2015/07/02

【女子W杯】イングランド戦:勝利に値するとかしないとか

【女子W杯】イギリス戦、これほど苦しい試合になるとは予想外だった。俺はスイスを破ってギアが入ったカナダが準決勝に進み、今日のイングランドのようなラン&プッシュの試合で日本を苦しめるだろうと思っていた。そのカナダの致命的ミスで労せずして勝ったイングランドはカナダより弱いと思っていた。これほど強いとは予想外だった。

 なでしこの後方選手には余裕でボールを持たせ、中盤(阪口と宇津木)に入ってくるときちっと閉めて奪うという英のプレス作戦は見事にハマっていた。押されている時間も負ける気はせずいずれは勝つだろうと思ってたのだが(――日本のクレバー極まる DF は危ないシュートを打たせず、チームには脚力と澤ら交代カードが残っていて、さらに最後は岩渕に渡せば点が入るのは時間の問題だったので――)、フィジカル優位なチームにプレスされると抜け出せず攻撃機会がなくなるのはスイスカメルーン戦と同じで、ここは勝てるだろうが決勝はどうすんだよ、USA だぞとそればかり考えていた。

じっさいスイス戦も、会場で見ていたカメ戦もオランダ戦も俺は、「この程度のプレスを交わせなくてどうする、決勝は USA だぞ」とずっと7月5日のことを考えていたんだよな。4年の蓄積でプレスされてもショートパスでスイスイ交わして進むという夢を描いていたんだけど、それができるのは対オーストラリアレベルまでだったようです。

サッカー識者によれば、阪口と宇津木自身の動きもおそらくはトーナメントの疲れで落ちているが、ここまで二人のバランスがあまりにいいので変えられないらしい。澤を出せと外野は思うんだけどね。結局日本は耐えて耐えて選手たちの才能一閃に懸けるしかないみたい。4年前と同じだ。まあ仕方ないね。楽なW杯王者への道などないのである。しかしここまでで最強の英に中盤を封殺される苦戦をして、学んだものも決勝で生きるかもしれない



 試合後娘が某英語 SNS で、「日本は運だけで勝った」と言うヘイター(なぜかみんなアメリカ人)と論戦していた。運て LOL(笑)と言ってあげろ。英は日本対策も戦術も完璧で、日本の長所を消し見事な戦いだったがあと一歩及ばなかった。日本は得意を封殺されデキは悪かったが、それでも最後は脚ガタガタの英が止められぬ川澄のすばらしいクロスが出たんだよ。あれは DF が触らなかったら大儀見が入れてたので DF は責められない。今大会の川澄ちゃんは突破にチャレンジできそうなタイミングでも行かないので、身体のキレ的には絶好調ではないと思う。しかしウォームアップのシュート練習時から溜めのある独特の蹴り方で、見ていて快感を感じるくらいキックの質はすばらしい。

 英語話者は deserved to win(勝利に値した)か否かとやたら問いがちなんだけど、それは印象だからね。ゴールでしか勝敗が決まらないスポーツで君は、印象点でどうこう言うのー? 肝心なのはゴールなんだから、語りたいなら deserved to score か否かと問えばいい。そう言えば deserve という印象言葉で勝負の是非を語るズレに気づくだろう。印象言葉でチームの健闘を称えるのはいいが、けなすのは馬鹿げている。英は完璧に力を出しきり戦術を遂行し、なでしこはあれだけ不利な試合でも1点多く入れた。Of course both teams deserved to win.カナダ解説は「イングランドほど悲劇的な敗退が似合う国はない」と形容していたよ。

 娘の論点でグッドポイントだったのは、イングランドだってカナダに大きな幸運で勝ったのに、なぜ日本だけを攻めるのだというやつ。Well said。ホスト国カナダの敗退のほうがイングランドより悲劇的だったんだぜ。わかってるのかい世界よ。



 なでしこをディスられ憤懣やるかたない娘とカナダデイの花火を見に行く。負けてあちらは当然悔しかっただろうが、日本のプレイがよくなくて私らも悔しかったよね。決勝はプレスを華麗に交わしもっといいサッカーをやれますように。神様おねがいします。◆

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