2016/10/22

レンズ明るい XZ-2

『今週は嵐が連続でやってくるのでくれぐれも注意を』」と市から通達が届き、ろうそく・充電池・ランプにラジオと万全の支度をしておいたのだが、ありがたいことに進路がそれてくれ、雨と風が少々きつい程度で済んだ。バンクーバーアイランドの方はかなりのハードヒットだったらしいが。



いやはや助かったと外を眺めていると横に猫が。「いやー私も心配しました。大山鳴動ネズミ一匹というやつですな」。うるさいよ(笑)。


(左)PEN+SIGMA 30mm (右)XZ-2
この写真はとっさに撮ったのでフォーカスが猫に来なかった失敗写真だが、実は愛用マイクロフォーサーズ・オリンパス PEN E-PM1 ではなく新しいカメラで撮っている。オリンパスの高級コンパクトカメラ、XZ-2 という。

実は夏に PEN の標準ズーム MZ14-42mm が壊れてしまい困っていたのだ。19mm と 30mm の単焦点2本はあるが、やっぱり近くから遠くまで撮れる標準ズームの不在は痛い。

カナダでは中古のレンズなど手に入らず、レンズ付きの本体を中古でもう1台買うより他に MZ を手に入れる方法はない。同じカメラを2台買うのは馬鹿げているので型の新しい E-PM2 に移行すべきかとも考えたが、これが品薄で高い。まいったなあ…と探しているときに、XZ-2 が中古で売りに出たのだ。マイクロ本体をもう1台買ってもゲイン(得られるもの)はないが、このコンパクトを買うとこれまで撮れなかったものが撮れる。これだ! となったわけです。





 このカメラはレンズがすごい。28mm~112mm で F1.8~F2.5F1.8 といえば M4/3 標準ズームの 3.78 倍の明るさである(だと思う)。M4/3 では暗くて撮れない場所で写真が撮れる。夜目にも美しい寝室の棚の RZ250。そしてこの猫のヒゲを見れば、解像力は M4/3 の標準ズームを上回っているのがわかる。描写の線の細さは俺が持つ単焦点の SIGMA 19mm F2.8 のレベルにある。すごい。




図書館のウクレレセッションでは 1/80s でらくらくと、向かいで歌うリーダーの表情まできっちり解像している。レンズが明るいのでコンパクトでも背景のボケが得られる。室内ではもう PEN に完勝なわけ。

こういう明るいズームレンズを安価に作れないのが一眼の謎なところで、オリ 12-40mm F2.8 は定価千ドルを超えるし、F1.8 なんてレベルの明るさのズームは存在しない。他のフォーマットは知らないが当然もっと高いだろう。センサーが大きければ大きいほど、よいレンズが安価には作れないらしいのだ。



 車での移動中、信号待ちで窓越しに景色を撮ることが多いのだが、このレンズの解像力と PEN 標準ズーム(換算 84mm)よりもう1段長い 112mm の望遠力ははっとする感じをよく捉えてくれる。拡大すると遠景の建物の窓や鳥たちがちゃんと写っている。



コンパクトカメラはまたどういう理由かマクロも強く、望遠端で近距離の草花を撮るとこんな絵が出ちゃう。うわ。このレンズがついてこの画質が手に入るので、M4/3 を使う理由がかなり薄まってしまった。手持ちの M4/3 SIGMA の 30mm F2.8 は同社 19mm よりもさらに良い素晴らしいレンズなので、気合を入れて撮り比べれば PEN+SIGMA 30mm が勝つが、画角自在のズームでこのクオリティの写真が撮れてしまうと、やっぱり便利さで圧勝なわけ。




というわけで、M4/3標準ズームが壊れて困った分を補ってあまりある、新カメラなのであります。

弱点は動画を撮るとオートフォーカス音がカタカタうるさくて実用にならないこと。マニュアルフォーカスにして撮るしかない。まあ動画はおまけ機能か。◆

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