2016/12/30

【Xbox 360】LA ノワール日記(1)交通課編

(ネタバレは特にないです)
12月22日
@tomosakata



三多摩旧友おすすめのXboxゲーム、第二弾は犯罪捜査の【LAノワール】絵がすごい! 市街がほんとにある! 好き勝手に走れる! 俺フェルプス巡査は一刻を争う捜査中の車を舗道に止め、ウィンドウに見入っちゃいました。これですか。これがゲーム市場を物量パワーで席巻したオープンワールドですか。



人物の表情が素晴らしいと評判のゲームで、たしかに「千年女優」今敏のアニメみたいなリアル感がある。しかしオープンワールドRPGの野山を見てもどうせ自動生成でしょと驚かなかったが、市街はすごいな。精巧なミニチュア模型のLAが手に入ったみたいな高揚感がある。これはどう考えても人の手が作ってるとしか思えない。すごい。



警官なので次々に事件に遭遇する。そのたびに操作法も知らぬまま戦うことになり、表示されるボタンを必死で押す。銀行強盗との撃ち合いなどえらい切迫感で、ひー弾当たらんでくれーと必死です。合間合間の回想シーンの意味がわからんが、とりあえずばっちり面白い。

12月23日



初の尋問仕事があったのだが、殺人を目撃し動揺して泣きながら話す靴屋の女の子の表情がリアルでかわいくて見とれてしまった。すごいなあ。しかし彼女の証言が必要なのだが、表情を読んでの尋問は思ったより難しい。嘘をついても動揺しても、視線が定まらないのは同じだろ(笑)。

何度も質問の選択に失敗し彼女の協力が得られず、ネットでガイドを見て「正解」を知る。これがけっこう恣意的で、観察推理すればわかるロジカルな選択順ともいえない。しかしその正解順で尋問を進めるとよりたくさん話してくれて、彼女の演技がかわいくて楽しい。

その次の犯人尋問も全然当たらず(笑)。答えを見て進めるとすごくドラマチックな話になった。なるほどー。外れても捜査が詰むというわけでもなく、捜査は続き犯人はやがて捕まるらしい。しかし当てたほうが当然楽しいし演技が楽しめる。推理はまず自力で頑張って、外れたら答え合わせをして楽しもう。

Xboxを買い英語ゲームをやり始めた時から思ってるのだがこのゲームでは特に、キャラが喋るのを見ているのが楽しい。やっぱり英語圏の人たちの演技は大きく派手で、それをゲームキャラでアニメートするとめっちゃ見栄えがするのだ。まあ驚くからちょっと見てみてください、14分くらいから↓。



12月24日

今日はあれこれあって気分がダウナーな日で、そんな夜は【LAノワール】で犯罪捜査だとかしたくならないな。犯行現場とか検分したくないし、取り乱した関係者と話す気もしない。洋ゲーは一般にダークなので、気分が沈んだときにやるものではない。



ぼんやり走っていて丘を登る道を見つけ、登って行ったら古いLAの町を一望できる所があった。車を停めてゆっくりと町を眺める。バンクーバーのイーストサイドに似ている。坂のある町を車で流していると、レースゲームForzaよりこっちのほうがずっと気分がいいと思う。



LA ノワールは面白いが、1つ事件を解決したらしばらく休暇をとりたくなる。しかし捜査は大変だが、広大な町を自由に走るのはほんと気持ちいい。話を早く先に進めたいという気持ちもないので、どこの捜査現場へ行くにも回り道をしている。土地勘がないので自分がどこを走ってるのかはまるでわからず、一度通った道は地図上で色を変えておいてくれたら未踏の道を選んで走れるのだがなあと思う。

 また高台を見つけ車を止めて散歩していると、民家の庭に洗濯物があった。なんとまあ。これをつくった人たちはプログラマーというより、ある種のジオラマ制作マニアなんだろう。俺もやりたい。

ゲーム会社の技術者をやってる友人に俺が【LAノワール】の街景にいかに驚いているかを話し、どうやってあんなものを作るのかと訊ねると、やっぱりあれは手作業なんだそうだ。何百人もが何年もかけて作ってるのだと。やっぱりデジタルのジオラマ制作班なんだな。

12月26日

6章ひき逃げ事件。派手なカーチェイスの末犯人を見事捕まえたのだが、その後から俺刑事が現場付近の重大証拠を見落としていたことが判明する。Youtube で正解進行を見たら、それを見つけるかどうかで話が変わっていた。いやすまんかった俺が捕まえた犯人(笑)。しかしこの演出はすごいな。よくできたプロットだと唸った。しかしこの正解進行を見れないのは残念なので、ハズレが出たらやり直したくなる。やり直しはけっこう前からになってしまい面倒なのが難点である。

このゲームのアクションはアクション・シューティング好きから見れば相当にぬるいらしいのだが、オートでいい感じに照準を合わせてくれるシューティングは俺にはちょうどいいし、カーチェイスはレースシミュレーターマニアの俺から見ても非常によくできている。グリップやハンドリングがリアルということではなく、敵車の取るコース取りが絶妙で、コーナーで突然ガバッと曲がる敵に巻かれないようにライン取りとスピードを準備しつつ追うことが非常に楽しい。

また普段の走行でもそうなのだが、サイレンを使うとだいたいの一般車は道と交差点を開けてくれる。とはいえ相手も人間なので完璧ではなく、交差点に入ってくる車をよけたり隙間がない車間に突っ込んでいくことも多々発生する。この辺のダイナミズムがすばらしいわけ。タイヤがグリップせずコースも読みにくい Forza より思い切り走れ楽しいのだ。願わくば LA の地形がもっと多彩だったらなあとは思うけども。 もっと坂がほしい。



寄り道の足を伸ばしたら狛犬の置かれたチャイナタウンがあった。おお。散歩するとウィンドウの商品が美しい。この店は日本の骨董屋なんじゃないかな。

12月27日



【LAノワール】今日はロング道草をしたくて相棒を路上に置き去り延々西上すると、飛行場があった。もしや飛行機もあるのかとフェンスを破り入って行くと…格納庫にあった!



…いやーすごいなとセルフィー撮って表に出ると、パトカーを捕まえ俺を追尾してきてた相棒が待ってた。あ、ゴメン怒った?(笑)。

相棒「お前な。こんな公的資源と人材を無駄遣いして、悪いと思わないのか?」。思う! ゴメン! パトカーのお二人もむっとしてますよね、夜中にソーリー! ――しかし楽しいなあ道草。どこまでも行こう、道は険しくとも。

しかし金網に囲まれた立川基地みたいな場所に無理して入るプレイヤーなどいるかわからないのに、そこにちゃんと格納庫と飛行機が用意されているんだからすごい。感動してます。置いてけぼりにした相棒が追いついてきたのにも感動(笑)。



(「墜ちた偶像」事件の舞台本物写真を見つけた。こんなセットが当時LAの町にあったわけである。すごい)

第7の事件、俺の交通課最後の仕事「墜ちた偶像」事件。映画産業末端のクズどもめ、ブタ箱にぶち込んでやると俺フェルプス刑事は証拠を集め推理して、犯人を巨大なオープンセットへと追い詰めていく。とんでもない巨大セットでトゥームレイダーみたいな大活劇! 楽しめました。 

この頃主人公が徐々に弱きを助け強きをくじく人間味を見せ始め、だんだん彼のことが好ましくなってきた。バットマンACをやったときにも感じたのだが、こうした大型ゲームのシナリオ台詞の見事さは米映画産業に裏付けられた感があり、惚れ惚れさせられる。相棒がギャング相手にまくし立てた前らはゴミだ的なアジりは、清水の次郎長森の石松の一節のごとき言葉炸裂で快感だった。

相棒が7話でギャングに言った言葉。「いいか。お前らがまだ鉄格子の中にいないのは、取るに足らんハエだからだ。お前らにかまうヒマなど警察にはないんだ。わかったかアスホール」。しびれるなあ相棒ビコウスキー。今朝キミを置き去りにしてドライブ行って悪かった :-)



L.A. ノワール日記(2)殺人課編「気の毒なエブリン・サマーズ」
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