2004/11/16

日記「4歳のエモーション」

「ピーターパンのコスチューム」「萌のライティング」「2ヶ国語キッズの翻訳センス」

=======================
■04/10/01(金) 08:58:29 □ 萌の英語問題
=======================

帰ってくると近所のビッグガールズ5人がうちの前でカンケリで遊んでおり(日本とほとんど同じゲームなのだが、ちょっと違う)萌もジョインしたのだが、ルールが分からず「萌! 違うわよ!」とKTに例によって怒鳴られる。しょぼんと遊びから抜けると、元々ルールのあるゲームは好きじゃないので加わらずスネていたSMがその萌を自分の家へ連れて行く。

その際にSMがなにかロクでもない捨てゼリフを言ったらしくKTたちが「SMのイジワル~!」と唱和するという展開で、夏前と全く同じなのであった。進歩ないぜ。あの二人以外はどこのボーイズ&ガールズも萌に対してちゃんと「小さい子をケアするモード」になってるわけで、年の離れたワガママ末っ子のKTと、一人っ子で「ボスはダディだけ(他人のいうことは聞くな)」という他人迷惑な家庭方針を持つSMだけが問題なのだと思う。そのSMとしばらく一緒にいたので心配していたが、今日は問題なかった様子。

----------------------
成功だったという学会から戻ったMが萌に今日の一日を尋ね、萌が例によってちゃんと答えないのでがっかりし、「萌の英語が上達していない」という。グサリときた。実はプリスクールでもやはり、日本語キッズはみな日本語で話しがちになってるらしいのである。

二ヶ国語を覚えてるのだから少々遅れるのは当然だし、家族とならなんでも英語で話せるのでさほどの心配はしていなかったが、たしかに今日の午後のようにビッグキッズと遊び会話が頭上を流れて行くシチュエーションでは相変わらず取り残されている。とりあえずプリスクールで日本語キッズだけが孤立するのも困るし、英語で話すよう子供たちに奨励してくださいと他のお母さんがたにお願いすることにした。

その他の学習ソースは近所キッズとの付き合いなわけだが、うちの近所で一番身近な「カナディアンキッズカルチャー」はKTとSMなのである。言葉とカルチャーを抜きにして、性格でどっちかを遊び相手として選べといわれても、萌はきつい近所ガールズは選ばず穏やかな日本語ガールズを選ぶだろう。しかしそういうきつい性格とつきあっていくのもカルチャーのうちなんだよなあ。悩ましい。

=======================
■04/10/02(土) 10:04:46 □ パンプキンフェスティバル
=======================

車がないのでバスでバレエクラス。昨日の反省で朝からすべて英語を話しつつやってきた。家を出る頃には萌もモードを切り替え英語を話していたのだが、これはやっぱり不自然で、気持ちが通わない。英会話レッスンをやってる気分になりむなしい。やめよう。俺と萌はいずれにせよパブリックプレイスでは英語を話しているのだから、俺からの英語レッスンはそれ以上はレベルが上がらない。

PoCo ダウンタウンではちょうど秋の収穫祭をやっていたので、クラス後家に帰らずしばらく遊ぶ。今日はほんとにいい天気。帰ったら落ち葉かきをしなければ。

----------------------
落ち葉かきをしているとKTの友達JMがやってきた。どうもKTが留守で俺と萌と遊びたいらしいのだが仕事が進まんので適当にかまってやっていると、いったん帰って夕方前にまたやってきた。今度は萌にとってもいい機会だとバックヤードに連れて行って、3人で思いきり遊ぶ。昨日も思ったが、KT・SM以外の子供たちはやっぱ普通だよなあ。話をすればきちんと相手の話すことに興味を持つし、萌とだって大声で怒鳴ったりせず普通に遊んでくれる。ジャパニーズだってカナディアンだって、キッズカルチャーに違いはあってもこれが普通だぜ。近所にこういう子がいれば苦労はないんだよ....と思っていると、彼女は「ねえ萌はSMが好きなの?」といきなり俺に聞くのだった。どへー(^_^;;)。

「うーん難しい質問だな。SMはすぐ怒るから、一緒に遊ぶのが難しいよね。ナイスなときもあるんだけど」
「そうよね。あたしなんか顔を叩かれたわ」
「え、マジ?」
「ほんとよ!」
「げっげー」。

ここで大人が一方に加勢をしては火に油を注ぐので黙っていたが。いやまったくナンギしてるんだよ。

そしてJMは晩飯後暗くなってから三度うちにやってきたのであった。萌は小さいからもう遊べないよというと、「だけど今日は一緒に遊んでくれてサンキューJM」と萌が横で言い、JMはにっこりと笑ったのであった。よろしいよろしい。

----------------------
とまあ、今日は萌にとってすばらしい日だった。こりゃマミーが帰ってきたら楽しかったことを全部言わないとなと萌をその気にさせ、なにがあったっけとレビューして言い方を練習させてみる。そしてMが帰ってくると萌は着替えが終わるのも待てずに彼女を捕まえ、朝からここまでのことを、収穫祭がいかに楽しかったかをメインにばーっと全部報告したのであった。こういうことを話してくれないからさびしいと昨日Mはがっくりしていたので、お母さんうれしすぎ。当然「トモが教えたのね」とバレてしまっていたが、それでもたいそう喜んでおった。

夜Mと萌が映画を見ていると、画面で起きていることの意味を知りたくて萌は質問しまくっていた。本を読んでやっていても、調子に乗って適当に「おじいさんはソウレソウレといいました」などと読んでいると、「どこにソウレソウレって書いてあるの?」と文字を見つけ出そうとする。「いや実はそうは書いてはないんだ、ごめん (^-^;」と謝って読み直す。知的興味が非常に高まっている。面白い。

=======================
■04/10/07(木) 11:14:36 □ 14歳の盲目シンガー
=======================

夜サッカーを見ているとPさんが裏番組を教えてくれて、14歳の盲目シンガー木下航志くんというドキュメンタリーを見た。障害があっても強く生きてるといった普通のドキュメンタリーかと思ったが、たしかにすごい子であった。声の出し方1つだけで彼がすごい音を聴いているのが分かる。

最近萌が沖縄民謡「童神」という歌を気に入って歌ってるのだが、これも彼の歌い方に似ていてやっぱ汚されていない歌心というのか、めっちゃいいのである。喉への力の出しいれで絶妙なフェイドアウトを作り出していて、どうしてあんな微妙な音の変化を聞き取って自分で肉体化できるんだろうと驚いてしまう。航志くんは中学生でポップスをすでに血肉としていて、きっとこのまま優れた音に耳を澄ますミュージシャンとして育っていくのだろうが、萌はどういうシンガーになるのだろうか。現時点では俺の影響下でいい歌ばかりを聴いてナチュラルな感覚だけで歌っているわけだが、やっぱ子供同士の付き合いが濃密になれば変わってしまうんだろうなあ。近所の子が聴いてるブリトニーなんとかなどを好きになったら、悲しいものがある。

=======================
■04/10/08(金) 10:41:07 □ KDは頑張っている
=======================

午後からLちゃん家。もう子供だけで遊ぶことが多くなってきて、俺の出番はなくただお母さん方と話をしていた。

KDが帰ってき、萌と二人で「レストランのメニュー」なるものを作り始める。小学校に入ったKDは英語で相当苦労しているそうで、いまも Are you wanting to~? といった、言いたいことを和文英訳したのが明らかな間違いをしている。プリスクールからちゃんと英語環境にもあったのに、家であまりにも日本人としてのアイデンティティが完成してしまいすぎたようだとお母さんは心配していた。

がESLクラスや塾での英語の学習には前向きなようで、「icecream ってどういうスペルなの?」と聞いてはちゃんと大文字小文字を使って書いていた。えらい! 助けになってやりたくて一緒にメニューを作ったのだった。

=======================
■04/10/09(土) 15:59:35 □ 4歳のエモーション
=======================

大雨の一日。音楽を聴いたり階下のBRばあちゃんのところを訪れたりして、皆が家でのんびりとしている。萌はややエネルギーを持て余しているが、皆が家にいるときには心が穏やかなのが見て取れる。

こないだの航志くんドキュメンタリーの再放送があったので、萌に見せてみた。「この子は目が見えないんだけどさ、でもピアノと歌がすごくうまいんだよ。ほらね」。自分が知ってる歌(You got a friend)も歌っており、萌は興味を持ってじっと見ていた。そして突然、「あれ? わたし涙出てるよ。ほら。どうしてかなあ」というのである。

「ん? 航志くんの目が見えなくてかわいそうだから?」「違うよ」「歌やピアノが上手でよかったなあって感じ?」「うん」「....そうか。それはいい涙なんだよ。悲しくなくても泣くことはあるんだよね」「うん」。....うーん、そうかー。そうなのかー。4歳でもエモーショナルなところに、音は届くのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿