2015/06/27

【女子W杯】明暗分かれるクォーターファイナル



【女子W杯】カナダ-オーストラリア:試合前日の丸がうちにないから自分で描くと娘がいうので、三本脚のカラス(八咫烏)も入れなさいと言ったらこれを描きました。チョコボかよ。こんな旗じゃ負ける…。

そして最終的に写真2となった。印刷した八咫烏フラッグはカッコいいんだけど、編笠…。

試合はもー日本がやってることはすべてが正しい、ここまでやっても点が入らないか、あと何が足りないんだというところで岩渕の突破からのシュートがあり、ここで本当に流れが変わった。そのCKから岩渕が決める。ふー。足りないのは岩渕だった。間に合ってくれた。ふー! という感じ。

しかし日本のこの上昇ぶりはすごいな。トーナメントが進むにつれ勝負の狙いがどんどん野心的になってき、精度が上がってきている。前の試合で楽な相手にこの程度ではとやや不安に感じたんだけど、相手が強くなってもどんどん上がっていき、今年もファイナルまで行けそうな気がしてきた。



日本戦後日本のおばあちゃん(サッカー日本代表狂)にお疲れ様でしたと電話をし、旗を入れ替え服まで着替え、カナダ-英国戦。カナダは早い時間に2点をミスから失い、最後まで攻め続けて1点は返したものの試合終了。「カナダズワールドカップドリーム・イズ…オーバー!」

試合後カナダはピッチで円陣を組み、涙を流すチームメイトにシンクレアが何かを叫んでいた。きっと顔を上げろと叫んでいたんだろう。最後は焦りという悪癖も顔を出したが、やれることはやったカナダだった。英は日本が必ず倒す。

シンクレア「私はこのチームを誇りに思うわ。2点も取られて最後までファイトバックしたんだから。この負けはつらいけれど、カナダも私たちの戦いを誇りに思ってくれると思うわ」。もちろんだよ、思う思う。◆

2015/06/24

【女子W杯】もっと攻めてくれよいややっぱ連覇に向け順調ですなでしこすいません(オランダ戦)


【女子W杯】なでしこオランダ戦見てまいりました。始まって5分でこれはスイスカメルーンより弱い、さあ行け現なでしこの攻撃力を見せてみろと声援し1点目は期待通りの美点だったのだが、その後は延々となでしこが後ろで回すので場内静まり返っていたよ。

相手FWはでかくて重いので、前を向いてドリブルで持ち込まれた止めようがないというのはたしかにあった。しかしこぼれ球がたまたま敵FWに渡るくらいしかそんなピンチはないんだから。だからなでしこDFはセンターサークル付近まで余裕で上がれてるのに、その割に誰も仕掛けない。

俺と娘の後ろのダッチおっさん軍団が「ホーラン! ホーラン!」と野太い声で吠えまくり、俺達はその裏で「ホーラン!(ジャパン!) ホーラン!(ジャパン!)」とか弱い声で叫んでたのだが、何事も起こらない時間が長かった。俺は攻めろと延々叫んでいたが、届かないむなしい叫び(笑)。

大野はもう惚れ惚れするほど相手DFに猛プレスをかけていた。交代時には手が痛くなるほど拍手したよ。大儀見もそう。しかしMF2枚が守備専門で、FWのプレスのフォローに上がっていかないのがじれったい。2点目を阪口が見事に決めたように、MFが絡んでこそなでしこの攻撃だろう。

大野と鮫ちゃんが1-2できれいに崩したように、岩渕がボールを見事に動かして相手を翻弄したように、日本の選手はもっと持てる技術を見せ仕掛けてほしい。チーム全体が安全策を取り過ぎ攻撃が薄い(追記、追々記で訂正)。今日のオランダくらいの相手だったら得点機がもう倍作れなければ、この先はちょっと…。

帰りの電車で娘に話したのだが、カナダとやったときのオランダは強く見えたが、あれはやはりカナダがどうかしてた。スイス戦で覚醒し実力を取り戻したカナダはこのオランダより強い。ホームでのW杯という勢いもついてきたので英も撃破するだろう。日本は豪を破っても、準決勝でカナダには勝てないんじゃないかな。

娘は日本から来てた知らない子たちと一緒に、TVインタビューされてました(笑)。カナダのTVでは放映されなかったみたいだけど。



ちなみに場内はオレンジ4日本3それ以外3くらいでオレンジ軍団のほうが多かった。日本応援は女性が多くオランダ応援はおっさんが多かったな。真後ろのオレンジおっさんたちと俺たちは笑顔を交換してました。

オランダおっさんたちはチャンスになると「ヤア…ヤア…ヤアア!! グート!!」と言っていた。俺にはオランダ語が完璧にわかったよ。あとお父さんはオレンジシャツにターバンで、娘は中村俊輔の青ユニフォームを着てるインド人親子がいた。どういう経緯でそういう格好になったかまったくわからない(笑)。




【追記】昨夜帰ってから寝る前の高揚でばーっと書いたのでよくない試合みたいに書いてしまったが、なでしこ自体はグループ3戦よりずっとよくなっていた。左右からの攻撃の手数も、大野と大儀見の近距離での連携突破も格段に増えていた。日本が仕掛けていくときは速さも迫力もあり盛り上がった。

しかし日本が後ろで延々回す時間は場内はしーんとしていたし、これほど手が合い戦いやすい相手はこの先ないんだぞ、ここで攻められずどうすると俺は焦れていたわけ。後顧の憂い一切なく敵に鬼プレスをかけていく大野がとにかく素晴らしかった。「彼女を誇りに思うよね」と娘と話したよ。

「負けるならカナダに負けてほしいから、どっちも準決勝に行かないとね」と話すと、娘は日本に負けてほしくないと強く訴える。普段の生活態度は完全にカナダ人なのだが、日本人アイデンティティは俺が想像するよりずっと強いものらしい。学校でも事あるごとに日本推しをしてるそうだし。

試合前に晩飯を食べようとスタジアムの周りを巡ったのだが、どこの店に行っても「今日試合だね」と声をかけられ「ヤース絶対勝つ!」と俺と娘は大声で答えた。イエスのティーン版YAASはこういうバカ気分に合う。スターバックスの店員は日本語で話しかけ、娘の名前をひらがなで書いてくれたよ。俺は道端で日本の小旗を売るどこの国から来てるのか不明なオッサンに、「半値にしてくれ」と交渉して「ノーノーミスター」と断られました。ああお祭りだなあ、ワールドカップ。



【追々記】翌日録画を娘と見た。スタジアムでは日蘭攻めあぐむ時間を長く感じたけれど、プレイのアップやリプレイが入るビデオで眺めているとまったくダレを感じないすね。リアルタイムで素晴らしいと思ったプレイはその妙味ががより精細にわかる。あの2点目岩渕がスルーしてたとは。素晴らしいな。

「私やっぱりなでしこはカナダに勝つと思うな!」と娘。たしかにこうして見直すとなでしこは素晴らしいね。相手が弱いんだからもっと点を取らねばと思ったけど、ここから先の強いチームを相手にしてもこれだけいいプレイをしてくれれば文句などない。この先どうかなあと現場ではやや悲観的に捉えていたけど、プレイのディテイルの良さを見てすげえなやれるかもと思えてきた。そうなればなでしこは4年前よりむしろ強くなってるといえる。

カナダの男性解説者は明らかになでしこサッカーの大ファンで、「まるでスペイン男子だよ、冗談じゃなくて本当に。バンクーバーの観客はラッキーだったね。海堀がヘマをしたところまでスペイン男子みたいだ」とカシージャスの古傷に塩を塗っておりました(笑)。

2015/06/22

【女子W杯】カナダはベスト8へ



【女子W杯】やりましたカナダ。新星スイスを撃破! 
盛り上がっております!

意外だけどもカナダはこれが決勝トーナメント初勝利らしい(五輪ではもっと活躍している)。カナダは昔からホッケーのようなガッツと走力で米国を苦しめてきたのだが、本大会この試合の前半まではそれがめっちゃ空回りしてひどいサッカーをしてたわけ。しかしコーチがどのようにしてかこの試合の後半修正にようやく成功し、選手の位置的バランスが取れると適所に必要なだけ走ることでどこにボールが行ってもカナダが数的有利となる。すると無理して走らずとも守れ、難しいことをしなくても簡単なパスをつなぎ確実に攻めることができ、スイスが技術的優位を発揮できない状態に。

守ればスイスのスーパーな10番バッハマンでさえも1回も得意の形で個人勝負に入れない安定ぶりで、攻撃時にはどかーとすべての選手が攻撃に上がり波状攻撃をかけ、「これぞカナダというチームゴール」でスイスを沈めてくれました。すばらしい。これが見たかったのだよ炎のカナダ。これは日本と当たるな、準決勝で。お互い勝ち進んで。楽しみです。

しかしいいゴールだったなあ。5人くらいの選手がカナダらしく直線的に連動し、小細工のないズドンというクロスをエースのシンクレアが足裏で落として、このベランジェが左足で完璧なミートを決めたんだよ。惚れ惚れするようなシュートだった。

次も勝つ。日本も勝つ。よし。

2015/06/19

日記「美しき感傷の『風立ちぬ』」

「バンクーバー散歩」「ヒップホップダンス発表会」「日本エレクトロニクスの弱点」「突然中古 PC に移行」「二度目のヒップホップ」

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■15/04/26(日) □ バンクーバー散歩
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 久しぶりに家族行事だわよと奥様の声掛けでバンクーバーへ。ADの友人のバンクーバー名店のシェフが新たに出したというメインストリートのフレンチレストランで、出てきたシュレデッドポークのサンドイッチが実にうまかった。フレンチのソースに味噌を加えてあるような気がする。うまい。俺の飯運の悪さとカナダ人の外食要求レベルの低さが合わさって洋食でうまいものに出会うことが俺はほとんどないので、これだけで気分が盛り上がる。ケーキもコーヒーもうまい。さすがとしか言いようがない。




 そこから博物館に行くMのプランだったのだが、天気がいいから公園へ行こうと提案しキャンビーストリートからクイーンエリザベスパークへ行く。萌がMのお腹にいた頃に来てからだから 15 年ぶりだと思う。なつかしい。昔の砕石場を庭園にしたそれは美しい公園で、春の温かい中ここをのんびりと回ると幸福感がある。いい日であった。

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■15/05/03(日) □ ヒップホップダンス発表会
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 萌が半年ほど前から習っているヒップホップダンス発表会を見に行く。ヒップホップだけじゃなくタップダンスなど様々なダンスが一同に会しており、振り付けもよく考えられていて思ったよりもずっと面白かった。

 しかし見ていれば自然とわかるのだが子供のダンスなので、振り付け指導の講師の熱意と才能で演技のクオリティはおよそ決まってしまう。アメコミコスチュームを着た「ヒーロー」とかヘルメットの労働者を模した「ワーカーズ」など各組テーマに沿ってコスチュームと振り付けに凝っており楽しかったのだが、萌のグループはテーマが「スウェットパンツ」だという。このためにお揃いのスウェットを買わされたのだが、演技はスウェットパンツを履いたティーンが踊るというだけだった。スウェットパンツにいったいどういうテーマ性を持たせられるのかと…(ため息)。

まあ振り付けはどうあれ、萌自身の踊りはこれまで見たことがなかったので(家では本人が照れて見せてくれなかった)、ウホホまじでヒップホップだすごいと声が出てしまった。うまいではないか。本人もやる前は緊張していたけど演技後は達成感があった様子。よかったよかった。

 しかし練習は見学禁止で、今日も写真ビデオは撮影禁止。映像をほしければ公式 DVD や写真アルバムを買えというシステムになっている。このカナダの子供の楽しみを人質にしたビジネスモデルには本当にうんざりさせられる。こんなモンキービジネスに関わらず日本の田舎でのんびり高校生をやっていた俺は、その点だけは幸せだった。

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■15/05/12(火) □ 日本エレクトロニクスの弱点
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ばば様を病院に送り近くの駐車場で待機中。膝の上にはなぜか昨日買った奥様のタブレットがあるし、ここには Wifi もあるのでツイートしたり読み物したりして退屈をしのげる。まったくカナダはパブリック WiFi が多くてありがたい。

 タブレットの機種は台湾 ASUS の高級品 T300 Chi といい、美しく高性能である。しかしやや重くバランスが悪い。タブレット部とキーボードがマグネットでガシッと接続する形態になっておりその堅牢さが売りなのだが、しかしその特殊な機構ゆえに角度の自由度が低く、膝の上に置くと斜め上からスクリーンを見る角度になる。しかも手を載せていないとキーボードが浮いてしまいそうなくらいバランスが悪い。また合体しただけではキーボードが接続されずキーボードスイッチを別途入れる必要がある。各種スイッチも異常に小さく押しにくい。USB は全部マイクロなのでマウス等使うにはアダプタが必要となる。月に一度キーボードと本体をワイヤでつないで充電しなければならないのも欠点。全体として、見た目はいいがえらい使いにくいなコレという感想になる。

 ASUS は社のフラッグシップとしてこの Chi(漢字で「気」)に精魂つぎ込んでるようで、たしかに台湾製らしからぬ高級感がありよくできている。しかしどうしてこうも明らかな欠点だらけなのかという感じ。日本製ならばこんなあからさまな欠点は残すはずもないし、キーボードやスイッチ類の操作感は2倍よくできるだろう。

 現代日本エレクトロニクス最大の弱点は外国で売ってないことだよ。以前はたしかに台湾韓国製と価格面で勝負にならなかったが、消費者はこの程度でも見た目が良ければ $800 出してくれるのだ。この値段ならば日本だって同等以上のものを当然作れるだろう。いやきっとすでにあるだろう。それをなぜ輸出できないのだろうと思う。

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 しかし Windows 8 はひどいな。操作法をネットで検索して調べないと開いたアプリを閉じる方法さえわからない。Win7 までは普通にできたことが、高度なチューンを施し改造しないとできなくなっている(Start ボタンがないというのは本当にひどいので、まず最初に改造した)。コンピュータはどんどん不便になってゆくと誇張でも比喩でもなく実感として感じる。Apple と Google がスマホ発祥の非論理的インターフェイスを推し進めているのだが、Microsoft も追随してるのである。

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■15/05/22(金) □ 突然中古 PC に移行
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 Mのタブレットをいじったあとでは自分の PC の 1.6Ghz + 1GB RAM が死ぬほど遅いので、実用速度にするためもう 1GB くらいメモリーを買おうと中古 PC 屋のサイトを開いたら、

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$199 HP 6005 Pro AMD Phenom x2 3.0GHz Win7 Pro 64
【4GB】 DDR3 Dimm 160GB SATA HDD DVDRW Burner
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 なんてのが最初に出てきてアップグレードがバカバカしくなった。これを買い移行します。計算速度2倍メモリーサイズ4倍やで。すごい。



 16:38 システム移行中、日記を書けるところまで復活。まだ操作感に慣れず、キビキビしすぎて神経質に感じる。軽自動車レベルだったのがスポーツカーになった感じ。

前の PC のハードドライブを新 PC に移植するぞと箱を開けてみてびっくり。見たことないパーツだらけや。なんだ CPU に載ってるこの工場みたいな配管は。そして移植しようにももう IDE なんてコネクタがない。どんだけ世代の古い PC を使ってきてたのか俺は(笑)。

 まあ考えてみれば 10 年落ち? くらいの前のマシンですら DVD は SATA だった。IDE がないとなると SATA を買い足さねばとまた出かけて 15 ドルで買ってきた。これでよし。快適です。なんでもっと前にこれをやらなかったのかシリーズである。

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■15/05/23(土) □ 二度目のヒップホップ
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 二度目の萌ヒップホップダンス発表会に行ってきた。今回はクラシックバレエ組との合同コンペで、俺はバレエというものを初めて目の前で見たのだが、見習い中のスチューデントでも繊細な動きの美しさにおーと胸が動く。これの鍛え抜かれたプロを見たら、そりゃ感動するだろうね。

最後にスローなエレクトロポップにバレエの技術で軽やかに舞うグループが出てきたのだが、これがまるで Perfume だった。奥様に耳打ちするとそうねという。あのつま先までコントロールされたリリカルな動きって、バレエ的だったのか。この組が本日ベストだったな(写真はイメージです)。



 しかし前回は郊外タウンの牧歌的大会だったのだが今回は生き馬の目を抜く都会バンクーバーで、その筋では有名だという地元ダンススクールからヒップホップ組に大挙参加者があり、レベルは違うわ向こうはホームで大歓声を浴びこっちはアウェイでシーンとしてるわで、萌たちは完全に圧倒され気の毒であった。「彼らはすごいわよね。うちなんか全然ダメ」とぼやいている。いやまあでも頑張ったよ。前回よりうまくなってたし。まあ週一のレッスンじゃあれは無理だから、彼らはプロになるために毎日シリアスにやってるんじゃないかな。上手な子は3~4ものグループで踊りまくっていたからね。

 萌に言っても慰めにはならんのでそれ以上は言わなかったが、奴らはすごいけど先生がよければ萌たちだって簡単にもっとよくなるよ。ダメなのは先生であって、君らの責任ではない。

 それに彼らはたしかにめちゃくちゃうまくて見事だったのだが、ヒップホップってみんなパフォーマンス中に怒った顔してるのが俺にはどうも違和感であった。親に習わせてもらいまめに送迎してもらって楽しくやってるんだから怒った顔なんてまったくの演技であり(まあ演芸なんだから演技が悪いとは言わないが)、なんか恵まれすぎてるぜと思ったな。若者がこうして恵まれすぎてるから、シルクドゥソレイユみたいのは出てきてもいいロックバンドは出てこないんだよな、カナダって。昔から、親戚の子供らを見ながら俺はそう感じている。

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■15/05/30(土) □ 美しき感傷の「風立ちぬ」
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ジブリ【風立ちぬ】を見た。「マッサン」のテーマとして俺が受け取りツイッターでつぶやいた「君なしには不可能だった(I couldn't have done it without you)」という言葉が、そのまま英語字幕に出てきた。これもまた愛と感謝の物語だった。美しい映画だった。泣けた。

たけひ氏
印象的だったのは、過ぎし日の日本の風景の美しさで、宮崎アニメ的な誇張もあるのだが1カット1カットが夢のようだ。戦前の息苦しさも押さえつつ、それでもひとつの時代を映像の力で肯定的に再現するという試みはまさに映像作家しかできない偉業だなと思った。
りかぞう氏
なぜ私は「風立ちぬ」を見に行ったのかな。何か「行かなきゃ」っていう気持ちが働いたから、としか言いようが無い。そしてとても良かった。エンドロールの間、どう説明していいかわからないけど、ものすごい泣いた。エンドロールが終わっても涙が止まらなくて、恥ずかしくてトイレに駆け込んだ。

 2013 年にスクラップしておいたいくつかの「風立ちぬ」ツイートを今見ている。いつもツイートを見てる人たちの風立ちぬ感想をあまさず読みたくなる。だけどそんなことはツイッターの機能的に無理で、風と共に去りぬっちゃってるんだよね。



 昨日 N スペ『高度成長 何が奇跡だったのか』を見ていて、戦前からの技術がつながり興産により日本が敗戦から立ち上がっていくさまをドラマチックに感じやはりある種の感動があったのだけど、そういうベース知識がない外国人には「風立ちぬ」で伝わらないものがあるのかもしれんなあと思った。

 というのは「風立ちぬ」は夜遅くに見始めたのだが、Mと萌が寝落ちしてしまったんである(笑)。ジローが三菱に入るとか飛行機試験で日本製のダメさが露呈するといった描写があるたびに、「こ、これがあのゼロ戦に…そしてやがて自動車産業に…)という感慨に俺だけが盛り上がっていた。

 軽井沢の万平ホテルでの恋とかもやっぱり、ちゃんと読んではいなくても一般常識として大正の避暑地の恋文学を知っており、それが美しい映像になってるから俺の感動トリガーは多めに引かれちゃう。「これうちもジョンとヨーコも行った軽井沢だよ!」と画面を止めM萌に力説してしまった。

 「風立ちぬ」はそうした日本のノスタルジーと感傷とを宮崎監督が思い切り恥ずかしげもなく美しく詰め込み、愛することと風に飛んだものを見事に捕まえること以外に何も持たない少女と風に飛ぶ夢を追い続ける男の恋も熱く描いてくれ、最高によかった。「千と千尋」以降で一番よかったです。

 「風立ちぬ」には宮﨑駿アニメ自体へのノスタルジーと感傷もたっぷりと含まれていたな。人々の動きや表情、風景情景、空とイタリアへの憧れ、イタリア映画っぽい音楽、ジブリっぽい音楽。もうこれからはそんなに見れなくなるのでしょうが、あなたなしにはなにもかも不可能だった。ありがとう。

2015/06/16

【女子W杯】なでしこグループリーグ終了


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06/12(金) □  【女子W杯】カメルーン戦
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カメルーン戦を見てきた。前半はいやー川澄ちゃんと鮫ちゃん最高。カメルーンのサイドの寄せが甘いのでいいクロスがすこすこ入る。宇津 木の上手さはいま日本一。カメルーンの怒涛のアタックをきゃー止めて止めてーと大騒ぎできるのも期待通りで楽しいすわーという感じ。

 後半はカメルーンも日本のやりたいようにはプレイさせてくれんだろうと思っていると、うまいうまい宇津木が真ん中に入る。お。サメちゃんがSBに戻り、ということは宮間は左ウィングか。これがベストだろうな、宇津木はこのチームで一番ボールが落ち着くし守備力もある。

 川澄ちゃんに代わった大野も攻守ともアグレッシブで、大野がくるたびに俺と娘が「オーノ!」と絶叫してたので周りのカナダ人観客は大野の名前とプレイぶ りを覚えてくれたと思う。左は宮間がこれまたボールが収まるので両サイドのキープ力が非常に高いのだが…しかしシュートがからきし打てない。サイドに開いて折り返して大儀見が競り跳ね返されるのみ。これではいくらポゼッション率が上がっても無駄である。大儀見は初戦同様24時間狙ってるのだが、彼女が シュートに持ち込めるようなグラウンダーの生きたボールが中盤から出てこないのだ。

 阪口の組み立てに問題があるのかと思ったが、宇都木と澤になっても変化はなかった。とにかく開いてクロスを入れるだけの薄い攻撃。誰かドリブルで仕掛けて守備を崩すしかないだろう。「菅澤自分で勝負しろ!」と俺は声を張り上げていたが、やがて皆の脚が止まり失点となった。

 というわけで最後の15分ほどは「この先どうやって点を取るんだこのチームは…」と考えこんでしまった。結果シュート4本だもんね。相当フラストレーションをためてるだろうFWの近くでボールを持ち、敵を交わしFWに渡しシュートを打たせる方法を考えてほしい。頼む。



 試合後サブ組が出てきてミニゲームが始まった。試合が終わっても練習するんだから真面目だよ日本人。ボディコンタクトがないと全員メッシのごとくうまい が、しかし試合ではこの技術が使えないからなあと思っていると、その横をカメルーンチームが観衆に手を振り歓声を受け握手をして帰っていった。なんだか対照的だったな。



あとから録画を見てて思い出したが、カナダ観衆は極端なフェアプレー志向で(…だから汚いプレーのない女子サッカー人気が高い…)常に負けてる方を応援するので、カメ選手がファウルでカードを受けたり、接触で倒れてる間日本がプレイを続けると即ブーイングが起きていた。

後半も澤が入るあたりまでは劣勢とは感じないのだが、疲れとカメのプレスに押され全員の球離れが早くなり、プレスの弱いサイドへのパス、出した先でなんとかしてくれという長いパスばかりになってしまっていた。要は男子代表と同じで運べるドリブラーがいないのでプレスに弱いんだよな。

後半は急がず後ろで回せばもう少し余裕ができたはずである。しかしいつも一生懸命というチームカラーがもともとそういうちんたらプレイをさせない上に、前記の些細な事でブーイングが起きるカナダ観客の傾向もあって、時間潰し的なプレーは非常にしにくいムードだった。やはりW杯は舞台となる国によって、プレイに影響も出るんだなと現場にいてよくわかった。

しかし前半の日本の出来は万全だったし、後半不屈のライオン・カメルーンの技術と猛攻も素晴らしく、いい試合だった。「驚くほど楽しい試合だった」とカナダTV評。日本はスイス戦、カメルーン戦で出た弱点は戦術とプレイ選択で修正できるはず(具体的には攻め急がずポゼッションを上げるとかね)。カメルーンはスイスだって倒せそうじゃない?
 
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06/16(火) □ エクアドル戦
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今日のエクアドル戦を見ていたら攻撃力の低さにやや悲観的になったのだが、来週のベスト16戦もチケットを取った。相手はオランダが有力で、対カナダ戦を見たが縦が超速い。DFは必死の防戦となろう。しかしまあどことやっても接戦になるのがなでしこの持ち味だし、バンクーバーではもう3試合目で地の利はある。

なでしこはなんで攻撃時あんなにワイドに開くのかと、カメ戦も今日もずっと思っていた。開いてDFを引っ張り出したいのはわかるが、開けば開くほどゴールから遠ざかる。遠くからクロスを入れてもゴール前で待ち構えたDF陣のほうがフィジカル的に有利なわけで、得点機にはなっていない。

誰が見てもそうだと思うが可能性を感じたのはやはり有吉・鮫ちゃん・岩渕が仕掛け、近くの味方とのコンビネーションで崩した時で、岩渕が入ってからは皆が選手間の距離を狭めショートパス&ムーブで崩そうと試みていたと思う。これをやらせたら大会チーム中日本がベストなはず。これしかない。

次まで1週間ある。合宿をどこでやってるのか知らないがこの快適な高原気候の初夏のバンクーバーを日陰は涼しいのうありがたいのうと楽しみつつ、ショートパス&ムーブ攻撃を磨いてほしい。そして岩渕は脚を治しフルに働いてもらいたい。澤は最後まで動けていたし、光明はある。頼んます。◆