。アメリカ人馬鹿すぎ。



 ラハイナの町を超かわいいと萌と写真を撮りながら喜んで歩く。そして日本の食堂でかつカレーを食べて帰る。Mはホテルでただのんびりと読書をしていたらしい。かわいそうがるといいのよそれがしたかったのよとのことで、まあいいか。俺と萌は写真散歩を楽しめたしな。

 体調もあるが、Mは旅先のホテルでのんびりと無駄な時間を過ごすことを好む。家では常に仕事や家のことが頭にあり、旅先でしか真のリラックスは得られんのだとのこと。しかし県内の温泉宿くらいならその話もわかるけれど、飛行機に乗ってきてそれじゃ出費&労力とバランスが悪すぎると俺は思うのだが、M一家はみんなこうなんである。M母なんかどこへ連れて行っても海も山も見ず宿で本を読むだけなのだが、それでも旅は好きだという。前回ハワイに連れて来たときもそうで、M母は海に入らず火山も見に行かず「外は暑い」といって宿で本を読んでるので、うちが旅費を出したわけではないがあまりの意味不明さに頭がクラクラした(苦笑)。日本人とは「せっかく」の感覚が違うとしか考えようがない。



 TG-630 のホワイトバランスが弱い。明るい時はいいんだが、木陰などでは PEN と並べてしまうと萌の撮影意欲をそぐんじゃないかと思うようなくすんだ色が出たりする。夕方は常時「夕景」にしとけばよかったのかなあ。あれで夕日を撮るとこってりといい色が出るのだ。

 PEN E-PM1 と TG-630 で同じアングルで撮った寺の写真があり、比べると明るい場所では TG もきっちり解像しているが、その描画が堅い。PEN+SIGMA は全体にふわっとしながら、どこまで拡大しても解像しているところが素晴らしい。